No.686626

義輝記 蒼穹の章 その五

いたさん

義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。

2014-05-14 10:49:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1484   閲覧ユーザー数:1300

【 久秀の奇計 の件 】

 

〖 兗州 烏巣付近 にて 〗

 

麗羽「ちょっと! これはなんですの!?」

 

華琳「………顔良! ここで間違いない!?」

 

斗詩「はい! ここです! ここなんです!! ……でも、なんで? なんで、こんなに早く成長してるの!!」

 

 

??「それが、久秀の力よ! ……顔良。 現実を直視なさい!」

 

 

驚く俺逹を尻目に、横から冷たい声が響き……懐かしい下駄の音が聞こえてきた。

 

カランコロン… カランコロン… カランコロン…  

 

────スッ

 

月明かりが照らす中、すぐ横の暗闇に覆われた林から、一人の少女が現れて、麗羽達が名前を呼んだ!!

 

麗羽「久秀さん!」

 

猪々子、斗詩「「 司馬仲逹(さん)!! 」」

 

華琳「貴女が………『司馬懿』? これは、どういう事?」

 

華琳がそういうと、司馬仲逹は……声を出して笑ったんだよ。

 

名高い勇将達が率いる八千の騎馬隊がいる中で……司馬仲逹のさも可笑しそうな笑い声が響き、辺りの温度が冷え込む感じが………。

 

久秀「………面白い事を言うわね? この貯蓄庫は、我ら袁家の物。 貴女達みたいな敵から守るために、防壁を強化しただけよ……」

 

桂花「あの『荊の壁』が防壁? ハッ! 笑わせてくれるわ!!

 

確かに兵には有効だけど、木は火を生ずる『五行相生』を知らないの!! 全軍! 火矢準備! ─────放て!!!」

 

ヒューン! ヒューン! ヒューン!

 

トスッ! トットスッ! トスッ!

 

流石、桂花! 華琳達と司馬仲逹が喋っている間に、火矢の準備をさせて、すぐに点火出来るようにしておいたのか───!

 

だけど、何故か司馬仲逹の顔は、相変わらず『嗤い』の表情だった。

 

久秀「そういう貴女こそ、水が火を剋する『五行相剋』を知らないようね。 ──この機会に覚えておきなさいな! 

 

水の気が強い木には、火を相剋できるという事を!!」

 

ジュ~! ジュジュ~! ジュ~!

 

放った火矢の火が……全て………消えてしまった!!

 

桂花「!!!」

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

久秀の策 『 荊砦の計 』

 

土地に植物の成長を早める術を掛け、荊の壁を造る。

実際の植物ゆえに、水を吸い上げ水分を保つ。 生半可な火計では攻略できない。  

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ザッ!!

 

愛紗「ここは、我ら武の覚えがある者が行かねば!!」

 

猪々子「この野郎! よくも、姫逹を売りやがったな!!」

 

春蘭「華琳様! 私達が相手を───!!」

 

武で鳴らす勇将の三人が馬で近づこうとする………が!

 

久秀「………だから、筋肉お馬鹿は嫌いなのよ。 頭で解決出来ないと、直ぐに力で解決しようとする。 久秀が、何故この軽装でいるのか……考えないの? 脳筋さん逹──!!」バッ!

 

司馬仲逹は、言い終わる前に、左手を頭上に挙げた!!

 

「「「ヒヒィーン ブヒヒ ヒン!」」」 

 

パカラッ! パカラッ! パカラッ!

 

俺らの後ろから馬が数十頭近づいて来る!! 俺は驚き、慌てて避けようとするが……馬の様子がなんか変──!!!

 

「ブヒヒヒィィィン!」 

 

「ブルルルーン!」 ガッガッ!

 

曹兵「お、おい! なんだ! なんだぁ!?」

 

パカラ! バンバン! パカラ! 

 

曹兵「静まれ! うわぁ───!!」

 

春蘭「静まれ! こらぁ!!」

 

愛紗「ど、どうしたのだぁ!?」

 

猪々子「なんだぁ────!?」

 

み、皆の馬が、あ、暴れ───! ウワッ!!

 

ドシ~ン!!  いてぇー!! 

 

ドン! グフゥ!  痛ぅ───!!

 

猪々子「あの馬鹿馬! アタイを落とすなぁ──!!」

 

おい! 早くどいて!! 苦しいからぁ!!!

 

猪々子「あっ、アニキ! わりぃ、わりぃ──!!」

 

そ、曹操軍の全軍が騎馬だったから、司馬仲逹の仲間が放ったと思われる裸馬達で、乗馬が暴れ出し落馬する者が続出した!!

