No.689641

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第35話

2014-05-27 08:46:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1575   閲覧ユーザー数:1499

~ルナリア自然公園・奥地~

 

「行くぞ、みんなっ!!」

戦闘が開始されるとリィンは仲間全員に激励をかけて自分達の闘志を高めた。

「喰らえっ!」

「ガキ共がっ!」

「とっとと死ねやっ!」

「オラアッ!!」

その時偽管理員達は銃口をリィン達に向けて一斉に射撃しようとしたが

「………!」

「ががっ!?」

「ぐあっ!?」

「ぎゃっ!?」

「がっ!?な、何なんだ、その小さいのは!?」

ミルモが両手から放った魔術―――空気連弾を受けて怯んだ!

 

「ナイスよ、ミルモ!行くわよ……ファイアッ!!」

「ふふっ、頼もしき小さな騎士だな。地裂斬!!」

「ぐあっ!?」

「がっ!?」

「ぎゃっ!?」

その隙を狙ったアリサがクラフト―――フランベルジュを、ラウラが地を這わせる衝撃波を放つアルゼイド流の剣技―――地裂斬を放って偽管理員達に追撃し

「そこだっ!!」

「セイッ!!」

「がはっ!?ば、馬鹿な……!?」

「ぐあっ!?こ、こんなガキ共に……!?」

更にそれぞれ戦術リンクを結んでいたリィンとプリネがすかさず止めの一撃を命中させると共に銃を叩き斬って二人の偽管理員達を地面に跪かせた。

 

「野郎!」

「調子に乗りやがって……!」

戦闘不能になった仲間達の様子を見て怒りを感じた残りの二人の偽管理員達はアリサとプリネに銃口を向けたが

「……!」

「ガッ!?」

アリサに銃口を向けた偽管理員はミルモが片手から放った空気の魔力弾―――空気弾を手に受けて怯むと共に銃を取り落とし

「――貫け!暗黒の弾よ!」

「ぎゃあっ!?ぐっ……!?」

殺意に反応して振り向くと同時に片手から放ったプリネの魔力弾―――貫通闇弾を腹に受けて、一瞬地面に膝をつこうとしたがなんとか持ち直した。

 

「アークス、駆動!ゴルトスフィア!!」

「があっ!?」

「ががっ!?」

そしてオーブメントの駆動を終わらせて発動したエリオットの空属性アーツをその身に受けて怯み

「四の型――――紅葉切りっ!!」

「ハァァァ……セイッ!!」

「がっ!?」

「ぐあっ!?」

リィンの抜刀技とラウラのアルゼイド流剣技の一つで防御を確実に崩す強烈な一撃―――鉄砕刃を受けて地面に膝をついて戦闘不能になった!

 

「くっ………」

「ウソだろ……こんなガキどもに……」

戦闘不能になった偽管理員達は悔しさに唇を噛みしめたり、信じられない思いをしていた。

 

「やれやれ。口ほどにもない連中だ。」

「まあ、サラ教官の武術訓練に比べたらねぇ。」

「あはは……それは言えてるかも。」

「確かにサラ教官の武術訓練を受けた人達のほとんどは、訓練が終わった後かなり疲労していますものね。」

一方偽管理員達の弱さにラウラは呆れ、アリサが呟いた言葉を聞いたエリオットとプリネは苦笑した。

 

「―――勝負はあった。投降して、大市の人達にきちんと謝罪してもらうぞ?」

そして武器を収めたリィンは偽管理員達に投降の勧告を行った。

「そちらの盗難品も全て回収させてもらうわ。」

「それと”誰”に頼まれたかも話してもらう必要がありそうだな?」

「………ぐっ………」

「ふざけんな……誰がそんなことを………」

アリサとラウラの言葉を聞いた偽管理員達はそれぞれ唇を噛みしめてリィン達を睨んだ。

 

「……?」

「この音は……一体どこから……?」

その時何かに気付いたエリオットとプリネは周囲を見回し

「エリオット?」

「プリネも一体どうしたのだ?」

二人の様子に気付いたリィンとラウラが尋ねた。

 

「う、うん……何だか笛の音が聞こえたような気が―――」

「!!気を付けてください!何かが来ま――――」

戸惑いの表情のエリオットと何かに気付いて警戒の表情をしたプリネが答えかけたその時、ズシンと大きな音が聞こえてきた!

