No.697850

真・恋姫無双「武人として、一人の男として〜」8

ガリ眼鏡さん

楽進と李典と于禁の再来なり。

( ^ω^ )

2014-07-01 11:45:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2680   閲覧ユーザー数:2554

 

 

魏兵82番「夏侯淵様、もう少しで賊徒が現れた村に到着します。」

 

夏侯淵「あぁ、分かった。みんなに気を引き締めるように伝えてくれ。」

 

魏兵82番「は!」

 

 

兵士は返事をするとすぐさま後ろにいる部隊に声をかけに向かっていた。とにかく今は死人を出さないのが先決である。勝つための作戦はあとから立てれば問題ないだろう。視線を再び前に向ける。すると村に接近している賊徒の大群の姿が見えた。

 

 

真「…賊徒が村に接触するのはもう少し時間がありそうだな。…だったら今のうちに民間の避難を急がせるしかない・・・か。」

 

夏侯淵「そうだな。」

 

真「…俺と季衣が先に行って村の人たちを避難させておく。」

 

夏侯淵「頼む。」

 

 

真「んじゃ…行くか、季衣。」

 

季衣「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村に到着すると民間人の避難を始めた。

 

 

真「・・・義勇軍でもいるのか?」

 

季衣「わかんないよ、それより僕達も手伝おう。」

 

真「おう・・・」

 

 

と思っていると

 

 

???「あなた達、何者ですか・・・」

 

 

そちらの方を振り向くとそこには顔や体の至るところに傷があり、白髪を後ろで三つ編みにしている少女がいた。

 

 

真「警戒しないでほしい。俺達は君達義勇軍の敵じゃない。」

???「・・・・・・・」

 

真はそう言うが目の前の少女は警戒を解かないままこちらをジッと見据えてくる。確かに言われただけじゃ信じられないのは仕方ない。それに言葉も足りなかったような・・・

 

 

夏侯淵「どうした剣崎?」

 

 

後ろから秋蘭が来た。

 

 

真「・・・ちょっとね。」

 

???「貴方は?」

 

夏侯淵「私は夏侯淵。曹猛徳様のところで武官をしてる者だ。」

 

???「そうなのですか?」

 

夏侯淵「ああ、こっちが許緒と剣崎。こちらも同じ武官だ。」

 

真「・・・?俺は何時から武官になったんだ?」

 

夏侯淵「最初からだ。」

 

真「・・・・・」

 

夏侯淵「どうだ、信じてもらえたか?」

 

???「…はい。あなた方から敵意は感じられませんし、何よりも州牧をしている曹操様の将なのですから疑うところはありません。」

 

 

どうやら少し興奮しているのか最初に出会ったときの冷静沈着な感じとは裏腹に少しだけ、嬉しそうな表情で話していた。とりあえず信じてもらえたと言うことで義勇軍のところに案内してもらうこととなった。すると真は夏侯淵が兵士に何か話をしていた。

 

 

真「…夏侯淵。何しているんだ?」

 

夏侯淵「華琳様に報告をするところだ。」

 

真「・・・そうか。」

 

 

真がそう言うと夏侯淵は兵に報告を伝え早馬を出した。

 

 

真「…さて、行くか。」

 

 

義勇軍のところに案内してもらおうと目の前の少女に向き直り名を言おうとしたが、初対面なため名を知らない真。すると少女は、

 

 

楽進「私の名前は楽進と言います。」

 

真「楽進・・・か、俺は剣崎 真という。」

 

楽進「そうですか。よろしくお願いします。剣崎様。」

 

真「・・・・・・」

 

楽進「どうしましたか?」

 

真「いや・・・・」

 

 

楽進の問いに、真は返答すると黙った。いままで生きてきた中で様付けで言われたのが違和感があったらしい。すると夏侯淵は言う。

 

 

夏侯淵「本題にはいるが楽進は義勇軍の者か?」

 

楽進「は、はい、そうです。」

 

 

言うと楽進は急に緊張したように言った。

 

 

夏侯淵「では民間人の避難はどれくらい終わってるんだ?」

 

