一刀と于吉の見事な連係プレーで100体の『黒装束』を倒す事に成功する!!
一刀は再び宝鈴に挑もうとするが
『幻術の宝鈴』は
更なる『幻術』を発動させる!!
三節 〜暗き幻術〜
一刀「マジか…………?
若干苦戦したんだけど……それを一瞬でかよ………
ちょっと凹んじゃうな、俺………」
于吉が放った『毒眼槍』がいとも簡単に『特殊黒装束』を倒してしまったので、一刀は驚きと悔しさが混ざり合い何とも言えない味を味わった
于吉「すみません、少し力を入れすぎました」
于吉は苦笑いをしながら謝った
宝鈴「……………流石は『妖術の于吉』………
私が創ったあの『黒装束』を一瞬で蹴散らすとは……」
宝鈴はさも当たり前のように、そして悔しそうに言った
一刀「さて…………宝鈴っ!!約束通り全部倒したぞ!!
さっさとその閉じこもってる殻から出て来い!!!!」
一刀は宝鈴に『神域の結界』を解くように叫んだ
だが宝鈴はニヤリと笑い
宝鈴「まだまだですよ…………
もう一勝負挑んでもらいましょうか………」
一刀「何だと…………!!?」
于吉「もう一勝負ですって?」
于吉も思わず聞き返す
宝鈴「えぇ………
もし次に勝てたのなら、『神域の結界』を解除致しましょう」
宝鈴がニッコリと笑いながら話したのを見て一刀は
一刀「ふざけんなっ!!!とっとと出てきやがれっ!!!」
ギュォォッ!!
ゴオッッ!!
ドォンッ!!
一刀は怒号を上げながら『最終閃光』を宝鈴へ放った
だが
宝鈴「………………何度言えば分かるのですかね……?」
宝鈴は溜息をつきながら言った
宝鈴は『神域の結界』の効力により無傷で、しかも『邪闇気』が何倍にも膨れ上がっていた
宝鈴「その程度の力ではこの『神域の結界』を破壊することは不可能なのですよ」
一刀「……………くそっ!!」
一刀は悔しさと怒りを露わにしながら地団駄を踏んだ
于吉「………宝鈴、その勝負の内容は?」
于吉は次の戦闘内容を聞く
宝鈴「今度のも先程と同じように『黒装束』を相手にしてもらいます
ですが、今度のは難易度が格段に上がっていますのでご注意を………」
ゴォンッ!!
ゴォンッ!!
ゴォンッ!!
ゴオッッ!!
ゴオッッ!!
ゴオッッ!!
一刀「…………全部強化された奴だな……」
宝鈴は約20体の『特殊黒装束』を出現させた
更にそれぞれ槍や偃月刀、鎌など十人十色の得物を持って立っていた
宝鈴「勿論これを倒してもらうのですが、このままだと簡単過ぎますので……
幻術師ならではの『幻』を見せたいと思います」
一刀「『幻』だと?」
于吉「ようは五感を騙すのです
『幻術師』はその名の通り幻を見せ、混乱や同士討ちなどをさせる厄介な補助をするのが幻術です
逆に私のような『妖術師』は攻撃に特化した術を使用するので基本戦闘向きです」
宝鈴「だから私は十八番である『幻』を見せ、難攻不落の戦闘をさせたいと思います
幸いにも貴方のお陰で『邪闇気』が溜まっていますので」
ギュォォッ!!
宝鈴はそう言うと『邪闇気』を『黒玉晶』に送り出し、『特殊黒装束』に纏わせ始めた
一刀「…………あんまりいい予感はしないな」
于吉「寧ろ危険な臭いがしますね………」
于吉と一刀がそう話していると
宝鈴「『黒装束』共よ………忌まわしき存在に姿を変え、『天の御遣い』と憎き妖術師を惨殺しろ……………
骨まで残さず………地獄に墜とせ!!!」
ゴオッッ!!
