「テメェら!とうとうこの日が来たぞ!男子も女子も、自分の役割をきっちり考えて、
そして俺たちらしく楽しみながら優勝目指そうぜ!」
クラスメイトs『オォー!!』
文化祭一日目。私らは全員集まり、円陣を組んで結束した。やる気は上々、笑顔は満点。
私も含めて、この場におる誰もが文化祭を楽しもうとしていた
さてさて、私らの出し物は士希の料理レシピを元にした一品料理屋さんなんやけど、
普通の料理屋じゃあ面白くない。そして今日は10月30日、つまりハロウィン前日。
ということで…
士希「ん、この服着るのも、ずいぶん久しぶりな気がするなぁ」
はやて「うわぁ…メイド服ってこんなんなんや」
士希の実家の料理屋の制服を着ることにした。男子はバーテンダー服、女子はメイド服。
これらを合計30着や。用意すんのに、なんや零士さんがだいぶ頑張ったらしい。
感謝しやなな
一馬「つか、お前ん家どんな趣味だよ。バーテンとメイドって異色過ぎるだろ」
士希「え?普通じゃないのか?」
普通ではないわな。それにしても…
士希「ふんふふん♪」
士希のバーテンダー姿、めっちゃ似合ってんな!!なんやめっちゃ凛々しく見えるで!
ドキドキが止まらへん!
士希「ん?どうしたはやて?そんなじーっとこっち見て」
はやて「ふぇ!?あ、いや、なんもないよ!」
士希「そうか?あぁそうだ、はやて!」
はやて「なに?」
士希「お前のメイド姿、なかなかグッとくるぜ!」
はやて「っ!?あ、ありがと…士希もその、カッコいいよ」
なんやこれ、めっちゃ照れんな…
一馬「うぜぇ、なんだこの桃色空間…」
山田「チッ!はじけろリア充!」
私らの店は料理を作る係りと、接客し販売する係りとで分かれている。
教室の奥で料理を作り、入り口でそれを提供する。屋台的なシステムや
私と士希は共に厨房で、午前の部を担当しとる。
ちなみに、なのはちゃんとフェイトちゃんは接客で午後の部を担当。
人気ランクの上位は均等に分け、集客率を上げる作戦や
一馬「注文入ったぞ!唐揚げと串カツを一人前ずつ!」
夏目「こっちも注文!ハンバーグ三人前お願い!」
午前の部開始早々、私らの店は凄い人で賑わった。
その一つの要因が、事前広告として士希が料理するというのを広め回ったからや。
士希の料理、学年を越えて人気らしい。そして、もう一つ人気の理由が…
黒田「いらっしゃいませ、ご主人様!」
一馬「いらっしゃいませ、お嬢様。ご注文はお決まりでしょうか?」
このように、美男美女がバーテン服やメイド服で接客してくれることや。
このクラス、全員レベル高いからええ感じに客が来てくれる。
さらには、男性客にはご主人様もしくは旦那様、
女性客にはお嬢様もしくは奥様と言って迎える。
これによって、ちょっとした優越感や憧れを叶えてあげるというサービスがさらに客を惹きつけた
はやて「にしたって、いきなりちょっと忙し過ぎへん?」
さっきから作る手が止められへんのやけど…
士希「こんなもんだろ?うちの実家はこれの三倍は忙しいぜ?」
そりゃ本職さんと比べたらそうやろうけどさ。
てか、士希の料理する姿にさっきからキュンキュンしっぱなしです
ヴィータ「はやてー、士希ー、来てやったぞー…って、忙しそうだな」
私が必死こいて料理を作っていると、聞き慣れた声が私を呼んだ。
八神家のみんなが遊びに来たようや
シグナム「凄い行列ですね。流石です。おい士希、私には牛串を用意しろ。
間違っても、主はやての手を煩わせるなよ」
士希「へいへい」
士希はウンザリした様子で肉を焼き始めた。相変わらず、士希への当たりが強いなぁ
一馬「あんたら、八神の関係者か?外国人ばっかりだな」
