No.713649

魔法少女リリカルなのは Extreme

Blazさん

地下の危機。天空の再会。

Strikers編 イメージソング

OP「Break Out」 スーパーロボット大戦OG ディバインウォーズより

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2014-09-04 20:33:46 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1389   閲覧ユーザー数:1351

Strikers編 第七十六話 「地下の思い・天空の怨み」

 

 

 

 

 

 

 

 

《ガラッ・・・》

 

 

 

 

小石が落ちる音がした。

先に意識を取り戻したのはキャロだ。

相棒のフリードはまだ気を失っているが、取り合えずはフリードを抱え、身体を起き上がらせた。

 

キャロ「んっ・・・ううっ・・・ここは・・・」

 

 

僅かな光しか届かない場所。恐らく、先ほどの爆発で自分達は地下に落ちてしまったのだろう。

その証拠にライラたちも一緒に居た。そして、ライラが倒れている先には、先ほどの爆発で出来たであろう岩の山が出来上がり、すっぽりと地上まで覆っていた。

 

キャロ「・・・・・・。」

 

自分の力でどうにかなる物ではない。

岩の破壊を諦め、キャロは辺りを見回した。

岩の反対側は先の見えないトンネルとなっている。それに彼女の足元が線路となっていた為、ココが昔使われていた鉄道の線路だと言うのが解った。

 

キャロ「どうしよう・・・」

 

 

倒れる『三人』とキャロ。まずは彼らを起こすのが先かと思い、キャロは一緒に落ちたエリオを起こそうと近づいた。

だが、どうやらその必要は無いようで、エリオも自然と意識を取り戻し、ライラも気を取り戻して起き上がったのだ。

 

 

ライラ「っ・・・いててててて・・・」

 

エリオ「うっ・・・また怪我した・・・」

 

 

キャロ「二人とも、大丈夫ですか?」

 

エリオ「っ・・・キャロ。ココは?」

 

キャロ「・・・多分地下だと思う。」

 

ライラ「・・・の様だね。」

 

 

周囲を見回し、ライラも状況を把握する。周りにいたのは六課はエリオとキャロのライトニングチーム。対し、七課はリュウガとライラの二人だ。

しかし、未だにリュウガだけ話に加わってないと気づき、ライラはリュウガがどこなのかと辺りを見回した。

 

 

 

ライラ「っ・・・リュウガ・・・!?」

 

すると、リュウガを見つけたライラが動揺した言い方で彼を見つけ、駆け寄った。

其れを見てキャロもライラの後を付いて行き、彼の所に駆け寄る。

 

其処には、リュウガの上に岩が乗ってしまい、彼が下敷きになっていたのだ。

 

ライラ「あ・・・リュウガ、大丈夫!?」

 

キャロ「っ・・・岩が・・・!」

 

 

リュウガ「くっ・・・大丈夫・・・と言いたいが、足が・・・」

 

フロンティア『簡易スキャンをアネサと共にやってみましたが、足にヒビが入ってるね・・・』

 

ライラ「っ・・・リペアグローブでどうにかならない?」

 

フロンティア『それは難しいね。リペアグローブって簡易回復しかできないってのが欠点だし、無理にやったら多分グローブか使用者が・・・』

 

ライラ「・・・・・・。」

 

下敷きとなってしまったリュウガを助けたいと思っていたライラ。だが、岩の数と大きさから恐らく抜けば自分達もひとたまりではないだろう。

どうやって彼を助けるか。助けを求む人が居ない所でライラは必死に考え、もがいた。

けど、どうする事もできない。

自分の、仮に彼女達の力を借りても成功するかどうかわからない。

正に危機的状況と言うヤツだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、そんな彼女を見てか。どうやら一つだけ幸いな事があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

レイ『おーい!ライラァ!』

 

ライラ「っ・・・姉さん・・・居るの!?どこ!?」

 

自分が一番頼りにしていると言っても過言ではない人物、レイの声が聞こえ、ライラは思わず立ち上がって辺りに耳を澄ませた。

そして、再びレイの声が聞こえ、ライラは今おかれてる自分達の現状を把握していったのだ。

 