楽進「だいたいは避難は終わりました。もう少しで完全に避難が終わります。」

 

 

真(なるほど。どおりで俺達が来てから人をあんまり見ないわけだ・・・ここの義勇軍はなかなか出来るみたいだ・・・・・)

 

 

夏侯淵「ちなみに義勇軍はどのくらいの兵がいるんだ?」

 

楽進「だいたい百くらいだと思います。」

 

 

義勇軍がいてくれたのは嬉しい誤算ではある。だが、数的にはほとんど変わらない。夏侯淵達の部隊を合わせたとしても数の差は埋めることは出来なさそうだった。夏侯淵達の部隊をあわせて数はだいたい五百〜七百前後ってとこだという。相手は複数手に分かれての進軍しているため部隊を分けなきゃいけない。だが、

 

 

真(コレだとさすがに捌ききれなさそうだ・・・)

 

 

真が考えているのを見た楽進は何か不安を覚えたのか心配そうな表情で真に訊ねてくる。

 

 

楽進「あ、あの・・・・なにを考えてるですか・・・?」

 

真「あぁ・・・コレからどう動こうか考えてた。」

 

楽進「…なら義勇軍が集まってる場所に来ますか・・・・?」

 

 

楽進の言葉に真がそこに行っていいのか。と訊ねると楽進は一回だけ頷いてどこかに向かって歩き出した。真達もそれにならい楽進の後ろをついて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽進「ここです。」

 

 

ついていった先には楽進が言ったとおりに百くらいの義勇軍がいた。村で避難誘導をしている兵士の数を合わせるとだいたい百ちょっとってところだ。すると楽進のところにやってくる二人の女の子が見えた。

 

 

???「凪~。あり? その人達はどないしたんや?」

 

???「凪ちゃん、その人達どうしたの~?」

 

 

一人は関西弁を使うなんとも男の目を引きそうなかなりの巨乳。さらにそれをあまり隠そうとしない水着のような格好をしている女の子。もう一人はこの時代には珍しい近代的な格好をしているオシャレでなにやらまったりとした口調の女の子だった。

 

 

楽進「真桜に沙和か・・・・。いや、この方達を案内してきたんだ」

 

李典「そうやったんか、わいの名は李典つうねん。よろしゅう・・・・ってあんさんはあん時の!?」

 

真「?・・・・・・・あの時の。まさかこんな形で会うことになるなんてな・・・・」

 

???「真桜ちゃん、知り合いだったの〜?」

 

李典「ちぃとな~。」

 

 

関西弁を使う絡繰職人の女の子が人懐っこい笑みを浮かべながら少女に言う。真はその言葉に違和感を感じていた。

 

 

真(何で関西弁だ?この時代に関西弁なんてないのは確認できているはず・・・・)

 

于禁「沙和は于禁っていうの。よろしくなの〜。」

 

 

こっちの子は比較的普通そうだが、服装にこだわりすぎなきがする。こんなんで戦えるんだろうかというくらいである。

 

 

夏侯淵「では、楽進には名乗ったが、改めて名乗らせてもらう。私は夏侯淵。曹猛徳のところで将をしている。」

 

季衣「ボクは許緒だよ!」

 

真「・・・俺は剣崎 真だ。」

 

 

真達が言うと、楽進はさっき聞いたからさすがに驚いてはなかったが初めて聞いた李典と迂禁はかなり驚いたような表情をしていた。それだけ華琳の名前が知れ渡ってきてるというコトになるだろう。

 

 

李典「ま、まさか曹操さまっちゅうたら、あの曹操様か・・・?」

 

夏侯淵「他にどなたがいると言うんだ。正真正銘曹操さまの将だ。」

 

于禁「まさか一緒に戦ってくれるの〜・・・・・?」

 

 

于禁はまさかとは言わんばかりに期待をかなり込めた眼差しで、だけどあり得ないと言う表情で訊いてきた。

 

 

夏侯淵「もちろんそのつもりだ。」

 

