一刀が発動した新たなる進化………
その名は『鷹狼虎龍』……………
誰も反応出来ない速度と圧倒的なパワーで晩禍にダメージを与えていく
しかしまだまだ
一刀の猛攻は止まらないっ!!
三節 〜THREE MINUTE〜
一刀「手加減してるんだけど………改めて凄いな………」
一刀は地面に叩きつけられた晩禍を見ながら、伸びた長く鋭い爪で頬を掻いていた
晩禍「がっ!!ぐっ!!」
晩禍は血を吐きながら『空立』をしている一刀を睨みつけた
晩禍「クソガキが………貴様のような下等種族がこの晩禍を地面に叩きつけるだと…………!!?」
ギュォォッ!!
晩禍の『邪闇気』は更に赤黒く染まっていた
晩禍「貴様は熟、この晩禍を怒らせてくれるなあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ギュォォッ!!
蓮華「っ!!?」
詠「う、うご………動けない………」
白蓮「ふ、震えが…………と、止まらない………」
晩禍の怒りの『邪闇気』はその場にいる全ての者達の戦意を砕き折った
秋蘭「くっ……………威圧という言葉だけでは…………生温い………
何という………『邪闇気』だ……」
冥琳「……………我々、軍師達は………立っている……こ、事すら……出来ぬ…………」
気がついて廻りを見回たせば全ての軍師達は座り込んで体を震わせていた
穏「うぅぅ…………足がすくんで立てないですぅ……」
雛里「あわわ………………」
稟「一歩も………動けません」
左慈「あれが………『憤怒の晩禍』の本気か………」
左慈は冷や汗をかきながら小さな声で言った
一刀「怒るのは結構だが、晩禍………お前の相手は俺だ
矛先を全て俺に向けるんだな」
一刀は腕を組みながら晩禍に言う
晩禍「言われなくとも貴様から解体し(バラし)てやる…………はぁっ!!」
ゴオッッ!!
晩禍は雄叫びを上げながら『龍走』を繰り出した
晩禍「貴様如きにこの晩禍を倒せる筈がないのだ!!!」
一刀「過信し過ぎだぜ……………否定過激派の王よ!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
晩禍は先程より速く、重い一撃を連続的に放ち始めた
だが一刀には掠りもしない
晩禍「この…………ちょこまかと…………臆病者めが!!」
一刀「臆病者結構結構………
それと言い忘れていたけど、この『鷹狼虎龍』は細かく言ってしまえば『存在能力』のことだ
云わば響窃のことだ」
晩禍「何が言いたい?」
晩禍は眉を顰め一刀に返答する
一刀「簡単に言えばお前は今、響窃に負けてるのさ!!」
フォン!!
バキッ!!
晩禍「ぐはっ!!!?」
一刀は右手で晩禍の顔を殴り、又もや岩に叩きつけた
一刀「あっ………あと二つ言い忘れてた」
一刀は晩禍を見下ろしなが言う
一刀「『存在能力』を完全に操ることが出来た為『鷹狼虎龍』を発動しているって事と、『鷹狼虎龍』は発動すると通常の戦闘力値の15倍以上にまで跳ね上がるって事
つまり今の晩禍、お前では俺には到底勝てないよ?」
霞「やるやん一刀!!めっちゃ強いやん!!」
七乃「これなら楽勝ですね〜♪」
皆、晩禍との戦いに希望を感じていた
華琳「だけど、そう簡単にはいかないんじゃないの?思春、焔耶………」
華琳や雪蓮といった一部の人間以外であったが
思春「………………」
桃香「??どういう意味ですか?華琳さん」
華琳「先程一刀が『鷹狼虎龍』を発動しようとした時、思春や焔耶は最初止めに入ったわ
『それはまだ未完成だから』と言ってね」
雪蓮「何かしらの欠点でもあるのでしょう?」
雪蓮も思春や焔耶を問い詰める
焔耶「……………その通りです」
思春「副作用が起こったり暴走するという厄介なものではないですが…………」
思春は悲しい表情でこう言った
思春「単純に一刀は『鷹狼虎龍』の経験が浅いのです
『存在能力』を完全に操ることが出来たのはつい最近…………『鷹狼虎龍』が出来たのも一昨日程です」
桃香「う~んと………つまり?」
桃香はまだ理解出来ていないのでもう一度聞き返す
焔耶「簡単に仰えば時間制限があるのです
