No.707466

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第188話

2014-08-10 00:06:37 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1763   閲覧ユーザー数:1625

 

 

 

 

 

 

 

同日、9:30――――

 

~ケルディック駅~

 

リィン達がケルディック駅に下車すると”鉄道憲兵隊”がそれぞれの配置につきながら、乗客たちを誘導していた。

 

「これは……」

「……物々しいな。」

「どうやら鉄道憲兵隊が警備をしてるみたいですけど……」

「ああ、ひょっとして―――」

「ふふっ、奇遇ですね。」

駅構内の物々しい雰囲気にリィン達が戸惑っていたその時、クレア大尉がリィン達に声をかけて近づいてきた。

 

「クレア大尉……!」

「あー、クレアだ!ひょっとしてボクに会いに来たとか?」

「ふふ、偶然ですよ。”アイゼングラーフ”が通るので警備体制を敷いてるんです。」

はしゃぐミリアムをクレア大尉は微笑ましそうに見つめながら答えた。

 

「あ、そっかー。あれ?でもケルディックはメンフィル領だよね?よく警備体制を敷けたね?確かメンフィルはオジサンが提案した鉄道憲兵隊の協力を断ったから、メンフィル領にある駅に鉄道憲兵隊は配置できないって聞いたけど。」

「”通商会議”の間だけ特別に許可してもらえたのです。―――こうして会うのは2ヶ月ぶりくらいですね。」

「えへへ……」

優しげな微笑みを浮かべるクレア大尉に頭を撫でられたミリアムは嬉しそうな表情をした。

 

(うーん……懐いているな。)

(ええ………仲のいい姉妹みたいですね。)

(何だか微笑ましいです……)

(そう言えば最近プリネの頭を撫でてないなー。プリネが帰ってきたら、頭を撫でてあげようっと。)

二人の様子をリィンやエマ、セレーネが微笑ましそうに見つめている中、エヴリーヌはある事を思いつき

(”鉄血の子供達”……とてもそうは見えぬが。)

(フン……)

ラウラは戸惑いの表情で見つめ、ユーシスは鼻を鳴らして腕を組んだ。

 

「こんにちは、Ⅶ組の皆さん。先日の帝都での事件は本当にありがとうございました。」

「いえ……お気になさらずに。」

「わたくしはわたくしの出来る事をしただけですわ。」

「帝国臣民として当然の責務を果たしただけのこと。」

「……それより他国の領にわざわざ許可を取ってまでのこの警備体制は何なんだ?”アイゼングラーフ”とやらが通ると言っていたが。」

「”アイゼングラーフ”……”鋼鉄の伯爵”……ですか?」

ある事を疑問に思ったユーシスに続くようにエマは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「ふふ、すぐにわかります。」

そしてクレア大尉が微笑んだその時、アナウンスが入った。

 

まもなく1番ホームを特別急行列車が通過いたします。かなりのスピードですのでくれぐれもご注意ください。

 

「特別急行列車……」

「何それ。」

アナウンスを聞いたガイウスは呆け、エヴリーヌは首を傾げ

「まさか……!」

ある事に気付いたリィンは目を見開き

「定刻通りですね。」

クレア大尉が静かに答えると深紅の列車がケルディック駅を通過し始めた。

 

(トワ会長……オリヴァルト殿下も…………!)

列車に乗っている見覚えのある人物達を確認したリィンは列車の中にいるオズボーン宰相に一瞬視線が合い、息を呑んだ。

 

「…………………」

列車が通り過ぎるとリィンは真剣な表情で考え込み

「今のが”鋼鉄の伯爵(アイゼングラーフ)”号……」

「真っ赤な列車でしたね……」

「それによく見たらオリビエが乗っていたね。」

ラウラは考え込み、セレーネは目を丸くし、エヴリーヌは静かに呟き

「深紅の列車……噂だけは聞いた事がある。帝国政府の専用列車だったか。」

ユーシスは列車が去った方向を見つめながら呟いた。

 

