No.720243

リリカルHS エピローグ

桐生キラさん

こんにちは!
今回でこの作品も最終回です。
今までお付き合いくださり、ありがとうございました!

2014-09-21 18:20:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1883   閲覧ユーザー数:1680

 

 

 

 

 

はやて「ほな、行ってくるな」

 

私は玄関に行き、靴を履く。

するとバタバタと、私を追いかけるかのように八神家のみんながやって来た

 

ヴィータ「はやて!気をつけてな!」

 

ヴィータは笑顔なのに、どこか私に気を使ってそうな顔で…

 

シャマル「はやてちゃん…その、大丈夫?」

 

シャマルはとても心配した顔で…

 

はやて「ん?へーきへーき!もう大丈夫やで!やからそんな心配そうな顔、せんといて」

 

リイン「だったら、いいんですけど…」

 

リインもシャマルと同じ顔で…

 

シグナム「主はやて、お気をつけて。何かあれば、我々がすぐかけつけるので」

 

シグナムはいつものキリッとした顔やけど、とても必死そうで…

 

ザフィーラ「主…」

 

ザフィーラまでもが、悲しげな顔をしていた

 

はやて「あはは、大丈夫やって。じゃあ、みんな留守は任せるでな!行ってきまーす!」

 

私は玄関のドアを開け、目の前のマンションの最上階を眺めてから、歩き出した

 

 

 

 

あれから、二週間が経った

 

アリサ「おはよー」

 

すずか「おはよう!今日から二年生だね!」

 

世界は何事もなく、とても平和で、穏やかな日常が過ぎていった

 

なのは「おはよう!今日が楽しみで寝坊するところだったよ!」

 

フェイト「おはよう。なのはったら、皆と同じクラスになれるか不安だったんだよね」

 

ここには皆が居て、皆が笑っている

 

なのは「当たり前だよ!私だけハブられてたらどうしようって思うでしょ?

特にフェイトちゃんと離れたら…」

 

フェイト「うぅ…それは嫌だ…」

 

ただ、あいつを除いて…

 

はやて「みんなおはよー」

 

私がみんなと合流し挨拶すると、みんなの表情は一瞬曇るも、すぐに笑顔になった

 

なのは「おはよーはやてちゃん!」

 

フェイト「おはよう、はやて」

 

アリサ「おはよー。今日からまた学校ねー」

 

すずか「おはよう。今年もよろしくね」

 

みんなが挨拶を返してくれた。たったそれだけやけど、それが無性に嬉しい

 

はやて「みんな早いなぁ。もう新クラスは見てきたん?」

 

アリサ「まだよ。なのはなんて、それが気になって眠れなかったみたいよ」

 

はやて「あはは、なのはちゃんらしいなぁ」

 

なのは「えー!普通だよー!ね!みんなも揃ったし、早速見に行こうよ!」

 

すずか「ふふ、そうだね」

 

私らは学校の正面玄関の方へとやって来る。そこには既に、数人の人集りができていた

 

フェイト「確かこの辺に出てるって……あった!あれだね」

 

フェイトちゃんが指した先には、今年の新クラスの名簿が書かれた張り紙が貼ってあった

 

アリサ「あたしは……1組ね」

 

すずか「あ!私もだ!またアリサちゃんと一緒だね!」

 

フェイト「私は…私も1組だ!あ、なのはも1組だよ!」

 

なのは「え!ほんと!?やったー!」

 

みんなと一緒やったことが嬉しかったのか、なのはちゃんは両手をあげて喜んでいた

 

アリサ「はやてはどうだった?」

 

アリサちゃんに聞かれ、私も自分の名前を探し始める。

クラスの下の方を中心に見て行くと…

 

はやて「あった。私も1組やね。よかったわぁ、みんなと一緒で」

 

アリサ「あら、すごい集中したわね」

 

すずか「ホントだ。と言うより、成績優秀者を固めたって感じの名簿だね」

 

すずかちゃんの言うとおり、1年時での成績順で名簿が組まれてるようやった。

私らのクラスは上位の人やった名前で埋まっていた

 

フェイト「あ、これ…」

 

そしてそこには、『東士希』という、あいつの名前もあった

 

フェイトちゃんが見つけてしまい、場の空気が一気に重くなった

 

アリサ「あいつ、まだ帰ってきてないの?」

 

なのは「うん、私やフェイトちゃんも、結構いろんなところを探し回ってるんだけど…」

 

フェイト「士希の痕跡が全くないんだよね。

エリオやキャロにも、見かけたら教えてって言ったけど」

 

すずか「えと、はやてちゃん、大丈夫?」

 

すずかちゃんに聞かれ、みんなの視線が私に集中する。私は最低限、笑顔を作り…

 

はやて「あはは、へーきへーき!みんなもそんな気にせんといて!」

 

そして私は、2年生の方の1組へと向かう事にした

 

 

 

 

このクラスでの私の席は一番後ろやった。

全体を見渡せる絶好のポジション。おまけに窓際。言うことなしやった

 

あれから二週間…か。

たったの二週間やのに、士希がおらん二週間が、こんなにも辛いもんやとは思わへんだ

 

いつの間にか、士希といる時間が当たり前になって、士希の声が聞けへん日なんてなくて、士希の笑顔に癒されてて…それが無いってだけで、世界が灰色に色あせて見えてしまう

 

信じてない訳やない。士希は必ず帰ってくる。それでも、この寂しさはなんなんやろな…

 

なぁ、士希。私、そろそろ泣きそうやわ…早く帰ってこやな、私泣いてしまうぞ?

