文「ほう、呪いのカメラですか」
にとり「そう。呪いのカメラとフィルム。そういう呼称だけど。」
文「ちなみにその呪いというのは一体?」
にとり「なに、大した事は無いさ…こうして適当に写真を一枚パシャリと撮るだろ。」
文「ふむ、風景がバッチリと写ってますね。」
にとり「そう。ただの品という名の呪いだよ。」
にとり「あたしとした事がこんな普通の物を作ってしまうとは情けない。」
にとり「で、どうだい?買うかい?今ならタダにしとくよ。」
文「そんな事言って端(ハナ)から売る気なんてないんでしょ全く。」
にとり「はは、まぁね。そもそもこんな欠陥品は売るのが筋違いってもんさ。」
文「そうですね。では欠陥品としてありがたく引き取らせて頂きましょう。」
にとり「毎度あり。ま、好きに使って頂戴よ。」
にとり「ただフィルムは残り3枚しかないからね。良く考えて使いなよ一応。」
~少女移動中~
文「さてこのカメラ、一体どうやって使いましょうか。」
文「あのにとりさんが作った物ですから何か特殊な効果がある筈なのですが…。」
?「ちょっとアンタ何してんのよ。」
文「おやそこに居ますは姫海堂ほたてさんではないですか。」
はたて「出合頭から失礼な奴ね…川に沈めてわかさぎ姫の餌にするわよ。」
はたて「一応言っとくけど姫海堂はたてよはたて。今を時めく新鋭の新聞記者。」
文「そうですね。今を時めく引きこもりの新聞記者)ボソッ」
はたて「アンタって奴は…まぁもう慣れたからいいわ。」
はたて「それより何変なカメラ持ってウロウロしてんのよ?」
文「あ、これはですね。にとりさんから頂いた不良品です。」
(勿体無い気がしますが折角なのではたてさんで試してみましょう。)
はたて「ふーん。不良品のカメラを使う新聞記者なんて書かれる新聞の方が可愛そうね。」
文「いえいえ弘法筆を選ばず…不良品を使いこなしてこそ一流の記者というものです。」
文「というわけではたてさんにお願いなのですが一枚撮らせて頂いて宜しいでしょうか?」
はたて「別に構わないけど…変な事に使わないでよ。」
文「それでは撮りますよーハイ笑って。」
(ジーッ カシャッ)
文「はい撮れました。」
はたて「なによ何の変哲も無いただの写真じゃない…ってなによコレ!」
はたて「服が透けて肌まで丸見えじゃないの!」
文「ほほう、そういう事ですか…なるほどなるほど。」
はたて「明らかにおかしいでしょそのカメラ!」
文「いえ、確かに不良品ですがカメラとしては十二分に使えますよ。」
はたて「アンタ意味履き違えてるの分かってる上で言ってるでしょそれ…。」
文「では私はコレで失礼致しますね)サッ」
はたて「コラッ!どっか行く前に写真渡せコラッ!」
~少女高速で移動中~
文「はたてさんで遊…試してみてカメラの効果はハッキリしました。」
文「どうやら被写体の服が透けてしまうみたいです…人間で言うところのスケベですね。」
文「恐らく人里の男の未練が篭っているのでしょうが…そう考えるとなんだか哀れな気がしてきました。」
文「これからは親しみを込めてスケベカメラ…スケさんと呼ぶことにしましょう。」
文「さてさて、一体残りのフィルム2枚をどうやって使いましょうか。」
文「取り敢えずレミリアさん家にでも行ってみましょうか…新聞記者としてね。)ニヤリ」
紅魔館~正門~
美鈴「うぅ、今日も一人寂しく立ち仕事かぁ。」
チルノ「わーい!雪だるま雪だるま!」
美鈴「はーい雪だるまですよ…。」
美鈴「折角なのでコレをこーして…わーい咲夜さんだぁ。」
チルノ「すごいすごい!今度は紅いの作って!紅いの!」
美鈴「霊夢さんですねぇ…分かりましたぁ。」
(シュッ)
文「はいどーも900分で30円。今ならお買い得の射命丸文です。」
美鈴「わっ!誰だ!侵入者か!?」
文「あるじの知人に対して侵入者とはなんと無礼な。」
美鈴「なんだ文さんじゃないですか。何か御用ですか?」
文「実はですね…これがこーしてあーなって…。」
(美鈴さんには話しても良さそうですね…この人なら余計な事はしないでしょうし。)
美鈴「えぇー!被写体の服が透けちゃうカメラですか!」
文「そう…私と固いナニかで結ばれた通称スケさんです。」
美鈴「固いナニかって…あぁ『絆』の事でですね。」
美鈴「それでそのスケさんとやらを使って一体何を?」
文「まぁ詳しい事は一勝負してからお話しましょう。」
美鈴「そうですね、一応私も門番としての立場がありますし…いざ勝負。」
~数分後~
美鈴「あ、やられちゃった…。」
文「私の勝ちですね。というわけでここは通してもらいますよ。」
美鈴「はぁ…で、茶番はこれぐらいにして目的は一体なんなんですか?」
文「なーに些細な事ですよ…実はですね)ゴニョゴニョ」
美鈴「なるほど…まぁあまり事を大きくしないようにして下さいね。」
美鈴「じゃあ私はお昼寝するので後は一人で頑張って下さい…ふぁ。」
文「お心遣い感謝致します。ではでは~。」
~紅魔館廊下~
文「いや~流石は紅魔館…大きいですねぇ。」
文「幻想卿で屈指の速さを持つ私ですらこうも移動に時間がかかるとは。」