流石のお館も永遠に『鷹狼虎龍』を発動出来る訳ではありません
一定の時間が過ぎれば元のお館へと戻ってしまいます」
左慈「その時間は………およそでいい
どんくらいだ?何秒か?何分か?」
左慈の質問に思春は
思春「およそ3分だ」
思春は指を三本立てて皆に示す
思春「一刀と晩禍の戦闘力値は略互角
だが『鷹狼虎龍』を発動した一刀なら簡単に上回ることができる」
貂蝉「つまりこの3分の間にどれだけ晩禍ちゃんにダメージを蓄積出来るかが勝利の鍵って訳ねん」
于吉「因みにダメージとは損害、痛手という意味です」
雪蓮「………………勝算はどうかしら?」
冥琳「厳しくない訳ではないが、楽なものでもないな」
朱里「こればっかりはご主人様に賭けるしかないかと…………」
朱里は申し訳なく言った
左慈「よくよく聞いてみれば今の北郷はスーパーマンというよりはウルト○マンに近いな………
しかも変身の仕方は狼男っぽいし」
左慈は呆れながら戦場に目をやる
左慈「北郷………てめぇにこの大陸の存亡がかかってんだ…………
晩禍に一瞬に油断も許すなよ…………」
左慈は拳を握りしめ、小さく呟いた
一刀「(…………あとおよそ2分)」
一刀は自分のタイムリミットを考えていた
晩禍「このゴミクズがあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
ギュォォッ!!
晩禍からは激怒の『邪闇気』が溢れ出していた
一刀「こりゃあ凄い『邪闇気』だな
思わず鳥肌が立っちまう程だ」
晩禍「くたばれっ!!!」
ゴオッッ!!
晩禍は瞬時に作り出した『激怒炎』を投げつけた
その大きさ、色、速さは華琳に投げつけた時の3倍はくだらない程である
一刀「……………………」チャキ
一刀は無言で鋭く生えた爪を構えた
一刀「それ!」
フォン!!
ブォンッ!!
一刀は右手の爪で『激怒炎』を払い除けた
晩禍「このぉ………………はぁっ!!!」
ゴオッッ!!
晩禍は『龍走』で突っ込んできた
一刀「………………上等!」チャキ
ゴオッッ!!
一刀も同様にして『龍走』で突っ込んでいった
そして両手の爪を構えた
晩禍「っ!!『炎火の守護(ほむらびのしゅご)』っ!!」
晩禍は掌から緑色の炎を出現させ、盾のように広げた
左慈「あれは晩禍の『鉄壁の炎』っ!!」
于吉「北郷さん、それに爪で挑んでしまえば手が無くなってしまいます!!」
左慈と于吉は一刀に向かって叫ぶ
だが一刀は
一刀「その心配は空振りに終わりそうだよ〜」
と簡単に返す
晩禍「『炎火の守護』を舐めると痛い目にみるぞ?小僧っ!!」
晩禍は『炎火の守護』をしたまま右手の拳を握り締める
一刀はそのまま右手の爪を構え
一刀「斬り裂け…………はっ!!」
フォン!!
ザシュッ!!
晩禍「がっ!!?」
晩禍に向かって斬りつけたのだが、一刀の爪は『炎火の守護』を貫き晩禍を斬り裂いたのだ
左慈「はぁっ!!?嘘だろっ!!?」
貂蝉「突き抜けちゃったわん」
誰もが驚きを隠せなかった
晩禍「ぐっ!!何故だっ!!岩よりも硬い炎だぞ!!!」
晩禍は一刀に向かって叫ぶ
一刀「あちゃあ『岩よりも硬い』のか〜〜そりゃあ残念だ
生憎だが、この爪は岩を豆腐のように斬り裂くぜ?」
一刀は苦笑いで言った
晩禍「何だと………………!!!!」
晩禍は歯ぎしりをしながら一刀を睨みつける
一刀「名付けて『岩石鷹爪斬(がんせきようそうざん)』
こいつの最大目標は金剛石を斬り裂くことさ」
一刀は胸を張って言う
一刀「俺の体に特徴的な部分が出来た所にはそれぞれ特殊な能力が備わっているのさ」
晩禍「……………くっ!!」
晩禍は悔しそうに呻る
一刀「その一つ一つをじっくりゆっくり教えてやるよ、『憤怒の晩禍』さん♪」
……終……
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一刀が発動した『鷹狼虎龍』は凄まじいものであった
いとも簡単に晩禍を吹き飛ばしダメージを与えていく
だがこれはまだほんの準備運動にすらなっていなく
一刀は余裕の笑みを浮かべていた………