No.717514

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第265話

2014-09-15 00:12:30 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1743   閲覧ユーザー数:1594

 

 

~ユミル渓谷~

 

「ハア、ハア、ハア…………」

奥義を放ち終えたリィンは突如襲ってきた疲労によって息を切らせ

「魔獣が……!」

「消えて行く……」

「それに……吹雪も止んでいくぞ………!」

仲間達は消えて行く魔獣や止み始めた吹雪に驚いていた。

 

「やったの!?」

「ああ……もう気配は感じない……石碑に封じられた何かが還って行ったみたいだ……」

「フウ、手強い相手だったな……」

「物足りない。どうせなら悲鳴をもっと上げさせながら殺したかったのに。」

「エ、エヴリーヌさん……」

リィンの言葉を聞いて危機が去ったことを察したマキアスは安堵の表情で溜息を吐き、不満そうな表情で呟いたエヴリーヌの言葉にセレーネは呆れた表情になった。

 

「さっきのあなた……まるで別人みたいだったわ……フフッ、何だか殻を1つ破ったみたいね?」

「みんなのお蔭さ……みんなが俺を……俺の力を受け入れてくれた……だからこそ、俺は自分自身を受け入れる事ができたんだ……!―――ありがとう、みんな!」

アリサの言葉に頷いたリィンは明るい表情で仲間達を見回した。

 

「フフ、そうか……」

「とにかく、よかったですね……異変も収まりましたし……これで一件落着でしょうか?」

「……………」

「ハア……ほっとした~……」

「いや……―――まだだ。」

「何だと?」

仲間達がそれぞれ安堵している中、真剣な表情で呟いたリィンの言葉を聞いたユーシスは警戒の表情で周囲を見回した。

 

「―――いい加減、高見の見物は終わりにしたらどうだ!?姿を現してもらうぞ!怪盗”B”!」

そしてリィンがある方向を見つめて叫んだその時!

「ハッハッハッ……!いい物を見せてもらったよ……!そしてよくぞ我が正体を見たり……!その慧眼には素直に評そう」

なんと執行者―――”怪盗紳士”ブルブランが現れ、手を叩いてリィンを称賛した!

 

「あ、あの人は……!」

「確か帝都の宝物店で王冠を盗んだ……!」

「うむ……怪盗”B”だったか……」

「ガケの上から全部見ていたんだね……」

(へ~……”怪盗”ねぇ?)

ブルブランを見たエリオットとセレーネは驚き、ラウラは真剣な表情でブルブランを警戒の表情のフィーと共に睨み、エマの身体の中にいるヴァレフォルは興味ありげな表情をしてブルブランを見つめ

「へえ?あいつが前にプリネを狙っていた……ちょうどいいや♪」

エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべてその場から転移して消え

「さて……自然の”理”を己の欲望の為に使った者には裁きを与えなければいけませんね……」

更にリザイラがリィンの傍に現れた後エヴリーヌに続くように転移魔術で消えた!

 

「帝都で遭遇してから3ヶ月ぶりくらいか……―――今回のユミルの異変はあなたの仕業だな!?」

「いかにも!」

「どうしてこんな事を……!」

「チッチッ、質問が違うのではないかね?君はこう尋ねるべきだ………『どうして自分に興味を示すのか』と。」

「なっ……!?」

ブルブランの指摘にリィンは驚いた。

 

「フフフフフフ……!改めて名乗らせて頂こう!ハッ!!」

そして高笑いをしたブルブランが跳躍したその時!

「くふッ♪撃ち落してやるよ♪」

「な―――グアッ!?」

なんといつの間にか空中に転移魔術で現れたエヴリーヌが神速の矢を連続で放ち、放たれた矢はブルブランの右腕を貫き、右腕を貫かれたブルブランは地面に叩きつけられた!

 

「グッ……!”魔弓将”、改めて名乗ろうとしている所で邪魔をするなど無粋ではないか……!」

血を流している右腕を庇いながら立ち上がったブルブランはエヴリーヌを睨んだが

「くふっ♪わざわざ名乗って、隙を作るそっちが悪いんだよ♪さっきはエヴリーヌ達を氷漬けにしたんだから、今度はそっちを氷漬けにしてやるよ♪――――凍っちゃえ!氷垢螺の絶対凍結!!」

「うおおおおおおおおおっ!?」

そしてエヴリーヌが片手に溜め込んだ膨大な魔力を解放するとブルブランの周囲に絶対零度の猛吹雪が発生してブルブランの身体を氷漬けにし

「闇に呑まれちゃえ!―――崩壊のディザイア!!」

「グアアアアアアア―――――ッ!?」

エヴリーヌが続けて放った魔術によって発生した暗黒の霧に包まれたブルブランは悲鳴を上げた!

 

「―――おのが欲望の為に自然を……精霊を利用した事を”精霊王女”である私が許すとお思いですか?」

するとその時崖の上空にリザイラが転移魔術で現れ

「氷の精霊よ!雪の精霊よ!風の精霊よ!そして大地の精霊よ!己の欲望の為に自然を利用した愚かにして邪(よこしま)なる者に自然の裁きを与えなさい!」

膨大な魔力を両手に掲げて解放した!するとその瞬間、地鳴りがした後崖の上から雪崩が現れ、雪崩はブルブランを襲った!

「な―――――――」

そしてブルブランは雪崩に呑み込まれ、雪崩はそのまま山の斜面に沿って流れて行き、雪崩に巻き込まれたブルブランは山の麓まで流された!

 

「…………………………」

その様子を見守っていたリィンは口をパクパクさせ

「な、雪崩を人為的に起こすなんて……!」

「ひ、非常識な……」

「もはや歩く自然災害と言ってもおかしくないぞ。」

「リザイラであるからこそ、今のような事ができるのだろうな……」

「ええ……彼女は何といっても自然と同調している”精霊”を統べる”精霊王”と同等の存在ですからね……」

アリサは信じられない表情をし、マキアスとユーシスは疲れた表情をし、ガイウスの言葉にエマは重々しい様子を纏って頷き

「雪崩に巻き込まれてしまったあの方……大丈夫でしょうか?」

「気にする必要はないと思う。今回の元凶で”結社”の”執行者”だから、むしろ今ので死んでいたらラッキーだね。」

「ア、アハハ………さすがにちょっと可哀想な気がしてきたよ。」

「まあ、名乗る暇すら与えて貰えなかったのだからな。」

心配そうな表情をしているセレーネに答えたフィーは静かに呟き、エリオットは冷や汗をかいて苦笑し、ラウラは困った表情で雪崩が去った場所を見つめていた。

 

「くふっ♪元凶にもお仕置きをしたし、これで一件落着でいいんじゃないの?」

「あ、ああ……それじゃあ、戻ろうか。(というか、エヴリーヌさんとリザイラの問答無用な攻撃のお蔭で怪盗”B”が何の為にこんな事をしたのか、全然聞けなかったんだが……)」

そしてリィン達はユミルへと戻って行った。

 

 

 

 

 

と言う訳で、ブルブラン、名乗る暇も与えてもらえずエヴリーヌとリザイラの奇襲によって酷い目にあわされましたww一応言っておきますけど、まだ生きていますからね!でないと、閃Ⅱの展開に困りますし(オイッ!)


 
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