No.695853

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第103話

2014-06-22 17:54:28 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2146   閲覧ユーザー数:1974

 

~現在・トールズ士官学院・グラウンド~

 

「うーん、でもリィンってかなりのシスコンだったんだね。エリゼちゃんとエリスちゃんの方はブラコン以上って感じだったけど。」

「う”っ。」

(うふふ、何せ痺れ薬と媚薬を盛って、襲ってくるくらいだものね♪)

(ふふふ、あの一件で妹達の自分に対する恋心を思い知ったでしょうね。)

エリオットの指摘で二人に純潔を無理やり奉げられた夜を思い出したリィンは唸って冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、その様子を見ていたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべた。

 

「(アハハ、さすがに自覚はあるんだ。)えっと、彼女達は15歳だっけ。貴族の人って16歳がデビューって聞いたけど。メンフィルも同じなの?」

「ああ、エリスも来年、社交界入りをするはずだ。エリゼは……リフィア殿下の専属侍女長を務めている関係で難しいだろうな。――――ただ、エリスは生半可な貴族の男性が声をかけてくるかどうかで心配だし、エリゼはエリゼでリフィア殿下の専属侍女長を務めているから、殿下は勿論殿下の専属侍女長であるエリゼに出世の為に親しくなろうとする不貞の輩が近づくかもしれないから色々と心配なんだよな……」

(アハハ、こんなに凄いシスコンは初めて見たな。)

(うー……恋敵(ライバル)が4人とか多すぎでしょ……しかも全員私と比べるとかなり有利な立場にいるし。)

(フフ…………)

自分のの疑問に答えたリィンの話を聞いたエリオットは苦笑し、二人の話を聞いて疲れた表情で肩を落とすアリサの様子をエマは微笑ましそうに見つめていた。するとその時サラ教官が手を叩いてリィン達を注目させた。

 

「―――実技テストは以上!それじゃあ、今週末に行ってもらう”実習地”を発表するわよ。」

「フン……来たか。」

「むむっ、今月は……」

そしてサラ教官はリィン達に”特別実習”のメンバー表を配った。

 

7月特別実習

 

 

A班:リィン、ラウラ、フィー、マキアス、エリオット、ツーヤ

 

  (実習地:帝都ヘイムダル)

 

 

B班:アリサ、エマ、ユーシス、ガイウス、プリネ

 

  (実習地:帝都ヘイムダル)

 

 

「これって……」

「あら、どちらの班も”帝都”が実習先なんですね。」

実習先が同じである事に気付いたリィンとエマは目を丸くした。

 

「ふむ、二つの班で手分けするという事だろうか?」

「まあ、ものすごく大きな街だしそうなるのが自然だけど……」

ガイウスの疑問に答えたアリサはチラリとラウラとフィーを見つめ

「「………………………」」

ラウラとフィーは黙り込み

(あたしに何か恨みでもあるんですか、サラ教官……!?何であたしがいる班ばっかり、揉めている人達がいるんですか……!)

(さ、さすがに4連続になると、どう考えてもわざとツーヤを入れているとしか思えないのよね……)

疲れた表情で溜息を吐いた後身体を震わせながら恨めしそうにサラ教官を見つめるツーヤの様子を見たプリネは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「班の構成はともかくまさか帝都が実習先とは……」

「僕とマキアスにとったらホームグラウンドではあるよね。でもそっか…………夏至祭の時に帝都にいられるんだ。」

マキアスの言葉に頷いたエリオットは静かな笑みを浮かべた。

 

「…………―――サラ教官。」

一方班のメンバーを見つめて黙り込んだリィンはジト目でサラ教官を見つめ

「何かしら、リィン君?」

(やれやれ……問題の二人はともかく、他のメンバーは変えてもよかっただろうに。)

サラ教官は笑顔で答え、その様子をレーヴェは呆れた様子で見守っていた。

 

「君付けはやめてください。実習先と班分けには別に不満はないんですが……先々月の班分けといい、なんかダシに使われていませんか?」

(うふふ、間違いなく使われているわよ♪)

(ふふふ、これもご主人様の”人徳”が為せるものですね。)

ジト目で尋ねるリィンの様子をベルフェゴールはからかいの表情で見つめ、リザイラは静かな笑みを浮かべて見つめた。

 

「確かに…………」

「フッ、先月の班分けからお前だけが移るパターンか。」

リィンの指摘にアリサは冷や汗をかいて頷き、ユーシスは静かな笑みを浮かべ

「あたしも言いたい事があります!何であたしがいる班だけ、いつもいつもあたしに任せたとでも言わんばかりのメンバーになっているんですか……!?」

「お、落ち着いて、ツーヤ。というか、ツーヤが怒っている所なんて、初めてみたわ……」

「……さすがにここまで露骨な事をされたら、温厚な性格をしているルクセンベールでも怒って当然だな。」

顔に青筋を立てて口元をピクピクさせながらサラ教官を見つめて意見するツーヤの様子を見たプリネは冷や汗をかいて戸惑いの表情でツーヤを諌め、ツーヤの様子を見たレーヴェは呆れた表情でサラ教官に視線を向け

「た、確かに言われてみればそうですよね…………?」

「ツーヤの場合、最初の実習の時からずっとだからはこれで4連続になるよね……?」

「………ツーヤもリィンと同じように期待されているという事ではないのか?」

ツーヤの話を聞いたエマとエリオットは冷や汗をかき、ガイウスは不思議そうな表情をし

「うぐっ。ツーヤに苦労をかけていた身としては大変申し訳ない気分だよ…………」

マキアスは唸った後疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「~~~~~♪~~~…………」

一方リィンとツーヤに見つめられたサラ教官は二人から視線を外してわざとらしく口笛を吹いて答えを誤魔化し、その様子を見たアリサ達は冷や汗をかいて呆れ

「「―――口笛を吹いてごまかさないでください!」」

リィンとツーヤはジト目でサラ教官を見つめて指摘した。

 

こうして……ラウラとフィーが互いに壁を作っている状態が治らない中、ついに”特別実習日”が来た…………!

 

 


 
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