No.73284

幻想卿に男が降り立ったようです

kikiさん

休憩で創作。ハサミはさみで作ってきます。
男って幻想卿じゃこーりんだけなのかな? 
(`・ω・´)シラネ!

2009-05-12 20:40:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1737   閲覧ユーザー数:1572

、、暑い。

蒸される。 

 

「、、やばい、オレ自分ん家の神社で死体になって出てきたりしないよな、、?」

体中から汗が噴出して服が体にくっ付く度に剥がす

神社の階段から続く石の一本道が熱を持って足袋を履いた足を足袋越しに蒸していく。

オレは今、神社。司土神社(つかさどじんじゃ)の手伝いをしてる。理由は一つ。オレがここの殉職、じいちゃんの孫だからだ。

周りは森林が囲って涼しい空間もある。ソレ所かここは猫の屯場でもある。

この炎天下の中ネコに適応する環境を作り出す木の下はさぞ涼しい事だろう。

だがオレの今する仕事は残念ながらその木の陰から出なければこなせない。

ソレは神社の設備である鳥居や参道(階段からの一本道)狛犬、燈籠(とうろう)から手水舎(ちょうずや)まで全部雑巾で拭いていく。手水舎はまだ水が溜まっているからいいとしてだ。

鳥居やら燈籠やら狛犬は炎天下の中まさに太陽の加護を受け素晴らしいまでに焼けてしまい手を濡らさなければ火傷しかねない温度に上がっていて濡れ雑巾とはいえ油断すると負傷する。

そしてオレも狛犬達を洗ってる間は太陽の加護を直に受ける訳だ。太陽よ、、少し位休んだっていいじゃない、、今夏休み中なんだしさ、、(泣)

「お~い、神雅~」

お。「じいちゃん。なに?」

あぁ。そうそう。オレの名前は奉屋 神雅(まつりや かみまさ)と言う。そこんとこよろしく。

 

「いやはや、ソレがなぁ、家の神社に奉ってる神さんは知っとるのぉ?」

「え?、え、、と、、(やば、忘れた)」オレがあたふたしてるとじいちゃんは話を進めてくれる「やれやれ。自分の大事な神さんじゃろうが、ちゃんと覚えとかんとなぁ、?」呆れた様な声を聞いてちょっと恥かしくなって頭を掻く

「家の神様。土司ノ尊(つちつかさのみこと)様にお供えする物を買い忘れてしまってのぉ。ちと買ってきて欲しいじゃが。」

なるほど。家の神様はかなりの頑固者だったらしく、自分の着る服、食べる物から歩く地面まで自分の気に入った物じゃないと満足いかない方だったらしく。自分の気に入らない地面は自分の司る力で作り変えたらしい。地面、土、その他諸々の大地に関する物全てを作る力で地面を作り変えた、そしてこの世の地面は全て今の土に作り変えられたそうだ。

そんなわがままな神様の好きな食べ物はここの神社からは少し遠い店に置いてある物。

ソレはいくら元気なじいちゃんでも少しキツイ距離だった。だからオレに頼みに来たのだな、とオレは推測した。

「わかった。じゃあ買って来るから待ってて」

 

 

 

 

オレは自分の着ていた袴を脱ぐ。袴のむさ苦しい所を脱いでいく。汗でべとべとだ、、後で風呂入らなきゃ、、。帯を取ったらやっと締め付けられた様な圧迫感が取れていった。

全身の汗をタオルで軽く拭いたらTシャツを着る。汗がまだ残ってたのか時々服体に引っかかる。

ズボンはGパン。丈が大きく切られサイズはショートパンツ程度。そう言うとどっちかと言うとGパン素材のショートパンツかも。靴下を履いたら財布をポッケに突っ込み襖を勢い良く開けて靴を履いて店に歩いていく。

途中の神社の道は熱が持ってて靴の下のゴムを溶かしてしまうので参道の上は歩かない。

そして階段の辺りに来たら近くにいたじいちゃんに言った「いってきまーーす!」とオレが手を振りながらいったらじいちゃんも手を振ってくれていた。

 

 

 

 

「あっちぃ、、」

歩きながら俺は愚痴った。てか勝手にでてた。結構薄着のはずなんだけどな、

熱の篭ったアスファルトが熱を反射して顔面を暑く炙って来る。上も下も熱地獄と言う事だ。

道行く人は皆ぐったりし、散歩する犬達もぐったりしてしまっている。体から汗がまた垂れて地面に落ちるが直ぐに水蒸気になり乾いていく。10秒後にはそこに水分が落ちた形跡は残っていない。影を見つけると入り入り休憩してからまたスタート。と言う感じで進んでいく。

そこで横道を発見する。

「やっとたどり着いた、、。」オレはそこに半ば早足でたどり着く。

コケ臭いが凄く涼しい。(ここが近道なんだよなぁ~♪、、)そこで軽い足並みで歩く。

(、、そういや、アイツなんかハヤってるって言ってたな、、)

アイツとはオレの親友+悪友の事だが、アイツは流行り事には敏感ですぐにオレに教え(自慢)してくれる。ソイツが、

「おいおい!神雅!聞いてんのか!」

「あ、ああ」

「おっまえ時代遅すぎ!なに?石器時代出身ですか?!まさか東方を知らんとはねえ~!」

「んな事言ったって、、俺ん家テレビとこたつと後は全部生活道具位しか機械ないしな、、」

「お前学校にはパソコンと言う信じられない程の情報網があるだろ!てかパソゲーだし、知らねーかもねぇ」、、、と。アイツ曰く、巫女やら魔女やら吸血鬼やらメイドやらが飛び回るゲームらしい。しかも皆斬新な格好をしていて。巫女に至っては脇の部分がないのだとか。

涼しそうだが、巫女がそのカッコは不味いだろうに、、ま。ゲームだしねぇ。

っと。、、、、あれ?