宝鈴が術を掛け、『特殊黒装束』を黒い霧を被せていった
一刀「……………ん?」
そして霧の中から得物の先が見えた瞬間、一刀と于吉は違和感を感じ取った
于吉「む?あの得物、何処かで………
………まさか……………?」
宝鈴「さぁ………絶望を感じなさい………」
宝鈴が右腕を払うと『特殊黒装束』に包まれていた黒い霧が晴れはじめた
左慈「おいおい………マジかよ………」
華佗「あ、あれは…………!?」
華佗や左慈達の視線の先には
一刀「………………愛紗?」
黒装束(愛紗)「……………」
黒装束(華琳)「……………」
黒装束(明命)「……………」
一刀の言った通りそこには『特殊黒装束』の姿はなく、全ての『特殊黒装束』が愛紗や星、猪々子達になっていたのだ
その瞳には光がなく真っ黒なうえ、誰も一言も喋らない
一刀「ど、どうなってるんだ?」
宝鈴「ふふふ………如何ですか?
私の幻術の力は…………?そっくりでしょう?」
宝鈴は満足そうに言った
于吉「まさか全ての存在を幻化させるとは思いませんでしたよ」
宝鈴「あぁ、そうでした
忘れていましたよ、それ♪」
宝鈴が右手を于吉の方向へ、左手を華琳達のいる方向へ伸ばすと
ゴォンッ!!
于吉「っ!!?『黒装束』!?」
于吉の周りには大量の『黒装束』が出現し
蓮華「っ!!?何この壁!?」
蒲公英「何かの罠っ!!?」
貂蝉「これはぁ………『蜃気楼壁(しんきろうへき)』かしらん?」
華琳達の目の前には透明だが若干黄色がかった壁が出現した
左慈がその壁を見て舌打ちをし
左慈「チッ!宝鈴の野郎………俺達や于吉を北郷から隔離しやがった!!
このままだと北郷の奴は俺達の声は聞こえねぇ、姿を見ることすらできねぇぞ」
愛紗「な、なにっ!!?」
蓮華「一刀っ!!一刀っ!!!」
蓮華は一刀に向かって必死に叫ぶが
一刀「…………くそ、皆と戦わなきゃならないのかよ……」
一刀には何も聞こえていなかった
目の前にいる皆(黒装束)に絶句している為か視線を外すことすら出来ない
蓮華「…………一刀ぉ……一刀ぉっ!!!」
蓮華は目に涙を一杯溜めながら叫ぶ
一刀は今まで皆の声を無視した事はない
聞こえていなかったことはあるが、それ以外には全て反応し笑顔で応えていた
左慈「参ったぞこりゃ………
こっちからは手ぇ出せねぇうえ、仲間や愛した人などとどーでもいい存在に一番甘い北郷があいつらに手を出せる筈がない」
一刀「……………得物も同じだ
華琳のは『絶』……雪蓮や蓮華は『南海覇王』、愛紗は『青龍偃月刀』
攻撃がしづらい…………」
左慈が考えた通り一刀は全く手を出すことが出来ずにいた
黒装束(霞)「………………」
黒装束(翠)「………………」
黒装束(思春)「……………」
誰一言口を開く事なく徐々に一刀に得物を構え近づいてくる
一刀「……………やめてくれ、皆………頼む……」
一刀は苦痛の表情を露わにして願っていた
その様子を宝鈴はにこやかな笑顔で見ていた
宝鈴「さて………どういったふうに戦うのですかね………
そういえば戦闘の名前を言っていませんでしたね
ふむ………名付けるのなら……」
宝鈴「『黒装束・幻術人形組手(こくしょうそく・げんじゅつにんぎょうくみて)』とでも名付けましょうか…………」
……終……
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一刀と于吉の伝説のタッグにより
『黒装束・百人組手』を難なく突破する!
だが、過激派の宝鈴は『神域の結界』を解く素振りすら見せず
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