レイ『っ!すまねぇ!今アタシ等は多分岩の反対側だぁ!!』

 

ライラ「岩の!?」

 

フロンティア『あー・・・確かに、レヴィ達の反応もこの岩の真反対からするね・・・』

 

ライラ「・・・・・・。」

 

 

ダイゴ『ライラーそっちは大丈夫かぁ?』

 

ライラ「っ・・・ダイゴ、そっちは大丈夫なの!?」

 

ダイゴ『あー・・・ヘイキだー・・・多分。』

 

ライラ「多分って・・・全く・・・」

 

レイ『ダイゴだけちょっと怪我しただけだ!後は皆無事!そっちは?』

 

ライラ「・・・こっちはリュウガが・・・足を下敷きに・・・」

 

レイ『・・・・・・!』

 

 

 

 

 

 

ダイゴ「マジかよ・・・」

 

ラン「リュウガ君、結構割れ目の近くに居たもんね・・・多分、その時に・・・」

 

レイ「・・・仕方ない。アタシ等でライラ達の方に回り込む。」

 

ティアナ「アンタ本気?この地下は網の目の様に広がっているのよ?」

 

レイ「だったら尚更だ。網の目の方が動きやすいし、もしかしたら最短でライラ達と合流できるかもしれないしな。」

 

スバル「・・・・・・出来るんですか?」

 

レイ「まぁ地下道の地図とか目印があれば?」

 

ラン「それって無いに等しいですよ、この状況・・・」

 

レイ達もレイ達でやる事は決まっても迂闊に行動に移せない状況だった。

このまま行けば確実に彼女達が迷う。そうなっては取り返しが付かない。

だが、レイはそれを考え、一つの提案を出したのだ。

 

レイ「・・・ならさ。あいつ等の魔力を辿って行くとしようや。それならどう?」

 

ティアナ「ちょっと待って。近くにいるこの状況でどうやって・・・」

 

レイ「簡単簡単。」

 

軽く言うレイの言葉にティアナは顔を歪ませていた。

その本人はデバイスに搭載されている機能で方位磁石をホログラムにして表示した。

 

スバル「方位磁石?」

 

レイ「今アタシ等は東に向けて歩ける。其処で、南・西・北の順である程度移動し、その方位に移動できる穴があったら其処を通り、あいつ等の所に行く。」

ティアナ「・・・つまり、手当たり次第の道を行くと・・・」

 

レイ「行き方ないよかマシだろ。」

 

彼女の言葉に「た、確かに・・・」と肯定するティアナ。彼女も向こうに居るエリオとキャロが心配なのは確かだ。しかし行き方が解らない以上、彼女に頼るしかない。

そんな不甲斐なさを呪い、ティアナは自分を嫌悪し、同時にレイに僅かに嫉妬したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

レイ『ライラ!アタシ等が今からそっちに行くから、其処で待っててくれないか!』

 

ライラ「行くって大丈夫なの!?」

 

レイ「心配すんな!お前ら、絶対に其処から動くなよ!!」

 

それを最後にレイ達がその場から離れる足音を聞き、ライラは岩の向こう側に声を掛けるのをやめた。念話でも良かったのではないかと思うキャロでもあったが、それはそれで僅かでも魔力を消費する事なので出来るだけ節約する事にしていた。

 

そして、再び目の前の問題と対峙する事になったのだ。

 

 

リュウガ「っ・・・」

 

ライラ「痛む?」

 

リュウガ「ああ・・・だが、大丈夫っ・・・くっ・・・」

 

ライラ「っ・・・」

 

キャロ「・・・筋肉と血管が圧迫され、最悪の場合血管が破裂。足が動かなくなってしまいます・・・」

 

ライラ「・・・え?」

 

キャロ「だから、先に足だけでも出しておかないと・・・」

 

ライラ「・・・詳しいね。」

 

キャロ「あ・・・ちょっとかじった程度で・・・」

 

