『あなたはこれから日本に行ってもらうわ』
『日本・・・ですか?』
『あなたが生まれ、少しだけど育った国よ。ここに貴方と共に生まれた双子、”一条楽”がいるわ。私のもう一人の子供』
『もう一人の母さんの子、俺の兄弟』
『まぁ、どちらが兄で弟か分からないけどね。この子と同じ中学校に通ってもらうわ、楽をお願いね』
『はい、母さん』
ここから、俺の物語が始まった。
『ああ、これ忘れちゃダメなんでしょ?』
『あ!ありがとう、母さん』
もう一つの”ペンダント”を持って・・・・・
『元気でね・・・母さん』
ビリィィィィィィィィ!!
白「う~ん・・・朝か・・・楽を起こさないと」
母さんと別れてから早数年、俺は一条家に住んでいる。最初に俺を迎えてくれたのは、他でもない楽だった
白「もう高校生になるのか、早いもんだな」
その後俺は、いきなり俺の父に道場に連れていかれた。なんでも、楽は腕っぷしが弱く、後継者に向いていないんだとか、だから腕試しに俺が戦う羽目になった
白「楽、起きろ。朝ごはん作らないと間に合わないぞ」
楽「うう~ん、わかったよ」
五回闘った結果、俺の圧勝だった。母さんを守るために努力していたからだ
白「楽、皿はここに置くぞ。あと、今日は登校日だ。早めに作れるものにしよう」
楽「おう!まかせろ!」
勝ったはいいが、俺が後を継ぐなんて考えてもいない、だから断った
楽「味よし見た目良し!」
白「味噌汁も完成した。竜さんたちを呼ぼう」
それでも、俺のことを歓迎してくれた
楽「お~い!てめぇら!朝飯ができたぞ!」
白「冷めないうちに食べろよ!」
集英組「おはようごぜいます!楽・白坊ちゃん!」
この集英組のみんなは・・・楽曰く、これがなかったら、普通の高校生なんだけどな。だそうです
ヤクザ「うめぇー!坊ちゃんたちが作る飯は、いつも最高ですね!」
竜「あったりめぇだ!」
ヤクザ「おかわりー!」
白「いいですよ、竜さん達は苦手みたいですし」
楽「それに、一人暮らしする予行練習と思えば—————」
集英組「ええ!ここ出て行くっすか!?行かないでくだせぇ!二代目!」
楽「誰が二代目だ!だ・れ・が!」
俺が勝った時、親父が、
一条『ああ、二代目になるのは楽だ。そこんとこ、忘れるなよ』
と、言ったので、俺に飛び火が来ることはなかった
楽「俺はな!一流大学を卒業して!堅実な公務員になって!お天道さんに顔向けて!まっとうに生きていきてぇんだよ!!」
竜「おお!なんかよく分からないけど!カッコいいぜ坊ちゃん!流石二代目!」
白「はぁ~~~・・・」
このやり取りが、ほとんど毎日行われている。俺からすれば、飽きる以前の問題だと思うわけ
一条「やれやれ、毎日せわしねーな、てめーは」
楽・白「親父・・・」
集英組「おやようごぜーやす!組長!」
後ろにはやした銀色の髪が特徴の、俺達の父親。彼が集英組現組長である
一条「白、おめぇも疲れるだろう?」
白「気遣いどうも、大丈夫ですよ。慣れは怖いものです」
一条「あ!そうだ、白。近いうちお前に大事な話がっから、覚えときな」
白「大事な・・・話?」
一条「楽、おめぇもだ」
楽「俺も?」
大事な話、この頃大事な話なんて、親父から聞いたことないぞ
白「あ!遅刻する!」
楽「マジか!?いそがねぇと!」
竜「なにぃ!そいつはいけねぇ!!おい!リムジンをご用意しろ!!馬鹿野郎!!15m級のをだ!!」
楽・白「やめろーーー!!」クワっ!