「ボクも乗ったことがあるけどすっごく速いんだよねー。内装も豪華でキレイだし。」

「ちなみに”鋼鉄の伯爵(アイゼングラーフ)”という名前の由来ですが……オズボーン宰相にちなんでつけられたそうです。」

「確かに”鉄血宰相”などと呼ばれているようだが……」

「でも……宰相閣下はたしか平民出身でしたよね?」

クレア大尉の説明を聞いて疑問に思ったエマは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「ええ、ですが11年前、陛下より宰相に任ぜられる時、伯爵位を賜ったそうです。その時、今の列車の名前も合せて付けられたのだとか。」

「なるほど……」

「フン……あの男は爵位になど価値を認めていないだろうがな。」

クレア大尉の説明を聞いたエマが納得している中、ユーシスは鼻を鳴らしてジト目になり

「…………………」

「リィン……?」

「何か気になる事があるのですか?」

目を閉じて考え込んでいるリィンに気付いたラウラとセレーネはそれぞれ声をかけた。

 

「あ、ああ……?」

「どうしたのだ?呆けたような顔をして。」

「なんだ、疲れでも出たか?」

「いや……その、トワ会長やオリヴァルト殿下の姿が列車の窓にちらっと見えてさ。」

「へー、よく見えたね。」

「人間の肉眼じゃ、ほとんど見えないのによく見えたね。」

「”アイゼングラーフ”の速度で……なかなかの動体視力ですね。」

リィンの答えを聞いたミリアムとエヴリーヌは目を丸くし、クレア大尉は感心した様子でリィンを見つめた。

 

「いや……まぐれですよ。(本当はちらっとどころじゃなかった気がするが………何だったんだ、今のは……?)」

列車が通り過ぎる際、まるでスローモーションのように列車が通り過ぎるように感じた事を思い出したリィンは考え込んだ。

 

「ふむ……?」

「まあ、具合が悪い訳ではなければいいんだが。」

「…………………」

リィンの様子を仲間達がそれぞれ見つめている中、再びアナウンスが入った。

 

―――本日はご協力、誠にありがとうございました。まもなく、2番ホームにクロスベル自治州行き、大陸横断鉄道の列車が到着します。

 

「フン……来たようだな。」

「ああ………待たずに済んだみたいだ。」

そして列車が到着するとB班のメンバーが列車から降りて来た。

 

「あ、いたいた!」

「リィン、こっちこっち!」

「ほら、急ぎたまえ!」

「一応席は確保してる。」

「―――それでは大尉。」

「またねー、クレア。」

「ええ、どうか気を付けて。」

そしてクレア大尉がリィン達を見送ろうとしたその時、サラ教官とクロウが降りて来た。

 

「おっと、凄い美人じゃん!」

「げげっ……嫌な予感がしたけど。」

クレア大尉の顔を見たクロウは喜び、サラ教官は嫌そうな表情をした。その後リィン達は列車に乗り込み、列車を見送ったクレア大尉に鉄道憲兵隊員が近づいてきた。

 

「―――08分隊より連絡。”双龍橋”の方に目立った動きはないそうです。」

「同じく21分隊より連絡。戦闘用の高速車両の展開を完了しました。」

「……了解しました。アイゼングラーフの通過まで気を抜かないようにしてください。アイゼングラーフのクロスベル市への到着をもって全分隊をシフトDへ移行します。」

「イエス・マム。」

「”帝国解放戦線”……本当に現れるのでしょうか?」

「ええ―――間違いありません。」

部下に指示を終えたクレア大尉は部下の質問に重々しい様子を纏って答えた。

 

 

 

 

 

滅茶苦茶気の早い話ですけど、閃ⅡのEDって、リィン達が士官学院を卒業して、卒業記念に全員が学院か学生寮の前で集合して写真を撮った際の絵のような気がしてきました。だって、半分学園物のゲームですし(オイッ!)まあ、碧のEDのように仲間やサブキャラ全員が移った絵という可能性や、もしくはエステル&ヨシュアのようにリィンとリィンのパートナー(絆を一番深めたキャラ)がどこかへ旅立つシーンの絵の可能性もありますが(ってか、そうなったら完全にギャルゲー化しているよ!?)……何にしても閃Ⅱが楽しみです!ああ、早く9月末が来て欲しい……!


 
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