No.697697 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-06-30 18:50:05 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2009 閲覧ユーザー数:1828 |
~クリスタルガーデン~
「!?あ、貴方方は……!い、一体何故こちらに……」
クリスタルガーデン内に入ってきたリウイ達を見たレーグニッツ知事は信じられない表情をし
「――――我らメンフィル皇家が信頼している臣下の家族がテロリスト共に攫われたと聞いて、その救助の為に来ただけだ。」
「テロリスト達に……?――――!!ま、まさか…………!」
リウイの説明を聞いて不思議そうな表情をしたレーグニッツ知事だったが、瞬時にアルフィン皇女と共に攫われたエリスの事を思い出して顔色を変え
「ええ。アルフィン皇女殿下の付き人をしているのは私の妹です。」
「そしてエリスさんはリフィア殿下の専属侍女長を務めておられるエリゼさんの妹でもあり、エリゼさんはリウイ様やシルヴァン陛下から信頼され、将来はリフィア殿下にとってかげがえのない臣下になる事を期待されています。……エリスさんがどれ程重要な人物なのか、今の説明を聞けばわかりますね?」
「!!それは…………」
ペテレーネに問いかけられたレーグニッツ知事はエリスが攫われた事の重大さをすぐに気付いて表情を青褪めさせた。
「こんな所で責任の追及をしていても時間の無駄じゃ!ゆくぞっ!!」
「お、お待ちください……!後少しすれば鉄道憲兵隊が駆け付けてくれます……!クッ、行ってしまったか…………!早く彼女に知らせないと……!」
そしてリフィアの号令の元、リウイ達はレーグニッツ知事の制止する声を無視して大穴に飛び込んでテロリスト達やリィン達の後を追って行き、その様子を見ていたレーグニッツ知事は唇を噛みしめた後通信を開始した。
~同時刻・サンクト地区・ヘイムダル大聖堂~
「チッ……!次から次へと……!鬱陶しい……!」
同じ頃ユーシスは仲間達や近衛兵達と共にセドリック皇子を守って魔獣や人形兵器達と戦っていたが、倒しても倒しても数が減らない事に表情を歪めた。
「すみません、皆さん……僕が不甲斐ないばかりに皆さんを危険な目に合わせてしまって……」
自分を中心とした円陣によってアリサ達に守られている金髪の少年―――セドリック皇子は申し訳なさそうな表情をした。
「殿下は悪くありませんよ!」
「はい……!こんな事を考えたテロリスト達に非があります……!」
セドリック皇子の言葉を聞いたアリサとエマはそれぞれ慰めの言葉をかけた。
「?羽ばたき……?――――!気を付けろ!何かが飛んで来るぞ!」
その時耳に聞こえて来た羽ばたきを聞いたガイウスは全員に警告し
「……この羽ばたき音は……!――――”飛竜”!!」
羽ばたきを聞いたプリネが目を見開いたその時、大聖堂の2階のガラスが割られ、飛竜が2体突入して来た!
「ええっ!?あ、あれは一体……!」
「ま、まさか新手か!?」
飛竜たちの登場にセドリック皇子と近衛隊の憲兵が驚いたその時、飛竜から3人の人物が飛び降り
「………どうやら間に合ったようだな。」
「うふふ、久しぶりね、プリネお姉様♪」
「キャハッ♪手伝いに来たよ、プリネ♪」
飛び降りた人物達――――レーヴェは周囲の状況を見て呟き、レンとエヴリーヌはプリネに微笑んだ。
「レオンハルト教官……!」
「来てくださったんですね……!」
レーヴェの姿を見たガイウスとエマは明るい表情をし
「お、女の子!?って、何あの大鎌!?」
「バリアハートで出会ったレン姫か……」
レンが持っている大鎌を見たアリサは驚き、ユーシスは真剣な表情でレンを見つめた。
「ええっ!?あ、あの方がレン姫なんですか……!?」
ユーシスが呟いた言葉を聞いたセドリック皇子は驚き
「レン!?それにエヴリーヌお姉様も……!一体何故こちらに……」
プリネは驚いた後戸惑いの表情でレン達を見つめた。
「うふふ、細かい話は後にしましょう?――――それより今はテロリストさん達が開いた”お茶会”を楽しまないとね♪まずはこれでご挨拶よ!そ~れっ!!」
そしてレンはSクラフト―――レ・ラナンデスで多くの魔獣達の命を一瞬で刈り取り
「キャハハハハハハハハッ!一匹残らずぜ~んぶ、殺してあげるよっ!!」
エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべながら次々と魔力の矢を弓に番えて解き放って魔獣や人形兵器達を凄まじい勢いで滅し
「うふふ、レンも負けないわよ♪」
エヴリーヌに続くようにレンは大鎌を軽々と振るって次々と魔獣や人形兵器達を滅していた!
