アイコンタクトにより、秋蘭を孤立させ1対4の状況を作り出した祭たち。
追い詰められた秋蘭は少しでも有利な場所へ移動しようと照明の重さを利用して上がろうとする。
だが、その行動は祭と小蓮のコンビネーション、スローイング小蓮ドロップキックにより、
照明の落下地点を大きくずらすことで、秋蘭の行動を狂わせた。
上の客席へ上れずに、秋蘭は紐につるされそのまま壇上へと降り立つ。
このとき小蓮は祭の所に戻り、2人…いや、これに紫苑と桔梗も加わり4人で秋蘭を狙う。
しかし、秋蘭はその攻撃の全てを回避し、迎撃を行う。
このままでは埒が明かないと、どうにかしないと考えた祭は横にいる小蓮を見てある手段を思いつく。
「シャオ殿!」
「え?」
突然声を掛けられてまともに反応できていない小蓮。
彼女の頭を鷲掴み、もう片方の手は腰を持って抱える。
未だに何をしようとしているのか分らない小蓮を祭は…
「行って来なされーw!!」
「…えぇえぇえぇえぇーーーー!?」
ラグビーにはボールの前後の向きを変えず、横の回転をつけてパスするスクリューパスという投法がある。
祭はそれを小蓮でやったのだが…回転速度が尋常じゃない、チョット電池が弱くなった携帯扇風機くらいはある…
その回転により、手を挙げて弓を上(と言うより進行方向)に構えるだけで盾の役割を果たす。
攻防一体の攻撃に加え、3人の援護牽制射撃もあり秋蘭は抵抗虚しく敗退してしまった…
これで残り4人…蜀対呉のサバイバル…
先に動いたのは蜀の二人。
祭のいる場所からはなれ、秋蘭を討ち終えて間もない小蓮。
目を回して平衡感覚が乱れ隙だらけの彼女ならば容易に討つことができる…はずだった。
平衡感覚が乱れている小蓮は、右に揺れ左に揺れ不規則に動き、無意識のうちに二人の攻撃を避けた。
例え目が回っていようと戦闘における脳は正常に働いている。
今の状態では不利と判断し、2対2の状態に戻すべくその動きのまま祭の所に戻る。
不規則な動きのまま戻ってきた小蓮の頭を抑えてやりながら気遣いの言葉をかける。
「大丈夫でしたかな?」
「だ~異常ぶ~…でも~モーやらないで…」
と、未だに目を回しながら再度スクリュー小蓮が放たれないことを希望する。が…
「うむ…後一回頼み申したー!!」
「やーめーてー~-~!!」
優勝を、自分以外の全てを脱落させるために、非常にも再度スクリュー小蓮を放つ。狙われたのは紫苑。
秋蘭の場合とは異なり2対2の状況で1人に的を絞った攻撃ならば、二人掛で対処すれば何とかなるが、
それをさせないために、祭は桔梗の動きを阻む。
桔梗の援護が期待できないと知った紫苑は一人でスクリュー小蓮を対処することに…
回転する弓の盾により放つ矢は全て弾かれる。狙うとするならば…
時々放つ矢をよけて、近くを通過する時、回転しているならば必ず背を向け無防備になる瞬間がある。
狙うのはその一瞬…
間近に迫った小蓮の弓を皮一枚のところで避けて、確実に当てるために手に持っていた矢をつきたてようとし、
その直前、小蓮の目が紫苑の事を見ていた。
構うことなく矢を突き立てようとしたそのとき、小蓮は腰の捻りを利用して自分から回転を早める。
その手には紫苑同様矢が握られており…
二人の攻撃はクロスカウンターとなって互いの体に刺さった。
これで残り二人…
サバイバルゲームもいよいよ大詰め。決戦に残ったのは呉の祭と蜀の桔梗。
暫く無言で対峙し、2~3分したときだろうか。
2人同時に小さな笑みを浮かべて語りだす…
「奇しくも私ら二人が残りましたな…」
「うむ…先ほどの決着、今こそ付けましょうぞ…」
二人同時に弓を構える。桔梗は弓を横向きに、祭は複数の矢を同時に構え、弓の限界まで引き絞り…解き放つ!
