No.691838 魔法少女リリカルなのは ExtremeBlazさん 2014-06-05 23:09:55 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1532 閲覧ユーザー数:1462 |
Strikers編 第六十六話 「夜明けへの道」
ヴィータ「・・・・ふうっ。」
アイゼンを抜くと、軽く息を吐いたヴィータ。
そして、それを唖然として見るスバル。
自分が苦労した相手をたった一撃で破壊したので。その姿を見て、改めて彼女に対し尊敬と軽い脅威を感じたのだった。
ヴィータ「大丈夫か、スバル。さっき銃撃喰らってたけど。」
スバル「あ・・はい。大丈夫です。」
ヴィータ「・・・・・そっか。なら・・・・・」
ゴウッ!
アイゼン『ッ!!まだ生きてますッ!!』
ヴィータ「っ・・・・!?」
爆煙の中から、エクルビスと同じヘビィ級のAT『ブラッドサッカー』が姿を現したのだ。
しかし、戦う気は無い様で、別の方向に逃走したのだ。
カン・ユー「くそぉ・・・・覚えてろ、この小娘!!」
ヴィータ「ハッ!おとといきやがれ!!」
ちなみに。ヴィータがこの時、『小娘』と『ガキ』のワードで切れかけで、その八つ当たりでエクルビスを破壊したのは彼女だけが知る。
そして。その逃げるカン・ユーを見て、ヴィータはココからは独断で行くべきと判断し、スバルに言ったのだ。
ヴィータ「・・・スバル。アイツを追ってガジェットのアジトに行くぞ。」
スバル「えっ・・・・・なのはさんからの許可は・・・」
ヴィータ「緊急の対応って奴だ。それに、このまま野放しってのも駄目だろ。」
スバル「・・・・解りました。」
ヴィータ「うっし。行くぞ!」
その後。二人はブラッドサッカーの後を追跡し、アジトへと向かったのだ。
そう。零人達が居る工場地帯に。
その頃。残るフォワード三人は・・・
クルツ「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
ティアナ「何でこうなるのよぉ!!」
何故かティアナはクルツ機と共にコダールから逃げていた。
そんな事になった理由は、今から数分前・・・
ECSを使い、姿を隠したM9(クルツ機)。
ティアナとの戦いの最中、ファルケからの通信を聞き耳を疑った。
クルツ「おいおい・・・アイツ等が来たってマジかよ・・・」
コダールに対し、まともに戦えるのはアーバレストのみ。
M9でも戦略次第では可能な事だが、支援などが見込めないこの状況では難しい事だった。
マオ『こっちに一機来た!多分アンタの方にも一機来るから、気をつけなよ!!』
クルツ「言われずとも!!」
レーダーに反応がある。コダールだ。
赤い単眼を光らせ、家々を飛び越えて接近してきたのだ。
逃げるだけでは勝てない。なら、戦うだけだ。
クルツ(ラムダ・ドライバの無力化は機体の背部。僅かに時間を稼ぐ何かが欲しいが・・・糞ッ・・・!)
腰にマウントしていたアサルトライフルを乱射し、コダールに防御させる。
そして、続いてチェーンガンを掃射し、更に間合いを取る。
クルツ(何か・・・何か奴の気を逸らせる物は・・・・!)
周りにあるのは家屋と電柱とコンクリの壁。
ならば、方法は一つだ。
クルツ「やっぱ無理ッ!!」
全速力で逃げるしかない。マジで。
クルツ「くっそー・・・せめてミサイルの一発でもありゃなぁ・・・」
無い物をねだっても仕方ない。
ならば全力で逃げて考えるだけだ。
そう思った時だ。
ティアナ「ッ!見つけた!!」
クルツ「ゲッ!!」
何と、正面からティアナが現れたのだ。
どうやら、さっきの銃撃でココを知られたらしい。
だが。それはある意味彼女も最悪な状況にダイブしたのも同義だった。
クルツ「どけどけどけぇ!!」
ティアナ「誰がどくもんですか!!」
クルツ「いやそうじゃねぇって!!」
ティアナ「は?何言って・・・・・」
バキャキャキャキャキャキャ!!
