第10話『紺と白の剣舞』
74層の主街区の転移門前でカイルはアスナ到着を待っているのだが予定の時間はもうすでに過ぎておりカイルは何かあったのか?と思いメッセージを、送ろうかいやもしかしたら心配しすぎなだけなのかと頭がフル回転していた。
「やっぱりアスナのところへ…」
アスナのところにいこうと決めたとき転移門が起動して誰かが転移してきたが…
「キャー!避けて!」
「っ!!」
転移門から飛び出してきた女の子の悲鳴と共に警告されてその飛び出してきた方向にいるカイルはとっさによければ怪我を(ゲームだからしないが)するかもしれないので受け止めて抱き上げた。
「えっと…カイルくんおはよ」
飛び出してきたのはまさかのアスナで顔を見た時に思わず驚いてしまう、その上今の現状を自分が行っていることに顔をだんだんと赤らめていく。
初めはアスナは何故赤くなっているのだと疑問に思っていたが自身の状態を完全に把握したときカイルと同じように赤くなる。
今現在カイルはアスナをお姫様だっこしており、アスナはカイルにお姫様だっこされているという回りの視線は当然集中するような光景なのだ。
「カ、カ、カ、カイルくん、ご、ごめん…重いよね」
「す、す、すまん、別の受け止める方法にしておけば」
両者赤らめて取り乱し…そしてカイルはアスナをおろしてすると直ぐにアスナは離れるが未だに顔が真っ赤である。
(や、やばい、まさかアスナだったなんて…というかなんでアスナが転移門から飛び出てくるんだよ)
(カイルくんにお姫様だっこしてもらえた、う~ハプニングだったけど、これはこれでラッキーなのかな?で、でもカイルくんにどう思われただろう…)
二人がそんな思考をしているとまた転移門が動きだしいち早く気づいたアスナはカイルの背中に隠れると転移してきたのはアスナの護衛を勤めていた、クラディールであり辺りを見渡しアスナを見つける。
「アスナ様!勝手は困ります!さあ、グランザムへ戻りましょう」
どうやら遅れた原因はこいつだとカイルは察した。
「今日はギルドはお休みしているはずです!それより、どうして家の前で張り込んでいたのよ」
「はぁ!?」
「こんなこともあろうかと、一カ月前からずっとセルムブルグでアスナ様の監視の任務についておりました」
「そ……それ、団長の指示じゃないわよね?」
「私の任務はアスナ様の護衛です、それには当然、ご自宅の監視も…」
「ふ、含まれないわよ、馬鹿!」
(こ、こいつストーカーだ…)
「聞きわけの無いことを仰らないでください。さあ、本部に戻りましょう」
「っ……!」
(助けてカイルくん)
クラディールに無理矢理掴まれ連れていかれようとするアスナは心のなかでもっとも信頼ができるカイルに助けを求める。
「待てよ」
その声が届いたのかカイルはクラディールの手をつかんで止める。
「お前達の副団長は俺と一緒に迷宮区に行くって約束しているんだ、 グランザムに戻ってヒースクリフさんに伝えろ、そしたら全面で了承してくれる、安心しろ必ず守る、魔法騎士の名に懸けてな」
いつになく真剣な表情だったことからアスナも少し驚いておりクラディールは怒りを買ったのか小刻みに震えてそして
「貴様のような雑魚プレイヤーにアスナ様の護衛が勤まるものか!そこまでいうのなら実力を見せてもらうぞ!」
そういってクラディールはメニューを開いてカイルにデュエルを申し込んできた。
「…いいのか?」
「この事は団長に報告するから」
「わかった」
そういってカイルはデュエルを承諾し初撃決戦を選択し開始のカウントが刻々と近づいていく。
「ご覧ください!アスナ様!アスナ様の護衛はこの私以外勤まるはずがないと!」
そしてクラディールは両手剣を構えてカイルも鞘から剣を引き抜き構える。
(あの構えからしてアバランシュだな…武器破壊も手だが…面倒だからあれでいくか)
そういるとカウントは0になりデュエルが開始されクラディールはアバランシュで突っ込んでくるに対してカイルは何も動く様子がない
「もらった!」
「…そこっ!」
カイルはアバランシュの軌道を読み切りぎりぎりのところで回避しそしてソードスキルのエフェクトが終わったのを見てカイルは剣でクラディールの剣目掛けて鋭い一撃を放ち、するとクラディールは両手剣を落としそのまま動けなかった。
「う、動けない…き、貴様、何をした…」
「四式 束縛の太刀…これは相手の剣に強烈な一撃を浴びさせ持っている相手の神経を数十秒だが麻痺させる…これでわかったか?お前の敗けだ」
「くそぉ!!」
クラディールはソードスキルを使わずに負けてしまったことに苛立ちをみせそれを構わずカイルは後ろを向いてこの場から立ち去ろうとしたが
「死ねぇ!」