フロンティア『けど、確かにそうだよ。このままだと、足が潰れちゃう。どうにかしてリュウガを助けないと・・・』

 

ライラ「どうにかって、言っても・・・」

 

 

 

 

 

 

 

敵同士ではなかったのか。

その二人を見ていたエリオは唯ジッと彼女達を見てそう思っていた。

正直、七課に彼からして恨みは無い。しかし、それは今までの話だ。

彼にとって、自分と彼女(キャロ)にとって大切な人が、彼らが戻ってきたばかりにどこかに消えてしまった。

自分達を助けてくれた、救ってくれた人を奪ったのだ。

それを『彼女』から聞いた時に、彼の中に恨みの炎が灯った。

大切な人を其処まで傷つけたのだからだ。

 

しかし、それが全てだったのだろうか。

 

何時しか彼の心の中に小さな疑問が浮き上がる。

そして、自然と今岩の下敷きとなっているリュウガの言葉を思い出していたのだ。

 

 

「自分の頭で考えろ」。

それは、全てが本当に正しいのか、自分への疑いをしてみろと言う事だったのではないのか。

もしかしたら、もしかしたらと何度も考え、疑問を持ち、また答える。

 

気づけば、エリオの恨みと言う感情は消え失せ、何か別の感情となっていたのだ。

 

 

エリオ「・・・・・・もしかしたら・・・」

 

 

もしかしたら。自分よりも、彼女の方が考えていたのではないか。とも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、レイ達は地下の線路を進み、ライラやキャロ達との合流を図ろうとしていた。方位磁石を出し、一人先を歩くレイ。その後ろにティアナ。更に後ろにラン・ダイゴ・スバルと言った順で歩いていたのだ。

 

 

ダイゴ「・・・なぁラン。ソイツ大丈夫なのか?」

 

ラン「うん・・・」

 

長時間の静寂に耐え切れなかったダイゴは気になっていた事をランに尋ねた。

それはランが抱えている少女の事だ。顔色はさっきよりかは幾分マシだが、それが何時まで続くかも解らない。

出来るだけ速く彼女を助けねばと、ランも表情に焦りを見せる。

 

ラン「一応、さっき持ってきた軽食と水をあげたけど、それでどこまで持つか・・・」

 

レイ「・・・急ごう。リュウガのことも心配だし、その子の事もある。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーそれはちょぉっと待ってくれないかなぁ?」

 

 

 

レイ「ッ!!」

 

ティアナ「何っ・・・!?」

 

スバル「ど、どこから・・・!?」

 

ラン「・・・!」

 

ダイゴ「・・・ニオイ・・・囲まれてる!」

 

レーヴェ『ああ・・・しかもこの反応は・・・』

 

 

 

 

彼女達が進もうとしていた道。其処に立ちはだかったのは、ECSで姿を消していたゲイツ達だった。レイ達はそれぞれデバイスを持ち、周囲に居るコダールに対し構える。

そして、彼女達の正面に立つゲイツが数歩前に出てレイ達に言い放ったのだ。

 

 

ゲイツ「やっほーみんな元気かな?みんな大好きゲイツさんだよ!」

 

レイ「・・・アイツ、地球に居た・・・」

 

ラン「っ・・・アインストのコアを持ち出した人たちの仲間・・・!」

 

スバル「アインスト・・・?」

 

 

ゲイツ「そうだねぇ・・・ま。今の君達六課にはまだ解らない話だろうから、鞍替えか逃亡すれば解るんじゃないかなぁ?」

 

ティアナ「っ・・・アンタ、一体何を知ってるの?」

 

ゲイツ「それはお答えできませーん!だった私達はその金髪ロングの少女が抱いているベイビーに用があるんだからね。」

 

ラン「っ・・・この子を・・・どうする気なんですか?」

 

ゲイツ「それは秘密。って言うか言えなーい。」

 

レイ「意外にノリはいいが・・・口は堅いようだな。」

 

ゲイツ「それはどうも、ゲイツちゃんうれぴー♪」

 

ラン「うげぇ・・・」

 

 

 