白「朝から散々だったな・・・」
楽「おう・・・リムジンだけは食い止めたけどな」
校舎を歩いて俺らは、教室へと歩いていた
白「それにしても、俺と同じ”ペンダント”を楽が持ってるなんてな」
楽「二人とも、約束を持ってるって事か・・・」
俺と楽は色の違う形の同じ、ペンダントを持っている。しかも、約束まで一緒ときたもんだ
楽「妙な繋がりがあるもんだな」
白「ああ・・・そうだな」
このペンダントは鍵付きで、そのカギを持った人が開けないと開かない、二人とも鍵を持っていないので、開くことさえままならない
白「(だれに預けたか、それすらも分からないなんて)」
・・・・・・・ドドドドドドドッ!!
楽「えっ?なんだ・・・!」
白「地鳴り?」
そう思った矢先、2m級の壁から金髪の美少女が・・・飛んできた
白「楽!あぶねぇ!」
楽「うおっ!」
???「げっ」
楽を押して、間に入る。彼女とぶつかるのは当然なのだが、俺は腰を低くして、受け止めた
???「きゃあ!」
白「おっと!」
所謂、お姫様抱っこだ。流石に初めてしたので、成功したかどうかは皆無だ
楽「いってぇ~・・・」
楽は近くの地面でうずくまっている
白「危ないだろ」
???「ッ///////は、離しなさいよ!/////」
白「分かったから、暴れるなって!」
体をひねったりして暴れる彼女を下してやった後、すぐに楽の方に駆け寄る。顔が赤かったが、まぁ大丈夫だろう
白「もう次はしないでくれ、俺の兄弟が地面に顔を埋めるのは、もうコリゴリだからな
???「わ、悪かったわね。それと・・・あ、ありがとう」
白「???謝るのは分かるが、何故感謝する?」
???「さっき城壁を飛んだ時に、う、受け止めてくれたでしょ?その、お礼よ」
そう言った後、すぐにその場を後にした金髪美少女、俺は楽を起き上がらせて、教室へと向かった
楽「あいつ何なんだよ!全く!」
途中楽の愚痴を聞きながら・・・・・
白「おはよー」
楽「おはよー(ボロッ)」
集「おう!おはよ・・・楽!?どうしたんだよその怪我!」
始めに挨拶してきたこいつは、舞子集。楽は小学校から、俺は中学校からの付き合いで、いい言い方で親友、悪い言い方で悪友である。大の女の子好き
小咲「一条君!?大丈夫!?」
この子は小野寺小咲、このクラスの一番の世話焼きであり、楽の好きな人でもある。中学生時代に話してから仲良くなったとか
楽「小野寺!?大丈夫だよ!このくらい・・・」
小咲「ダメだよ!バイ菌入るったらどうするの!?こっち向いて・・・」
この通り、どうしても世話を焼く子です
楽「あ、ありがとう・・・」
白・集「よかったな、楽」ニヤニヤ
楽「うっ、うっせーな!!/////」ボッ!
嬉しいのが隠せないのか、顔を真っ赤にして怒る
楽「(怪我して幸先悪いかと思ったが、小野寺と話せたし良かった・・・)」
白「(幸せそうだな・・・)」
キョーコ「席に就けー、今日は転校生を紹介するぞ!」
集「待ってました!」
集は事前に情報を持っていたようだ。話してくれてもよかったが
白「・・・・・もしかして」
俺はある予感がした。あの時であった金髪の美少女、あの子なんじゃないかと
キョーコ「入って、桐崎さん」
言われて入ってきたのは・・・俺の読み通り、彼女だった
千棘「初めまして!アメリカから転校してきた桐崎千棘です」
この出会いが、俺や彼女、楽達までも巻き込んで、大きな歯車を動かすきっかけになることに、俺達はまだ気づかないでいた
次回「出会いは硝煙の香り、波乱の学園生活」
千棘「この人と・・・恋人のフリ?////」
白「大事ってこういうことかよ・・・」
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はい、今まで探してきた中で、ニセコイが少ないと思ったので、書いてみたいと思います