「それで、何でねねちゃんと恋ちゃんと一緒に寝てたのかなー?」
「いや、あの、そのえと…すんませんっした!!」
このままリンチが始まるんじゃないか、と思える雰囲気の中…リトは問い詰めて来た桃香に全力で土下座した。
…あの後、リトの様子を見に来た鈴々と璃々に恋と音々音と一緒に寝ていたところを見られ、現在こう言う状態に。
部屋の主の華陀は薬の調達、貂蝉はその手伝いに出掛けている。
ちなみに寝ていた二人はと言うと…
「ねねちゃん、抜け駆けは駄目って言ったよね!?」
「そうだよ、ボクだって兄ちゃんと一緒のお布団に入りたかったのにー!」
「し、仕方ないのです!リト兄ィと一緒に寝る特権はねねが持ってるのです!」
「何それ!?リトはシャオのお婿さん何だからね!?ここ凄く大事!」
「お兄様と寝る…今度寝られなくなったら頼んでみるかの…?」
「フッフーン♪鈴々は前にお兄ちゃんとお昼寝したのだ!」
「璃々も璃々も!あのね、おにーちゃんのお膝ね、凄く気持ちよかったよ!」
「へぅ…あの、恋さん。リトさんと一緒に寝るのは、ちょっと……へぅ~…」
「そうだな。ねねならともかく、恋の場合は少し男女の関係として…」
「冥琳は固いなー。じゃあアタシも今晩入って…」
「雪蓮、アタシも混ぜな」
「何言っとんじゃ堅殿」
「そう言う祭殿も行きたそうだが?」
「星もだろ!?クッソー…エロエロ魔神め…」
「翠も嫉妬する歳になったのか…オレぁ嬉しいねぇ」
「…………皆もご主人様とお布団入りたい?」
「ななな、何いってんのよ!?ボクがあんなのと一緒になんて…!?」
「そ、そうだぞ!…まあ…、平沢がどうしてもと言うなら…いや、私は何を!?」
「姉者落ち着け…、その時は私も…」
「「「え?」」」
リトとはだいぶ楽だが、問い詰められていた。
て言うかなんかカオス…混乱的な意味で。
リトの耳に断片だけしか入らないのは奇跡だろう。
そんなこんなで、華琳はリトに訪ねる。
「…それで、貴方は今後どうするつもり?」
「俺が眠る前に言ったろ?…我が儘になるって」
「それはつまり…どういうことで?」
「そのまんま。俺はお前らと、明日を生きたい。それだけさ」
リトの言葉に聞いていた殆どの者が顔を赤くする。
リトは分かっていないが…この言葉、ほとんど告白みたいなものだ。
リトに好意を持つ者にとっては、赤面しないわけない。
華琳は一息つき、一応誤解を解こうとする。
「あら、嬉しいことを言うわね。でもいいのかしら、私達で」
「当たり前だろ。友達なんだし」
「「「……………」」」
「え、何でこんなにテンション下がってんの?」
「自分の胸に手を当てなさい、醜男」
「相変わらずなお兄さんですねー」
「…逆に同情しますよ」
魏の軍師にそこまで言われるが、リトは頭を傾げるだけ。
…照れて損した…
大体のメンバーがそう思う。
仕方ない、こんなのに惚れた自分達が悪いのだ。
まあそんなことより、愛紗はリトに質問する。
「あの、一緒に居ると言う事は…リトは私達の世界に居続けるのですか?」
「いや、それは出来ない。俺は自分の世界じゃないと歳を取らないし永遠に寿命で死なない。だから、融合させる」
「融合?」
「ああ。この外史の人間達を、俺の世界にいる人間達に融合させる…ってのがいい表現かな?て言っても、前の世界の記憶を消した時点である意味皆殺してるようなもんだしな…」
それもそうだ。
再創造すると言うことは、前の世界の記録を全て書き換えること。
たとえ前の世界の人間が人格ごと引き継がれようが、それはまやかしでしかない。
前の世界の人間は死んでいると言っても同然だ。
それに音々音達が記憶を取り戻した時点でこの外史はまた崩れ去ろうとしている。
それを含めて融合させるのにちょうどいいのだ。
「関係無いわ、そんなの」
「蓮華…?」
「私達は前の世界で争ったわ。たくさんの命を奪った……でも、記憶を代償にしているリトなら、そうだとしても大丈夫。私は貴方と一緒にいる選択をするわ」
「まぁ、儂はもう平沢の近くにいるみたいだからのぉ」
「あら、祭さんたらズルいわね」
「儂らは平沢の近くに居らんのだがな」
口々にそう言う蓮華、それにじゅく…御姉様方。
それだけでなく周りも笑って頷いている。
リトはそれに少しだけ感謝した。
我が儘を聞いてくれてありがとう、と。
「よし、それじゃあ華陀達が戻ったら早速、」
「リト兄ィ、ちょっと待ってくだされ!」
リトが立ち上がるのとほぼ同時に、今まで問い詰められていた音々音が目の前にやって来る。
どうしたんだろう…リトはそう思っていると、音々音は頬を少し膨らませていた。
だが、その頬はうっすらと赤い…まるで、恥ずかしがってるかのようだ。
「ねねはリト兄ィが記憶を消すなんて聞いてなかったのです!」
「あー…それは、悪い…」
「謝ってもダメなのです!ねねは怒ってるのですぞ!」
