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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第四十八回 第三章B:合肥救援編⑧・エピローグ

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回はエピローグです。長かった第三章もようやく終わりを迎えます。

果たして、一刀君たちが合肥の戦いに参加したことは、今後どう影響するんでしょうか・・・

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2014-09-21 00:28:18 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5161   閲覧ユーザー数:4222

呂布「――――――っ!」

 

 

 

藤甲兵の突然の標的変更に反応が一瞬遅れた呂布は、もはや手加減する余裕を捨て、とにかく厳顔への攻撃を防ぐため、

 

衝撃波が出ているのではと思えるほどの力で地をけり、瞬時のうちに藤甲兵と厳顔の間に割って入ると、

 

藤甲兵たちに向けて方天画戟を風鳴りの音が聞こえるほどの速度で力一杯に凪いだ。

 

それこそ、その一撃を受けたら、たとえ藤甲で身をまとっていても胴が真っ二つになりかねないほどの威力を誇る必殺の一撃。

 

動物を愛する呂布にとって、仲間を救うために選択した不本意な選択。

 

下手をすれば一生のトラウマとなりかねないほどの出来事であったが、しかし・・・

 

 

 

??「みんなおそすぎだにょー!ミケがいないとなにもできないにょー!?」

 

 

 

突然村の外にある木の上から声がしたかと思うと、急に藤甲兵たちが厳顔への攻撃をやめたのであった。

 

それとほぼ同時に呂布の方天画戟が鋭く空を切った。

 

 

 

厳顔「・・・ミケ・・・だと・・・!」

 

 

 

厳顔が声のする方を見ながら忌々しそうに言うと、その声の主が木から飛び降りてきた。

 

背丈は藤甲兵たちと同じくらいの小柄で、ピーコックブルーの髪に虎の頭を模した頭巾をかぶり、お尻からも虎柄のしっぽが生えている。

 

上半身は胸の部分を黒い布で覆っているだけであり、下半身も黒の下着に虎柄の布をスカートのように巻いているだけで、

 

どこか原始的なイメージを思い起こされる。

 

両手には虎柄の手袋をはめ、藤甲兵同様石斧を握っている。

 

藤甲軍の指揮官を務める、南蛮軍の三幹部が一人、ミケである。

 

 

 

呂布「・・・・・・・・・しゃべってる・・・・・・・・・・・・・・・・・・かわいい・・・」

 

 

 

厳顔とは対照的に、呂布はミケの姿を確認すると、頬を染めながら厳顔にもわかるほど顔を僅かに綻ばせていた。

 

 

 

藤甲兵1「にゃにゃにゃにゃ!」

 

藤甲兵2「にゃーにゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃん!!」

 

 

 

ミケの言葉に対して、藤甲兵たちは反論するようににゃーにゃー言っている。

 

このあたり、どうやって意思疎通が叶っているのか甚だ疑問が残るところである。

 

 

 

ミケ「そのトーコーがあるからテキのこうげきはよけなくてもいいっていったにょー!でもむりだったらよけてほしかったにょー!」

 

 

厳顔「・・・なるほど、いつもと違いコチラの攻撃がヤケに通っておるとは思っておったが、避けなくてもよいという指示を奴らが馬鹿

 

正直に守っておっただけということか・・・」

 

 

 

つまり、もしミケがその場にいたら、その場で避けるよう新たな指示が出され、

 

呂布の援軍が来る前に隊が崩壊、という事態に陥っていた可能性もあるということである。

 

そのような考えに至ると、厳顔は無意識に背筋が凍る感覚を覚えていた。

 

 

 

ミケ「とにかく、もうトラたちがほかのところでたべものをとってきたんだにょー!これでミケたちはみぃさまのごほうびがもらえなく

 

なったにょー!」

 

 

藤甲兵「にゃにゃにゃーーーーーー!!!???」

 

 

 

みぃさまなるもののご褒美が貰えないことがよほどのショックだったのか、

 

藤甲兵たちは全員一人残らず同時に驚きと嘆きが混ざったような叫び声をあげた。

 

 

 

ミケ「こんなことならさいしょからミケがでてればよかったにょー!もういいからこんなやつらほっといてみんなはやくかえるにょー!

