No.729048 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-10-10 00:27:03 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1853 閲覧ユーザー数:1705 |
~トリスタ~
「えっと……シャロンさんて何者なんだ?」
「アリサさんはシャロンさんがエリゼお姉様のようにメイドなのに、凄く強いのは知っていたのですか?」
「わ、私の方が知りたいわよ!?母様は詳しい経歴を知っているみたいだけど……」
リィンとセレーネに尋ねられたアリサは疲れた表情で答えた後戸惑いの表情で考え込んだ。
「しかし……これでようやく勝機が見え始めたな。」
「ああ……レオンハルト教官の助太刀には驚いたけど、それでも不利な状況である事は違いない。」
「やはり我らも出るしかなさそうだな……」
ユーシスとマキアスの会話を聞いていたラウラが提案しかけたその時何かに気付いたガイウスとフィーが後ろへと振り向いた。
「これは……」
「……微かだけど……」
「まさか……」
「そ、そちらは帝都とは反対方向ですが……」
何かに気付いた二人を見てある事を察したリィンは血相を変え、エマは戸惑いの表情で言った。
「ガーちゃん!」
「――――」
そしてミリアムはアガートラムを召喚してアガートラムの片腕に乗ってアガートラムを浮遊させた。
「デカブツ2機、近づいてくる!青いヤツと、緑のヤツだよ!」
「そんな……!」
「フン……随分な念の入れようだな。」
「どうやらトリスタを両面攻撃するつもりみたいね……」
ミリアムの報告を聞いたセレーネは表情を青褪めさせ、ユーシスとアリサは厳しい表情をした。
「……サラやレーヴェたちは向こうの8機で手一杯……」
「だったら……選択肢は一つしかないな。」
「ああ……」
フィーとマキアスの言葉に静かに頷いたリィンが神剣アイドスを鞘から抜くと仲間達もそれぞれ武器を取り出し
「みんな―――覚悟を決めるぞ。」
「おおっ!」
リィンの言葉に力強く頷いた後東口に急行した!一方その頃、2体の機甲兵がトリスタに向かっていた!
「―――トリスタ東口を確認。戦力は見当たらない。」
「フフ、かなりの使い手が集まっているという情報だけど。今頃ヴァルカンたちに制圧されている頃合かしら。まあいいわ、街に用はない。”C”の指示もある事だしこのまま学院に乗り込んで全学生を拘束しましょう。」
「了解、同志”S”。――――っ!?」
機甲兵の中にいるスカーレットの指示に頷いたテロリストだったが何かに気付いて驚いた。
「なんだ、あれは……」
「……?あらあら……フフ、少しは楽しませてくれそうじゃない……トールズ士官学院―――特科クラス”Ⅶ組”!」
街道で待ち受けているリィン達を見たスカーレットは不敵な笑みを浮かべて声を上げた!
「――――状況開始。”Ⅶ組”総員、これよりトリスタ東口の防衛を開始する。まずは先頭の機体を狙うぞ!」
「応!!」
「フフ、本気でこちらに立ち向かうつもりみたいね。2機がかりじゃ大人気ないしまずは相手をしてあげたら?」
「承知……!我らの大義を邪魔した報い、せいぜい受けてもらおう……!この機甲兵”ドラッケン”でな!」
スカーレットの指示に頷いたテロリストは機甲兵を操作してリィン達と戦闘を開始した!
未知なる兵器―――機甲兵との戦いは激戦となったが、リィン達は苦戦しながらも協力し、何とか1機を動けなくした!
「くっ……しまった……よもや学生ごときが……ここまでやるとは……!何だというのだ……こいつらの”力”は……!?」
地面に膝をついた機甲兵の中にいるテロリストは信じられない表情で声を上げた。
「はあはあ―――やったか!」
「……やはり関節部が狙い目だったようだな……!」
「後1機ですね……!」
リィンは息を切らせ、ガイウスは口元に笑みを浮かべ、セレーネは真剣な表情でスカーレットが操る機甲兵を見つめた。
「フフ、さすがは”C”のクラスメイトという所かしら?」
するとその時スカーレットが操作している機甲兵がリィン達と対峙した!
「ちっ……」
「その嫌味っぽい声……」
「帝国解放戦線の”S(スカーレット)”か。」
「フフ、鉄鉱山ではお相手できなくて失礼したわね。ガレリア要塞での借りもあることだし……お次はこの隊長機”シュピーゲル”で遊んであげましょうか?」
スカーレットはリィン達との戦闘を望むかのように剣をリィン達に向けた!
「くっ……?」
「な、なんだ……さっきのヤツとは違うぞ!?」
「隊長機……特別な装備でも積んでいるの!?」
「フフ、とっておきをね。無駄だとは思うけど……せいぜい足掻いてみなさいな!」
そしてリィン達はスカーレットが操作する機甲兵―――シュピーゲルとの戦闘を開始した!