歩く足を止める。

「、、、こんなとこに道あったっけ?」そこは細い明るい道に繋がっていた。コケ臭い道とはかけ離れた素晴らしい楽園の如く光り輝く一本道。見覚えがない道で少し興味が湧いた。

(、、、、時間はまだあるし、、ちょっとぐらいなら、、)

オレはその道に導かれる様にその光る道に入っていく。

 

 

 

気持ちいい場所だ。

木がいっぱい生えていて、その間を太陽が照らしている。木と太陽のコラボのアートとも言えるこの陰に息を呑んで堪能する。きれいな花が所々に生えていてその花を指でつんつん突付いたらきれいな花粉と甘い蜜の香りを飛ばしてきた。涼しい。太陽が照り付けている筈だが木のおかげだろうか?でも木だけでこんなに涼しくなるものかな?とちょっと疑問に思ったがどうでも良くなった。

「いい場所だな、、」オレは言葉を零していた。(今度からはここら辺で本でも読むかな、、)

自分の今後の未来設計がドンドン組み立てられていって楽しくなる。ワクワクした心で歩いていくと。フッと息を吹きかけた様に唐突に目に入る。

 

 

階段

 

古い感じの少し階段と階段の間に草を生やしていてその草から雨でも降っていたのだろうか?

小さな花の中から水がポチャリッと地面に跳ねた。

でも最近雨降ったっけ?

その階段は高い。家の神社なんかよりも。もっと。もっと。もっと高い階段。

その階段の向こうに太陽があって何故か凄く神々しく感じた。

そしてその階段の向こうが気になりどうしても上りたくなった。

向こうにはオレの求めてる物がある気がする、、。

オレはその階段を深く深く踏みしめて上っていった。

 

 

 

もう少しで上りきる。

もう少しでたどり着ける。

やっとの事でオレは何かを果たそうとした。

元の目的などもう忘れていた。

後10歩程度で辿り着けるのだ。

後、、少し、、!

そしてそこにあったのは、、神社だ。オレの所程の大きさの神社。やすびれた神社だがなにか惹かれる物があった。そして其処には、、巫女がいた。赤い芯となった線にその向こうから白い布質が輝いた。そしてオレは階段を上り切りその光景をちょっとの間眺め続けた。

(、、、うわあ)純粋な感動だ。

その神社の周りの森林はオレの所より薄暗い不気味な感じではない。

どこか神秘的な物を感じさせてくれる。

そして眺めるだけ眺めたら取り合えず神社に近づこうと歩き出す。

そして巫女の方を見る。

巫女はどうも落ち葉を集めてるらしい。

(あれは夏場でも結構落ちてるからなぁ、、)

少し同情の念を感じた。そしてクスリと笑ってしまうが聞こえてない様だった。

そして神社に足を進めると、

(、、?脇に布地が、、ない?)

巫女の服の脇の部分に布がない様だ。肌が露出されていてソレを見て顔が熱くなった。

(イケナイイケナイ!平常心平常心!!)

顔を横に振る。そして脇が露出した巫女はオレの心境も知らず黙々と落ち葉を竹箒でかき集めていた。

そして神社にたどり着いて目の前に賽銭箱があったのを確認する。

(ん~、、、せっかくだし。ここの神様にもひとつ。お願いしとこうかな。)

そしてポッケに突っ込んで置いた財布を取り出す。

そこから5円(御縁がある様に)を取り出し賽銭箱に

投げる。チャリーン

                        ピクッ

カラカララァン(鈴を鳴らす音)            ピククッ

 

そしてお願いTAIME、、、ん?    スズドドドドドドドドド!!

 

後ろを振り返ると脇が出ている巫女がこっちに突っ込んでくる!

状況が飲み込めずそのまま固まる。

そして巫女が、、突っ込んできた。賽銭箱にほんの一瞬でたどり着く。

網目となる部分である所をつかむ。そりゃもう必死な形相をして。

そして、、2秒位立ったら、、バッ!こっちを見た!

そしてオレはビク!と体が震えた。

「、、、、と、」ボソッと何かを言ったようだ。

「、、ぅえ?、、え?」

「あっっっっりがとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

グギーン!

「ヘブォあ?!!」いきなりすっごい力で抱き付かれる。てかタックルされる。

体がいきなり凄い勢いで吹っ飛ぶ。ずっとその巫女はくっ付いている。

そしてそのまま1,2m飛んで、、地面に背中から着地。巫女はオレの上だった為ダメージなし。

だがオレは巫女と自分の体重が自分に圧し掛かった。「、、げぶっ、、」

「ありがとう!!あなたいい人ね!まさか賽銭を入れてくれる人にめぐり合えるとは思っても!、、ってあれ?ちょっと、どうしたのぉ、、、?」

オレの意識は薄れ暗転していく。そして思った。なんだこの巫女、、、、。

 

つづくぅ

 


 
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