 

ごほうびはもらえなくてもちゃんとごはんはあるんだにょー!もうおなかぺこぺこだにょー!」

 

 

藤甲兵「にゃー!」

 

 

 

ミケが呂布や厳顔のことなど目にもくれず帰還するよう号令を出すと、

 

あれほど苦戦を強いられていた村を襲撃していたすべての藤甲兵が、ものの数秒で森の中、南蛮の地へと帰ってしまった。

 

 

 

厳顔「・・・・・・はぁ・・・なんとか守り切ったというところか・・・」

 

呂布「・・・・・・・・・・・・かわいかった・・・・・・」

 

 

 

時刻はお昼時を過ぎたころ合い。

 

実に、厳顔が出陣してから半日ほどが経過したことになる。

 

夜から降り続いていた雨も、今更ながらようやくあがったようである。

 

 

 

 

 

 

【揚州、合肥・孫策軍本陣】

 

 

孫権の撤退の命を受けた孫策軍は、順次撤退の準備を始めていた。

 

その間、孫権はずっと周泰の傍についていた。

 

周泰はまだ気を失っている。

 

 

 

孫権「すまない明命・・・すまない・・・」

 

 

 

孫権はうわ言のように、ただひたすら眠り続ける周泰に対して謝り続けていた。

 

 

 

陸遜「祭様も手厳しいことをおっしゃいますね~」

 

 

 

そのような孫権の様子を遠くから窺いながら、陸遜はニコニコしながら同じく様子を遠くから窺っていた黄蓋に言った。

 

 

 

黄蓋「何を言っておる。儂は本心を述べたまでじゃ」

 

呂蒙「ですが、今回の敗戦が蓮華様にとって悪い影響にならなければよいのですが・・・」

 

 

 

陸遜と黄蓋同様遠くから様子をうかがっていた呂蒙も、孫権の様子に心配そうな言葉を漏らした。

 

 

 

陸遜「蓮華さまにとっては初めての総大将ですからね~。忘れられないでしょ~」

 

 

黄蓋「じゃが、悪い影響ばかりではないぞ?敗戦から、学べることもある。今権殿に足りぬものは経験と自信。あとは、ひたすら経験を

 

積み重ね自信をつけてもらうだけじゃ。策殿もそのためにご自身が進軍なさらなかったのじゃろうからのぅ」

 

 

 

つまり、今回本来出陣しているはずの孫策が出陣していなかったのは、

 

文官たちに侮られがちな孫権に経験を積ませ、自信をつけてもらおうという考えがあったのだ。

 

しかし今回は見事に大敗北を喫してしまったのだが。

 

 

 

陸遜「虎は妹を谷に突き落として強くする、といったところですかねぇ~。ですが、自信については、今回はむしろ失ってしまったかも

 

しれませんねぇ~」

 

 

黄蓋「すべてを一度に手にすることなど無理な話じゃ。じゃが、今回の敗戦で権殿が得たものは大きかろう。孫家の者として、上に立つ

 

者として必要なものが何か、わかったじゃろうからのぅ。自信はこれからの戦でつければよい。権殿なら、必ず立ち直りなさるはずじゃ」

 

 

 

二代にわたって孫家に仕える宿将は、主君の妹の成長を信じてそう告げた。

 

 

 

黄蓋(そして穏、これはお主についても言えることなのじゃぞ・・・)

 

 

 

そして、黄蓋は普段通りのニコニコした表情ながら、

 

その声色にいつものようなマイペースな余裕が見られない陸遜の様子を感じながらそのようなことを思っていた。

 

つまり、今回出陣しているはずの周瑜が出陣していないのは、孫権同様、陸遜に経験を積ませるための周瑜の考えなのであった。

 

孫家の若手は、着々と経験を積み、育っていっているのであった。

 

 

 

呂蒙「ですが、北郷軍の張遼、あれほどの実力者が今まで大きな手柄を立てていなかったなんて・・・」

 

黄蓋「ふむ、確かに・・・益州の天の御遣い、北郷一刀か、やっかいなのがでてきたのぅ」

 

 

 

今回孫策軍を大敗させた張遼、そしてその主君たる北郷の存在は、孫策軍に大きく印象付けることとなったのであった。

 

 

 

 

 

 

【揚州、合肥・曹操軍本陣】

 

 

孫策軍の撤退を確認し、張遼と魏延が合肥城に戻った時には、高順がすでに北郷の元に戻っていた。

 

 

 

北郷「お疲れ様、霞、焔耶」

 

張遼「アカン!孫権は逃がしてまうし、最後甘寧も結局討ちそびれたし、めっちゃ心残りや!」

 

 

 

北郷の安堵の表情とともにかけた労いの言葉に、張遼は嬉しそうに首級を取り逃したことを悔いていた。

 

 

 

魏延「霞は存分に戦えたのだからいいだろう。ワタシなど、ほとんど橋を壊しただけだぞ」

 

