愛紗達の助けにより『特殊黒装束』を全て倒した一刀
遂に宝鈴自らが戦闘に立ち、一刀と于吉と戦う事となった
感情が黒くなった宝鈴を
于吉と一刀は倒すことができるのか?
六節 〜絶対防御を打ち破れ!!〜
一刀「はああぁぁぁっ!!!」
ギュォォッ!!
于吉「はああぁぁぁ…………」
ギュォォッ!!
一刀と于吉は互いに気を溜め始めた
宝鈴「二人仲良くあの世に送ってあげますよ…………」
一刀「そうなるのはお前だ、宝鈴」
一刀は睨みつけながら言った
于吉「やはりちゃんと貴方を消しておくべきでした
私のあまさで具現化した悪夢は私が必ず払い除けます」
于吉も一刀同様に睨みつけた
宝鈴「消されるのは貴方方なので別に構わないのですが、何か忘れていませんか?
今の状態では私に傷一つつける事ができないのですよ?」
宝鈴の言う通り、まず『神域の結界』をどうにかしなければ何も出来ない
そもそも『黒装束』を倒したら解除する約束だったのだが、解除する気などさらさらなかった訳である
いきなりの難関に一刀は
一刀「そんなもの壊せばいいだけだろ?」
宝鈴「おや、簡単に言いますね」
宝鈴はニヤリと笑い、于吉は苦笑いをした
于吉「北郷さん、そう簡単にはいきませんよ?
『神域の結界』を破壊するにはある程度の気を気を使わない攻撃をしないと……………」
于吉がそう言っていると
一刀「やってみなきゃ分かんねぇだろうっ!!!」
ゴオッッ!!
一刀は二本の得物を構え『龍走』をして突っ込んでいった
左慈「っ!!あの馬鹿っ!!」
一刀「『北郷流二刀演技・蟷螂鋏』っ!!!」
フォン!!
フォン!!
一刀は素早く斬りかかった
しかし
ガキンッ!!
宝鈴「貴方は鶏ですか?全く………」
宝鈴は苦笑いをしながら溜息をついた
『蟷螂鋏』は『神域の結界』により完全の弾かれてしまった
一刀「っ!!!くそっ!!」
宝鈴「今度はこちらの番です
『葬爪槍(そうそうそう)』っ!!!」
フォン!!
ザシュッ!!
一刀「がぁっ!!!?」
于吉「北郷さんっ!!」
左慈「言わんこっちゃねぇっ!!!」
愛紗「ご主人様っ!!!」
宝鈴が放った『葬爪槍』は一刀の右胸を貫いた
『葬爪槍』は深々と刺さっていた
一刀「くっ………『蟷螂鋏』でもヒビすらつかないのか……」
于吉「北郷さん、今『癒療』をしますから」
于吉は一刀に近寄り、『葬爪槍』を引き抜き『癒療』をし始める
一刀「ぐっ!!?いつつ………………
どうやったら壊せるんだ?」
引き抜きのあまりの痛さに思わず声を出し、顔を顰める
于吉「何か弱点を見つけなければ破壊は出来ませんね………」
于吉は『癒療』をしながら答える
一刀「弱点か…………」
宝鈴「頭は冷えましたか?天の御遣いさん………」
宝鈴は不敵な笑みを浮かべながら言った
一刀「ほっとけ!今に吠え面かかせてやるからよ!」
一刀は立って宝鈴を睨みつける
于吉「北郷さん……………」
于吉は悲しそうに一刀を見る
一刀「于吉……同じ事は繰り返す気はないからそんな顔で見ないでくれ………凹んじゃう」
一刀が若干泣きそうな表情で言っていると宝鈴が
宝鈴「さて、今度はこちらからいかせてもらいますよ」
フォン!!
一刀「っ!!」
有無を言わさず『葬爪槍』を投げつけてきた
一刀はそれを紙一重で躱す
一刀「くっ!取り敢えず攻撃しないと始まらない
いくぞ、于吉っ!!」
于吉「えぇっ!!」
宝鈴「くたばりなさいっ!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
宝鈴は次々と『葬爪槍』を投げつける
一刀「はっ!!でやっ!!」
ガキンッ!!
ガキンッ!!
于吉「ふっ!!」
ガキンッ!!
一刀は『極死の剣』と『龍終』で、于吉は『幻惑宝』からの圧力で叩き落とす
宝鈴「『葬爪槍』は見せかけの槍ではないはずです
にも関わらず北郷一刀さんからは血が一滴も出てこないとは………」
左慈「于吉の回復速度は並大抵のもんじゃないからな」
一刀「『斬蹴』っ!!と『羅紅雷』っ!!そして『極死の鎌鼬』っ!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
一刀は斬撃技を次々と放っていく
宝鈴「その程度の斬撃で壊せるとでも?」
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
『神域の結界』に直撃するが、瞬く間に砕けていく
于吉「……………何か方法は……」
于吉は頭を捻って考える
一刀「ふぅぅぅ………」
ギュォォッ!!
一刀は気を充実させてから
一刀「はっ!」
シュンッ!!