(まぁあの従者が変な空間をいっぱいくっつけてるせいなのですが。)
文「と、噂をすればなんとやらですね。」
?「なんだか表が騒がしいと思ったらどこぞのカラスじゃないの。」
文「これはどうも咲夜さんこんにちは。」
文「ちなみにカラスじゃなくてカラス天狗です。烏賊と蛸ぐらい違いますよ。」
咲夜「どっちでもいいわよ…大して変わるもんじゃないし。」
咲夜「で、今日は一体何をしに来たのかしら?」
文「いやなにちょっと写真を一枚撮らせて欲しいだけです。」
咲夜「…まぁ一枚だけなら特別に許可してあげるわ。」
咲夜「その代わり用が済んだらとっとと帰ること。いいわね?」
文「お心遣い感謝致します。それでは撮りますね。」
(ジーッ カシャッ)
文「ご協力ありがとうございました。それでは~」
(パサッ)
咲夜「…」
文「あや、故意に落としてしまいました。」
文「しかし流石は咲夜さん。スラリと伸びたおみ足に均整のとれた身体が素敵です。」
文「ただ胸が控えめなのは些かマイナスかもしれません…。」
文「いやでも私は胸の大きさよりも心の大きさの方が大事だと思いますよ!」
(シャッ)
文「あぁ、美しい肢体が…なんと勿体無い。」
咲夜「…そのカメラと羽を毟り取ってから血抜きした後物干し竿に吊るしてやるわ!」
文「そんなに心が狭いと身体も器も小さな人間になっちゃいますよ?」
咲夜「黙れこの黒!プライベートスクウェア!」
文「あら危ないったらありゃしない。」
文「しかしこの人とマトモにやりあうのは流石にマズイですね。」
文「とはいえ勝つのは無理でも負けない事なら簡単です。」
文「時間とは即ち速度。私の速さに時をその止める力、どこまで通用しますかね?」
咲夜「逃げる気か!待てこの害鳥!」
文「取り敢えずこの広さを活かして持久戦と行きましょう。」
~数十分後~
咲夜「はぁはぁ…連続で能力を使用すると疲れるわね。」
文「流石に疲れてきたようですね。」
(とはいえコチラも限界なのでそろそろオサラバといきましょう。)
文「たのもー!」
?「真昼間から大声を張りあげて一体なんなのかしら?」
咲夜「そのお声とお姿は…レミリア様!」
(いつの間にかレミリア様のお部屋にまで誘導されていたとは…コイツ。)
レミリア「まだ起床の時間まで3時間以上あるわよ咲夜。」
文「あ、どうも。寂しい時はいつも貴方の心の中に…烏天狗の射命丸です。」
レミリア「ふぁ…ん。こんにちは。相変わらず口が減らないわね。」
レミリア「まぁ芯はしっかりしてるから嫌いじゃないのだけれど。」
文「ふ、褒められてしまいました…また一段と輝いてしまいます。」
レミリア「ところで私に何用かしら?まだ寝起きで意識がハッキリとしていないのだけれど。」
文「大事な大事なシャッターチャンス!そこいただき!」
(パシャ)
レミリア「?」
文「はいどーも。じゃあこれ咲夜さんにあげます。」
咲夜「えっ…お嬢様のヌード写真…!?」
文「隙アリ!」
咲夜「しまっ…!」
文「ははは、写真に気をとられてみすみす侵入者を逃がすとは従者失格ですね!」
文「折角なのでサービスです。メイドの土産にこれもあげましょう!」
(バラバラ)
咲夜「これは…私の写真!いつの間に!」
文「ふふふ、先ほどの追いかけっこの時に密かに撮っていたんですよ。」
文「どうやら記者としての私の本分を忘れていたようですね!」
文「白昼に倒壊する紅魔館!慌てふためくメイド長!一体館に何が!?」
文「館に新たな侵入者か!はたまた館でデモ勃発か!?」
文「これは面白いニュースになりそうですねーそれでは~。」
咲夜「くっ、負けたわ…完璧に。」
(でもお嬢様のヌード写真が手に入ったからまぁいいか…。)
レミリア「なんだか事態が飲み込めないのだけれど…取り敢えず私はもう一眠りするわ。」
咲夜「は、はいお嬢様。ごゆっくりどうぞ。」
~妖怪の山付近~
文「ふぅ…騒がしい一日でしたが、私もスケさんも咲夜さんも皆ハッピーで大団円というやつですね。」
(はたてさんだけは撮られ損な気がしますが…まぁ隅に置いときましょう。)
文「さてスケさんには今日一日本当にお世話になりました…お礼として丁重に葬らせて頂きます。」
文「ではこの辺に穴を掘って…ついでにはたてさんのいやらしい写真を添えて…よし完璧。」
文「これできっと志半ばで倒れた人里の男性の皆さんも安心して成仏出来る事でしょう。」
(ドーン)
文「おっと魔法の森付近で爆発が…新たな事件が私を呼んでいる。」
文「それでは次のスクープ目指し…いざ戦場へと赴かん!」
おわり
~あとがき~
ここまで読んでくれた奇特な方に盛大に感謝致します。
てか自分で書いてて思ったんですがこれ小説…と呼んでいいのだろうか。
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ドット絵の合間に小説でも書いてみるかと思って勢いだけで書きました。
文体とか良く分かりませんごめんなさい。
内容は稚拙ですがこれでも5日間悩んで書いたので許して下さい。