「す、凄っ!?旧式の弓矢であんな威力を叩き出す上、全て命中しているし……」
「あれが”魔弓将”の力か……」
エヴリーヌの戦いを見ていたアリサは驚き、ユーシスは真剣な表情でエヴリーヌを見つめ
「レン姫は……とても子供とは思えない動きですね……」
「あの体格であの大鎌を軽々と振り回すとは……よほど鍛えているのだな。」
レンの戦いを見ていたエマは信じられない表情をし、ガイウスは目を丸くした。
「―――これよりB班の指揮は俺が取る。総員、戦闘再開!」
「おおっ!!」
そしてレーヴェの号令にアリサ達は力強く頷き、レーヴェの指揮によって戦闘を再開した!
~ヘイムダル・装甲車内~
リウイ達とレーヴェ達がそれぞれ行動を開始したその頃、装甲車を運転しているクレア大尉はサラ教官を助手席に乗せてマーテル公園に急行していた。
「……後10分で到着します。それまで彼らにはできるだけ先行してもらうしかありません。」
「ええ、不本意ながらね。――――でも、さすがは鉄道憲兵隊(T・M・F)と言うべきかしらね。競馬場の襲撃には完璧に対処できたみたいだし。」
「……あちらは近衛隊が出動していませんでしたから。大聖堂の方はB班の皆さんが手伝ってくれたおかげですね。」
サラ教官の指摘にクレア大尉は静かな表情で答えた。
「ま、それは認めてもいいけどね。――――で、園遊会が本命ってのはどの程度予想していたわけ?導力演算器並みの頭脳をお持ちの”氷の乙女(アイスメイデン)”さんとしては?」
「――――概算ですが40%程度かと。パフォーマンスとしては打ってつけの標的でしょうから。目的は革新派の面目の失墜――――その意味で殿下の身は安全でしょう。……お連れの娘さんについてはその限りではないかもしれませんが。」
「フン……だからアンタたちは好きになれないのよ。」
クレア大尉の答えを聞いたサラ教官が不愉快そうな表情で呟いたその時、サラ教官のARCUSが鳴り始めた。
「――はい。ああ、トワ。今、どうなっているのかしら?……え?エステル達が?そう……悪いけどエステル達の誰かが傍に居たら代わってもらえるかしら?ああ、エステル、久しぶりね。ええ……ええ……わかったわ。市民達の避難誘導はお願いするわね。―――どうやらプリネの推測通り、エステル達が帝都に訪れていたみたいよ?しかも”嵐の剣神”というオマケつきで。」
「なっ!?クロスベル支部に所属している彼が一体何故……!」
「さあ?あたしにはさっぱりわからないわよ。ま、あの娘達がいれば市民達の避難誘導に関しては心配いらないでしょうね。しかもかの”風の剣聖”すら足元にも及ばない実力を持つ”嵐の剣神”も手伝ってくれているし。」
驚いている様子のクレア大尉をサラ教官は不敵な笑みを浮かべて見つめ
「……………そうですね。」
サラ教官の言葉に静かに頷いたクレア大尉だったが、その時通信が入り、通信を開始した。
「はい、こちらクレアです。……………………何ですって!?クッ、一体何故メンフィルが…………!介入して来た理由は一体……!…………そうですか。ならばそのまま、メンフィル軍と協力して敵の殲滅に当たって下さい。」
「……どうやらその様子だと空港にいるはずのメンフィルも動き出したみたいだけど、一体何をしてきたのかしら?」
唇を噛みしめている様子のクレア大尉を見たサラ教官は真剣な表情で尋ねた。
「……エレボニア帝国に招待された国として、”ヘイムダルに住む市民達を守る為”という名目でメンフィル兵達を帝都中に次々と投入し、テロリスト達が放った魔獣や人形兵器達の撃破を開始しているとの事です!更に大聖堂には”殲滅天使”、”魔弓将”、”剣帝”が飛竜で突入後敵の殲滅を開始しているとの情報も入りました……!」