 

 

魏延もまた、北郷の出迎えに若干嬉しそうだが、張遼とは違い、その悔しがる言葉は照れ隠しではなく、

 

本心からあまり暴れられなかったことを悔いているようであった。

 

 

 

高順「そういえば、焔耶はどうやって橋を壊したのですか?」

 

魏延「もちろん、叩き潰してやった」

 

 

 

ふと思い浮かんだ高順の問いに、魏延は当然と言わんばかりに胸を張って、

 

得意げに鈍砕骨で叩き潰すさまを表現するように空を思いっきり叩いた。

 

 

 

高順「・・・さすがですね。私など、火薬玉に頼るほかありませんでした」

 

 

 

私など、なんて謙遜してるけど、もちろん、叩き潰した焔耶にもビックリだけど、この時代で火薬玉をホイホイ扱うななもまた、

 

さすがというかチートというか、なんだかなぁ、などと今更なことをぼんやり考える北郷。

 

 

 

張遼「けど、ホンマ雛里はすごいな!見直したで!」

 

魏延「ああ、さすがに軍師としての素質を認めざるを得ないな」

 

高順「ねねなんか目ではありませんね」

 

鳳統「あわわ~・・・み、皆さんのおかげでしゅ」

 

 

 

三人とも、北郷が認めたからということで一応鳳統のことを信用していたが、それでも本心からというわけではなかった。

 

しかし、今回の鳳統の非凡な才能を目の当たりにし、ここにきてようやく鳳統のことをちゃんと認めたようである。

 

そして三人から認められ賞賛の言葉を浴びることで、

 

鳳統は恥ずかしそうに帽子のつばをぎゅっと握って顔を隠し、俯き噛みながら嬉しそうに喜んでいた。

 

 

 

張遼「なんちゅっても雛里の言ってくれた面と点の話、あれがめっちゃ参考になってん!」

 

 

北郷「面と点か・・・そういえば、あの時皆すぐに納得できてたみたいだけど、オレ全然理解できなかったんだよな。結局、どういう意味

 

だったんだ?」

 

 

 

北郷は鳳統が作戦の説明をしていた時、理解できていなかったのは自身だけだったため、

 

話の腰を折るのを避けるためにその時は聞かなかったが、今になって気になったため聞いてみた。

 

 

 

張遼「ふっふーん、一刀もまだまだやなぁ♪要するにやな―――」

 

 

 

そのような北郷の様子に、張遼は得意げに説明しようとしたが、しかし・・・

 

 

 

鳳統「今回の戦いでは、私たちは兵力で圧倒的に劣っていましたので、敵は必ず鶴翼の陣を敷くことが予測できました。鶴翼の陣の場合、

 

確かに寡兵を囲むのに最適な陣形ですので。ですが、もちろん弱点もあります。鶴翼の陣は、横の広がりが強い分、縦の層の薄さに難が

 

あるんです。ですから縦に層の厚い、例えば魚鱗の陣などで突撃すれば、機動力さえ勝っていれば案外寡兵でも突破できるものなんです。

 

そこに加えて、大軍を打ち破る鉄則である、頭、つまり指揮官を狙い撃ちすれば、寡兵であっても大軍を打ち破ることが可能になります。

 

つまり、面ではなく点でとらえろというのは、横の広がり、つまり面を見るのではなく、層の薄さ、さらにその中でも指揮官という一点

 

を狙え、ということなんです」

 

 

 

張遼が説明しだす前に鳳統がそのすべてを説明してしまった。

 

 

 

北郷「へぇ、なるほどねぇ~。だから騎馬での機動力がずば抜けている霞だからこその作戦だったわけか」

 

 

 

鳳統の説明でようやく納得がいったようで、北郷はウンウンと頷きながら感心していた。

 

 

 

張遼「ま、まぁそーゆーことや・・・」

 

張虎「ねーちゃん・・・」

 

 

 

しかし一方で、鳳統の説明を聞き終えた張遼は、目を泳がせ声を震わせながら肯定し、

 

そんな張遼の様子を張遼の義弟張虎は白い目で見つめていた。

 

張遼は鳳統の面と点の説明を、大量の兵も一人一人の集まりと捉えれば気が楽になると思え、

 

ということだと誤解しており、そのことを張遼隊全員に出陣前の鼓舞の時に豪語していたのである。

 

 

 

李典「ホンマに勝ってまいよった・・・」

 

于禁「信じられないの~」

 

楽進「すぐに華琳様に報告しなければ・・・」

 

 

 

