二人の劉備と二人の御使い~咎を受けし御使いの最後の旅
天の御使い
陳留から離れた郊外の荒野、そこには何もなく、ただ黄土色の大地が広がるばかり。だがしかし、一筋の流星がその場所に落ちた。
???「い・・・たたた・・・ん?ど、どこや此処?」
眼鏡をかけて、怪しい関西弁で、何処となく駄目さが目につき、白い制服を着用した少年。名を及川祐。聖フランチェスカ学園の高校二年生である。
及川「・・・ベットから落ちたらそこは異世界でした・・・って洒落にならんわ!?」
自分の状況に大いに突っ込みをかますエセ関西人・・・失礼、及川。
及川「ほんまに此処何処なんや??」
辺りを見渡すと、遠くから何やら土煙を上げてくる集団が目にとまった。明らかに及川の方へと向かってきている。
賊「おうおうおう、あんちゃんよう、めずらしいふくきてんじゃねえか。ころされたくなければみぐるみぜんぶおいてうせな。」
なにやら頭の悪い賊が頭の悪いセリフと共に及川に近づいて来た。
及川「な、何やあんたら!?」
賊「おうおう、こいつがめにはいらねえのか?ころされたくなければみぐるみおいてうせろっていってんだよ!」
そういってぞくはけんをおいかわにむけてつきだした。・・・おっと染ってしまった。
及川「ひ・・・」
???「待てい!」
賊「あん?だれだ!」
???「弱きものをいたぶる、その様な輩に名乗る名は無い!!」
名乗ってもらわないとこっちとしても困る訳だが・・・皆さんご存知趙雲子龍さんです。真名を星。ついでに言っておくけど標記は真名で行こうと思う。なぜなら・・・皆さん知っての通り一騎ルートでもう仲間になっているから!知らない人はちゃんと最初から見てね!(メタァ)
星「大丈夫か?そこのしょう・・・ね・・・ん。」
星は及川の姿を見るや驚いた顔をする。
星(・・・あれは・・・たしか制服だったか?だがしかし主では無い?どう言う事だ?私が今こうして“あの二人”と旅をしていること自体も可笑しい話なのだが・・・)
賊「おいくそあま、おれらをむししてんじゃねえよ!!」
星「お?すまないすまない。余りの馬鹿さに存在を忘れていた。さて・・・人から物を奪おうと言うのだからそれ相応覚悟はできているのだろうな??」
星はそのまま槍を構え、賊達に臨戦態勢を取る。
賊「なめんじゃねえ、おまえらやっちまえ!!」
その賊の掛け声に残りの賊も剣を抜き星に向かって突っ込んでくる。だがしかし、今の星にとって、この時期の賊など取るに足らず、ましてや馬鹿が率いる奴等など赤子の手を捻るような物だった。
星「貴様らごときに我が槍は止めることなど出来ん!はい、はい、はい、はい、はいぃぃぃ!!!」
その連撃の元、賊達は一人、また一人と討ち取られていった。
賊「ひぃ!?こ、こいつ強いぞ!逃げろ~!!」
残った数人は星の強さに恐れをなし、逃げ出してしまった。
星「ふ、他愛の無い奴らめ。」
及川「あ・・・あの・・・」
星「ああ、大丈夫か?・・・その、お主は・・・」
星が北郷一刀を知っているかと聞こうとしたその時。
???「星殿!星殿はいずこに!!」
そう言って駆けてくる人物が一人。
???「まってくださ~い、稟ちゃ~ん」
その人物の後ろからも綺麗な金の髪をなびかせて、走ってくる少女がいた。
星「おお、稟、風。すまんな。賊どもが何やら一般人を襲っていたので義侠心に駆られてしまった。」
稟と呼ばれた少女「まったく、護衛が護衛対象を置いて駆けだすなど前代未聞です。」
風と呼ばれた少女「ですね~、さすが星ちゃんです~」
何がさすがなのだろうか。
稟と呼ばれた少女「それで?その人が襲われていた一般人ですか?」
風と呼ばれた少女「・・・その様ですね~。風の予想が大きく外れて残念なのですよ~」
星「予想?」
風と呼ばれた少女「とにかく~、眼鏡のお兄さん、ちょっといいですか~?」
及川「へ?な、なんや??」
風と呼ばれた少女「風は程立って言うのですよ。眼鏡のお兄さんは何て名前なのですか~?」
及川「俺?俺は及川祐って言うんや。って程立?さっき風って・・・」
星「!?貴様!!」
及川「ひえ!?な、なんやなんや!?なんなんやぁぁぁ!?!?!?」
程立「・・・む~」
稟と呼ばれた少女「訂正なさい!人の真名を勝手に許しもなく呼ぶとは!!」
及川「な、なんや分からんけど訂正する!訂正するからその槍を引っ下げてぇな!」
程立「・・・もういいのですよ星ちゃん。見慣れない服装、いきなり真名を呼ぶ世間知らずさ、おそらくですが真名を知らないのでは~?」
稟と呼ばれた少女「風、それはさすがに・・・」
星「・・・ふむ、それも然り。風の考えに私は賛成だ。」
稟と呼ばれた少女「星殿!?はぁ、まあいいです。ああ、自己紹介がまだでしたね。私は戯志才と言います。」