シャマル「はい。私達みんな、はやてちゃんの遠い親戚なんです。
あ、私はコロッケがいいな!」
ヴィータ「そんなところだ。あたしはハンバーグを頼む」
一馬「みんな日本語上手だなぁ。コロッケとハンバーグね。
そこの大きいお兄さんはどうします?」
ザフィーラ「私は…」
ザフィーラはチラッと私と士希の方を見た。頼んでええんやろうかって感じの表情やな
はやて「ザフィーラ、売り上げに貢献してくれると嬉しいな!」
ザフィーラ「……では、私は焼きそばをもらおう」
一馬「はいよ!」
へぇ、ザフィーラ焼きそば好きなんや。
こういうところで発見する、家族の意外な好みって感じやな
山田「おい士希!誰だあの凛々しいお姉さん!紹介しろ!」
士希「やめておけ、斬り刻まれる」
一馬「どんな物騒な奴だよ…」
山田「しかしそれすらご褒美さ!」
山田君、見た目は二枚目やのに中身が残念やな
はやて「あれ?リインとレーゲンは一緒やないん?」
私は料理を作り終え、みんなに尋ねた。あのちびっ子二人、どうしたんやろ
シャマル「リインちゃんとレーゲン君なら二人で回ってますよ」
ヴィータ「あの二人も、ホント仲良しだよなぁ」
へぇ、きっと手とか繋いで歩いてんのやろなぁ。微笑ましい、実に微笑ましい
士希「クッ!二人の姿が見れないなんて…はやて!俺ちょっと探して…」
はやて「やめい!仕事中やろ!」
相変わらずのミニコン振りやな
一馬「いらっしゃいませ、お嬢…テメェ、なんでここにいる?」
午前の部終了間際、一組のお客さんが斉藤君の手を止めた。
私らは気になりお客さんの顔を見てみる。すると…
はやて「お!優雨さんやん!来てくれたんや!」
優雨「おっす、はやてちゃん!」
ガイア「あたしも来たぜ!」
以前、ゲーセンで出会った優雨さんと、そして神器の一人であるガイアが来てくれた。
事前にメールはしてたけど、ホンマに来てくれるとは思わんだな
一馬「は?お前ら知り合いかよ?」
斉藤君が珍しく慌てていた。優雨さん、斉藤君とも知り合いやったんや
士希「ん?あんた確か優雨さんと…アイ、だったな」
士希がガイアを見てため息を吐いた。めっちゃナチュラルに溶け込んでるなぁ
優雨「やぁ、士希君!まさか二人が一馬と同じ学校だとは思わなかったよ!」
士希「お前、一馬と知り合いだったのか?」
優雨「知ってるも何も、一馬と私は幼馴染だよ!」
『えぇー!?』
優雨さんの発言に、この場にいた誰もが驚きの声をあげた
山田「テメェ、斉藤!この野郎!こんな美人が幼馴染とか聞いてねぇぞ!」
武田「独り身のくせにすました顔してたのはこの子がいたからか!?この裏切り者!!」
一馬「知るかよ!こいつは何でもねぇ、ただの幼馴染だ!」
優雨「あら、一緒に風呂入って、夜も二人で寝た仲なのに、ただの幼馴染なんだ」
山田「死ね、斉藤!!」
一馬「うっせーよバカ!優雨も煽んな!たくっ、何年前の話だと思ってやがる!」
おぉー、あんな感情的な斉藤君、初めて見たかも
ガイア「よ!繁盛してるみたいね」
斉藤君と優雨さんが騒いでる中、ガイアが話しかけに来てくれた。
ガイアと会うのは、士希の実家以来やな
はやて「おかげさまでなぁ。なんか食べたいのある?」
ガイア「んー…なら焼き鳥ちょうだい!塩とタレを二人前ずつね!」
士希「はいよ。ガイア、その後の生活はどうだ?」
ガイア「良好良好!士希の魔力供給のおかげだよ!体がすこぶる軽い!」
はやて「自由に楽しんでそうやなぁ」
ガイア「まぁね!これも士希のおかげだよ。ホント、ありがとね!」
それからガイアは、焼き鳥を受け取って優雨さんと何処かへ行ってしまった。
めっちゃ自由やな
夏目「ね、ねぇ斉藤君。あの優雨って言う人、もしかしてあの霧島優雨なんじゃ…」