刹那。コダールは持って居たサブマシンガンを発砲。
それを見たティアナの反応は・・・
ティアナ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そして。二人でコダールから逃走し、今に至る。
クルツ「何でこんな糞面倒臭いのに首突っ込むかなぁ!!」
ティアナ「知らなかったんだから仕方ないでしょ!!つかどうにかしなさいよ!!」
クルツ「無理だっての!!アイツは攻撃をほぼ全て弾くんだぞ!!」
ティアナ「はぁ!?」
クルツ「見てろよ・・・・!」
試しにクルツがチェーンガンを使い、コダールに撃つ。
コダールはそれを何事もなくラムダ・ドライバで弾いた。
ソレを見て、ティアナは青ざめていたのだ。
ティアナ「ど・・・どうなってんのよアレ!?」
クルツ「知るかよ!!兎に角、アイツをどうにかして気をひきつけないと、勝てないんだよ!!」
ティアナ「気を・・・・・?!」
クルツ「そうだよ!!」
ティアナ「・・・・・・・・。」
クルツの言葉に先程の攻撃を思い出すティアナ。
そして。もしかしてと思い、クルツに対し提案を持ちかけたのだ。
ティアナ「・・・・・あのさ。時間、ちょっとだけ稼げばいいの?」
クルツ「・・・・あ・・・ああ・・・・・」
ティアナ「・・・・なら・・・・一つだけあるわ。」
ティアナの提案を聞き、僅かに勝機を感じたクルツだったのか、彼女の提案に直ぐに乗ったのだ。
クルツ「よし!時間は稼ぐ。その間に急いで準備してくれ!」
ティアナ「言われずとも!」
クルツ「散開ッ!!」
丁度分かれ道だったので、左右に分かれた一人と一機。
コダールは逃げたM9を追撃した。
クルツ「こなくそっ!!」
一旦振り向き、アサルトライフルを撃つ。
当然、コダールはラムダ・ドライバで防御をする。
それを『成功』と見たM9はジャンプして元来た道へと向かったのだ。
コダールは最初はそれを見ていたが、着地と同時にサブマシンガンを撃った。
クルツ「当たるかよ!!」
必死に距離を稼ぐM9。
道は再び分かれ道に戻っていた。
クルツ(よし・・・後は・・・!)
刹那。M9はECSを起動。姿を隠した。
コダールはM9を探そうとするが、正面に誰かが居るのに気づいた。
それは、デバイスの『クロスミラージュ』を構えるティアナだった。
僅かな隙を狙撃で倒す気か?
そう思い、コダールはラムダ・ドライバを張って防御したのだ。
が。
突如、ティアナの姿が歪んで見えたのだ。
何がどうなっていると思い、コダールは咄嗟に急停止した。
その時だ。
クルツ「背中がお留守だぜ。」
単分子カッターを背部に向かって突き刺すM9が居た。
ECSで姿を隠し、後ろに回りこんでいたのだ。
そのカッターを突き刺した場所。ラムダ・ドライバのモジュール部だ。
クルツ「仕上げは・・・!」
アサルトライフルを構えるM9。その反対側、分かれ道の所にある家屋の上に、ティアナが魔力をクロスミラージュに集中させていたのだ。
ティアナ「貰った!クロスファイアっ!!」
前後同時二方向からの攻撃に、ラムダ・ドライバ失ったコダールは破壊されたのだった。
同時刻。
M9(マオ機)は、キャロとフリード共にコダールを相手にしていた。
だが。此方はクルツ達よりも早く決着がついていた。
ダダダダダダダダダダ!!!