しかし、それでも警戒を崩す素振りは無い。

恐らく周りの取り巻きも。そして、何よりあの手の相手は、たとえ彼女を渡しても生きて返すとは思わない。

経験による思考で、レイはどう切り抜けるかを必死に考えていた。

 

だが、どうやらそう簡単に考える時間をくれる相手できないようだ。

 

 

 

ゲイツ「・・・っつーお遊びはここまでにして。そろそろ本題に戻ろうか。」

 

レイ「っ・・・」

 

ティアナ「くっ・・・!」

 

ゲイツ「その小さい子とアタッシュを私達に渡せ。でなければどうなるか・・・解るよね?」

 

 

ゲイツが手を挙げると、周りにいたコダールも手持ちの銃火器を構える。

持って居たのは唯のサブマシンガンだが、ナイフとあのバリア(ラムダドライバ)も装備しているのは間違いないだろう。

 

 

レイ「・・・嫌だ・・・って言ったら?」

 

ゲイツ「・・・言わずだ。」

 

ティアナ「ちょっと・・・それってまさか!」

 

レイ「今ごろ気づいたのかよ。そう。このまま返してもアタシ等は皆殺し・・・だろ?」

 

ゲイツ「・・・・・・。」

 

スバル「う・・・嘘でしょ・・・」

 

ラン「見た者の口を塞ぐ・・・その為なら、やるって人は居ると思う・・・」

 

ゲイツ「・・・いいねぇ。実に賢い子達だ。状況を瞬時に判断。そしてそれを元に先の状況予測。全て戦場に必要なスキルの数々だ。」

 

ティアナ「・・・・・・!」

 

ゲイツ「其処の青髪ファイターガールはちょっと思考不足だけど、其処のオレンジの君。いいねぇ。銃も使えるし目もある。流石にあの見る目だけはある司令官殿に選ばれただけのことはある。」

 

スバル「アンタ・・・はやてさんに向って!」

 

ゲイツ「さーて。私はそもそも敵だし敵を侮辱したりバカにするのに異議ありますぅ?」

 

ダイゴ「・・・ウゼェ・・・」

 

レイ「ああ、ムッチャウゼェ・・・」

 

レーヴェ『な事言ってる場合かよ!!』

 

レヴィ『どうするよレイ。このまま全員ぶっ殺すってことは・・・』

 

レイ「出来れば苦労してねぇっての。だから・・・」

 

 

ゲイツ「君達は完全に『詰み』だ。」

 

 

レイ(どうする・・・周りにゃほぼ無敵のバリア持ちのロボット共。正面にゃその頭。ウチは銃持ち二人と接近バカ二人。んでアタシ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤベェ・・・マジで詰んだカモ・・・)

 

一人だったらまだしも、今回は五人プラス一人。動きがかなり制限される。だからといって全員応戦でも絶対に勝算は無い。

完全に詰みとなったレイはどうする事もできず、もう唯この状況を笑う事しかできなかった。

 

ティアナ(幻術であいつ等をかく乱する・・・いや、使用する魔力が多すぎて時間が短すぎる・・・だったら弾幕で・・・無理、あのインチキバリアで全部弾かれるのがオチ・・・だったらいっそ、私が・・・)

 

瀬戸際に必死に考えていたのはレイだけではなかった。ティアナも必死に自分のステータスと相棒のを照らし合わせ、起死回生の策を考えていた。だが、考えられる全ての策は失敗し自分達が負けるという同じ結果に行き着いていた。

ティアナ自身、こんな事を一度しか経験していないのでその経験だけではどうする事も出来ない。しかも、その時とは状況も場所も味方の構成も違っていた。

 

完全包囲の状態でそれを瞬時に五人全員を突破させる。

無理な話に他ならない。

 

レイ(冗談じゃねぇぞ・・・多分上はドンパチやってる、しかも援軍はなし。んでもって相手も何時まで待つか・・・!)