 

軍馬だから、それなりに音や衝撃にも、抵抗力はあるはずなのに、この暴れ様は一体どんな理由が──!!!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

久秀の策 『 牝馬の奇策 』

 

この頃の軍馬は雄馬を使用。 但し……『去勢』されていないので気がかなり荒い。 そこで、牝馬を何十頭か放し、雄馬の本能を刺激させ、暴れさせる。

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

ーーーーーーーーーーーー

 

久秀「あらあら、言うわりには無様なものね? さて、今度はこちらの方が相手くださるそうよ! 袁公路様!! おいで下さい!!」

 

チリ~ン! チリ~ン! 

 

──────ザッザッザッ!

 

美羽「………………」

 

七乃「………………」

 

輿に乗せられ、正座姿で中央に座り、焦点の定まらず目を此方に向けて呟く二人。 袁家に相応しい衣装に、流石に着替えさせられてはいるが……二人に感情らしきモノは、見当たらない。

 

美羽「妾は………両袁家の当主である袁公路じゃ……! 邪魔者は全て………滅す……ぞ!!」

 

七乃「……突撃…せよ!」

 

麗羽「み、美羽さん!? 美羽さん!! 貴女は何を!!!」

 

斗詩「七乃さん!! 目を覚まして下さい!!!」

 

猪々子「やい! 司馬懿!! 卑怯な手を使いやがって!!」

 

久秀「卑怯? 多人数で久秀を殺そうとした将が、何をほざくのかしら? でも、そうね……今度は、正々堂々と攻めてあげるわ。 

 

この三万の軍勢が───ね!!!」

 

◇◆◇

 

【 地獄に仏 の件 】

 

〖 鳥巣から官渡への道 にて 〗

 

袁兵『うおおぉぉぉーーー!!!』

 

袁兵は全軍徒歩! 曹操軍は騎馬で此方に来たものの、久秀の策で馬が暴れ出し、大半の乗馬を失い徒歩となる!!

 

月明かりの中、うっすらと道が浮かび上がる。 

 

その道を、華琳達は文字通り『死に物狂い』で逃走していた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

春蘭「この! このっ! チィ! しつこいわぁ!!」

 

ガンガン! ドン!!

 

袁兵「ぐはぁ───!!」 バタン!!

 

季衣「邪魔だぁ!! でええぇぇぇーい!!」

 

ドゴォ─────ン!!

 

袁兵「ぐふぅ──!!」 バタッ!

 

流琉「早く早く──! 囲まれないうちに!! 」

 

桂花「か、華琳様………わ、私は、もう……駄目………」

 

華琳「何を言ってるの! まだ、貴女の力は必要なのよ!!」

 

桂花「………申し訳ありま……きゃあ!?」バタン!

 

華琳「桂花!?」

 

華琳の声を聞き、気を抜いた桂花は足がもつれ……地面に倒れ伏す。

 

すぐ後ろには、月明かりに反射した黄金色の袁兵が蠢く!!

 

曹兵「───間に合いません!! お早く!!」

 

華琳「─────桂花!!!」

 

華琳が救いに向かうが、今行けば巻き沿いで殺される。それでも駆けつけようとすれば、護衛兵に引き止められる!!

 

決して彼が薄情ではなく、軍師を失えば痛手で済む。 総大将を殺されば、国は終わりという冷静な判断から………。

 

桂花は、自分に向かって……名前を叫びながら連れられて行く華琳を…見守るしかなかった。 そして、黄金色の死神が…後ろに迫る。 

 

袁兵「袁公路様に忠誠を! 曹操に組する者は殺せ!!!」

 

シャキン! ブ────ン!!

 

頭上高く剣を振り上げる袁兵。 

 

見上げながら、為すすべも無い桂花!  

 

そして…………無情にも、剣が振り落とされた!! 

 

桂花「きゃああぁぁぁ────!」

 

ドン! 

 

桂花「えっ!?」

 

ガキィ────ン!! 

 

桂花が斬られる前に、何者かが割り込み、剣を受け止める!

 

一刀「ぐうぅぅ───!!」

 

袁兵「死ね! 死ね!! シネ!!!」

 

袁兵は無表情の顔で、一刀を切り倒すために力を込める。 口からは相手を呪詛するかの如く、言葉を吐き出す。

 

愛紗「ご主人様!!!」

 

ブゥ──ン!! ザシュ!! 

 

ブシュゥゥゥーーーーー!!

 

袁兵「うごぉ…袁公路様に忠誠を─!!」 バタン!

 

愛紗が後ろより袁兵を斬り倒し、一刀の危機を救うが……連戦の戦い、命のやり取りを何度も行ったため、疲労は極限に近い!!