宝鈴に向かって『空走』で接近し
一刀「『掌撃波・車香(しゃきょう)』っ!!」
ゴォンッゴォンッ!!
一刀は『神域の結界』に触れ『掌撃波・車香』を放った
『掌撃波・車香』は貫通力が最大の『掌撃波』なのだが
だが『神域の結界』はビクともしない
一刀の掌から波紋を作る程度だった
一刀「くそ…………波が立つ程度かよ……………」
宝鈴「だから無理だと言っているでしょう?
『神域の結界』を破壊するなど不可能なのですよ」
于吉「不可能を可能にしなければ先には進めないのですよ、宝鈴」
一刀「しっかしなぁ………なんとか出来ないかな………」
一刀は首を傾けて考えた
于吉「せめて削れませんかね………表面だけでも」
于吉の言葉に一刀は
一刀「削るか……………うん?削る?
………………もしかしたら……」
一刀の頭の中で何かが閃き、真桜に呼びかけた
一刀「真桜〜〜〜〜っ!!『鎖断鋸斬』あるか〜〜っ!!?」
真桜「『鎖断鋸斬』か?あるでぇ、隊長っ!!」
一刀「よし……ものは試しだ、貸してくれっ!!」
真桜「了解や!」
真桜は素早く何処からか大型のチェーンソー、『鎖断鋸斬』を引っ張り出した
シュンッ!!
そして『空走』をして一刀に手渡した
真桜「でも隊長、これ半端なく振動するで?」
一刀「あぁ……分かってるさ、ありがとう真桜
下がってろ、危ないから」
真桜「…………隊長、必ず勝ってや」
一刀「おう!」
シュンッ!!
真桜は『空走』をしてその場を離れた
宝鈴「何ですか?あの物騒な武器は?」
宝鈴は眉を顰めながら呟く
于吉「天の国で云う鋸ですよ
確か鎖鋸というものだったとか………」
于吉は丁寧に宝鈴の呟きに答える
一刀「(さて……三刀流は初めてだけどやってみるか………)」
そう言うと一刀は右手に『鎖断鋸斬』を、左手に『極死の剣』を構え、そして口には『龍終』を咥えた
一刀「どっかの海賊みたいだな、腹巻つけて片目ないあの剣士…………」
于吉「まぁ、それ以上は控えめに………」
一刀「それもそうだな」
一刀はそう言うと『鎖断鋸斬』に気を送り始めた
それを見た真桜は
真桜「隊長と言えどあれは無茶苦茶やで
片手でウチが開発した『鎖断鋸斬』操るなんて無謀としか言いようがないで?」
愛紗「確かにあれはかなり振動と爆音、そして絶大な威力を生み出す得物…………
流石にご主人様でも片手で扱うのは危険がある…………」
凪「ですが、今更言っても隊長は止まらないでしょう
自分達が出来る事は祈ること位しかか………」
華琳「……………一刀」
一刀「よし、それ!」
ブゥーンッ!!
ブゥーンッ!!
ブゥーンッ!!
ブゥンッ!!
一刀は『鎖断鋸斬』のエンジンをかけた
ブゥーンッ!!
ブゥーンッ!!
ブゥーンッ!!
一刀「くっ!!す、凄い振動だな……」
宝鈴「全くもって騒がしいったらありません!耳が痛くなつてしまいます!!」
宝鈴は思わず両手で耳を塞ぎ、大声で叫ぶ
だが、その殆どはエンジン音でかき消されてしまう
一刀「よし…………いくぞっ!!!」
一刀は3つの得物を構え、宝鈴に斬りかかった
宝鈴「例えそのような得物を使ったとしてもこの『神域の結界』を破壊する事などは出来ません」
一刀「やってみなきゃ分かんねぇだろうっ!!!
何度も言わせんなっ!!!」
一刀は得物を構え
一刀「『北郷流創作・三刀演技・裂空牙(さんとうえんぎ・れっくうが)』っ!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
素早く、強烈な斬撃を放った
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
それぞれの斬撃は一点集中で『神域の結界』に当たる
だがそれでも波が立つ程度だった
于吉「駄目ですか…………」
于吉がそう落胆していてが、一刀は
一刀「ん?……まてよ………
………………もしかすると…」
一刀は体制を整えて于吉の元まで走る
一刀「于吉、ちょっと耳を貸してくれ…………」
于吉「…………??何ですか?」
于吉は素直に耳を貸す
一刀「………〃〃〃で……〃〃だが……〃〃〃〃〃〃だと思うんだ」
于吉「……………!!?本当ですか?」
一刀「だから……〃〃〃〃………〃〃…〃〃〃〃〃………できるか?」
于吉「…………分かりました、やってみせましょう」
一刀「よし!頼むぜ!」
一刀と于吉は再び宝鈴に矛先を向けた
宝鈴「………何の相談ですか?」
一刀「決まってるだろ、お前の殻を壊す作戦を練ってたんだよ」
宝鈴「私の『神域の結界』を?
………ふふふ、そんな事が出来るとでも?」
一刀「やってやるさっ!!!」
ゴオッッ!!
