~邂逅~
新たな外史はこのようにして幕を開けた。
ここは最近まで日本有数のお嬢様学校として有名な学園であり、
今年からは共学化され人数は少ないが、男子生徒も通う聖フランチェスカ学園。
その敷地内にある公園の一角で、
白き衣を纏いし天の御遣いこと北郷一刀はゆったりとベンチに座っていた。
すると正面からお下げ髪をした傾国の美女(本人談)?がのっしのっしと、
まるで一刀に用でもあるかのように一直線にやってくる。
あと数歩で触れる位置に至ったとき、
先手を打って北郷一刀は口を開いた。
「やらn…。」
「ねーよ!!なんだったんだよさっきの夢!?てゆーかここどこだよ!?」
あと少しで作者の力量の届かない彼方へと逝ってしまうところであった北郷一刀にとって、
最悪の目覚めであった。
「あれ?いや、マジでここどこ?ていうか制服着てる?昨日及川の部屋でゲームやって、
流石にそろそろ寝ないと明日に響くかなぁ。とか思いながら風呂入って着替えて寝たはずだよなぁ。」
考えてもこれ以上のことは分らないと判断した一刀は、状況を判断しようと周りを見渡す。
「天蓋付きベットか、にしては西洋のものにはみえないな。」
曲がりなりにも聖フランチェスカ学園の生徒である。西洋家具くらいは知っている。
ガタガタ
「ん?鍵がかかってるのか?」
どうやら扉には鍵がかかっているようである。
一刀は仕方なく窓から出ようと窓に近づいたが…。
「!?(なんだあいつ等。あきらかにこの状況ヤバいだろ。)」
そこには槍を持った屈強な男が2人、窓に背を向けて立っていた。
「窓の外にいるってことは、扉の外にもいるかもしれないな。さてどうしたものか。」
とりあえず脱出する方法を考えるもなかなか思いつかない。
そりゃそうだろう出口は2つしかないのだから。
「ん?なんでポケットにケータイと財布が入ってるんだ?」
そこに至りようやく自分がケータイと財布をもっていることに気づいた。
「財布は使えないけど、ケータイは使えるな。
というか奴らは持ち物調べなかったのか?
まぁいいや、とりあえずどこかに助けを呼ぶか。」
と携帯を開いたが、アンテナの部分は見事に圏外だった。
「いや、マジここどこだよ。まさか北の方の国に拉致されたのか?
一応おれの携帯海外でも使えるのにな。電波が悪いのか?」
と一刀は携帯片手に部屋中をうろうろし始めた。
「窓の方が電波の調子はいいんだろうか、でもばれたらマズイもんな。」
そう言いながら携帯を部屋の隅で天に掲げている人間は、
この時代から見たら確実に頭の逝っている人間に見えるだろう。
事実、そう見えた人間がここには2人いた。
「入るぞ…?」
孫堅と、
「おい、小僧何をやっているのじゃ?」
黄蓋である。
「あぁちょうどよかった、すみませんがここがドコダ…カ…オシエテクダサイ。」
最初は美しい女性ということもあって普通に話し掛けた一刀であったが、
片方の女性が大きな弓矢を持っていたことから片言になってしまった。
「(お、お、おちちゅけ俺、あ、あ、あれだきっとあの矢は俺を射るためじゃなくて、
あの人はエルフで、俺がエルフに召喚されたからなんだ。)」
そんなわけはない。
祭は一刀が、自分が弓を持っていることに怯えているのだと思った。(本当は動揺している。)
「おぉすまん、先ほど賊を狩ってきたところでな。
報告が終わったところにお主が目覚めたと聞いてそのまま来たのじゃよ。
ところでもう一度聞くが、先ほどなにをヤッテおったのじゃ?」
「族狩り?(暴走族狩りなのか?余り関わりたくはないなぁ。)
それはいいや、というかなにもヤッテませんよ?
ただ、電波の強いところ探してただけで…。
それよりも、さっきも聞きましたけどここどこですか?
