No.70635

北郷一刀争奪戦争勃発?(華琳VS風)

叢 剣さん

大変長くお待たせしました、蜀編を期待していた方、申し訳ありません、次回は蜀編愛紗VS~をお届けしたいと思っています

2009-04-27 00:09:40 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:19734   閲覧ユーザー数:15186

 いつもの様に、執務を行っていると珍しく華琳が入ってきた。

「一刀、今大丈夫かしら?」

「あぁ、どうかしたのか?」

「その・・・・・・・市に降りるわよ」

「あぁ、もう少し待っていてくれ、これまで終わらせるから」

「しょうがないわね・・・・・・」

 そう言うと邪魔になるのを避けるためか、部屋の外に出て行った。

「早く仕上げないとな・・・・・」

 声に出して気合いを入れると、再び執務に向かっていった。

「華琳~」

「あら、意外と速かったわね」

「頑張ったからね、それじゃ・・・・・」

「あ、お兄さん、こんな所に居たんですか」

「ん?どうかしたのか」

「はい~、治安維持の今後の方向性について、意見を伺おうかと~」

「そうか・・・・・」

 ちらりと華琳の方を見ると、顎で行って来いという指示を受けた。

「それでは、お兄さんを借りていきますね~」

 しっかりと手を握ると、そのまま歩いて行った。

「ちょっと!風!」

「ん~どうかなさいましたか~華琳様?」

「なぜ、手をつなぐ必要があるのかしら?」

「ぐ~」

「起きなさい!」

「おぉっ!つい答えたくないことだったので、寝てしまいました」

「理由も言えないようなら、一刀を渡すわけにはいかないわ」

 何かに気づいたのか、腕を引き一刀を自分の方へと戻そうとしている。

「ん~覇王曹操ともあろう者が、自分の言った言葉を簡単に変えるとは~なかなか大変なことですよね~」

 言われたことの意味を理解したのか、苦虫を噛み潰したような顔をすると、いつもよりも足音を立てながら、自室の方へ歩いて行ってしまった。

「もういいわ・・・・早く終わらせてきなさい」

「はい~」

「それじゃあ、華琳行ってくるよ」

 手を引かれながら、歩いて行っている方はどう考えても市のほうであった。

「ふ、風?執務室じゃないのか?」

「はい~、実情を見ながら考えていただこうと思いまして~」

「そうか・・・・・・」

ちらりと後ろを見ると、そこに華琳の姿はなかった。

「それでは、行きましょうか~」

「あぁ」

 

「何よ・・・・・あんなにデレデレしちゃって・・・・・・市の方に行っているの?」

 二人が歩いて行くのを思わず隠れて見てしまった。

「なっ・・・・・・覇王曹操とあろうものが・・・・・・盗み見なんて・・・・・」

「違うわ、待てないから市に降りるだけよ」

「そうよ、風と一刀が気になってるわけじゃないんだから」

 そうつぶやきながらも、隠れてこそこそとついて行っている。

 

「お兄さん」

「ん?どうした」

「こっちです」

 そう言うと、一刀を細い路地に引き込んだ。

「狭いところだね」

「もう少しです~」

 しばらくすると、開けた空間に出た。

「ここまで来たら大丈夫ですね~」

 広場の中央あたりに腰を下ろすと、自分の横をポンポンと叩きここに来いと上目遣いで催促してくる。

「はいはい・・・・・全くって・・・・・」

 座ったそばから、膝を枕にしてすぐに寝息を立て始めた。

「す~」

「全く・・・・・しょうがないな・・・・・・」

「ちょっと、いいかしら?一刀」

「・・・・・・・へ?」

「何でこんな所にいるのかしら?」

 背後に立っていたのは、なぜか絶を構えている華琳であった。

「・・・・・・か、華琳さん・・・・・・?どうして絶を構えていらっしゃるんでしょうか?」

「言わなくても分かっているんじゃないの?」

「・・・・・・おぉ、お兄さんの危機ですね~」

「あら、あなたも絶の錆になりたいのかしら?」

「すぅ~」

「起きなさい」

「おぉ!思わず現実逃避をしてしまいました」

 一度溜息を吐くと、絶をさげた。

「風、あなた・・・・・私から、一刀を奪うつもりかしら?」

「いえ~、お兄さんを奪うつもりはありませんが~お借りしているだけです」

 話しながらも、頭を一度も膝から離すことはない。

「そう・・・・・・とりあえず、一刀の膝から頭をどけましょうか?」

「すぅ~」

「起きなさい!」

「おぉ!お兄さんの膝の感触が良すぎてついつい眠ってしまいました」

 そう言いながら、立ち上がったかと思ったら、今度は一刀の足の上に座った。

「一応、言われた通りに頭は放しました~」

 そろそろ、怒りが頂点に達そうとしているときに、立ち上がった。

「それでは失礼します~」

 何事もなかったかのようにそのまま、その場を去って行った。

「何だったんだ?」

「どうでもいいわ、市へ行くわよ」

 そのまま、華琳に引き摺られるようにして、市へと出て行った。

 

 

 その晩・・・・・・・

「ん~今日は疲れたな」

「そうですか~、私としてはもうひと頑張りしてもらいたいんですがね~」

 いつの間にか、寝台に風が侵入していた。

「ふ、風!いつの間に」

「先ほどちゃんと、声をかけましたよ~それに、華琳様もいますから」

「風には気付いて私には気づかないのね?・・・・・・今夜はお仕置きが必要みたいね」

「そ、そんな・・・・・・」

 

 

次の日の朝、なぜかぐったりしている北郷一刀と風、華琳が目撃されたとか、されてないとか。

 


 
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