「なるほどね……どうやら内輪揉めの結果によって世界中にエレボニア帝国の醜態を晒す事になりそうねぇ?いくら情報局の情報操作が優秀でも、メンフィルに黙ってもらう必要があるし、メンフィルに黙ってもらうにしても、エレボニア帝国はそれなりの代償を払わなければならないでしょうね。」
「……ええ…………近衛隊の妨害がなければ、こんな結果にはならなかったのですが……!」
不敵な笑みを浮かべるサラ教官に見つめられたクレア大尉は唇を噛みしめていた。するとその時再び通信が入って、クレア大尉は通信を再び開始した。
「―――はい、クレアです。……レーグニッツ知事閣下でしたか。何かあったのですか?…………なっ!?一体何故リウイ陛下達自らが……!………………何ですって!?はい、はい……!可能な限りそちらに急行致します……!」
「今度は何かしら?会話を聞く限り”英雄王”達が動いたみたいだけど。」
通信を終えた後焦った表情で装甲車のスピードを上げて巧みなハンドル捌きで次々と車を避けているクレア大尉の様子を見たサラ教官は眉を顰めて尋ねた。
「テロリスト達にアルフィン皇女殿下と共に連れられた娘さん――――エリスさんの救出の為に”英雄王”達自らがA班の皆さんの後を追ったそうです……!救出に向かったメンバー構成は”英雄王”、”闇の聖女”、”聖魔皇女”と”聖魔皇女”の専属侍女長であり、エリスさんの姉であるエリゼさんです……!」
「あらま。メンフィル皇家は随分、民思いねぇ?祖国に所属している貴族の子女の救出の為に皇家自らが動くなんて♪」
クレア大尉の説明を聞いたサラ教官は目を丸くした後、口元に笑みを浮かべてクレア大尉を見つめた。
「……レーグニッツ知事閣下の話を聞く限り、恐らく”英雄王”達自らが動いたのはエリゼさんの存在があったからでしょうね……」
「?どういう事かしら。確かエリゼはリフィア殿下の専属侍女長を務めているそうだけど……」
クレア大尉の言葉の意味がわからなかったサラ教官は不思議そうな表情で尋ねた。
「―――メンフィル帝国の皇帝の跡取りであるリフィア皇女殿下の専属侍女長を務めている事。エリゼさんはその事からリウイ陛下やシルヴァン陛下からも信頼されている上将来はリフィア殿下の大切な臣下の一人として期待されている事をペテレーネ神官長が知事閣下に説明したそうです。」
「なるほどね?皇家が信頼し、将来を期待している家臣の家族に危害を加えられたから、さすがの皇家も黙っていられなかったって事ね。確かにエステルやミントの件を考えると、メンフィルは皇家が信頼している個人に関して、かなり太っ腹な所があるみたいだからね。ま、”英雄王”達ならエリスを助けるついでにアルフィン皇女殿下も救出してくれるでしょうね。」
「そうですね…………今回の件の一番の問題は全てが終わった後、メンフィルにどれだけの賠償や責任を追及されるか、ですね…………せめてテロリスト達がエリスさんに危害を加えていなければ少しは緩和する事はできると思うのですが…………」
安堵の表情をしているサラ教官の言葉に頷いたクレア大尉は厳しい表情をし
「フン、もしかしたら人の命を軽く考えたアンタたちや遊撃士協会を追いだした情報局を許さない”空の女神(エイドス)”からの天罰かもしれないわね?」
クレア大尉の答えを聞いたサラ教官は不愉快そうな表情で鼻を鳴らした後不敵な笑みを浮かべ
「……………………………………」
サラ教官の言葉にクレア大尉は何も返さず、複雑そうな表情で黙り込んで運転し続けていた。
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外伝~”氷の乙女(アイスメイデン)”の想定外~