それでもええんか?お前、私が泣くの嫌いなんやろ?なら、早く帰ってこい…

 

こんな事を思っても、士希が帰ってくるわけやない。

それどころか、ホントに帰って来ることさえわからない。

だけど、私は信じ続けやなアカン。

みんなが忘れてしまう日が来てしまったとしても、私だけは、士希を信じて待ち続けやなアカン

 

一馬「なぁ、八神。少しいいか?」

 

ふと、去年もクラスが同じやった士希の友達、斉藤一馬君に声をかけられる。

どうしたんやろ?この人が私に用事があるなんて

 

はやて「どないしたん?」

 

一馬「いや、士希の事なんだけどさ、あいつって…」

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

斉藤君が何かを言おうとした瞬間、予鈴が斉藤君の声を掻き消した。

斉藤君もそれを聞き、ため息を吐いていた

 

一馬「間が悪かったな。悪い八神。また後で。いや、直接本人に聞くわ。

どうせあいつ、また遅刻だろ」

 

斉藤君はケラケラと笑いながら自分の席へと着いた。

他の人らも、ぞろぞろと席に着いていく。

みんなが席に着き、先生を待っている中、私は一つだけ空いている席を見つめる。

このクラスの一番最初の席であり、士希の席を…

 

なんで、士希はおらんのに、士希のカケラはいっぱいあるんやろな。

小説とかでのお決まりのパターンなら、士希が消えたら、それと一緒にあいつがおったって証拠もいろいろ消えるやろ。やのに、これが現実ってだけで、あいつがこの世界で生きていたってものはいっぱいある。

部屋も、物も、友達も、想いも…そしてそれらが、逆に辛くて虚しい。

士希のモノに触れたからって、あいつを感じるわけやないから

 

私は思わず机に突っ伏してしまう。

あいつを想えば想うほど、辛くて、泣きそうになってしまったから

 

先生「はーい!みんな席に着いてるー?」

 

ガラガラガラと、教室の戸が開き、先生が入ってきた音が聞こえた。

けど、頭を上げる元気はない

 

なのは「(え!?は、はやてちゃん!はやてちゃん!!)」

 

フェイト「(な、なんであの人が…)」

 

なんや念話で、なのはちゃんとフェイトちゃんが騒いでいたけど、私の頭にはほとんど入ってこやへん

 

先生「やぁ、この一年間、この2年1組を任されることになった、神木梟子です!

何人かは去年も一緒だったけど、今年もよろしくね!みんなとまた会えて嬉しいわ!」

 

どうやら先生の自己紹介が終わったらしい。なんや、興味ないなぁ…

 

なのは「(はやてちゃん!起きて!起きてってば!)」

 

先生「さーて、早速出席取るわよー!

って、いきなりいない…他のみんなは真面目に来てるって言うのに…」

 

フェイト「(はやて!起きて!)」

 

そんでさっきから、えらいなのはちゃんとフェイトちゃんがうるさいなぁ。

いったいなんやね…

 

 

「すんませーん、遅れましたー」

 

 

その声が聞こえた瞬間、私の鼓動は高鳴った

 

先生「士希さん?あなた相変わらず良い度胸ね?初日から遅刻ってどういう事ですか?」

 

私はガバッと起き上がり、目の前の人物を確かめる

 

「いやね、ちょっと出かけてまして、帰って来たのがほとんどさっきなんですよ。

それで汗臭かったからお湯張って風呂入ってたら、寝てました」

 

先生「士希さん!?それ危ない!危ないから!?」

 

見間違うはずなんてない。あれは、私の大好きな笑顔や

 

「いやぁ、流石の俺もっ!!?」

 

私は立ち上がり、全力で前に行き、そして全力で抱きついた

 

士希「いっつつ、な、なにしやがる!?はや…て……」

 

はやて「アホアホアホ!!お前、遅いねん!どんだけ私待たせる気ぃやったんや!?

やのに、こんな普通に帰ってきて…ホンマなんやねん!」

 

私は士希をしっかり抱きしめ、顔を士希の胸に埋めて涙を流した。

今まで張っていたものが、一気に崩れたかのように、ボロボロと涙が出てくる

 

士希「悪い、はやて。遅くなったな。だけどもう大丈夫だから。

俺はもう、お前のもとから離れたりしない」

 

私は士希を強く抱き締める。もう二度と、離れていかないように。

もう二度と、失わないように…

 

はやて「当たり前やわ。寂しい思いさせた分、しっかり責任とってもらうでな!」

 

士希「あぁ。俺はもう、消えたりしない」

 

私と士希は、お互い見つめ合い、誓いをたてるかのように、キスをした

 

士希「ただいま、はやて!」

 

はやて「おかえり、士希!」

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

 

どうも、花粉なのか風邪なのか、よくわからない症状に悩まされてる桐生キラです!