一刀は『龍走』をして宝鈴との距離を詰め始めた
宝鈴「あの世に逝きなさい………『葬爪槍』っ!!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
宝鈴は一刀に向かって『黒玉晶』から出現させた大量の『葬爪槍』を投げつけてきた
一刀「喰らうかっ!!」
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
一刀は宝鈴の『葬爪槍』を弾き落としながら接近していき
一刀「はああぁぁぁっ!!!」
『極死の剣』と『龍終』をしまいながら突っ込み
一刀「でやあぁぁぁっ!!!」
ブゥーンッ!!
ギィィィィィィンッ!!
右手に持つ『鎖断鋸斬』で斬りつけた
接し面からは大量の火花が飛び散る
宝鈴「だからその程度は………」
宝鈴が苦笑いをしながら言いかけたその時
一刀「こっからが本番だぁっ!!」
一刀が宝鈴の発言を遮り、『鎖断鋸斬』の直ぐ左側に左手を置き
一刀「『掌撃波・馬桂』っ!!」
ゴォンッ!!
一刀「『掌撃波・将銀』っ!!」
ゴォンッ!!
次々と『掌撃波』を放っていった
そのたびに『掌撃波』の中心、左手の中心から波紋が出来始め、波紋は重なる毎に大きく波を打っていく
宝鈴「………??一体何のつもり………」
一刀「于吉、構えろっ!!」
一刀は左手に大きく力を込めて于吉に合図を出すと于吉は既に
于吉「何時でもいいですよ!北郷さん!!」
『幻惑宝』に全ての気を送り込み終わっていた
一刀「いくぞ!!!『掌撃波・将金(しょうこん)』っ!!!」
ゴォンッ!!
宝鈴「っ!!!?貴様等一体何をする気…………」
一刀は『掌撃波』を放つと一際大きな波紋を生み出した
一刀「今だっ!!!于吉っ!!!」
于吉「フルパワー『粍光砕波』っ!!!発射っ!!!!!!」
ピュンッ!!
ドォンッ!!
宝鈴「くっ!!愚かなっ!!その程度で………っ!!?」
一刀「『闇拳』…………」
『粍光砕波』の爆煙の最中、一刀は『鎖断鋸斬』を放り出し怯んでいる宝鈴に向かって左手を伸ばし、小さな『闇行』を出現させた
右手には大量の気が集中していた
更に『闇行』は有ろうことか宝鈴の目の前に現れていた
勿論『神域の結界』内である
宝鈴「っ!!?馬鹿なっ!!!『神域の結界』をすり抜けるなどっ!!?」
一刀「これで終わりだっ!!砕け散れっ!!!」
一刀は右手にあった巨大な気と右手を『闇行』に突っ込み
一刀「はああぁぁぁっ!!『幻龍破』っ!!!」
ゴオッッ!!
片手で『幻龍破』を放った
宝鈴「なっ!!!?ぐああぁぁぁっ!!!!?」
宝鈴に『闇行』を伝えての『幻龍破』が炸裂した瞬間
ガシャアァァンッ!!
内部から『神域の結界』が粉々に砕け散った
左慈「っ!!あ、あいつ等………やりやがったっ!!!!」
雪蓮「『神域の結界』を破壊したわっ!!」
宝鈴「ぐっ………!!?な、何故だっ!!?
ど、どうやって…………」
ボロボロになりながら宝鈴はただただ呆然と立ち尽くすだけだった
そこへニヤリと笑った于吉が
于吉「北郷さんの言った通りでしたね
『神域の結界』は外からの攻撃には滅法強い………しかし、内部からの攻撃には逆に滅法弱い………
ならば内部から攻撃してしまえば良い」
そこへ一刀も会話に参加
一刀「だが、『神域の結界』はある種の『異次元空間』………そう簡単に踏み入れられない………
ならばその為の穴を、その為の扉をこじ開けてやればいい」
宝鈴「っ!!!だ、だから一点集中の攻撃をし続け、最後于吉の『粍光砕波』で穴を開け、『闇行』で手を侵入させる事ができたのですかっ!!?」
宝鈴は驚きを隠せずそう叫んだ
于吉「ようは白蟻と同じ理屈ですよ」
一刀「さて………甲羅に篭ってた亀を引っ張り出せたぞ
ようやくだな?宝鈴……………」
パキッ
ポキッ
パキッ
ポキッ
宝鈴「っ!!!」
一刀は首や指の骨を響くくらいの大きな音で鳴らし、不気味に笑いながら宝鈴に向かって歩み始めた
于吉「時間が掛かってしまいましたね…………」
于吉も同様に近寄り始めた
そして一刀は嬉しそうに言った
一刀「これでお前をボコボコにできる♪原型を留めないくらい、気の済むまでフルボッコにしてやる♪
覚悟しろ宝鈴ーーーーーっ!!!」
……終……
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ようやく一刀は『特黒装束』の群れをなぎ倒すことができた!
そして親玉である宝鈴との戦いが再び幕を開ける!
だが宝鈴には強力な防御、『神域の結界』がある為攻撃が効かない……
于吉と一刀はどうやって壊すのか?