 

桂花「…………………」

 

一刀「ハァー、ハァー!!」

 

愛紗「ご主人様──! 大丈夫ですか!? 桂花は……!?」

 

一刀「……あぁ、無事だ………」

 

だが、斬ったのは……たった一人のみ。 

 

また……新たな兵により、直ぐに囲まれようとした。

 

ダッダッダッダッダッダッ!!

 

麗羽「 我が君! お早く!! えーいっ! とおっ!!」

 

シュン!! シュッ!  ズバッ! 

 

猪々子「曹孟徳のねぇちゃんは───無事に逃げたぜ!」

 

斗詩「北郷さんも──皆さんも早く!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一刀達は逃走をするが………薄暗い夜道を数万の軍勢から、逃げおおせるのは……無理に近い。 

 

しかも、歩く事も出来ない桂花を、背負いつつである。

 

………男嫌いの桂花が、何故大人しく背負われているのか……疑問に思う者もいたが、本人は顔を赤くして背中に伏せているので、そのまま放置した。 聞けば毒舌が返ってくるのは分かっているから。 

 

一刀「ハァー、ハァー、ハァー!」

 

麗羽「……私が桂花を背負いますわ! ご無理をなされないように」

 

愛紗「しかし、敵の追尾が………こうも厳しいと……」

 

──────スッ!

 

明命「───間に合いましたか!」

 

猪々子「うおっ!? びっくりしたぁ!!」

 

斗詩「えっ!? あ、あれ? もしかして……孫策軍の!」

 

明命「皆さん! ここは、私に任せて下さい!! 」

 

愛紗「なんで孫策軍の将が、ここに居るんだ!? 我々を更に嵌めるための罠なのでは!!!」

 

一刀「だけど………ここで……このままにしてても……いずれ捕まり殺される………。 君に……何か……方法が……あるのかい?」

 

明命「はい! これです!!」

 

と、明るく笑い、俺達に見せたのは……『黒い縄』………

 

ーーーーーーーーーーーー

 

袁兵『……………………………』

 

数万の軍勢は、急がず焦らずゆっくりと……しかし、決して休まず進む。 規則正しく、歩調も一緒、一向(ひたすら)に…………。

 

ーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー

 

明命(来ましたよ!!)

 

道筋は一本道、左右は森が続いている。 道幅は約2㍍ぐらいの幅が均等に広がっていた。

 

その中を袁兵が、粛々と行進してきた。 まるで、玩具の兵隊のように……。 表情は能面の如き変わらず……目的に向かい一歩、また一歩……歩を進ませる。

 

一刀(どう思う……桂花?)

 

愛紗(えっ? まだ背負っておられたのですか?! ──こらっ! 桂花! いい加減に降りろぉ!)

 

桂花(!)イヤイヤ イヤイヤ

 

愛紗「おい! (愛紗! 声、大きい!) ……スイマセン」

 

ザッザッ ザッザッ ザッ──? ザシュ─?

 

ザッザッ─! ザッザッザッザッ!!!

 

(一人の袁兵が、縄に掛かり通過出来ない。 一度立ち止まり考えるが、そのまま通るが、引っかかったままで足を動かす。 そして、同じ行動を二人、三人、四人、五人……………… )

 

ミシッ! ミシッミシッ! ミシッミシッミシッ!!

 

両端を多数の木の幹に回し付け、尚且つ根本には、既に倒れ易いように、切り込みを入れてある!

 

このまま続けば……………

 

ドドドドドドーーーーーーーー!!

バタン! バタバタ! ゴーン! ブシュー!

ガタガタ! バリバリ! ドーン!!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

明命の策 『 暗中引木の計 』

 

明命の『髪の毛』で編んだ縄を木に括りつけ、道の前面に張り巡らす。 幹には切り込みを入れて、すぐに倒れるように仕掛けておく!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

麗羽、斗詩「「───────!」」

 

猪々子「いやぁ! 派手だねぇ!! うん! やっぱ戦はこう……派手さがないとなぁ!! そう思うだろう? 斗詩?」

 

愛紗「……………!!」

 

一刀「これは………凄い………!」

 

明命「袁術達は心配ないですよ! 後方に居ましたから無問題です! これで時間が稼げましたから、急いで逃げて下さい!!!」

 

明命の案内の下、一刀達は官渡まで戻ってくる事ができた。

 

◆◇◆

 

【 意外な提案 の件 】

 

〖 官渡砦 曹操陣営 にて 〗

 

華琳「桂花!! よく無事で! 本当に、本当に………!」

 

桂花「華琳様………また、お会いできて、桂花は幸せです!」

 

一刀「……………………」ガクン

 