腕を振り、怒っているとアピールする音々音。
凄く和むのだが、一応リトは我慢する。
そんな音々音は腕を振るのを止めると、その顔を一気に赤くさせて口を開く。
「だから、その…リト兄ィ…」
「うん?」
「ねねに…許して欲しいのですか…?」
「そうだな…許して貰わなかったら後で気まずいし」
「じゃあ…ねねに…ち…ちち…ちゅー…」
「…え?」
「ちゅー…してくれたら…。…ちゅーしてくれたら、許してあげるのです!!」
「「「 」」」
瞬間、リトと音々音、恋、璃々以外が凍りついた。
…そして、真っ先に正気に戻ったのはチビッ子軍団+α。
「ねねちゃん!!何言ってるの!?」
「こ、言葉通りの意味なのです!!」
「ズルイズルイズルイーーー!!シャオもするー!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!ボクだってまだ兄ちゃんとしてないのに!」
「お兄ちゃんモテモテなのだ!」
「お嬢様、ちゅーしちゃうと妊娠しちゃうんですよー?既成事実が作れますね♪」
「そうなのかえ!?」
「そーなの?お母さん?」
「違うわよ、もっとねっとりして熱い…」
「ストーップ!?子供に何教えようとしてるんでしゅか!?」
「あわわわ!?あわわわ!!!?」
なんかすごいごちゃごちゃになっているが、次々と意識を取り戻していく。
ある者はいいぞもっとやれ状態で、ある者は真っ赤になり、ある者は自分もと立候補する。
「はい、じゃあアタシも!」
「姉様、お止めください!」
「蓮華は奥手だねぇ、じゃあ見本でアタシが…」
「ヒューヒュー!アニキのスケコマシー!」
「ちょっと文ちゃん!」
「騒がしいですわね、全く」
「そうだな、ま、しょうがないけど」
「あ、あの!私もリトさんとキスしたいですっ!」
「あ…その…わた…し…も…」
「穏は苛めてください、辱しめてくださいぃ~♪」
「コイツ…変態か…?」
「「「「にゃー…!」」」」
「美以達がもう飽きちゃってるよ…」
「ワタシは…まだ、って何を言ってるんだ!?」
「私もするもん!愛紗ちゃんに遅れは、ムグッ!?」
「と、桃香様…!」
「ちゅーしてもらうのはねねなのですぞ!外野は引っ込んで…」
静粛に、と言いたげに音々音は抗議しようとするが…それは嫌でも現実となる。
何故ならば音々音はリトに体を引き寄せられ…
額に、そっと唇が当てられたからだ。
「「「…………」」」
「これでいいか、音々音?」
「………」
「さすがにマウストゥーマウスは好きな奴にするのがいいからな。額にしたんだが…」
「………」
「…おーい、音々音ー?」
「…ふにゃぁぁぁ……」
リトは音々音の顔の前で手を振っていたが意味がない。
だって本人嬉しすぎて自分の世界に入ってるし。
とりあえず、騒ぎだすまで後五秒。
華陀達が戻ってくるまで続くらしい。
「じゃあ、やるぞ」
外に出たリト達は再創造の覚悟を決めていた。
と言っても、そんなものは当に決まっていたのだが。
ちなみに貂蝉は外史から出ている。
融合に巻き込まれないためだ。
「………ご主人様、また一緒?」
「ああ。一緒さ」
「……………うん♪」
「リト兄ィ、融合が終わったらすぐに来てくださいなのです!」
「分かってる。すぐにお前を見つけ出すよ」
輝石を握り、そして開く。
この光景を見るのは二度目だが、決定的に違う。
「じゃあ、また後で」
世界は、優しい青に染まった。
XXX「注意:リトは誰にも手を出してません」
リト「当たり前だ!?」
一刀「後書きコーナーです」
リト「目が覚めたら首もとに包丁が添えられてました」
一刀「それ思春だろ」
XXX「それで正座をさせられ重圧をかけられたと」
リト「近くで恋達が騒いでて緩和できてたけどな」
一刀「それで融合って…」
リト「ああ。前作の長編でもやったように、特定の人間の記憶を俺の世界の人間に移植するみたいなかんじ」
XXX「元々再創造で消してるし、やってることはあんまり変わってないね」
一刀「それはそうと…何で額にやったんだ?」
リト「?何を?」
一刀「キス」
XXX「Kill you」
リト「作者黙れ。本編でも言ったけど最初は口の方がいいだろうと思っただけ。音々音だって口にって言ってないし」
XXX「それでもくたばれコノヤロウ」
リト「よし、作者絞める」
XXX「 」←何かで絞められた痕
リト「はい、次回予告ー」
一刀「華麗に死体無視したな。…次回でとうとう最終話。視点は三人称、?と???な話」
リト「三巡編 “はじめまして”」
XXX「……実を言うと、次回は後書きコーナーが本編に匹敵する長さなんだ」
リ一「「はぁっ!?」」
ΣΟДΟ再見
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三巡編
また後で