予想以上に麻痺が治ったクラディールか短剣で突き刺そうとしたときそれは弾き飛ばされ…それを弾き飛ばしたのはカイルではなくアスナであった。
「ア、アスナ様!こいつがなにか小賢しいてを使ったのです、そうでなくては…」
「クラディール、本日を持って護衛役を解任、次の指示があるまで本部で待機以上」
「なっ!…わかりました」
そしてクラディールはカイルに殺意を飛ばしながらグランザムに転移し転移したのをみてアスナは一息つく。
「ごめんね、カイルくんギルドのゴタゴタに…」
「別に構わないよ、それに時々ぐらい俺みたいなプレイヤーとパーティー組んでもいいんだよ、少しぐらい息抜きしとけよ、でないときついぞ」
「カイルくん、ありがとう、それじゃあお言葉に甘えてフォアードよろしく!」
「なっ!ちょっと待て!交代制じゃないのか!?」
そういってカイル達は迷宮区に向かっていった。
「はあああっ!」
迷宮区に潜り込んだカイル達は行く手を遮るモンスター達を倒しながら進んでおり今まであまりパーティーを組んでいないカイルは後ろで待機していた。
「ここまで余裕になるか」
「カイルくん!スイッチいくよ!」
「あ、ああ」
「スイッチ!」
アスナのリニアーは盾で防がれるがそれにより大きくよろけてその隙にカイルが飛び込み臥竜連牙を放ちそしてバーチカル・スクエアをはなち倒す。
「ふぅ…楽に勝てたな」
「うん、それにタイミングもバッチリだしね」
「阿吽の呼吸…俺達、かなりいいコンビになれるのかもな」
「え、それって…」
アスナは少し頬赤らめてもじもじと可愛らしい仕草をする、そんななかカイル索敵にかなりの人数のプレイヤーが来ているのに気づく。
「アスナ!かなりのプレイヤーがこっちに来てる、面倒だから隠れるぞ」
そういってカイルは隠蔽のスキルでやり過ごそうと思ったが問題はアスナであった。
アスナが来ているのは血盟騎士団の制服で白と赤を強調した服であるために目立つ…
「隠れやすい服とかないか?」
「ええ!?そんなのないよ」
「ああ~ならこれ」
そういって自身のコートを脱いでカイルとアスナに覆うように隠れる。
「か、カイルくん!?」
「しっ!、気づかれる」
(カ、カイルくんがこんなに近くに…だ、だめ心臓がばくばくしてる…聞かれたら恥ずかしい…)
アスナは別の意味で心配しているなどカイルは気づかなく、そしてカイルはコートの隙間からプレイヤー達をみる。
(あれは軍…しかもキバオウ派か!?でも25層から攻略に乗り出さなくなったキバオウ派があんな大勢で何処に…)
そして軍が通っていくなかそのなかに知っている顔もいたことに驚く。
(セレス!)
カイルの同期生で四年前は地上本部の特殊部隊に配属されたセレスが3人の直属を引き連れて来ていた。
そして軍が通りすぎた後も数秒はその体制を維持して大丈夫だと思ってからアスナから離れてコートをきる
「なんとか隠れきれたか…アスナ?」
アスナの様子が変だと気づいたカイルは様子をうかがうと顔を真っ赤にしており何故?と首をかしげた。
「お、おい、大丈夫か?気分悪かったらここまでで…」
「だ、だ、大丈夫!問題ないよ、さ、さあ、気づかれずに先にいこっか」
「お、おう…」
そしてカイル達は軍と鉢合わせにならぬように進んでいきその間には敵が出てきたがカイルとアスナの絶妙なコンビネーションで撃破する、それはまるで舞っているような、紺と白の剣舞であった。
そして順調に進んでいきマッピングしていくとアスナがカイルの肩を叩かれたのでアスナの方へ目を向ける
「カイルくん…あれって…」
「…っ!ボスのへや…」
遂にカイル達はボスのへやにたどり着き目の前にたつ。
「どうする?覗くだけ覗いてみる?」
「そうだな、そっちの方が作戦もたてやすいし…アスナ、転移結晶の準備しとけよ」
「うん」
そういって二人とも左手に転移結晶を持ち意を決して門を開けると突如燭台に炎が灯っていきそしてボスのへやにいたのは山羊の顔をした悪魔であった。
あとがき
どうも~
ヒースクリフ「やあ」
はい今回74層編の終盤まで書きましたが今回軍の中にはセレスをいれてみましたがヒースクリフはどぅ
ヒースクリフ「ふむ、これはやはりあれになるのだろうね…おそらく作者はご都合主義だからコーバッツは生還するだろうたぶん」
まあそこは気分次第だね
それでは次回で74層は終わらせたいと思います、コメントは随時募集中、それではさいなら~
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リリカルなのはとソードアート・オンラインのクロスオーバー!
久しぶりの投稿になります、ご感想はまだまだ募集中です!!