そんな北郷たちの様子を、曹操軍の三羽烏たちは唖然と眺めながら驚きの言葉を漏らしていた。

 

 

 

北郷「それじゃあ用もすんだし、成都に帰るとしますか。早くみんなにこの天才軍師・雛里のことを紹介したいしね」

 

 

 

そう言いながら北郷は鳳統の頭を撫でた。

 

 

 

鳳統「あわわ~~~」

 

 

 

その刹那、三方向から鋭い眼光がきらめき、北郷に突き刺さったが、北郷は気にしないことにした。

 

 

 

魏延「・・・でもいいのか?曹操軍から何か見返りを要求しなくても」

 

 

張遼「せや!わざわざ成都から来てやったんやで!?いくら貸しがあるからってあの戦局をひっくり返したんや!これでタダ働きなんて

 

ウチは納得いかん!」

 

 

北郷「まあ、それはそうなんだけど、それだとこれから曹操に拝謁とかしないとダメな流れになるだろ?特に霞やななは曹操の顔なんて

 

見たくないだろ?」

 

 

 

確かに、張遼や高順の場合、曹操に対しては多大なるいざこざがあるため、いざ会ってしまうと何が起こるか分かったものではなかった。

 

 

 

張遼「まぁ、それはなぁ・・・」

 

高順「下手をすれば斬りかかってしまうかもしれませんね・・・」

 

 

 

二人のそのことは自覚しているようで、北郷の言葉にお互い顔を合わせてどこかやりきれない表情を作って見せた。

 

すると、鳳統が頤に指を当てて少し考えると、

 

 

 

鳳統「では、曹操さんから直接、という体裁ではなく、もっと簡易的に・・・例えば、成都に帰るまでに必要な食糧や路銀なんかを頂けば

 

いいんじゃないでしょうか。その程度でしたら、配下の方から頂いても問題ないと思います。見返りが小さければ曹操軍に対する貸しを

 

帳消しにできますし、むしろ恩を売る形に持っていくこともできるかもしれません。一応籠城の準備はできていたようですし、食糧等は

 

たくさんあると思いますけど」

 

 

 

曹操に会うことなく報酬を得る案を提示した。

 

その瞬間、北郷ら四人から「おーなるほどー」という感心の声が上がった。

 

そして、さすがは雛里だなー♪と再び北郷が鳳統を撫でようとしたところで、高順が鳳統を奪取。

 

張遼と魏延に引きずられる形で、北郷は三羽烏たちの元へ食糧の交渉に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

【兗洲、陳留郡・烏巣】

 

 

合肥の戦いの後、兗洲陳留郡酸棗県の東に位置する烏巣。

 

ここは袁紹軍の兵糧庫がある重要な拠点であったが、曹操自らが軍を率いて強襲。

 

守備に就いていた淳于瓊(ジュンウケイ)が討ち取られ、兵糧庫は焼き払われていた。

 

現在、曹操軍はひと時の休息と共に、次なる一手を模索しているところであったが、

 

その時、合肥での孫策軍との戦いの結果を楽進の使者が伝えに来たのであった。

 

北郷軍からの援軍及び合肥防衛成功の報は曹操軍にとっては予想外のものであり、

 

今は曹操軍を代表する三人の軍師、荀彧・郭嘉・程昱が急遽合肥の件から今後のことについて議論を交わしているところである。

 

 

 

程昱「どうやら、予定と違って合肥は死守されたようですねー」

 

 

郭嘉「800の兵で10万の兵を退けるか。いくら孫策軍の総大将が未熟な孫権だったとしても、俄かには信じがたい結果ですね。あるいは、

 

北郷軍に切れ者がいたということでしょうか」

 

 

荀彧「逃がした魚は大きくなったということかしら。ふん、あのブ男、なかなかしぶといわね・・・そろそろ狩り頃じゃないかしら」

 

曹操「その通りよ」

 

 

 

そんな三人の会話の中に曹操が加わった。

 

 

 

三人「「「華琳様!」」」

 

 

 

突然主君が話に加わったことに驚き、三人は一歩身を引いたが、そんな三人を曹操は手で制した。

 

 

 

曹操「益州を平定したまでは見逃せる範囲だったのだけれど、今回のことはやりすぎだったわね。力をつけてくれるのは利用できる駒が

 

強くなって大いに結構なことだけれど、力をつけすぎて噛みつかれるのも癪だし、まぁ惜しい人材であれば引き抜くことも考えるけれど、

 

潰すにしても引き抜くにしても、どちらにせよもはや見過ごすことはできないわ」

 

 

 