 

ティアナ(このままじゃ皆が・・・・・・だったら・・・せめて、あの子だけでも・・・)

 

 

次第にティアナの思考が自己犠牲にへと進んでいく。このままでは助けた少女はまた捕まってしまう。

『ならせめて。』

ティアナのデバイス、クロスミラージュを強く握り、彼女は最後の策を全員に言ったのだ。

 

ティアナ「・・・全員・・・幻術で姿を消すわ。その間に・・・」

 

レイ「ッ!?」

 

スバル「ちょっ・・・ティア!!」

 

ティアナ「大丈夫。私のなら逃げ切るまでの魔力はあるから・・・」

 

ダイゴ「オイ、そりゃいい冗談じゃないぜ。」

 

ラン「そうだよ。まだ終わった訳じゃ・・・」

 

 

ティアナ「じゃあどうするって言うのよ・・・この状況を・・・!!

敵に囲まれ、私達は身動き出来ない状態、しかも相手は銃火器を持ってインチキレベルのバリア持ち・・・どう考えたって全員逃げ切る方法なんてないじゃない!!」

 

ラン「っ・・・それは・・・・・・」

 

スバル「けど・・・どうしてティアが・・・それなら私でも・・・」

 

 

ティアナ「・・・アンタは六課フォワードの要。アンタが居なきゃ・・・チビ二人が戦えないじゃない・・・」

 

スバル「ティア・・・」

 

 

ティアナ「・・・大丈夫・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の代わりなら、どうとでもなる・・・」

 

震える声にスバルは何も言えなかった。彼女がどれだけ頭が良いのか、どれだけ全てを理解しているのか、それは相棒である彼女が良く知っていた。その彼女がここまでの決断に踏み切る。自暴自棄にでもなったのか。そんな顔と声だったのだ。

 

しかし・・・

 

 

スバル「嫌・・・絶対に・・・!」

 

ティアナ「・・・スバル・・・」

 

スバル「それだけは絶対に・・・!」

 

 

 

ティアナ「・・・ホント・・・アンタって・・・」

 

 

 

ゲイツ「さーて。話は決まったかなぁ?」

 

 

 

ティアナ「・・・ええ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンタは私が倒す。」

 

 

レイ「・・・!」

 

ダイゴ「っ・・・」

 

ラン「そっ・・・そんな・・・」

 

 

スバル「・・・ティア・・・?」

 

 

 

 

 

ティアナ「・・・ゴメンスバル。やっぱ無理。今の私じゃ・・・こんな私じゃ・・・」

 

ゲイツ「ほほう。お嬢ちゃんだけが残って堂々と決闘ですか!そりゃいい!私だって紳士的心が無いと言う訳ではない!決闘するならいいぞぉ!但し・・・

 

 

 

 

 

 

 

生きてるかどうかは保障しないけどね~☆」

 

スバル「ティア止めて・・・ティアッ!!」

 

 

 

相棒の声がする。しかし、ティアナの決断は固かった。彼女の声を聞かず、一歩一歩と前に進む。一歩進むたびに恐怖が足に来る。それによってティアナは悟ったのだ。

 

ティアナ(多分・・・私、死んじゃうんだろうな・・・)

 

死を覚悟し、それでも尚進んだティアナ。やがて五人の中でゲイツの前に出た。

 

 

 

不思議と足の震えは無い。恐怖も無い。ただあるのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

ゲイツ「んじゃそろそろ始めよっかぁ!!」

 

 

《ガシャッ!!》

 

 

 

ティアナ「クロスミラージュ、幻術を皆に。」

 

クロス『・・・了解。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ティアナ「・・・刺し違えてでも・・・・・・アンタを倒すッ!!」

 

ゲイツ「がーっははははははは!!やれるものならやって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく言ったな若造。」

 

 

 

 

ティアナ「えっ・・・」

 

レイ「・・・!」

 

 

 

 

 

 

ゲイツ「・・・ん?アレ・・・アレレ・・・・・・・・・・・・アレレェ!?!?どうして・・・何で!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でお前ら『場所が代わって』んの!?」

 

 

 

 

 

スバル「・・・!?」

 

ラン「えっ・・・私達・・・

 

