No.726448

朝霧乃愛 短編小説【冬原初音との出会い編】5

坂学園☆初等部の短編小説です。

・公式サイト
http://www.sakutyuu.com/

続きを表示

2014-10-02 10:59:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:770   閲覧ユーザー数:764

 

●登場人物●

 

・朝霧乃愛

 

物語の主人公

桜坂学園☆初等部の三年生

 

・冬原初音(ふゆはら はつね)

 

桜坂学園☆初等部の五年生

 

・如月沙夕(きさらぎ さゆ)

 

朝霧家に勤めるカリスマメイド

桜坂学園☆高等部に通う一年生

 

 

 

 

 

 夢にまでみた初音様とのお話しの時間が終わって、乃愛とさっちゃんは係りの人に案内されて控室へ移動した。

 

 本当は、初音様に会えて溢れそうになっているこの気持ちを、はやくはやく、さっちゃんに伝えたかったんだけど、移動している間は係りの人がいたから、乃愛、我慢したんだよ。

 

 控室から係りの人が出て行ったのを確認してから、乃愛は思わず大きな声でさっちゃんに話しかけた。

 

「さっちゃん、さっちゃん、さっちゃん」

 

「なんだよー、乃愛。気持ちわるいな」

 

「だって、だって、だって……初音様にやっと会えたんだよ……」

 

「その気持ちは十分にわかってるから、素直に気持ちを表現しようね」

 

「ふーんだっ!さっちゃんだったら、言葉にしなくてもわかってくれると思ったのになー」

 

「私はエスパーや神様じゃないんだから……。まぁでも、乃愛の表情を見てなんとなく察しはついていたけどね」

 

 そう言って、さっちゃんは乃愛の頭を優しくぽんぽんっとしてくれた。

 

 すると、乃愛の目から涙がぽろぽろでてきたの。

 

「どうしたんだよ?!乃愛!気持ちをわかってあげられなかったから悲しくなっちゃったの?」

 

「ううん、違うの……」

 

「…………乃愛?」

 

 ごめんね、さっちゃん。たぶん乃愛は、初音様と会えてとっても嬉しかったんだけど、それと同じくらい、とってもとっても緊張していたんだね。さっちゃんにぽんぽんってしてもらって緊張の糸が切れちゃったんだと思う。

 

 さっちゃんはあたふたしながら、乃愛のことをすごく心配してくれた。

 

「さっちゃん、ありがとう。さっちゃんは悪くないよ」

 

 乃愛がさっちゃんに抱きつくと、さっちゃんは優しくぎゅっとしてくれたんだよ。

 

 緊張が解けたからか、乃愛は眠くなってしまって、少しだけソファーで休むことにした。

 

 それからしばらくして、控え室のドアがトントンとノックされ、係りの人が入ってきたの。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択