一刀と于吉の怒りの合わせ技、『怒りの闇龍破』により遂に宝鈴を撃破した!!

残るは否定過激派の頂上に立つ無情なる憤怒の男・晩禍のみとなった

一刀はこの最悪の男を

倒すことが出来るのか？

　終節　〜最後の敵・憤怒の晩禍〜

一刀「あとはお前だけだっ!!晩禍っ!!」

一刀は上空で『空立』をしている晩禍に向かって指を指した

晩禍「………クズめが、調子にのりやがって………」

晩禍は威圧声をしたまま地面に下り立った

晩禍「この晩禍を今までの弱者共と一緒にすると後悔することになるぞ」

一刀「…………お前等、否定過激派ってものには仲間っていう存在はないのか？

お前等が喋る毎には必ず自分が中心の話になっている

何故共にいる者達を道具のように扱うんだ!?」

一刀は晩禍を睨みつけながら言う

晩禍「そんなくだらない存在など必要ない

仲間だと戦友などと邪魔なだけだ

そんな使えぬ存在に気を使うだと？反吐が出るわ」

華琳「よくもまぁそんなに自分の配下の人間を貶せるものね

こっちこそ反吐が出るわ」

華琳の発言に晩禍は眉を顰め

晩禍「貴様……………そんなに死にたいか……」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

右手に赤黒い気の塊を創り出した

春蘭「っ!!華琳様、私の後ろへっ!!」

秋蘭「………………」

春蘭と秋蘭は素早く華琳を守るように前に出た

晩禍「消えろ、曹操………この『激怒炎(げきどえん)』でな」

ﾌｫﾝ!!

晩禍はそう言うと華琳に向かって『激怒炎』を投げつけた

しかし

ｼｭﾝｯ!!

一刀「させるかよ！」

一刀が『空走』で『激怒炎』の軌道上に移動して

一刀「そらっ!!」

ﾌｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

『激怒炎』を晩禍に向かって蹴り返した

晩禍「ん？…………ふん」

晩禍は右手で『激怒炎』を払い除けた

一刀「秋蘭、春蘭、華琳を頼むぞ

思春、明命、雪蓮と蓮華を、愛紗、鈴々、桃香を頼むぞ」

一刀は振り向かずに言った

春蘭「任せておけ、一刀っ!!」

思春「後ろは我々が護る」

愛紗「ご主人様……………」

春蘭や思春は得物を構えて頷いたが、愛紗唯一人は心配そうに一刀見つめた

一刀「愛紗……ここは任せろ」

一刀は愛紗の方へ振り向き笑顔で言った

愛紗「ご主人様…………はいっ!!」

愛紗も同様に得物を構えた

一刀「晩禍、お前の相手は俺だ」

一刀は少し晩禍へ歩み寄り立ち止まった

晩禍「貴様がこの晩禍の相手だと？

片腹痛いわ……………貴様如きにこの晩禍が倒せるか……？」

明らかに見下した台詞を言う晩禍に一刀は

一刀「倒せるさ…………やってみなきゃ分かんないだろ？」

晩禍「小僧が、でかい口を叩きやがって……………」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

晩禍の右手に『激怒炎』とは違う紫色の炎の塊が創られ始めた

その時、左慈が一刀に

左慈「おい北郷、晩禍の能力は俺達を遥かに超える能力だ

油断すんなよ…………少しでもしくじれば俺達全員消されるぞ」

その表情は真剣そのものだった

一刀「……………あぁ、分かってるさ」

一刀がそう頷いた時だった

晩禍「よそ見して話している程余裕なのか？クソガキがっ!!!『怨念放火(おんねんほうび)』で炭になれっ!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

晩禍が右手に持っていた紫色の炎を突き出し、火炎放射器のようにして一刀に向かって問答無用の攻撃をし始めた

一刀「うわっ!!?アチチチチっ!!」

一刀は紙一重で晩禍の攻撃を躱したが、少し遅かったら消し炭になるところだったのだ

一刀「危なかった……………っ!!?」

晩禍「くたばれクズが!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

一刀「くっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

晩禍は間髪入れず再び『怨念放火』を放ってきた

一刀はそれを『空走』で躱すことに成功する

晩禍「この晩禍に勝つことなどできる筈がないのだっ!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

晩禍は三度『怨念放火』を放つ

それに対し一刀は

一刀「負けを確定されてちゃ前に進めないだろうがっ!!!」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

ｺﾞｵｯｯ!!

一刀は素早く気を溜め、『怨念放火』の中央向けて『幻龍破』を放った

晩禍「んっ!!?くっ!!」

晩禍は一刀の『幻龍破』により『怨念放火』を押し広げられ右手に直撃しかけたので、素早く回避した

一刀「貂蝉、卑弥呼、左慈、于吉

晩禍の能力は何なんだ？」

一刀は遂に核心に触れた

貂蝉「お師匠様なら知っているわん」

卑弥呼「………あ奴の……晩禍の能力は『負情壊滅(ふじょうかいめつ)』という能力じゃ」

左慈「『負情壊滅』？何だそりゃ？」

于吉「私も初耳ですね………どのような能力ですか？」

どうやら卑弥呼以外の管理者達も知らなかったようだ

卑弥呼「晩禍の能力は怒りや憎しみ、苦しみなどの負の感情を周りから吸収し、それを自分の能力値として上昇させたり具現化して技として発動する厄介極まりないものじゃ」

一刀「簡単に言ってしまえばストレスが感じやすい体質ってことか？」

貂蝉「そういうことになるわねん」

于吉「ふむ……………」

貂蝉と于吉は顎に手を当てて頷いた

卑弥呼「じゃが、あ奴は基本異常な程イライラしておる

という事は常に負の感情を吸収しておることになる」

一刀「イコール戦闘力値がとんでもなく高いってことか………」

一刀は腹を括り、拳を構えた

晩禍「今の話を聞いてもやるのか…………

ならば跡形もなく消し飛ばしてやる…………………」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

晩禍から今までに無い赤黒いドスのきいた『邪闇気』が溢れ出した

一刀「生憎だが、俺は諦めが悪いタチでなっ!!」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

一刀からも大量の気が溢れ出した

一刀VS晩禍…………否定過激派との最後の戦いが始まるっ!!!

　　　第五章‘VS幻術の宝鈴’

　　　　　　　　　　　……終……