李典「やっぱ戦ってくれるわけ・・・・ってあるんかい!?」

 

真「!!! 」

 

 

李典のツッコミに真は驚く。すると李典はツッコミを入れた後しまったと言わんばかりの表情をして、楽進と迂禁はヤバいと言わんばかりの表情をしていた。

 

 

楽進「す、すみません。」

 

李典「すみません。ついいつものクセで・・・・・・」

 

于禁「ごめんさいなの・・・」

 

夏侯淵「気にするな」

 

季衣「そうだよ。」

 

真「・・・とりあえず、俺達もこの村を守るために戦うんだが・・・・それでも数の差は圧倒的だ。」

 

夏侯淵「たしかにな、援軍が来るまで持ちこたえないと。」

 

季衣「そうですね。」

 

 

と皆が考え、数秒が過ぎた後真は口を開けた。

 

 

真「…地図あるか?」

 

季衣「兄ちゃん?」

 

夏侯淵「あるはあるが、どうするんだ?剣崎。」

 

真「ちょっとしたひらめきってやつだ。」

 

 

と真はその考えとやらを説明した。

 

 

真「…地図を見る限り、相手の攻め方は幸か不幸かは分からないが…四方向からの一気に攻めると思う。だが今の状況だととても持ちこたえれないことがわかる。んで四方向に防壁を作り、足止めをしながら弓による遠距離射撃で相手の兵力を減らす・・・という策だが。」

 

夏侯淵「たしかにそれなら何とかなるが・・・」

 

季衣「けど防壁を作るための時間と材料が足りるかな?」

 

真「それはわからん。だがこの状況で夜を乗り切るにはこれしか方法がない・・・他は、どう・・・?」

 

楽進「私は構いません。」

 

李典「うちもかまへんよ。」

 

于禁「沙和も大丈夫なの。」

 

季衣「ボクもいいと思うよ。」

 

夏侯淵「うむ。私もだ。」

 

真「ほっ・・・んじゃ、始めますか。」

 

夏侯淵「では私と季衣は東門、西門は迂禁と李典、南門は楽進、北門は剣崎の指示に従って制作に取りかかれ。」

 

 

夏侯淵は指示しを出し、それぞれが行動を開始する。すると楽進が真に問いかける。

 

 

楽進「あっ、あの・・・」

 

真「・・・?」

 

楽進「剣崎様は、お一人で大丈夫なのですか?」

 

真「・・・心配ない。」

 

 

と真は言って北門に向かっていく。

 

 

楽進「…本当に大丈夫なのでしょうか・・・」

 

夏侯淵「心配するなと、言ってたであろう。」

 

楽進「夏侯淵様・・・」

 

夏侯淵「あいつの強さは我々以上だ。何せ一人で五百の敵を殲滅させたのだからな。」

 

楽進「そっ、そんなにですか・・・」

 

夏侯淵「あぁ。」

 

 

そう言うと夏侯淵は東門へと向かった。

 

 

楽進「・・・・・」

 

 

楽進は夏侯淵が行った後、考えながら南門へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分が経ち、真は北門につくと黄巾の奴らがかなり近くまで迫ってきていることが分かった。これだと間に合わない。と真は判断し、

 

 

真「・・・・お前。」

 

義勇兵79番「はい」

 

真「俺が時間を稼ぐ。その間に防壁の方を作っておいとけ。」

 

義勇兵79番「お一人で大丈夫ですか?」

 

真「問題ない、急げ。」

 

義勇兵79番「はっ。」

 

 

兵士は言うと防壁を作りに行く。

 

 

真「・・・・・・・・」

 

 

真は義勇兵を見送った後、黄巾党が接近してくる方に向き直る。

 

 

真「・・・さて、襲って奪うことしか頭に無い屑共。」

 

 

真はそう言うと同時に背中に閉まってある黒殲刀を手に持ち、ゆっくりと抜く。

 

 

真「此処を無理に通るんなら、俺が相手になってやる。」

 

 

そう言った後、真は壁から飛び降り、黄巾党へと走り出した。

 

 

 

 


 
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