No.718865

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第277話

2014-09-18 14:27:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1562   閲覧ユーザー数:1445

 

旧校舎に入ったリィン達はエレベーターに表示された”第六層”を探索し終えた際には無かった”第七層”を見て驚いた後、エレベーターで”第七層”まで降り、機械仕掛けの謎の巨大な扉を見つけて近づいた。

 

~旧校舎・第七層~

 

「……………………」

「な、なんだこれは……」

「光る歯車……?」

「い、今までの階層もかなり非常識な感じだったけど……」

「……んー…………」

リィン達はそれぞれ扉を見つめて考え込み

「グランセル城の地下とちょっと似ているようだけど……」

「もしかしたら、この旧校舎自体が遺跡かもしれないな……」

「うーん……という事はやっぱり古代からの魔獣や人形がいそうだよね~。」

エステルとヨシュア、ミントは考え込んでいた。

 

『第六拘束』マデノ解除ヲ確認―――『起動者』候補ノ来訪ヲ感知―――

 

するとその時謎の声が聞こえて来た!

「な、何なの今の声!?」

「あの扉から聞こえてきたが……」

「もしかしたらこの遺跡の”主”かもしれぬな。」

声を聞いたエオリアは驚き、セリカとレシェンテは考え込んでいた。

 

――刻ハ至レリ―――コレヨリ『第二ノ試シ』ヲ執行スル―――

 

そして扉が開き、謎の空間が姿を現した!

「地下第四層……あの赤い扉と同じってか。」

「……思わせぶりな仕掛けとは思ったけど。」

「『第六拘束』……それに『第二の試し』……拘束というのはこれまでの階層のことか……?」

「となると”試し”はかつてエリス・シュバルツァーが危機に陥った時のように何者かが俺達の道を阻むかもしれんな。」

「……かもしれません。何者かは知りませんが、”試し”によってエリスを傷つけようとした事……絶対に許せません。」

(これはどう考えても、”連中”の専門分野ね……)

レーヴェの推測を聞いたエリゼは頷いた後厳しい表情で空間を睨み、サラ教官は真剣な表情で空間を見つめ

「”起動者”候補ってボクたちのこと?」

「わからぬが……これだけは確かのようだな。今宵、我らが導かれるべくしてここに導かれたのだと。」

「……ああ……」

ラウラの言葉にリィンが頷くとドクンと左胸のアザが疼いた。

 

「……っ……」

「リィン……?」

「兄様!?」

「胸が痛むのですか!?」

「だ、大丈夫なの?」

左胸を抑えたリィンに気付いたエリオット、エリゼとセレーネ、アリサはリィンを心配し

(状況から考えて、リィン・シュバルツァーが『起動者』とやらかもしれないな……)

(ええ……問題はその『起動者』が何を顕すか、ですね。)

リウイとイリーナはリィンを見つめて小声で会話し

(ペテレーネ様、気付いていらっしゃいますか?)

(ええ、あの眼鏡の女性の傍に控えている黒猫ですね?)

(うむ、意思を持ってここまで来た事と良い、どう考えてもあ奴の使い魔の類じゃろうな。)

エクリア、ペテレーネ、リフィアはセリーヌを見つめて小声で会話していた。

 

「……リィンさん、胸のアザが疼くんですね?」

「ああ……そうだけど。でも、どうして……?」

「……………………ちょっとしたお呪いです。」

戸惑いの表情をしているリィンの問いかけに答えたエマはリィン達の正面に来た。

 

「―――ですが、どうやらこの先は尋常ではない場所のようです。リィンさんも含めて……皆さん、覚悟はできていますか?」

「エマさん……」

「その問いかけは一体どういう意味ですか?」

(まあ、間違いなくこの”異変”が何なのか知っていそうねぇ?)

真剣な表情で自分達を見回すエマの問いかけにプリネは驚き、ツーヤは真剣な表情で尋ね、レンは小悪魔な笑みを浮かべてエマを見つめ

「フン、どうやら何かを知っていそうな口ぶりだが……」

「愚問だね。さっさと行って片付けてくればいいだけだよ。」

ユーシスは鼻を鳴らしてエマを見つめ、エヴリーヌは静かな表情で呟き

「セリーヌも……いつの間にかついてきてるし。」

「ニャア。」

マキアスは戸惑いの表情でセリーヌを見つめた。

 

「俺は―――俺達はみんな、Ⅶ組があるからここまで来られた。お互いがお互いを認めて成長し、それぞれの道を目指せるような……そんな強さを少しは手に入れられたんじゃないかと思う。」

「リィンさん……」

「フフッ、言うようになったじゃない。」

「………………」

リィンの言葉にエマは驚き、サラ教官は感心し、レーヴェは静かな笑みを浮かべた。

 

「そうね。」

「まさか入学した当初、皆とここまでの絆を育めるとは思ってもいなかったが……」

「ラウラ、直球過ぎ。」

「フン、そこの男を認めた覚えはないんだがな?」

「そ、それは僕の台詞だ!」

「あはは……」

「お願いですから、もう仲違いはしないで下さいよ……」

「フフ、ツーヤが一番苦労していたものね……」

「こういうやり取りも含めて俺達”Ⅶ組”という事だろう。」

「んー、いいなァ。」

「わたくし達も、もっと早くⅦ組に来たかったですわ。」

「エヴリーヌも、もうちょっと早く来たらプリネ達ともっと一緒に学院生活を送れたんだけどな。」

「やれやれ、スレたお兄さんには眩しすぎるくらいだぜ。」

(フフッ、”Ⅶ組”か……クロウが羨ましいよ。)

そしてリィンの言葉をきっかけにⅦ組の面々はそれぞれの顔を見合わせて軽口を叩きあい、その様子をアンゼリカは微笑ましそうに見守っていた。

 

「ミリアムも、クロウも、エヴリーヌさんとセレーネも同じさ。それに委員長も……これだけは自信を持って言えるんじゃないか?―――俺達Ⅶ組が”最高のクラス”だって。」

「………………ふふ、確かに。およそクラス分けには縁がなかった私ですが……Ⅶ組が最高であるのは自信を持って言えると思います。」

「だったら行こう―――この先に。俺達のクラスが最高だと。俺達自身を証明するために。この異変を食い止めて”明日”を引き寄せるために。」

「……リィンさん……わかりました。もうとやかく言いません。行きましょう……私達の明日を掴むために!」

「ああ……!」

そしてリィン達は謎の空間の中へと足を踏み入れた。そして空間の中を通った先にリィン達が見たのは宙に巨大な迷宮が浮いているという信じられない光景だった!

 

 

 


 
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