曹操はゆっくりとした歩調で三人の軍師の元に歩み寄り、ギラリとした鋭い眼光を放ちながら告げた。

 

 

 

荀彧「あのようなブ男、引き抜くに値しません!」

 

郭嘉「別に惜しい人材であればとしか仰ってないでしょうに」

 

 

 

荀彧は目を三角にし、両手をわなわなさせながら叫び、郭嘉はあきれた様子でたしなめた。

 

 

 

曹操「・・・・・・・・・」

 

程昱「・・・何か気になることでも?」

 

曹操「・・・いいえ、何でもないわ」

 

 

 

そのような荀彧と郭嘉の反応に対する曹操のほんのわずかの変化を見逃さなかった程昱であったが、

 

曹操はすぐに普段通りの凛とした面持ちに戻り、何事もないと告げた。

 

 

 

<これ以上戦いを続けていたら、もっと悪化するんじゃないですか?・・・頭痛が>

 

 

 

しかし、そのわずかの瞬間に曹操の頭をよぎったのは、かつて下邳の地で呂布軍と対峙していた折に、北郷に投げかけられた一言。

 

その言葉が頭をよぎったその刹那、最近は収まっていた痛みが一瞬ぶり返したような錯覚に襲われたのだった。

 

 

 

曹操(今回の合肥防衛の成功。凪の報告によれば北郷軍は圧倒的不利な状況を聞いても一切驚かなかったという・・・)

 

 

 

今回の件でますます北郷という存在の不気味さを感じていた曹操であったが、今は袁紹との決戦に集中すべきと、頭の隅に追いやった。

 

 

 

荀彧「では、袁紹を倒した後、我らが倒すべきは、江東の孫策、荊州の劉表、涼州の馬騰、そして益州の北郷ということになりますね」

 

程昱「あと、烏桓、鮮卑といった北方の異民族も忘れてはいけませんねー」

 

郭嘉「二人とも、そのような話は気が早いでしょうに」

 

 

曹操「その通りよ凛。まずは目の前の敵を完全に潰すのが先。烏巣を落とした今、兵糧が尽きるのも時間の問題。あの馬鹿の苦し紛れの

 

本陣急襲も失敗に終わり、厄介だった張郃(チョウコウ)も我が軍に降った!主力の顔良は関羽が、文醜は公明が退け、内輪の醜い讒言に踊らされ、

 

使える軍師を次々に処断しているあの馬鹿の手駒は尽きたも同然!このまま一気に飲み込み、中原を我が手中に収める!」

 

 

三人「「「御意!」」」

 

 

 

合肥の戦いを経て、曹操軍、孫策軍、そして北郷軍、三者三様、それぞれ得たもの、失ったものはあろうが、

 

ただ一つ言えるのは、北郷軍がこの乱世の最前線、中心部へと巻き込まれてゆく契機となったのであった。

 

 

 

【第四十八回 第三章B:合肥救援編⑧・エピローグ 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第四十八回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

これでよーやく第三章が終了しました。全部で12回、お付き合いいただきありがとうございました。

 

正直はわわあわわ捜索から南蛮の暴走、そして合肥とまとまるか不安でしたが、なんとかまとまりました。

 

 

雛里ちゃん加入については、もう一人軍師ほしいなーと考えたとき、

 

一つは法正カムバック、或はウェルカム元直ちゃんのオリキャラ派

 

一つは未登場の恋姫軍師、或は強引に多勢力から引き抜きという恋姫派

 

に分かれたのですが、やっぱり恋姫軍師もう一人ほしーということで、

 

一番引き抜きやすかった蜀軍から、さすがに朱里はダメかなと思い雛里ちゃんに来てもらいました。

 

正直この二人を引き離すのは心苦しかったですが、引き離すことでまた話を広げやすいかなと思った次第です。

 

 

南蛮軍については完全にオリキャラ考えるのをさぼってミケトラシャムを実力者にクラスチェンジ!

 

個人的にはこのほうが面白い気がするのですが、もし園児っぽい南蛮兵を期待していた方いましたら申し訳ないです。

 

 

そして合肥は一応史実通り霞の活躍で呉軍が大敗という結果になりましたが、

 

その結果、北郷軍は曹操、孫策、そして大陸中に注目を浴びることとなり、本格的に乱世に巻き込まれていきます。

 

 

というわけで第四章に続くわけですが、その間に例によって拠点フェイズがあります。

 

次回からはお気楽モードですのでどうか気楽にお読みいただければと思います。

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

次回は雛里ちゃんの拠点ですが、意外な人物が、、、!?

 

 

 


 
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