シュピーゲルは特殊な機能―――”リアクティブアーマー”という結界を展開した為、アーツは一切効かず、更にはアガートラムの攻撃も一切通さなかったが、リィンが持つ凄まじい霊圧を秘めた神剣やアリサ達がかつてマルーダ城でもらい受けた”匠王”ウィルフレド・ディオンによって創られた強力な威力や魔術効果を秘める武器は”リアクティブアーマー”をも貫いてダメージを与えた。しかしリィン達は前の戦いのダメージや疲労が残っていた事に加えて、スカーレットはテロリストと比べると機甲兵の操縦も上手かった為、リィン達は敗北し、地面に膝をついた。
「そ、そんな……」
「わたくし達の攻撃は通じていましたのに……!」
「やっぱり連戦が祟ったね……!」
地面に蹲っているエリオットやセレーネ、フィーは悔しそうな表情をし
「さ、さすがに反則だよ~……というか何でリィン達の攻撃は効いているんだよ~。」
ミリアムは悲鳴を上げた。
「リアクティブアーマー。操縦士の意志で展開できる防御結界みたいなものね。本来は対戦車用の装備だけどこういう使い方もできるってわけ。でもリアクティブアーマーを貫いた事は正直、驚いたわよ?”C”から貴方達がかの”匠王”が作った武器を使っている事は聞いていたけど、まさかリアクティブアーマーをも突破するなんてね。まあ、頑張った方だから、悔しがることはないわ。」
「くっ……」
「”第五開発部”……何てものを作ったのよ……」
スカーレットの説明を聞いたユーシスとアリサは唇を噛みしめた。
「レン、そろそろ助太刀しますよ。」
「待って、サフィナお姉様。リィンお兄さんが”何か”しようとしているわ。」
一方その様子を飛竜に乗って上空で見守っていたサフィナはパテル=マテルの片腕に乗っているレンに視線を向けたが、何かに気付いたレンが制した。
「…………………………」
リィンは静かに立ち上がった!
「リィン……?」
「お、おい……」
リィンの様子を見たアリサとマキアスが戸惑ったその時、リィンの全身から凄まじい闘気がさらけ出された!
「……まさか………」
「”あれ”を解き放つつもりか……!?」
「だ、ダメです……!」
「やめるのだ、リィン……!」
「今の状態で”あれ”を解放するなんて、危険すぎます……!」
リィンの様子を見て何かを察した仲間達は血相を変えてリィンに制止の声をかけ
「ふふ、”C”が言ってた黒髪のボウヤの潜在能力……この”シュピーゲル”相手にどこまで通用するのかしらねぇ?」
スカーレットは不敵な笑みを浮かべてリィンと対峙した!
(多分……限界まで引き出せば命はないだろう……だが、それでもみんなを……大切なものが守れるなら……!)
(ちょっと、ご主人様!?何馬鹿な事を考えているのよ!?)
(私達の存在をお忘れですか?)
(リィン様が無理する必要はありません!)
(リィン……!)
決意の表情をしているリィンの様子を見たベルフェゴールとリザイラは血相を変えて念話を送り、メサイアとアイドスは悲痛そうな表情をした。
「駄目だよ、リィン!」
「やめてえええっ!!」
「お兄様―――ッ!!」
そして仲間達が悲鳴を上げたその時、リィンのアザがドクンと呻き、謎の声が聞こえて来た!
汝、力を求めるか?
「え――――」
声を聞いたリィンが呆けたその時、リィンは謎の空間にいた。
我が選び、汝が選べば、”契約”は成立する―――求めるのであれば、我が名を呼ぶがいい―――
”焔”を刻まれし者……”起動者(ライザー)”よ。
「こ、この声は……」
「――どうやら全ての条件が揃ったみたいね。」
リィンが声に戸惑っているといつの間にかセリーヌがリィンの足元にいた。
「セ、セリーヌ……まさか……お前が喋っているのか!?」
「あー、はいはい。今はどうでもいいでしょう。それより集中しなさい。アンタはもう”彼”の名前を知っているはず―――あの『異界の戦場』でね。」
「……!」
セリーヌの指摘を聞いたリィンは旧校舎の最下層での決戦の際、戦場から自分達が消滅する瞬間に見えたある名前を思い出した!
「(……そうだ……確かに俺は知っている……”彼”の名を……懐かしさすら覚えるあの名前を……)来い―――”灰の騎神”ヴァリマール!」
そして名前を思い出したリィンは片手を挙げて叫んだ!
え~……既にお気づきと思いますが機甲兵戦は全て省略しました(汗)それと先に言っておきますが閃Ⅰの騎神戦は閃Ⅱ篇に早く進みたいので全て省略します。その代わり閃Ⅱ篇は騎神戦も書くつもりです。ただ、現在考えている閃Ⅱ篇終章は完全オリジナル物ですからヴァリマールの出番があるかどうか微妙ですけどね(オイッ!?)
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第294話