一馬「そうだけど?」
夏目「ちょ、ちょっと私、サイン貰ってくる!!」
夏目さんは教室を飛び出し、ダッシュで優雨さん追いかけに行った
はやて「え?優雨さんって何者なん?」
一馬「霧島優雨。テレビで活躍してる最近売り出し中のタレントだ」
はやて「うぇ!?マジで!?」
士希「一馬にそんな幼馴染がいたとは…それなんてギャルゲ?」
優雨さんは意外と凄い人やったようや
士希「うし、基本的な仕込みはほとんど済ませてある。
後はこのレシピ通りにやればまず失敗はない。大丈夫だな?」
フェイト「うん!任せて士希!」
なのは「はやてちゃんと士希君も、いっぱい楽しんできてね!」
午前の部を終え、休憩を挟んだ後、私と士希は引き継ぎを済ませて遊びに出た
はやて「んー!疲れたなぁ!午後はいっぱい遊ぶでー!」
士希「だな。まずは何処に行く?」
んー…甘いもんもええけど、まずは普通に食べたいなぁ
はやて「よし!まずはアリサちゃんとすずかちゃんらのクラス行ってみよか!」
士希「りょーかい」
私らは早速、隣のクラスの2組へとやって来る。
ここはお好み焼きをメインに売っているらしい。ソースのええ匂いがしてきた
アリサ「いらっしゃい二人とも。あ、士希の料理、美味しかったわよ。
おかげでこっちに客が寄らないくらい…」
アリサちゃんにめっちゃ睨まれてしまった
士希「それが狙いだからな。午前に俺が全力で料理を作って、
それを食いに来た午前の奴らが、クチコミで美味かったと午後の奴らにも伝える。
これで午後もうちは繁盛してくれるってこと。料理屋の切り札はさっさと出すに限るってな」
すずか「なのはちゃんとフェイトちゃんもいるから、さらに客足がそっちに行くんだよね」
はやて「ふふ、素敵なシステムやろ?でもここも結構、賑わってるやん」
隣のクラスやったで良かったけど、後ろ結構並んでるで。早くオーダーしとこ
アリサ「うちが簡単に負けるわけないでしょ?ほら、二人も早く頼みなさい」
士希「はいはい。俺はミックスにしようかな」
はやて「私、豚玉!」
すずか「かしこまりましたー!」
程なくして、私と士希はお好み焼きを貰って食べる場所を探しに出た。
うーん…ええ匂いやなぁ。あ!あのベンチでえっかな
はやて「ここで食べよっか!」
士希「そうするか」
私らは中庭の木陰が差しているベンチに座った。良い天気に、良い風、心地ええなぁ
士希「お、ミックス焼き美味いな」
はやて「豚玉も美味しい」
私らは賑わってる人々を眺めつつ、お好み焼きにかじりついた。ご飯、欲しくなるなぁ
はやて「白米は売ってへんかな?」
士希「俺も欲しいが、流石にねぇだろ」
はやて「お!士希はわかってくれるか?お好み焼き食べたら白米欲しくなるよな!」
士希「当然だろ。このソース味に白米は必須だ」
はやて「やんなぁ!せやのに皆わかってくれへんのさ!」
炭水化物×炭水化物トークに花が咲きました
お好み焼きを食べた後も、私らはいろんな出店を見て回った。甘い物やしょっぱいもの、
喉が渇いたら炭酸飲んで、私らにしては珍しくデートらしい事をしていた。
せやけど、そこはやっぱり私達、そんな二人だけの時間はすぐ終わった
レーゲン「あ!しきさん!はやてさん!」
リイン「ふぅ、やっと見つけたです」
ちびっ子二人が、予想通り手を繋いでやって来た。
隣におった士希が凄い速さでケータイのカメラ起動してた事は黙っとこ。
後で私も見たいし
アルフ「よー、お二人さん!仲良くデートか?」
おろ?アルフも一緒やったんや。て言うか…
はやて「アルフ、その子誰?」
アルフはピンク髪の小ちゃい子と手を繋いでいた。
んー?リンディさんの隠し子とかじゃないよな?
