~鞘華視点~
建業を視認できる距離に来た時は太陽は既に真上を越していたが夕方にはまだ早いそんな時間帯だった
(午後3時くらいだろう)
「あれ?なんだろう」
目についたのは城外、まだ街からは結構距離のあるとこで馬車と騎馬10騎程が追いかけっこ?をしている
「鞘華様、あれは野党に馬車が襲われているのです」
静里の言葉も慌てているが、私も急いで救出に向かう
村で貰った馬は長老曰く
「この2頭は結構足が速いのだがいかんせん、力が弱い
軍馬としては優秀かもしれないが、村では農耕馬にも馬車馬にも使えません
しかし御遣い様たちには問題ないと思われます」
その言葉通りかなりの速さで馬車と野党の方へ走って行く
「どうした、もっと必死で逃げねえのか
それならそろそろ殺しちまうぞ」
「頭、街に近づき過ぎてます
そろそろ遊びもやめた方が」
「そうだな、そろそろ終わりにするか」
「くそ、もう少しで建業だってのに、仕入れの帰り道で野党に出会うとは」
「そら、死にな」
野党の頭と思われる人物が矢を放つ
商人の肩に矢が刺さり商人が馬車から転がり落ちる
馬車の馬は突如御者がいなくなったことで混乱してその辺りをうろうろしている
「じゃ、とどめだ」
野党が剣を振り下ろした
キンッ
私が手甲『玄武』でその攻撃を防ぐ
「こいつらは私が倒すから静里はその人をお願い」
「はい」
日本刀『朱雀』抜き野党達に向き直る
「何だお前ら」
「まて、結構いい女じゃねえか」
「鴨がネギしょってやってきたってところだ」
この時代にこの諺あるの?と心でツッコミを入れる
ついでに野党とかって私を見てすぐに慰み者にしようとか言うけど他にないのかな?
野党に向かって私は突撃する
最初に私から追いはぎをしようとした三ばか(私、命名)よりは強いだろう
だが私から見れば大したことは無い
峰打ちで、手下全てを叩きのめす
「やるじゃねえか、だが俺はそうはいかねえぞ」
野党の頭が馬を下り剣を構えてゆっくり近づいてくる
確かに手下どもとはレベルが違う
が、のんびりと相手をしているつもりもない
速攻、連続三段突き
急所は全てわざと外したが激痛で野党の頭は動けなくなった
「ふ~、
静里、そっちはどう?」
「肩と馬車から落ちた時の怪我がいくつかありますが命に関わるものはありません」
良かった、あとはこいつらをどうするか
「ふ~ん
結構やるじゃない」
声の主はピンクの長い髪をして、褐色の肌をしたかなりの美人だった
スタイルも完璧
だが、目つきは鋭かった
「やっぱり、こいつら例の奴らね
祭、こいつら生きてるから縛り上げて連行しなさい」
「了解した」
祭と呼ばれた妙齢の人物が遅れたやってきた兵たちに指示を出して野党達を連行していく
「さて、あいつらは私たちが連行して処断するわ
私としては暴れる相手を取られてちょっと欲求不満なんだけど楽できたから礼を言うわ」
「策殿」
祭と呼ばれた女性があきれた声を出す
「わかってるわよ
で、貴方達、ちょっと私と一緒に来て
悪いようにはしないわ、それに懸賞金もちゃんと渡すわ」
「懸賞金?」
何のことだろう
「知らなかったの?
あいつら最近この近辺でかなりの商人を襲ってる奴等なの
で、50000貫(約500万円)の賞金首になってる訳」
そんな制度があったんだ
「教えてくれてありがとう
でも一緒には行かないわ」
「へえ、理由を聞いても?」
目つきが更にきつくなる
だが、意に介さんとばかりの態度で
「名前も知らない相手と一緒に行くなんて子供でもしないわ」
「あ、名乗るの忘れてたわ」
忘れるなよと心の中でつっこむ
「私は性は孫、名は策、字は伯符よ」
この人が江東の麒麟児、孫策伯符
やっぱり、女性なんだ
私の平穏な日は終わりを告げる
~あとがき~
雪蓮が出てくるのは予想してたと思います
キャラ崩壊させないように気を付けます
この作品は「真・恋姫無双」を元にしているので「英雄譚」のキャラはオリキャラとしてしか出ません
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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今回遂にあの人登場