No.718764

【獣機特警K-9ⅡG】ロボット警官マオ誕生!【交流】

古淵工機さん

今回のキャラは全員ペディさん原案。

■出演
マオ・クリハマ:http://www.tinami.com/view/704095
ペディ博士:http://www.tinami.com/view/681649

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2014-09-18 00:56:43 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:761   閲覧ユーザー数:714

今から2年前。ペディ・スペア博士の研究室。

「姉貴~、頼まれてた部品かって来たよー!」

「なんかえらく大量に入用みたいだけど…一体どうしたの?」

パーツショップで部品を買ってきたマオ・スペアとパム・エルルが室内に入ってきた。

 

「…電磁アクチュエータに電流調整器、それに冷却装置…うん、完璧ね。あなたたちが買ってきたので最後よ。お疲れ様」

「はぁー、やぁぁっと終わったぁ」

「それにしても姉貴、今度は何作ってんの?」

と、マオがペディに訊ねると、ペディは作業を続けながら答えた。

「あぁ、実は火星のマーズオリンピア警察署から特殊捜査活動用のロボットを作ってくれって言われてね。今からその仕上げにかかるところよ」

ふとパムは、ペディの目の前に横たわっている物体に目をやる。

まだ一部の外装が取り付けられていない状態ではあるが、紛れもなく人の形をした物体。

よく見るとそれは細身のプロポーションで、長い耳がウサギ形の女性タイプロボットであることを物語っていた。

 

「それでこれがこの設計図よ」

ペディが取り出した一枚の紙。そこにはロボットの完成図が描かれていた。

茶色の外装で覆われたそのウサギ形ロボットは、火星での特殊操作を念頭に置いた設計がなされていたのである。

「えーっと…マルチ・パーパス・アドバンスドユニット?」

「そう。火星で活躍しているロボット警官の基礎フレームであるMXタイプをベースに、より柔軟に対応できる機体を作ろうというのが今回の目的よ」

「へー、それにしてもこの子…0号機なんだ。MA-0…エム・エー・ゼロ…マオ?…わ、つなげて読んだらあたしの名前と同じになった!?」

と、この事実に気づいたマオの頬は紅潮していた。

「うーん、名前はまだ決めてないんだけど…市民ロボットだから決めないといけないわね…」

 

「じゃあさ!」

と、マオは掌を叩く。

「…この子の名前あたしにつけさせてよ!名前はマオ!世の中同じ名前の人もたくさんいるんだし!」

「うーん…マオ、ねえ?」

「ねぇいいでしょ姉貴!」

「まぁいいけど…でも、そうしたらどっちのマオだかこんがらがっちゃいそうだわねwww」

「それもそうだねwww」

などと言っていると、ようやく外装パーツの取り付けが終わったロボット・マオがゆっくりとその瞼を開いた。

 

「ん…ぅ…」

「あ、起動したみたいだよ姉貴」

「こんにちは。私があなたの製作者ペディ・スペアよ。挨拶できるかしら?」

と、ペディは目の前のロボットに声をかける。

「…はい。あたしは次世代型多目的ロボットユニット…MA-0・タイプ・マオです」

「おお、なんか命の誕生に立ち会ってるって感じ!」

「ほんと、まるで生まれたての赤ちゃんみたい!」

「じゃあ、私の名前は言えるかしら?」

「…ペディ・スペア博士…あたしを、作った人…。…あたしの…あたしのお母さん…」

と、ここまで答えたロボット・マオの頭をペディはひと撫でする。

「そう、よく言えたわ。いい子ね」

「にへへへw」

出来上がったばかりの頭を撫でられると、ロボット・マオは照れくさそうに笑ったのち、目の前のマオとパムのほうに目をやるとさらに続けた。

「…マオ・スペア。お母さんの妹。で、そのお隣がパム・エルル、お母さんの助手でマオ叔母ちゃんのお友達…」

 

「ちょっとちょっと、叔母ちゃんはないでしょっ!ww」

「んー、そう言われてみれば叔母ちゃんと呼ぶには若すぎるし…じゃあマオお姉ちゃん、かな?」

「でも、どう見ても茶色いほうのマオのほうが年上に見えるわよね」

「まあ、初期設定年齢を20歳にしてあるからね…」

と、談笑するパムとペディをわき目に、ロボット・マオの思考回路はフル稼働する。

「うーん…となるとー…あたしの方が年上で作られてるんだからー…」

と、考え込んでいたところに生身のマオが声をかけた。

「じゃあこうしよう!マオ姉!マオ姉でいいよね!!ね!」

その言葉を受けたロボット・マオはしばらく考え込んでいたが…。

「…なるほど、それならしっくりくるわね!さっすがマオちゃんっ!」

「えへへへw」

「そうそう、あなたの苗字をランダムで選び出したんだけど、これでいいかしら?」

と、ペディはロボット・マオにモニター画面の文字を見せる。

 

「あたしはMA-0・マオ…フルネーム・マオ・クリハマ…。OK、インプットしたよ!」

「じゃあ、もう一度フルネームを言ってみてちょうだい?」

「うん。あたしはマオ…マオ・クリハマ。よろしく、お母さん!」

 

かくして誕生したマオ・クリハマは直ちに火星の住民として登録が行われ、マーズオリンピア警察署へ配属されることになった…。

さてここは現代、テポ・ナガサワとラーシャ・ミウラの住むアパートの一室。

「と。こうしてお母さんたちに見守られながらこのマオ・クリハマは生まれたんだよ」

「へーぇ、そんなことがあったのねぇ…」

と、ラーシャ。

「でもよかったじゃん。楽しそうな家族たちでさw」

と、テポ。

「うん。あの時はとっても嬉しかったけど…実はもう一つ嬉しいことがあったんだよ」

「もう一つ?それって、どういうこと?」

「うん、聞かせて聞かせて!」

と、ラーシャとテポが目を輝かせていると、マオは突然二人の肩を抱き寄せた。

 

「火星に来て早速、家族が増えたってこと!これからもよろしくねテポ姉ちゃん、ラーシャ姉ちゃん!」

「あ、改めてそう呼ばれちゃうと何か~…///」

「うん、照れくさい…よねえ?///」

 

ロボット警官、マオ・クリハマ。彼女の人生は、まだまだ始まったばかりである。


 
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