そして開始される弓撃戦。
先ほどの食堂での戦闘が、ここ劇場にて再開される。
絶え間なく矢を連射してくる桔梗、複数の矢を速く強烈な威力ではなってくる祭。
避け、弾き、掴み取って打ち返し、紫苑や小蓮の残していった矢も残らず出し惜しみ無く撃ちまくり、
終には互いの持つ最後の一本となる。
弓使いとしてはやはり自らの放つ矢で勝負を決めたかったところであったが、
弓撃戦では埒が明かないと判断した二人は接近戦に切り替える。
二人同時に駆け出し、拳の代わりに矢を突き出す。
身体の位置を変えて避け、矢ではなく腕を弾いて軌道を変え、身体を捻ることで流し、腕を絡めとって強引に体勢を変えさせ…
一連の行動はまるで舞のよう…
だが、その舞も終わりを告げる。
祭の持つ矢を絡め取って弾き飛ばした桔梗は、更に足も絡めて押し倒し矢を突きたてようとする。が…
「く…往生際が悪いですぞ…素直に負けを認めなされ…」
「ぐぬぅ…それは…出来ぬ相談じゃ…」
武器を失い、絶体絶命の状況であろうとも祭は諦めなかった。
逆転の糸口を見つけようと視線を巡らせるとあるものを見つける。
祭は桔梗を巻き込みながらそこに向けて転がっていく。
ただの抵抗にしては少々大げさとは思いながらも、祭の意図を読めず、構わず矢を突きたてようとする。
数回転した所で、祭は渾身の力を込めて桔梗を投げ飛ばす。
腕は掴まれたままであったので、受身を取れず桔梗は背中から地面にぶつけられる。
その時、背中には平らな床とは別のものが自分の背中に当たったのを桔梗は感じた。
まさかと思い、いち早く起き上がり自分の背中を見てみると、そこには…赤黒い斑点が付着していた…
祭が見つけたものとは…桔梗によって弾き飛ばされた矢であった。
距離が遠かったため手にとることができないと判断した祭は桔梗に当てるのではなく当たらせることにしたのだ。
そして、その作戦は見事に成功し…サバイバルゲームの勝者は祭となった。
「まさか…あそこまで追い詰めて負けるとは…」
「はっはっは。油断大敵じゃな!」
負けはしたが、全力でぶつかり合って終わった決勝…桔梗は満足していた。
互いを称えながら受付へと戻っていく二人。その途中…
「では…これで北郷は儂が面倒を見ると言うわけじゃな!」
「……そういえば…ぬぅ、口惜しいですが頼みましたぞ…」
「応!!」
これからの祭に思いを馳せる祭と、
改めて勝負に負けたことを残念に思う桔梗がいた…
あとがき
あ゛~…やっと書けた…
秋蘭編がおわって次に入ろうとするはいいが、時間も無くネタや案も浮かばずの日々が続いて、
やっっっと書けました…遅くなりまして本当に申し訳ありません。
短い文ならもっと早く出来るだろうと思った自分がおろかでした…
確かに書くだけならブラインドタッチもそこそこ出来るからいいですが、
肝心の書くものが無ければ意味が無い!
その書くものを考えること、勝利方法やらなんやらいろいろと考えなければならないから、も~…
ま~…自分に対する文句反省はこれくらいにして、解説をば…
祭といえば…自分の中ではパワータイプのイメージがあり、このイメージを取り入れようと頑張りましたが
残念ながらこのような形に…
とりあえず、スクリュー小蓮は書けたからいっかな~…なんて…
最後の舞に関しては、イメージしにくい方は映画「リベリオン」の最後ら辺のガン=カタ戦をイメージしてください。
銃を矢に、戦ってる人を祭と桔梗に置き換えて…
さて…いよいよ祭ルートに突入となります。…んが…
ブッチャケちゃいますと…案がめっさ少量です。
ショタの魅力に堕とされてしまう祭のイメージって中々思い浮かばなくて…
どなたかいい案ありませんかね?
ま~…気長に頑張っていきます。これからもどうぞヨロシク(ペコリ
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え~、ショタ一刀シリーズ。サバイバルゲーム、祭が勝ったところです。
こんな短い文章なのに、これほど長く時間が空いてしまってすいません…