 

 

 

リリカルHS、いかがだったでしょう?

 

主人公兼メインヒロイン・八神はやてと、オリキャラ主人公・東士希の恋愛をメインとしたこの作品

 

当初の予定では50話くらいで終わるつもりでしたので、まさか70話超えるとは思ってもいませんでした

 

こんなユルユルダラダラな作品に70話も付き合ってもらって申し訳ない気持ちと感謝の念でいっぱいです

 

まぁでも、この作品で総数150作目ではあるので、個人的には切りが良いので良かったななんて思ってます(笑)

 

 

 

それにしても、この作品を始めて半年間、本当にありがとうございます

 

毎度毎度読んでくれる方々、支援してくれる方々、コメントしてくれる方々、本当にありがとうございます!

 

コメント欄にニヤニヤ的な事が書いてあると、思わず私の顔もニヤニヤしてしまいました(笑)

 

少しでもニヤニヤしてくださった人がいると、本当に嬉しいと思います!

 

 

 

さて、以外と長くなってしまった士希とはやてのプロローグと言う名の物語も、今回が最後です

 

本当に、今までお付き合いくださり、ありがとうございました!

 

ん?何故プロローグかって?

 

何故なら、まだ回収していないフラグがありますからね

 

ルネッサ、エリキャロ、スカリエッティ、そして忘れているかもしれないティアナ!

 

彼等は皆、次回作への伏線だったのだ!

 

それではまた次回!

 

 

 

 

 

 

放課後、私は士希の腕に抱きついて歩いて帰ることにした。

士希の腕から感じる温もりが、たまらなく愛おしい。

けど、私は少し、気になることがあった

 

はやて「士希…ずっと気になってたんやけど、その眼…」

 

士希の瞳の色が以前と変わっていた。

右眼は今まで通りの茶色に対して、左眼は水色になっていた

 

士希「あぁ。ちょっとレーゲンと長くユニゾンし過ぎちまってな。

その名残りが残っちまってるんだ」

 

士希は何でもなかったかのように、少し笑って答えた。

実際は、融合事故なんてそんな軽いはずやないのに

 

はやて「大丈夫なん?」

 

士希「あぁ、そんな大した事ねぇよ。

普通に視えるし、ほんと、ただ瞳の色が変わっただけ。

いや、下手したら前よりも視えるようになったかもな」

 

それならええけど…

 

士希「ま、いろいろあって疲れたけど、やっとここでの日常が帰ってくるよ。

レーゲンも今頃昼寝してるだろうし、起こして昼飯にでも行かないか?」

 

日常が帰ってくる…か

 

はやて「なぁ士希、私、士希に謝らなアカン事があんねん」

 

士希「ん?どうした突然?」

 

はやて「いやな…」

 

 

ガチャン

 

 

士希「ガチャン?って、はい?はやてさん?なんで俺、手錠かけられてるんでしょうか?」

 

私は申し訳ない気持ちいっぱいで手錠をかけた

 

はやて「いやな、最後にレーゲンと戦った時に、管理局の上の方に目ぇつけられてしまってん。神器の力は強大過ぎる、危険遺物やってな。それでその…士希、あんた犯罪者になってしまった」

 

士希「は、はぁぁ!?ま、マジで!?いやだって、今までだってロストロギアだって事は分かってたんだろ?なのにこんな事には…」

 

はやて「そりゃ、それまではあんな派手に力使ってなかったもんな。

流石の私もあれは誤魔化せへんだわ」

 

士希「派手に使ったのはテメェらだろうが!?

つ、つーことはなんだ?俺はもしかして、これから塀の中で…」

 

はやて「もしくは、嘱託魔導師として、管理局に奉仕するか、やな」

 

士希「ふ、不幸だ…俺の平和な日常が…」

 

士希はガックリと項垂れていた。でも、士希には悪いけど、私はちょっと嬉しかった。

だって、もし士希が嘱託魔導師になったら、同じ職場で働けるって事やもん

 

はやて「まぁまぁ、私の方でも何とか取り計らうで、そんな落ち込まんといて」

 

士希「わ、悪いなはやて。世話かける…」

 

はやて「ええてええて!」

 

 

 

 

 

ここまでが、私と士希のプロローグ

 

 

 

 

 

偶然やと思っていた士希との出会いを経た一年間

 

 

 

 

 

それは、私にとっても士希にとっても激動の一年間であり

 

 

 

 

 

運命やと思わせた一年間でもあった

 

 

 

 

 

きっとこれからも、いろんな悲しい事や辛い事があるやろう

 

 

 

 

 

それでも、楽しくて温かい時間を共有できる人がおる

 

 

 

 

 

その、かけがえの無い時を、これからも私は士希と過ごすだろう

 

 

 

 

 

はやて「これからもよろしくな!」

 

 

 

 

 

私と士希の物語は、まだまだ始まったばかりや!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued in ... StrikerS

 

 

 

 

 


 
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