ようやっと自己紹介が出来た彼女はひとまず放っておいて。星はともかく程立までその様な事を言うのは明らかにおかしい話だ。その理由は・・・
程立(・・・はぁ、お兄さんだと思ったんですけどねぇ。同じ制服を着ている所を見るとおそらく知り合いだと思うんですけど・・・今此処でそれを聞くのはまずいですね~)
このように記憶が存在するからなのだ。
星(稟と風が居る時点で主の事を聞く訳にはいかないな・・・)
及川「そ、それで真名ってなんやねん?」
戯志才「真名とはそのものの本質を表す神聖な名です。それを許しも無く呼ぶと最悪問答無用で首を斬られます。」
及川「そ、そないな大事な名前、知らん人間の前で呼び合うなや!」
戯志才「そもそもこの大陸に真名を知らない人間などいません。だいたい、自己紹介もしていない人物の・・・まぁあの場合、名乗った名に疑念を持ち真名を呼ぶ辺り、無礼はあなたです。」
及川「んな理不尽な!?」
戯志才「理不尽ではありません。貴女がどこの誰だか知りませんが・・・それがこの大陸の決まりです。」
及川の言う事ももっともなのだが、この場合戯志才の方が正しいだろう。たとえそれを知り得ない事でも、知らない場所の法と言う物は存在する。それに抵触したのだ。知りませんでしたではすまされない。それがたとえ知っている土地の知らない法律でも、だ。
及川「そないなこと・・・」
星「む、まずいな。風、稟。どうやら官軍のようだ。面倒事に巻き込まれる前に逃げるぞ。」
及川「え?ちょ、置いて行くんかいな!?」
風「残念ながら風達は旅の最中、貴方を守る余裕も養う余裕もないのです。官軍に保護された方がいいですよ~。それでは~。」
三人はそのまま駆けだしていった。及川はそれをポカンと眺めるしかなかった。
及川「な、なんなんや・・・ん?なんやこれ・・・えっと・・・太平・・・要術?なんや重要な物みたいやな。持っとこか。」
そう言って近くに有った鞄にそれをしまう及川。そこに現れたのは騎馬に乗った兵士の集団だった。
及川「ほんま此処何処やねん・・・そういやあ戯志才ってどっかで聞いた事が・・・?」
そして出会う。本来は出会うはずの無い人物と。この間違った出会いがどういう結果を生み出すのだろうか。それは誰も知らない。
<fp>
For華琳side
あの荒野でであったのは白い服を着た少年だった。だが話を聞く限り要領を得ない。私の名前を聞いて有り得ないだの、何のドッキリだのほざき始める始末だ。ドッキリって何よ?
華琳「で?あなたは何者なの?」
及川「いや、せやから俺はフランチェスカ学園って所の学生やって。」
夏候惇「訳の分からん事を!華琳様、こ奴やはり叩っ斬るべきでは?」
はあ、本当にキリが無いわ。こいつと出会う前まではあんなに心躍っていたと言うのに、こいつの所為で地の底に叩き落とされた気分よ。
華琳「春蘭も落ち着きなさい。詰まる所貴方は未来から来たと言いたいのね?」
及川「だからなんでそうなるん?おたくらただのコスプレイヤーやろ?ええから此処が何処か教えてぇな。」
・・・こいつ斬ろうかしら(^_^#)
華琳「あなたねえ・・・少しは自分の状況を理解したら?下手したら貴方は賊の可能性もあるのよ?こっちは人員を使ってるし貴方を殺してしまっても一向に構わないのよ?」
及川「ど、どうしておたくらはそう極端なんやねん。」
華琳「当然でしょう?賊かもしれない人間に慈悲を与えていれば私達の足元を掬われかねないもの。貴方は敵なの?味方なの?害はあるの?無いの?あなたが此処を知らないなら行くあては?生きる術は?そう言ったことまで考えられないのかしら??」
正直此処まで頭の回らない男も珍しいわね。悪知恵くらいは働かせそうなものだけど。
及川「・・・・・・・・・・・・おお、俺どうしよう??」
訂正、こいつ本当にただの馬鹿だったわ。
華琳「貴方は私の名乗っていない操の名を知っていた。そして私が二人に話していないいずれ建国した時の為の国の名を知っていた。それ以外にも貴方が未来を知っていると判断する材料はあるわ。それを踏まえて・・・貴方私達を利用する気は無い?」
とにかく未来の知識と言うは利用し甲斐がある。歴史には興味は無い。だが、未来の政には興味がある。その知識を持ってすれば我が覇道の助けにはなる。
及川「どういうこっちゃ?」
夏候淵「華琳様?」
華琳「私はね、貴方の未来の政の知識が欲しいのよ。貴方は生きる術が欲しい。利用し合いましょうと言っているの。」
及川「つ、つまり俺の安全を保証する代わりに知識を貰うっちゅうことか?」
華琳「ええ、単純な取引でしょう?」
及川「・・・まあ、選択の余地は無いけど・・・・・・」
華琳「けど?迷っているの?迷う要素など無いのにね。」
彼なら迷わないわ。困ったように笑ってよろしくお願いしますって言うわよ。・・・・・・彼って・・・誰?