なぜ俺はここに連れてこられたんですか?」
「わけのわからんことをいう奴じゃな。ここは長沙じゃ。なぜかと問われるとそれは知らん。
昨晩お主は天から降ってきて、偶々通りかかったわしと堅殿で連れ帰ったのじゃ。
堅殿というのはこの方でわしは姓は黄、名は蓋、字は公覆じゃ。」
「黄蓋?黄色の黄に天蓋の蓋とかく?」
「おぉよくわかったな、そしてこの私が、孫「ちょっとすみません。」…。」
やっと出番かと思ったのに、
あっけなく潰されてしまい顔には出さないが落ち込み気味の孫堅を尻目に思案中の一刀。
「まさか姓は孫、名は堅、字は文台とか言うんじゃないでしょうね?」
「「!?」」
「(やはりか、ということはさっきの族狩りっていうのは暴走族ではなく盗賊か。)」
「ま、まぁ私はある程度名が知られとるからな、知っていたとしても不思議はない。」
となぜかテンパッている孫堅を尻目に思案中の祭。
「…お主名をなんと申す?」
「北郷一刀です。姓は北郷、名は一刀です。字はありません。」
「北郷一刀か変わった名じゃな、しかも字がないとは。
では北郷、わしら以外に堅殿の元におる者たちの名を知っておるか?」
「んー(孫堅が生きているとなると…。)孫堅の子の孫策、孫権、あと孫策と仲の良い周瑜とか?」
「!?」←孫堅
「やはりか。策殿ならまだしも、まだあまり表に出られてはおられぬ蓮華様まで知っておるとは。
なぜ知っておる?」
「あなた方2人が俺のいる時代から1800年前の時代の人達と同じ名前だったからですよ。」
「まさかお主未来から来たとでも言うのか!?」
「いや、そうとも言えないかもしれません。
もし俺の時代を過去に遡っただけなら、孫堅も黄蓋も男のはずだから。
たぶん別の世界になるんじゃないんでしょうか?」
「なら、未来もしくは別の世界からきたと証明はできるか?」
そこから一刀は携帯を取り出し祭を写メで撮るという原作通りの流れ。
撮ったとき孫堅がビクッとして膝が震えていたのは気のせいだろう。
一通り証明が終わって、
「つまりどういうことなのだ?」
ちゃんと聞いていたのだろうか?
「つまりこ奴は天の御遣いということじゃよ。」
「おぉやはりな私の目に間違いはなかった!!」
「あのぉ、盛り上がってるところ悪いんですが、天の御遣いって何ですか?」
「あぁ、天の御遣いとは、昨日会った管輅とかいう占い師が言っておった、
いずれ来る乱世を鎮めし英雄のことじゃ。
そ奴は白き衣をまとっておって、天から落ちる流星に乗って現れるそうじゃからな。」
「いや、白い服着てますけど、俺はそんなにすごい人間じゃないんで、
人違いじゃないですか?それに、その占いじゃ見た目から俺が天の御遣いじゃないですか。」
「じゃから、色々と話をしたのじゃろ?まぁ人となりは悪くないとわかったからな。
あとは酒が飲めれば合格じゃ。」
とか言いながら豪快に笑う祭。背中ばしばし叩かないでください。すごく痛いです。
「ふむ、それならここに置いておいてやろう。どうせ行くところもないだろう?」
「あ、すみません孫堅さんそうしていただけるとありがたいです。」
「そのかわり、天の知識とやらを授けてもらいたい。」
そういうと孫堅は頭を下げた。
「あ、あの頭上げてください。それくらい当然のことですから、
大した役には立たないかもしれませんが任せて下さい。」
「ふむ、そういってもらえるとありがたい、では、改めて名乗っておこう。
私は姓は孫、名は堅、字は文台、真名は大蓮という。母様と呼びなさい。」
「堅殿!?真名を許されるのか!?そうか…。ならば北郷わしの真名は祭じゃ。
今度から真名で呼んでかまわん。それに、地で喋ってもかまわんぞ。」
「真名ってなんなの?」
孫堅の爆弾発言はスルーされたようだ。
「真名とは、その者の本質を含む名の事でな、許されない限りは決して呼んではいけない名なのじゃ。」
「ありがとうそんな大切な名を預けてくれて。じゃあこれからよろしくね大蓮さん、祭さん。」
「あぁ、よろしくな北郷。」
「色々頼むぞ婿殿。」
「「…。」」
「まだ言うか。」
「あえて無視したのにさっきから意味分かんないですよ大蓮さん。」
「意味なら分かれ。私は北郷を娘たちの夫にすると決めたのだ!!」
「はぁ。」←祭
「はぁ!?」←一刀
こうして一刀の受難?は始まった。…のか?
色々(痛い)コメントありがとうございました。
感想にも書きましたが作中で頑張って使います。
しかし、なかなか筆?が進みません。流れはもうできてるんですけどね。
というか大蓮ほんとなんなんでしょうね。
次からは拠点イベントに入ります。メンバーは雪蓮、蓮華、小蓮、冥琳。
順番はわかりません。要望があれば多いキャラに決まります。
大蓮と祭は本編で結構出るからいいでしょうということで。
ほかのメンバーはこの時点で仲間になってません。という設定で。
いや、駄目だ!という人はおっしゃって下さい検討してみます。
(拠点イベントあまり考えてないんでお題をくだされば考えてみます。)
あと、最後に前回応援メッセージを送ってくださった方がおられたようですが(気のせいでしょう)、
すみませんまだ見れないんです。3作投下してないから。ほんとすみません。
ではでは次回作でまた会いましょう!!
今までご愛読どうもありがとうございました。sinの次回作にご期待下さい。(仮)
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遅くなりました。二話目投下します。真・恋姫†無双呉√での話です。今のころは。放浪しますからね。オリキャラとして孫堅がでます。オリキャラ無理って人はブラウザ左上の[戻る]をおしてください。