謎の空間の歪み『ゲート』によって、ガルディア王国歴600年の時代から現代へと戻ってきた一刀とクロノ一行。
クロノはマールを城へと送り、一刀たちはクロノの家に泊まることになった。
しかし、クロノが戻らぬまま朝を迎え、やってきたルッカから衝撃の事態が発覚した。
ルッカ「クロノが・・・”王家転覆の罪”で捕まったわ。」
真・恋姫†無双 × クロノトリガー
『真・恋姫†無双 ~時の外史~』
第7話「クロノの危機!ガルディア王国裁判」
時は一度、前日へ遡る―――。
城へ向かったクロノとマールは、森を抜けガルディア城に到着した。
マール「ただいまー♪」
城に入ると同時に帰りを告げるマール。そこへ・・・。
大臣「マールディアさまああああああっ!ふべ!」
大臣が駆けてきたが、勢いあまって転んでしまう。
マール「大丈夫?大臣。」
大臣「おおマールディア様ご無事でしたか!一体いままでどこに!?何者かにさらわれたという情報もあり、兵士たちに国中を探させていたのですぞ!?」
マールが心配するも、大臣はガバッっと起き上がり、マールの無事に安堵する。
そしてマールの後ろにいたクロノを見るや否や。
大臣「む!そこのムサい奴!そうかお前だな!?マールディア様をさらったのは!!」
クロノ「え?」
マール「ち、違うよ!クロノは・・・!」
大臣「えーい!マールディア様を惑わせ王家転覆を企てるテロリストめっ!ひっとらえろーっ!」
兵士「はっ!」
クロノ「え?ちょ!ちょ・・・!」
怒りでマールの言葉も聞こえないのか、大臣は兵士たちを呼びクロノを捕らえにかかる。
マール「や、やめてっ!」
兵士「ほら、大人しくしろ!」
兵士「暴れるな!」
クロノ「はなせ~~っ!」
兵士たちによって押さえつけられるクロノ、それを見てマールは・・・。
マール「・・・やめなさああああああああああいっ!!!」
ゾクン・・・!
兵士「は・・・ははっ!」
王国歴600年のガルディア城で見せた”気迫”によって、兵士は反射的に平伏した。
大臣「な、何をしている!早く捕らえんか!」
兵士「しかし、マールディア様が・・・。」
大臣「構わん!ひっとらえろっ!」
兵士「は、ははっ!」
マール「そんな!」
しかしそれも空しく、結局クロノは捕らえられてしまった。
大臣「私が検事の大臣じゃ。」
ピエール「私が弁護士のピエールです。」
ガルディア城内にある裁判所内の法廷にて、クロノの”王家転覆”に関する裁判が行われようとしていた。
クロノ(なんだか面倒なことになってきたな・・・。)
証言台に立つクロノは、自身の置かれている状況に緊張はしつつも冷静でいた。
そして大臣が話し始める。
大臣「ようこそ皆さん!今回、マールディア王女誘拐の罪で疑われている、このクロノという男。この男をどうしましょう?火あぶりの刑?くすぐりの刑?逆さ吊りの刑?それともギロチンで首を・・・?」
クロノ(おいおい!勘弁してくれよ!)
冒頭でいきなり飛び出た物騒な案に、クロノの冷静さは早くも失われた。
大臣「それを決めるのは皆さんです。では、始めましょう。」
クロノ(あ、なんだ、ビックリした。さすがにそんなんで決まったら裁判とは言わないよな。)
早とちりに安堵するも、それで助かったわけではないことに再び緊張するクロノ。
ピエール「では私からいきましょう。まず、クロノに本当に誘拐の意志があったのか・・・いや無い。検事側は被告が計画的に王女を攫ったと言いますが、そうでしょうか・・・いや違う。二人は偶然出会ったのであって、決して故意はありません。」
クロノ(・・・なんでこの人オレと初対面なのに否定できるんだ?いや誘拐の意志も計画も無いのは本当だけどさ。)
弁護士の仕事と反語を知らないクロノは、ピエールの言葉に訝しげな顔をする。
そんなことを思ってる間にも、話は進んでいく。
大臣「はたしてそうでしょうか?どっちが切欠を作りましたか?」
クロノ「え?えっと・・・。」
振られた質問にクロノは、マールと出会ったときを思い出す。
クロノ(あのときは、祭りが結構面白くてちょっとはしゃいでたからなぁ。でリーネの鐘のとこでマールとぶつかって・・・まあ周りよく見てなかったし、悪いのはオレだよな・・・「オレです。」
大臣「よろしい。聞いての通り、”偶然を装って”被告は王女に近づきました。」
クロノ(なんでそうなる!?)