 

「!?」

「こ、これって……」

「大型の獣か……!?」

音を聞いたリィン達が警戒している中、再びズシンと大きな音が聞こえると共にその場が小さく揺れ

「な、なんだぁ……!?」

「近づいてくる……!」

音を聞いた偽管理員達が驚いている中、巨大な猿のような姿をした魔獣が2体、リィン達の前に現れた!

 

「あ、あわわわ……」

「ひいいいッ……!?」

巨大魔獣の登場に腰が抜けた偽管理員達は悲鳴を上げ

「巨大なヒヒ……!?」

「な、なんて大きさ……!」

「手配魔獣とも比べものになりませんね……!」

「この自然公園のヌシといったところか……!―――どうする、リィン!?」

エリオットやアリサは驚き、プリネと共に厳しい表情で魔獣を見つめたラウラはリィンに判断を促した。

 

「くっ、さすがに彼らを放り出すわけにもいかない!みんな、何とか撃退するぞ!―――来い、ベルフェゴール!!」

目の前の魔獣達と戦う事を決めたリィンは号令をかけた後ベルフェゴールを召喚し

「承知……!」

「わ、わかったわ……!ミルモ!引き続き、お願いね!」

「女神さま……どうかご加護を……!」

「――行きますっ!」

リィンの号令に頷いたラウラ達は戦闘を開始した!

 

「ベルフェゴール!一体は任せてもいいか!?」

「ええ!この程度の雑魚、すぐに片付けてあげるわ♪」

戦闘開始早々、リィンは超越的な力を持つベルフェゴールに単独での戦闘を指示をし、リィンの指示に頷いたベルフェゴールは一人で飛行しながら魔獣に向かって行き

「烈風脚!!」

「グオオオッ!?」

魔獣の顔面に次々と闘気を込めた蹴りを叩き込み

「超―――ねこパンチ!!」

「グオオオオッ!?」

蹴りを叩き込んだ後、強烈な一撃を魔獣の頭に命中させた!すると膨大な闘気が込められたベルフェゴールの一撃によってベルフェゴールの数倍以上の身体を持つ魔獣は易々と吹っ飛ばされ、吹っ飛ばされた魔獣は近くの木をなぎ倒しながら地面に叩きつけられた!

 

「オオオオオ――――ッ!!」

そして立ち直った魔獣は咆哮を上げて自らの闘気を上昇させて闘気の鎧を身に纏い

「グオオオオオオッ!!」

ベルフェゴールに向かって凄まじい勢いで突撃した!

 

「うふふ、知能も見た目通り猿みたいねえ?」

突撃して来る魔獣の様子をベルフェゴールは余裕の笑みを浮かべて呟いた後片手に魔力を溜め込み

「―――焼き尽くしてあげるわ。メルカーナの轟炎!!」

無造作に軽く振るった。

「グギャアアアアアア―――――ッ!?」

すると魔獣の足元を中心に広範囲の灼熱の炎が発生して瞬く間に魔獣の巨体を灼熱の炎で包み込み、業火に呑まれた魔獣は悲鳴を上げ

「――終わりよ。死愛の魔槍!!」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

そして止めに放ったベルフェゴールの魔術による魔槍が喉元に深く突き刺さり、魔獣は悲鳴を上げた後大量のセピスを落とすと共に消滅した!

 

「喰らいなさい……ファイアッ!!」

「お願い、眠って!!」

リィン達と共に魔獣と対峙したアリサとエリオットは先制攻撃代わりにクラフト―――フランベルジュとブルーララバイを放ったが、魔獣は矢が身体に突き刺さり、導力波による弾丸を受けても気にせず突撃して剛腕を振るった!

