明かりも消えた夜の街、彼女は会社の残業から帰る途上だった。彼女の出身はごく普通の田舎街だがそれなりの容姿端麗、頭脳明晰で結構評判が高く、写真集のモデルやテレビの取材や出演がそこそこあったが、彼女は公の場に出るのを断り、そこからかなり離れた都会の大学に受かり卒業。その街の大手の会社 に入社、その美貌と知勇で社長から気に入られ側近となった。そんな夜の帰り道、彼女の身に異変が起こる。
(息が・・・)
急に彼女の吸う空気が薄くなり、喉を抑える。
その時、妙な感触がした。
肌がザラザラし始め、首筋から三本線が入る。
さらにその喉を抑えている手にも異変が起こる。
指の感触が無くなっていると思えば合体しひとつの扇状の物へと変形していく。
さらに脚がだんだん狭まってゆきパンツを破り一体化していく。
胴体がだんだん太くなり括れたところが無くなり着ていたスーツが弾け跳んだ。その時その鋭くなっていく瞳からは涙が流れていた。
何故ならこのスーツは彼女の母が娘のために弱りきった体でコツコツと働いて貯めたお金で購入した特注のスーツだったのだ無情にも体の変化は母の想い事スーツをつき破り、背中に一本の鰭が立ち体の色が変色、最後に鼻先が伸びてそれに引っ張られるように顔が前に付きだし、口が裂け歯がナイフのようになってゆくと、そこには大型の鮫が横たわっていた。
翌日、とある会社の社長室にて電話がかかって来た。
「そうか、実験は成功か。なあに彼女は賢い、野生の世界でも十分に生きていけるだろう。とはいえ、いきなり鮫にされたんだから水族館にでも売ってあげなさい。何?本当に良かったかっ
て?私の正確を知ってるだろう、美女 であるほど獣にしたいって 。」
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pixivで投稿した記念すべき作品です。スーツの女性が鮫に変身する小説です。