厳「じゃあ、帰るか!」
最終日に俺達は旅立つことになっていた。なんでも、爺さんの知り合いが来るとのことで、早めの帰郷をすることとなった
香苗「忙しいのは相変わらずね」
厳「愛する妻にも文を出さねばならぬからな」
相変わらずラブラブな二人である。家に居た時はいつでも愛の言葉を、口にしていた
岳「その思いはいいと思うが、行き過ぎじゃないか?」
詠「気にしたら負けよ、あの人には常識は通じない」
月「へぅ~、い、言い過ぎだよ、詠ちゃん」
香奈「また・・・来てくれる?」
あれから仲良くなり、香奈とはいつも一緒に行動していた。いきなり一人になるのは寂しいことだと思う。
岳「もちろん、また会いに来るよ」
香奈「う、うん!」
うん、いい笑顔だ
雪蓮「いつかは呉にも来てね、岳♪」
冥琳「その時は歓迎する」
蓮華「最後の最後まで姉様が迷惑をかけた」
岳「ああ、まぁ、暇があれば行くことにするよ」
一つの約束をここにした
華琳「もう行くとは、気が早いわね」
岳「爺さんが決めたことだ、俺が同行できるものじゃない」
秋蘭「仕方ないぞ姉者、岳にはやることがあるんだ」
春蘭「う~~~~、仕方ないな・・・」
あの試合以降、俺は彼女たちに真名を預け、また彼女たちも俺に、真名を預けてくれた
岳「また一緒に修行しよう春蘭、今度会ったときにね」
春蘭「う、うむ。今度は負けんからな!」
新たな誓いを掲げる者
厳「じゃあ、行くかの」
岳「またな~~~~!!!」
月「楽しかったですね(岳さんの問題が多かったですけど)」
詠「そうね、悪くなかったわ(岳に興味を持つ人が増えたのは嫌だったけど)」
岳「そうだな~・・・・・うん?」
馬に乗って荒野を見ていたら、不意に人が倒れているのが見えた
岳「ちょっと行ってくる!」
厳「気を付けてな」
近寄って生きているかを確認する。赤い髪に少し癒しを感じる顔、近くには槍が置いてあった
岳「大丈夫か?・・・死んではいないようだが・・・」
???「・・・お腹・・・すいた・・・」
岳「うおっ!・・・お腹がすいているのか・・・これでも食べな」
???「・・・ありがとう・・・」モグモグ
俺は懐からおにぎりを出して、赤毛の女の子に渡す。それを嬉しそうに口に含んでいき、リスのように頬が膨らむ
岳「(かわいい・・・)君、名前は?」
???「・・・・・恋」
岳「あ、いや、真名じゃなくてね・・・」
恋「・・・・・呂布」
岳「(ッ!!!?マジでか!この子が飛将軍呂布!)へぇ~、いい名前だね」
恋「・・・?・・・・??」
自分が頭を撫でられていることに疑問を持った呂布だった
岳「でもなんで、俺に真名を?」
恋「いい匂いがするから・・・」
岳「そんなに匂うのか・・・体洗おう・・・なんで倒れてたの?」
恋「お腹すいて・・・動けなかった」
そうか・・・なんだかほって置けないよな・・・どうしよう
岳「そうだな・・・恋、俺の所に来ないか?ご飯もいっぱい食べられるし、布団で寝ることもできるぞ」
恋「ん・・・・・行く」
よし、これで心配は消えたな。後は爺さんたちに事情を説明するだけ、戻った後、岳は月と詠に説教をされたそうだ
恋「恋・・・岳と・・・一緒の馬に・・・乗る」
この一言でさらに説教の時間が増えたのは言うまでもない
厳「はっはっはっはっ!罪作りな男よ、岳よ!」
岳「笑い事じゃ、ねぇんだけど・・・」
かなりこの時俺は、しおれていたという
恋「岳と一緒に居ると・・・・・ポカポカする」
結局俺は恋と共に馬に乗り、帰郷した。新たな仲間、呂布は、とても俺に懐き、俺の家で俺が面倒を見ることになった
厳「さぁて、儂は鋼威(こうい)に会わなくてはならないからな、董ちゃん達は家に帰って休みなさい。岳、お前は一応あっておきなさい。恋、お前も来るか?」
恋「岳が行くなら・・・行く」
岳「分かったよ。恋は俺が面倒見るんだ、来ても問題ないだろう」
月「それでは、私達は失礼します」
詠「また明日来るから、予定空けときなさいよ」
岳「ああ、またな」
二人は戻り、俺と恋は一度部屋に行くが、恋が俺から離れない
岳「恋?部屋に行かないのか?」
恋「・・・岳と・・・一緒がいい」
何と言う爆弾発言を落とすんだ。俺は別にいいが、爺さんに弄られる
恋「・・・ダメ?・・・」うるうる
ああ!やめて!そんな捨てられた子犬みたいな目をしないで!断れなくなっちまう!
岳「はぁ、いいよ俺は・・・でも、寝る時も一緒なのか?」
恋「・・・・・」コクッ
素直なのはいいことだけど、ここは遠慮してほしい
岳「(いやだ!なんて言えないからな~)分かったよ」
恋「うん♪」
嬉しそうにしやがってこの~っと、頭を撫でてやった
恋「//////」
顔を赤くして俺の胸に顔を埋めた
岳「おっと、寝る時だけにしてね、そろそろ爺さんが戻ってくるから、一階に行こう」
恋「・・・・・ん」
下に降りると、爺さんともう一人、親友の一人の丁原さんが来ていた
鋼威「ほう、これが厳の孫、神童と謳われる白雷君ですか」
岳「どうも、藤代です。後ろに居るのは呂布です」
鋼威「ほう、どちらも強そうですよ。うちに居る霞が喜びそうだ」
厳「あの張遼という、娘の事か?」
鋼威「ええ、私が鍛えてきた娘です。神速の二つ名が欲しいくらいの槍捌きでしてね」
岳「(張遼・・・・神速の張遼と言われる存在)」
速さだけなら、俺や恋も負けるかもしれない・・・そう思わせてくれる。そんな感じがした
厳「で、どういうつもりでここを訪ねた?」
鋼威「うむ。最近、十常侍共が怪しい行動をしていると耳にしてな、その的がお前とそこの神童君なわけだ」
岳「あの屑ども・・・!」
恋「岳・・・怒ってる?」
岳「ああ、ごめんな。大丈夫だよ」
厳「お前の言う通り、家族を遠ざけておいて、正解だったようじゃの」
これが目の前の権利しか目にない奴のすること
鋼威「我らは帝のおかげで生きておれるが、直接の部隊でもないお前はどうするつもりだ?」
厳「儂はここから動かんよ。ここに骨を埋める、それがわしの生き様」
岳「俺は家族や月、詠、恋が無事なら、何でもいいです」
鋼威「偽りなしの答えか・・・なら私が言うことは何もない」
これからは、気を付けて生きていかないといけないな
次回「岳・厳死亡!?新たな始まり」
岳「月・詠・恋・・・・・ごめんな」
月「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」
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行き倒れになっていたのは、いずれ天下に名をとどろかせる、呂布だった