「キャッ!?」

「うわっ!?」

敵の剛腕によってアリサとエリオットは吹っ飛ばされると共に身体に傷ができ

「「「!!」」」

攻撃に逸早く気付いたリィン、ラウラ、プリネはそれぞれ回避した。

 

「七の型―――弧影斬!!」

「喰らえ―――地裂斬!!」

そしてリィンとラウラは魔獣から少しだけ距離を取った状態でそれぞれ遠距離攻撃のクラフトを放って命中させたが、剛毛や巨体の筋肉によって防がれ、二人のクラフトは掠り傷程度にしかならず

「グオオオオオオ――――ッ!!」

「グッ……!?」

「クッ……!?」

魔獣の凄まじい咆哮――――デスボイスを受けた二人はそれぞれ怯んだ。

 

「闇よ!我が仇名す者を呑みこめ!ティルワンの闇界!!」

その時魔獣から距離を取り、魔術の詠唱を終わらせたプリネは片手から巨大な暗黒の球体を放って球体を魔獣に呑みこませ

「………!」

主(アリサ)を攻撃した事に怒りを感じたミルモは全身に魔力を纏って両手を掲げ、魔術―――大竜巻を発生させ、巨大な竜巻で魔獣を呑みこんだ!

 

「グオオオオオオッ!?」

2種類の中級魔術をその身に受けた魔獣は悲鳴を上げて怯み

「アークス駆動、ティア!!」

「ありがとう、エリオット!―――彼の者に癒しを。癒しの息吹!!」

その間に魔獣に吹っ飛ばされたエリオットとアリサはアーツや魔術で互いの傷を回復した。

 

「今の内に一気に攻めるぞ、ラウラ!戦術リンクを!」

「承知!」

一方魔術で苦しんでいる様子の魔獣を見て勝機と見たリィンの判断に頷いたラウラはリィンと戦術リンクを結んで同時に突撃し

「四の型―――紅葉切りっ!!」

リィンは魔獣を苦しめていた暗黒の球体と竜巻が消えた瞬間、魔獣の足の部分に斬撃を叩き込み

「そこだっ!―――鉄砕刃!!」

戦術リンクによってリィンの攻撃が注意をリィン自身に向ける攻撃だと理解していたラウラは魔獣の注意がリィンに行っている間に跳躍して闘気を纏った大剣を魔獣の頭目掛けて叩きつけた。しかし!

 

「グルルルル……!」

「何ッ!?」

なんと魔獣は振り向いて剛毛と筋肉による巨腕でラウラの一撃を防ぎ

「グオオオオッ!!」

「しまっ……!」

そして残った片腕でラウラに凄まじい一撃を叩きこもうとした。

「斬!!」

「グギャアアアアアアッ!?」

しかしその時、ラウラの危機を察知したプリネが跳躍し、炎を纏ったレイピアでラウラを攻撃しようとした巨腕を斬り落として攻撃を中断させた!

 

「すまぬ。世話をかけたな、プリネ!」

炎を纏ったレイピアで一刀両断するプリネの魔法剣技――――集炎によって腕を斬りおとされた事によって苦しんでいる隙に地面に着地したラウラは魔獣から距離を取ってプリネに視線を向け

「いえ、気にしないで下さい。続けて行きます。――――ハッ!!」

「ガアアアアアア――――ッ!?」

ラウラの感謝の言葉に頷いたプリネは目にも止まらぬ速さで敵を斬り裂く剣技―――狼口一閃で剛毛と筋肉に包まれた魔獣の足を易々と切り裂いた!

 

「アークス駆動、ゴルトスフィア!!」

「アークス駆動、ヒートウェイブ!!」

そしてプリネの攻撃によって苦しんでいる魔獣に追い打ちをかけるかのようにエリオットとアリサの魔術が命中し

「出でよ、烈輝の陣!イオ=ルーン!!」

続けて短時間で詠唱を終わらせたプリネの魔術が発動し、魔獣の腹の部分に純粋属性の爆発が起こって魔獣をのけ反らせた!

 

「――勝機!アルゼイドの剣………受けてみよっ!奥義――――洸刃乱舞!!」

のけ反った魔獣の様子を見て勝機と見たラウラは大技を魔獣に叩き込んだ。

「――リィン!」

「ああ!焔よ………!」

ラウラに呼びかけられたリィンは頷いた後太刀に闘気による炎を纏わせ

「ハァァァァ………!斬ッ!!」

ラウラが攻撃した部分を狙って斬撃を叩き込んだ後、魔獣の背後へ駆け抜けると同時に再び斬撃を叩き込んだ!

「グギャアアアアアアッ――――――!!??」

八葉一刀流の奥義の一つ―――”焔の太刀”を受けた魔獣は悲鳴を上げた後、大量のセピスを落とすと共に消滅した!

 

 


 
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