ふとした疑問があった。

大和は九鬼家の人間になったわけだが、実際はどうなのだろうか？

「ああ・・・確かに表向きは大和は九鬼大和と名乗っているけど書類上はまだ直江じゃな」

「へ？」

紋白は二本の指をたてて言う。

「確かに、あの世界なら確かに互いに１８歳で結婚は出来るが、・・・でも、『現実』の世界じゃ、まだ１５

歳と１７歳。書類上では法律に違反じゃ」

要するに結婚式を挙げたが婚姻届はまだ市役所に提出していないわけだ。

「しかし、それはあくまでも書類上の問題であって、お互いに規定の年齢になったら提出すればいいだけのことじゃ」

一理ある。

お互いに裏切り行為などなく、周囲が認可していれば書類だけの記録など些細なことであろう。

しかし、そうなるとなおさら気になることがある。

いくら周囲が進められてもそこまで書類上ではまだ結婚出来ない二人はどうして仮結婚したのだろうか？

「当然。大和と愛しておるからじゃ」

「・・・・」

紋白はとても笑顔で答えてくれた。

でも・・・。

「本当は・・・？」

ちょっと、彼女の本心をのぞく。

「誰にも大和を奪わせないことと、大和を永遠に我のものにすることじゃ・・・♪」

彼女の独占欲がものすごくあるのだった。