43.伊勢路の旅はまたの日と 木曽川越えて美濃に入り
ゆけばまもなく岐阜の駅 岐阜には鵜飼の見物あり
44.父やしないし養老の 滝は今なお大垣を
孝子のほまれとともにあり 行くはここにて乗り換えよ
45.天下分け目の関ヶ原 戦のあとも昔にて
伊吹おろしのその山は 石灰岩の採石場
46.山はうしろに立ち去りて 前に来るは琵琶の湖
ほとりに沿いし米原は 北陸線の分岐点
47.彦根に立てる井伊の城 草津に販ぐ姥が餅
変わる名所も名物も 旅の徒然のうさはらし
48.いよいよ近く馴れくるは 近江の湖の波のいろ
その八景も居ながらに 見てゆく旅の楽しさよ
49.瀬田の長橋横に見て ゆけば石山観世音
紫式部が筆のあと のこすはここよ月の夜に
50.粟津の松にこととえば 答えがおなる風の声
朝日将軍義仲の ほろびし深田は何かたぞ
51.琵琶のほとりの城跡は 膳所駅おりてほど近し
比良に八橋もみてゆかん 大津電車も便りよし
52.堅田におつる雁がねの 手前に響く三井の鐘
夕ぐれさむき唐崎の 松には雨のかかるらん
53.むかしながらの山ざくら におうところや志賀の里
都のあとは知らねども 逢坂山はそのままに
54.さらに高浜今津へは 山科駅を乗り換えて
湖西線路の便りあり 敦賀へゆくもただ一路
55.東寺の塔を左にて ゆけば七条ステーション
京都京都と呼びたつる 車掌の声もなつかしや
56.ここは桓武のみかどより 千有余年の都の地
今も雲井の空たかく あおぐ清涼紫宸殿
57.東に建てる東山 北は北山光悦寺
鞍馬比叡に嵐山 流るる水も数多し
58.祇園清水知恩院 吉田黒谷真如堂
流れも清き水上に 君がよまもる加茂宮
59.夏は納涼の四条橋 冬は雪見の銀閣寺
桜は春の嵯峨御室 紅葉は秋の高雄山
60.琵琶湖を引きて通したる 疎水の工事は南禅寺
岩切り抜きて船をやる 知識の進歩も見られたり
61.南は伏見の城の跡 流るる水は宇治川よ
ふたたび北は金閣寺 夏は送り火大文字
62.神社仏閣山水の ほかに京都の物産は
西陣織の綾錦 友禅染の花もみじ
63.扇 おしろい 京都紅 また加茂川の鷺しらず
土産を提げていざ立たん あとに名残は残れども
64.山崎おりて淀川を わたる向こうは男山
行幸ありし先帝の かしこきあとぞ忍ばるる
65.淀の川船くだりしも 煙を吐きて行く汽車も
昔がたりとはやなりて 今や電車の駆けるまで
66.おくり迎うる程もなく 茨木吹田うちすぎて
新大阪をすぎゆかば 梅田は我をむかえたり
67.わが国第二に位して 商工さかゆる大阪市
安治川口に入る船の 便りは今も絶え間なし
68.ここぞ昔の難波の津 ここぞ高津の宮のあと
千古の英雄秀吉の おもかげ城に残りたり
69.鳥も翔らぬ大空に かすむ五重の塔の影
仏法最初の寺と聞く 四天王寺はあれかとよ
70.大阪いでて右左 建てりし工場の狭間より
神崎川の鉄橋を わたりてゆかば尼崎
71.この駅よりは乗り換えて 歌劇に名を得し宝塚
池田伊丹と名にききし 酒の産地もとおるなり
72.神戸に今はつきにけり わが国五港のひとつにて
集まる船の船じるし 見れば世界の旗づくし
73.磯にはながめ晴れわたる 和田のみさきを控えつつ
山には絶えず布引の 滝見に人ものぼりゆく
74.七度うまれて君が代を まもるといいし楠公の
いしぶみ高き湊川 流れて世々の人ぞ知る
75.おもえば夢か時のまに 三百七十哩はしりきて
神戸の宿に身をおくも げに鉄道の恩ぞかし
76.明けなばさらに乗り換えて 山陽線を進ままし
天気は明日も望みあり 柳にかすむ月の陰
いよいよ後半戦。ずっと京都のターン。
このあたりは歌詞をどういじったらいいかわからず苦労しました。
気が向いたら小田急箱根篇とかもやりたい…(無謀)