ゴタールの腹部にアサルトライフルが打ち込まれ、M9はそれを突き飛ばす。
そして。そのままコダールは爆散した。
マオ「うっし。一丁上がり。」
キャロ「こ・・・こわかったぁ・・・・」
突然の乱入に驚いた一人と一機だったが、キャロがフリードの能力を開放し、元の大きさの状態にして相手にしていたので一時的にフリードを囮にして接近させた。
そして、ECSでコダールが近づいて来た所を動きを止め、アサルトライフルでトドメを刺したのだ。
マオ「さてと・・・この分だと、クルツはコイツ相手に逃げてるだろうねぇ・・・」
キャロ「あ・・あのぉ・・・」
マオ「ん?どうしたの?」
キャロ「さっき襲ってきた、そのガジェットは一体・・・・」
マオ「ガジェット・・・じゃなくて、コイツはコダールって言うAS。アタシと同類。」
キャロ「えーえす?」
マオ「・・・話せば長いから・・・・まぁ詳しくは何時か。」
キャロ「・・・・・・・。」
マオ(って事は・・残るはベンのアイツか・・・・アイツ、他の連中よりも頭一つ抜けてたっけ・・・)
マオは、クルーゾーの方が気になり、ファルケの反応がある場所に向かって行った。
ソレを見て、キャロもどうするべきかと考え、マオの後をついていったのだ。
キャロ「ま・・・待ってー!!」
フリード「グオー!!」
マオ「うわっ!?ついでに付いて来ちゃった!?」
そして。ファルケの所に向かったゲイツ。其処に居合わせてしまったエリオ。
幸い、善戦はしており、どうにかエリオも持ち応えていた。
エリオ「っ・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・」
ゲイツ「おーガンバるねー僕。おじさん好きだよーそう言う子。」
エリオ「くっ・・・・!」
クルーゾー「どうやら、ガッツは一人前位のようだな。」
エリオ「当たり前だ!!」
クルーゾー「・・元気もあるか。これなら、まだ戦えるな。」
エリオ「勿論だ・・・・!」
息切れし、ボロボロになっていたエリオ。
それでも戦うといい、クルーゾーは内心で彼の事を少しは賞賛していた。
殆ど気力だけで立っている状態だったが、それでも意識はしっかりとしていた。
相当負けず嫌いらしい。
クルーゾー「男子たるもの・・・か。」
エリオ「・・・?」
ゲイツ「おいおいおいおいおい!なーに青春ドラマみたいな事してんだよ!そう言うのはドラマとかでしろってーの!」
クルーゾー「・・・・貴様の様なちゃらんぽらんや奴に言われてもな。さながらアニメから飛び出したヤられ役だぞ。」
ゲイツ「・・・・お前・・・あの世で後悔しても知らないぞ?」
クルーゾー「・・・言ってろ。俺はお前を倒す。ただそれだけだ。」
ゲイツ「このぉ・・・・・いっぺん死ねぇ!!」
コダール(ゲイツ機)がそう言って挑発に乗り、背部に装備されていたマシンガンでファルケとエリオに攻撃を仕掛けようとした。
だが、突然通信が入り、ゲイツは攻撃を止めたのだ。
ゲイツ「あ?こんな時に誰だよ!?」
『僕だよ。ミスターゲイツ。』
ゲイツ「・・・・あら。雇い主さん。」
クルーゾー「っ・・・・」
エリオ(雇い主・・・・・!?)
コダールが少し表情を青ざめさせる。どうやら、頭の上がらない相手らしい。
更に、相手が雇われであると言う事も解り、二人は黙って通信を聞いていた。
『潮時だ。これ以上数を減らしては計画に支障する。』
ゲイツ「・・・。まぁアンタがそう言うならいいけど。他の連中は?」
『ミスターカン・ユーが撤退して、君のお供は全滅した。そろそろ、そちらにミスリルの白いASが来る。お供の二機を連れてね。』
すると、通信相手の言うとおり、其処に向かってアーバレストとサイバスター、ストレイバード。そして、なのはが向かってきていた。
更に、別方向からはM9(マオ機)とキャロも来ており、完全に劣勢なのは明白だった。
ゲイツ「・・・・あれま。結構使える奴等だと思ってたけど・・・まぁいいか。取り合えず撤退する。」
『了解した。例のポイントで待つよ。』
ゲイツ「はー・・・・商売上がったりだなコリャ。ま、そういうこった。また会おうや、青少年諸君。」
ゲイツはそう言い残すと、ECSで姿を消し、何処かに去って行った。
それを見ていた二人だったが、やがてアーバレストたちが来ると、そちらに目線を移したのだ。
宗助「中尉、ご無事で。」
クルーゾー「ああ。そっちは・・・・片付かなかった様だな。」