アルフ「この子はフェイトが新しく保護した子で、名前はキャロ・ル・ルシエってんだ」
へぇ、この子が前にフェイトちゃんが言ってたキャロちゃんか
キャロ「よ、よろしくお願いします」
少し人見知りなのか、キャロちゃんはアルフの後ろに隠れるようについた。
可愛いなぁ、この子。エリオと同い年くらいかな?
士希「よし、キャロちゃん。士希さんが何でも買ってあげよう。
どれにする?アイス、わたあめ、かき氷、リンゴ飴…」
はやて「相変わらずあんたは小さい子に甘いなぁ!?」
あとケータイで連写すんのやめい!
キャロ「あ、あの、あなたが士希さん、なんですか?」
キャロちゃんがオドオドと聞いてきた。ん?まだちゃんと自己紹介してへんよな?
士希「ん?そうだけど、フェイトから聞いてたかい?」
キャロ「いえ、お友達のルネッサちゃんが教えてくれました」
はやて「え?ルネちゃんと友達なん?」
あの子って確か、普通の孤児施設の子やんな?
でも、キャロちゃんは管理局の施設から預かったって、
前フェイトちゃんが言ってたような気がしたんやけど…
キャロ「はい。施設同士の交流会の時に」
士希「あぁ、そういやそんな事してたなぁ。
社会性を育むとか、確かそんな名目でやってるやつだ。
実際は管理局とのコネクション欲しさに開いてる集まりなんだけどな」
なんや士希の口から、汚い大人の事情を聞いてしまった気がする
はやて「まぁ何にしても、世間って狭いよなぁ。こんなにも知り合いって繋がるもんなんやな」
人物相関図とか書いたら、なんやごちゃごちゃしそうやな
士希「まったくだ。キャロちゃん、今後もルネッサとお友達でいてくれるかい?」
キャロ「はい!ルネちゃんとは地球のアニメを通じて仲良くなりました!」
士希「あはは、そっかそっか。そりゃ良かったよ」
キャロ「私もいつか、アニメみたいな技を使えるように努力しています!」
士希とキャロちゃんは何とも楽しそうに会話してた。
けど私は、キャロちゃんの発言に少し引っかかってしまった。
以前、ルネッサちゃんは他の施設の子にDVDを渡していると言っていた。
そしてその子は、アニメ好きになった。もしかしやんでも、それってこの子なんじゃ…
はやて「今度、フェイトちゃんに謝っとこかな…」
キャロちゃんが変な方向に育たん事を祈るばかりや…
夕方にもなると、一般のお客さんはほとんど引き始め、
場所によっては片付け始めるところもある。文化祭初日も、そろそろ終わりや
士希「はぁ…疲れた…」
士希は教室でだらっと座り込んでいる。
実はキャロちゃんらと合流して程なくして、士希はクラスに呼び出された。
なんでも、士希の手がないと回らんとか。士希は渋々了承し、午後の部も手伝うハメになった
はやて「あは、ホンマにお疲れやな。でも、士希のおかげで完売したで」
士希の登場により、効率が良くなり、初日終了の30分前には完売した。
おかげで売り上げが凄い事になってる
なのは「ごめんね、士希君。せっかくの文化祭だったのに…」
士希「いや、いいさ。これでも俺、料理人の端くれだし。
お客が俺の料理を美味いって言ってくれるのは、やっぱり嬉しいしさ」
士希がそう言うと、クラスから歓声が上がる。てか、ほとんど冷やかしやな。
士希、顔真っ赤やし
フェイト「あはは!何はともあれ、みんな、文化祭一日目、お疲れ様でした!」
クラスメイトs『お疲れ様でした!!』
こうして、私らの文化祭初日が終わりを迎えた。明日は二日目、音楽祭や。
クラスのみんなの為にも、頑張らんとアカンな
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こんにちは
文化祭初日です
いろんなキャラクターがちょくちょくでます