大臣「そのあと王女は誘われるまま、ルッカ親子のショーへ足を運びます。その姿は何人もの人が目撃しています。そして二人は姿を消した・・・これが誘拐じゃなくして、一体何でしょうか?」
クロノ(いや、まあたしかにあのときの状況は説明しにくいけど、さすがに誘拐って思うのは無理がないか!?)
大臣「被告人の人間性が疑われる事実も私はいくつか掴んでいます。」
クロノ(やべ、まさか飲み比べで酒飲んだことかな?)
ピエール「異議あり!それは今回の件に関係あるのでしょうか・・・いや無い。」
裁判長「どうなのかね大臣?」
大臣「はい、証言の正しさを示すためにも、被告の人間性を知らせておく必要があります。」
ピエール「いいですとも。では証人を連れて来ましょう。被告の誠実さを証明する”かわいい”証人を。」
そう言うとピエールは一度法廷を出て、小さな女の子を連れて戻ってきた。
クロノ「あ・・・君は。」
女の子「この人はね、わたちのネコちゃんをつれてきてくれたの。あのときはありがとうね、おにいちゃん。」
クロノは、マールと出会い一緒に千年祭をまわっていたときに、迷いネコを見つけ飼い主のもとへ連れていったことがあった。
そのときの飼い主が彼女であった。
クロノ「どういたしまして。ネコちゃんは元気かい?」
女の子「うん!こんどネコちゃんといっしょに遊ぼうね?」
クロノ「ああ、いいとも。」
ピエール「どうです、この若者は?勲章ものですよ?」
ピエールは自分のことのように裁判長に誇り、そのあとクロノのそばに来るとドヤ顔で。
ピエール「くく、効いてるみたいよん。」
クロノ(こっちみんな・・・。)
ピエール「問題は動機です。この一市民にマールディア王女を誘拐する動機がありましょうか・・・いや無い。」
再び反語にて弁護を再開するピエールだが、大臣も負けじと反撃する。
大臣「お言葉を返すようで悪いが、財産目当てというのはどうかなクロノ君?王女の財産に目が眩んだのではないかね?」
クロノ「そんなわけないだろ。別に財産なんて興味ないし。」
大臣「本当に財産に興味がないのかね?」
クロノ「そうだって言ってるだろ!」
大臣「ぬぐ・・・ま、まあいいでしょう。私の尋問は終わります。」
自分で言い出しておきながらクロノの非を見つけられず、大臣は苦虫を噛み潰したような表情で引き下がった。
ピエール「見ての通り、正義感の強い少年です。さあ裁判長、判決を。」
裁判長「では陪審員たちよ。有罪と思う者は左へ、無罪だと思う者は右へ行きなさい。」
裁判長の合図で、7人の陪審員が順番に入ってくる。
そして全員が、右側へ向かったのだった。
裁判長「判決が出た・・・”無罪”とする!」
ピエール「よし!」
大臣「く・・・。」
クロノ(ほ。まあ普通に考えて有罪になる要素はないもんな。)
裁判長「しかしだ。」
クロノ(ん?)
