スカレーを乗せたカモメは、高く飛んだかと思うと、まもなくすぅっと低いところを飛び、カモメがいっぱい乗っている潜水艦の上に着きました。
「さぁ、ついたよ。この潜水艦が泣いているんだよ、もうずっと泣いているんだ」
「つれてきてくれて、ありがとでスカレー」
スカレーはカモメの背中に乗ったままお礼を言いました。
潜水艦の上に乗るのは初めてで、こわかったのです。
「ねぇ、おりていいんだよ」
カモメが迷惑そうに言いました。
「うん…」しぶしぶ、スカレーはおりました。
「わぁ…」潜水艦の上に乗っちゃった!
「この潜水艦ね、長いこと仕事をしてきたのだけれど、もう年だし、新しい潜水艦に仕事を譲って、どくことになったんだって!」
「そうなんだ」スカレーは潜水艦をさすりながら言いました。
「どいたことが悲しくて泣いているんだね?」
スカレーは、悲しいときでもお話しできない動物を優しくなぐさめるように、潜水艦をなでました。
「ちがうの。」潜水艦が言いました。
「ちがうのよ、泣いているのはどいたからじゃないの。だって、どくことは新しい仲間を加えることだもの。毎日ちゃんと具合もみてもらえたし、誰の命も喪うことなく役目を終えることができて、とても自慢なのよ!・・・泣いているのはね、夢があるからなの。でも、それはとても難しいの。実はね、役目を終えた護衛艦は空にのぼることができるの。でも、私は潜水艦だから、潜るのは得意だけど、空を飛ぶなんてできないから、ずっとこうやって過ごすのかしらって思ったら、悲しくて、泣いてしまうの」
「空に!?」スカレーは驚いて叫び声をあげました。
「ムリだよね」
「ムリだよ」
カモメ達が口々に言いました。
遠くで、ラッパが鳴りました。お昼になった合図でした。
スカレーは、カモメ達と一緒に、潜水艦の思い出話をききました。
つづく
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つづきです。