及川「ええわ。その話受けたる。」
夏候惇「貴様、その態度はなんだ!華琳様が貴様に慈悲を与えていると言うのに!!」
華琳「構わないわ春蘭。及川だったわね。貴方の知識、有用に使わせてもらうわよ。」
及川「わかってる。俺もうまく利用させてもらいますわ。」
華琳「ええ、それでいいわ。」
それが出来れば・・・ね。
その後、賊の居城が判明。討伐に行くことにした。その戦闘で及川の胆力を図るつもりだったけど、すぐに駄目だと分かった。この男は戦場にすら立とうとしない。言い訳をしながら私達の影に隠れるだけの弱い男だと言うのが判ったからだ。
華琳「契約とは言え・・・もう少し気概という物を見せてほしかったわね。」
そう・・・彼は文句を言っても逃げたりなんかしない。私の言う事を聞いて、私が間違ったら引っ叩いてでも正してくれる・・・・・・・・・だから彼って・・・誰よ。
華琳「はあ、良い拾い物だと思ったけど。早計だったかしら?」
後悔はしたくは無い物だけれど。いえ、むしろ私を後悔させられるのなら大したものね。
そのまま賊は討伐。しかし、肝心の太平要術は見つからず、賊の城と共に焼失したとみた私はそのまま陳留の城へと帰還したのだった。
あとがき
及川マジ駄眼鏡。
一刀「及川マジ死ね。」
及川「二人とも酷いんとちゃうん!?」
太平要術がめるんじゃねえよ変態。
一刀「お前ちゃんと華琳に礼しろよ性犯罪者。」
及川「評価が酷くなってきているやと!?」
さて、ロリペド野郎は放っておいて・・・
一刀「あとがきを始めよう。」
及川「ロリペドちゃう!巨乳お姉さん派や!夏候淵ちゃん一番タイプや!」
一刀「・・・殺していいか?」
・・・まあ待て一刀、こいつには本編内で酷い事になってもらおう。
及川「ちょ、ま!」
二人「「待たん、覚悟しろガチホモ野郎。」」
及川「すでに酷いことになっとる!?」
さて、及川虐めも此処までにしておこうか。それではあとがきコ~ナ~。
一刀「それではお便りです。巨尻じゃないわ、桃尻と呼びなさい!さんからです。」
ありがとうございます。
一刀「えっと・・・私達の出番はまだなのでしょうか?正直待ちきれません。一刀といちゃいちゃしたい。一刀にprprされたい。早く出して!だそうです。」
呉は考えてません。
一刀「ひどいな・・・」
及川「俺は呉が好きやな、巨乳万歳や。なんで俺を呉に落とさなかったんや!」
だまれ有機物。お前がそんなんだからだ。
一刀「そうだだまれ無機物。お前なんて貂蝉に掘られてしまえ。」
及川「俺・・・泣いてもええんちゃうかな?」
じゃ、そう言う事で巨尻さん。さっきは考えていないって言いましたが、呉の面子もある程度一刀側に行く事は確定的明らかなのでご期待ください。
一刀「落ちこむなよ蓮f・・・巨尻さん。こいつはやれる男だ。・・・たぶんな。」
ああ・・・たぶんな。
二人「「それじゃあまた次回!バイ!(・ω・)ノシ」」
及川「俺が来た意味あったん?なあ、あったん??」
一刀「良いから帰れよ、微粒子。」
及川「もはや視認すら難しくなっとる!?」
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前話が短かったので連投。一緒にしなかったのは題名の関係上やむなし。