 

 

 

 

 

『まだ囲まれて』・・・」

 

 

レイ「シッ!」

 

刹那。レイが人差し指を立て、全員に静かにするようにと言う合図を送る。

突然のゲイツの言葉にティアナ達は動揺していた。

 

何故なら自分達はその場から一度も動いていないからだ。

 

しかし、ゲイツの目からは何故か一瞬のうちにレイやティアナ達が部下のコダールが居た場所に居ており、代わりにコダールが包囲されていたのだ。

一体何がどうなっているのか。それは彼女達に繋がれた特殊念話によって答えられたのだ。

 

 

 

 

 

ルカ[お前ら、大丈夫か?]

 

レイ[ってルカ!?]

 

ラン[まさかこれって・・・]

 

ルカ[そう。私達姉妹がやった。]

 

ティアナ[ちょっ・・・何がどうなっているのよ!?]

 

ルカ[ん?お前がさっき死に急いでいたバカか。]

 

ティアナ[バッ・・・!?]

 

ルカ[そうだな。簡単に言えば・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盗んだんだよ。奴等の『目』をな。]

 

 

 

 

 

 

 

スバル[目を・・・?]

 

ナル[正確には相手の視野の映像を摩り替えたって所かな。]

 

ラン[あ、ナルさん!]

 

 

念話に現れたルカとナルは七課内にあるルカが『聖域』と呼ぶ場所に居た。

其処からルカは胡坐で腕を組んでおり、ナルはその近くの席に座っていた。

部屋は周りが殆ど見えず、見えるのは二人が座る席と無数のディスプレイ。そして幾つかの小型端末とキーボードだけだった。

 

 

ルカ「私等でアイツのシステムに介入して映像を摩り替えてる。今なら逃げ切れる筈だ。」

 

レイ『逃げるったってアタシ等は今アイツの部下と・・・』

 

ナル「其処は大丈夫。あの敵には自分の部下が驚いているのしか見えてないから。動いても平気。だけど急いで移動してね。」

 

ダイゴ『つーことは逃げれるってことか!!』

 

ルカ「そう言うことだからさっさと逃げい!!」

 

ティアナ『アンタ達・・・一体何者なのよ・・・!?』

 

 

ルカ「・・・私達か。」

 

ナル「私達は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘイエルフ(黒エルフ)よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- 地上 上空 -

 

 

 

 

なのは「・・・ヴァイス陸曹?」

 

レイジング『・・・応答なし。』

 

なのは「・・・ロングアーチは?」

 

レイジング『お待ちを・・・・・・駄目です、通信妨害の電波かと・・・』

 

なのは「・・・妨害電波?けど、近くにはヴァイス君のヘリがあった筈・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「認識阻害と妨害電波。一度に味わう気分はどう?」

 

 

 

 

 

なのは「・・・なるほど。貴方が全部やったのね。ソルナ。」

 

 

 

 

 

ソルナ「ええ。お久しぶりね。こうして話すのは。」

 

なのは「・・・そうだね。昔は私とあんまり身長代わらなかったけど・・・成長したの?」

 

ソルナ「色々とね。それに、私だけじゃないわよ。成長したのは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なのは「・・・・・・ああ。そうね。そうだよね。」

 

 

 

 

 

 

黒の服を纏い。セラミックの大剣を持ち。黒くなびく頭をかく。

 

 

男は立ち上がり、大剣を振ると、唯一言こういったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零人「よう。久しぶり。ってかまた会ったな。なのは。」

 

なのは「・・・そうだね。また会ったね。岡本零人。」

 

 

恐怖と憎悪。二つの感情を胸に、二人は再会した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告ッ!!

 

ルカ「フハハハハハハハ!!残念だったなライフ!!この先の出番は貰った!!」

 

ライフ「いいですよぉ~けど、ちゃーんと牛乳は飲まないと、背が伸びないですよぉ?」

 

ルカ「はぐあっ!?」

 

ナル「あーあ・・・」

 

ソルナ「次回。『激突』。」

 

 

 


 
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