なのは「・・・・・・・。」
エリオ「なのはさんっ!」
なのは「エリオ、大丈夫?」
エリオ「あ・・はい・・・少しだけふらふらしますが・・・」
なのは「・・・解った。一旦、キャロと一緒に戻ってて。私はヴィータちゃんとスバルを探しに行くから。」
キャロ「解りました。」
マオ「・・・所でクルツは?」
宗助「そういえばそうだな。確か、オレンジの髪の少女と交戦してなかったか?」
ハル『・・・確認した。今、此方に向かっている。』
マサキ「なら。俺達は戻るか。」
宗助「・・・・そうだな。」
そう簡単に彼女が帰してくれるか。
正直言えば解らない。なのはの表情がそれを物語っていたのだ。
ファルケとM9が先にECSで先行し、サイバスターはサイバード形態になって付いて行く。
そして、ストレイバードはステルスを展開し、同じく付いて行ったのだ。
しかし、付いてこないアーバレストを見て、M9は通信を行ったのだ。
マオ『・・ソースケ?』
宗助「・・・すまない。先に行っててくれ。」
マオ『・・・・はいよ。ベンには私から言っておくわ。』
宗助「・・・・ありがとう。」
通信を切ったアーバレスト。
すると、アーバレストは光りだし、人間の姿となった。
パイロットスーツを着た青年。
アーバレストのパイロットである宗助の姿となったのだ。
なのは「・・・貴方が・・アルの本当の主だね。」
宗助「主従関係などない。ただの相棒だ。」
なのは「・・・・・・・。」
宗助「・・・一つ聞きたい。どうしてお前は其処まで
なのは「そう。友人『だった』。」
宗助「・・・・・・。」
なのは「あの時・・・零人君が現れた時から・・・何かが狂い始めていた。本当なら通るはずの無い。通るはずだった道を・・・彼の所為で。全てが狂った。皆が・・・狂ったの。」
宗助「・・・・・・・どういう事だ。」
なのは「・・・彼の所為で・・・皆、てんでバラバラな方を見る様になった。本当は同じ道を進む筈だったのに。同じ目的だったのに。」
宗助「・・・人同士は同じ道は行かない。必ず何処かに違いがある。彼女達は、自分が信じた道を進んだだけだ。それの何が悪い。」
なのは「本当に?」
宗助「・・・。」
なのは「・・・・本当に・・・そうなのかな?」
宗助「・・・・何が言いたい。」
なのは「本当にみんながその道を望んだのかな。私はそうは思わないな。嫌々進んでるとしか思えない。」
宗助「そういう人間は、この世界以外にもゴマンと居る。望まない道を進む者がな。寧ろ、俺はお前がそうしているとしか思えんがな。」
なのは「・・・・・・・・・何?」
宗助「お前達の部隊。機動六課は『夢の部隊』だそうだな。」
なのは「・・・・それが何。」
宗助「いや。ただ、滑稽だ・・・とな。」
なのは「・・・・・!!」
宗助「事実だ。お前達の言う『夢の部隊』は、『お前達にとって』の夢の部隊だ。自分達の都合のいいようにしか出来ていない。」
なのは「・・・・・そんな事・・・どうして言い切れるの。」
宗助「簡単な事だ。お前達が平気で子供を兵士として扱い、自分達の都合の言いように育てている・・・いや、洗脳しているからな。」
なのは「・・・・・・・・・・・。」
なのはの表情が歪む。
段々と怒りの感情が表に出てきた。
図星であり、同時に彼女が作った屁理屈。
そろそろ仕上げか。
宗助「事実だろ。さっきの子供といい。本当なら、まだ学校に行っている年頃だ。それに、ミッドチルダには彼ぐらいの子が局員になる為の専門学校もあると聞く。本来なら、其処に入らせるのが正しい筈だ。」
なのは「・・・エリオもキャロも望んで六課に入った。そんなのじゃあ時間が掛かり過ぎる。」
宗助「・・・そうだな。だが、同時にあの子達を戦場に出すのは無謀すぎた。彼等は自己精神が未熟だ。」
なのは「・・・・・・言いたい事を言って・・・・・それだけ?」
宗助「・・・・・・そうだな。正直、俺は彼等の歳で学校に行けるのが・・・・
羨ましいと思う。」
夜が明ける時。
少し悲しげな表情の宗助が、なのはの目に映ったのだった。
次回予告ッ!!
クルツ「おーい。みんな何処だー」
はやて「アレ?一人だけ迷ってんで。」
零人「あー・・・後で回収するわ。」
ラン「って言うか・・・こっちはまだほったらかしですか!?」
レイ「次回ー「襲撃と決着」でーす。・・・・・・ZZZ・・・・」
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