裁判長「誘拐の意志はなかったにせよ、マールディア王女をしばらく連れ出したのは事実。よって、反省を促すため3日間の独房入りを命ず!」
クロノ(げ・・・。)
大臣(これはチャンス!「さ、連れていけ!」
大臣が兵士を呼ぶ。そこへ。
マール「待って!」
大臣「お、王女様・・・。」
マールが割り込み、何かを言おうとするが。
王「いいかげんにしなさいマールディア!」
マール「父上!聞いてくださいクロノは・・・。」
王「私はお前に王女らしく城で大人しくしていてほしいだけだ。国のルールには、たとえ王や王女でも従わなくてはな。あとの事は大臣に任せておきなさい、町でのことも忘れることだ。さ、行くぞ。」
マール「そんな・・・クロノーーーッ!!」
聞く耳を持たれぬまま、クロノを連れていかれ、法廷にマールの悲痛な叫びが響いた。
ガルディア城の東側に位置する裁判所、その反対である西側には”空中刑務所”と呼ばれ高くそびえる刑務所がある。
そこへクロノは連れてこられた。
所長「ご苦労様です、大臣殿。こやつですか?」
大臣「うむ、王家転覆を謀ったテロリストだ。裁判で”有罪”の判決が出され、3日後に”処刑”と決まった。逃がさぬようしっかり見張っておれよ?」
クロノ(有罪!?処刑!?なんだよそれ!?「おい!俺は無罪だってさっき・・・!」
衛兵「喋るな!」
大臣のとんでもない発言に反論しようとしたクロノだが、衛兵に小突かれ沈黙を強いられてしまった。
所長「処刑?そのような話は聞いておりませんが・・・。」
大臣「気にするな、手続きの書類が遅れているだけだ。それとも、ワシの言葉が信じられぬか?」
所長「め、めっそうもない!衛兵!こいつを連れていけ!」
衛兵「はっ!」
そしてクロノは否応なしに牢へと連れていかれるのだった。
~獄中~
クロノ「くそう、あの大臣め。勝手にオレを有罪にしたあげく処刑だなんて・・・。」
牢に入れられたクロノは、中をグルグルを周りながら大臣への文句をブツブツ呟いていた。
クロノ「このまま待ってたらルッカたち助けに来るかな?・・・いやぁ、あの大臣のことだからきっと適当な理由とか付けて誤魔化すか、下手すりゃ門前払いしかねないだろうしなぁ・・・。よし。」
選択の余地はないと踏んだクロノは行動を起こすため、衛兵の立つ鉄格子に近づいた。
クロノ「なぁなぁ、開けてくれよ。オレ無実なんだからさぁ。」
鉄格子を軽く叩きながら、衛兵に話しかける。
衛兵「うるさいぞ。大人しくしていろ。」
だが衛兵はまったく聞く耳持たずで、再び黙って立ち尽くす。
しかしクロノは声を掛け続ける。
クロノ「なぁってば、オレただの子供だぜ?しかもガルディア国民。王家転覆なんてする理由ないよ~。」
衛兵「・・・・・・。」
クロノ「なぁ、だ~し~て~く~れ~よ~~~~~。」
衛兵「~~~っ、うるさいと言っているのが聞こえんのか!このガキ、黙らせてやる。おい、開けろ。」
あまりの鬱陶しさにキレた衛兵が、ついに声を荒げ、牢の扉を開けさせた。
そして中に入り、クロノに近づいていく。
衛兵「いつまでも騒いでいると、こういう目にあうんだ、ぞっ!」
鎧をまとった衛兵の拳がクロノに向かって振り下ろされたが・・・。
クロノ「おっと。へへ、いただきぃ!」
衛兵「なに!?あ!しまったっ!」
避けたクロノがすかさず衛兵の懐に潜り込み、その腰に下げられた剣を抜き取った。
衛兵「き、キサマ!脱走する気かっ!」
衛兵「ただのガキが、この強固な空中刑務所の守りを突破できると・・・。」
クロノ「”かまいたち”!!」
衛兵ズ「ぐああああっ!!」
クロノを抑えようと立ちはだかった二人の衛兵だったが、すかさず放ったクロノの剣技、射線上にいる複数の敵を剣速によって起こす鋭い風で斬りつける”かまいたち”で倒された。
クロノ「やっぱ刀じゃないから慣れないな。ま、オレのは没収されたからしょうがないか。」
そういってクロノは、倒れた衛兵から鞘も外すと、剣を収めて自分の腰に佩いた。
クロノ「よし、そんじゃま、脱出するとしますか。・・・で、どっちだ?」
...Continued to the next time⇒
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いらっしゃいませ、七詩名です。
なかなか忙しくて投稿間隔が長くなっている今日この頃・・・。
今期観たいアニメ多すぎです!!( ゚Д゚)クワッ
帰宅→風呂→[アニメ→ニコ漫→ニコ動]このどっかで同時に晩飯→執筆
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