愛紗「ご主人様~~~!!」

 

麗羽「─!」スッ 

 

麗羽が直ぐに寄り添い一刀を支える。 額に手を添えたり、脈拍を診たり甲斐甲斐しく……しかも手際よく診察する。

 

麗羽「ふぅ……極度の緊張と疲れからの気絶ですわ。 しばらく安静にすれば大丈夫、直によくなるでしょう………」

 

この動作を見ていた元学友は……驚愕の色を隠せれない。

 

華琳「麗羽………貴女のいつもの高飛車や高笑いは、どうしてしまったの? まさか……アレって………」

 

麗羽「えぇ! あの性格は、袁家当主に相応しい対応という事で、幼き頃から、指導されてきた物ですわよ? ……今は、その楔から解き放たれ、このように自由気儘に御奉仕できますわ!!」

 

『はぁ~~~!?』と疑問符を含む呆れた声が一斉に挙がる中、華琳が説明すると、今度は同じ言葉のため息が、一斉について出る。

 

そん中で、一人の将が文字通り滑り込んできた!

 

ダッダッダッダッダッダッ! 

 

ジュッザァァァ────!!

 

春蘭「秋蘭!! 一体どうしたのだぁ!!!」

 

秋蘭「姉者! 華琳様は──! 華琳様はどこだぁ──!?」

 

華琳「秋蘭! どうしたっていうの!?」

 

秋蘭「か、華琳様──申し訳ありません! 許昌が、袁紹軍により……陥落されました!!!」

 

『━━━━━━━━━━━━!!!』

 

華琳「─────! …………秋蘭、私の質問に答えなさい! 他の将兵達や民は……どうなったの?」

 

秋蘭「……はっ! 全員………無事で……ございます!」

 

華琳「……撤退を優先とする作戦を選んだのね……」

 

秋蘭「……私達は、民を逃した後……徹底抗戦するつもりでした! しかし、一人の将が……私達の元に訪れ……」

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

〖 許昌 にて 〗

 

明命「お願いします! 止めて下さい!! 敵は十万以上の軍勢なのに、城に籠城じゃ勝ち目なんて、全然ありませんから!! 」

 

雛里「仰ることは分かりますが……私達にも兵も精兵多数、城も修復済みで堅固です! 籠城すれば、数日間は持つ事ができます! 」

 

秋蘭「他の勢力で動く将が、我々の戦術に口出しするなど無用! 早々に立ち去るがいい!!!」

 

明命「嫌です!! 確かに私達は、敵対しています!! でも、あの驍将には、普通の武将では勝てないんですよー!! 私達と戦える貴女達のような将が結集して、初めて勝ち目が浮かぶのです!! 」

 

鈴々「そんな敵、鈴々が倒して『趙雲さんが討たれそうになったのにですか?』─────せ、星が…かぁ!?」

 

秋蘭「何を──根拠に言うんだぁ!!」

 

明命「私は見たんです!! ここを攻める先陣の将を!! 金髪、白い衣装、髪に黒い装飾具で留めた『筒井』となる、あの驍将が……先頭で率いているのですよ!!」

 

桃香「朱里ちゃんが言ってた……『化け物』と一緒!!」

 

秋蘭「………では、貴様は……その事を、何で証を付ける!」

 

明命「我が真名『明命』を夏侯淵、貴女に預け誓います!」

 

秋蘭「…………………」

 

明命「…………………」

 

秋蘭「──フッ、分かった。 その言葉、信用しよう! だが、敵は十万以上! 我々より速度は速いぞ! どうするつもりだ!?」

 

明命「私に考えがあります! あわよくば全滅させたいところですが、多分………あの将が策を阻んでくると思いますけど………」

 

秋蘭「では、我らは……策の準備を手伝ってから撤退を開始する! だが──死ぬなよ! 真実なら生きて、私達に証明してみせよ!!」

 

明命「はいっ!!」

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

 

秋蘭「その後、私達は明命……周泰を残し退却しました。 その後、小高い丘より振り向くと、城を攻める袁紹軍の人だかりが………! 

 

城兵が居ない門を軽く突破され、雪崩混まれたと……思うと、 城内の門付近から大火が生し、瞬く間に城内を業火で飲み込んでしまったんです!!!」

 

華琳「………そう。 では、どういう事か……説明して欲しいんだけど………周泰?」

 

明命「夏侯淵……約束は果たしましたよ?」

 

秋蘭「お、お前は────!! 

 

くっ! この夏侯妙才が……敵将が生きていてくれて………嬉しいと………思うなんて…………!! 

 

明命、私の真名は『秋蘭』と呼ぶ! 先程の礼として、我が真名を預けさせてもらおう!!」

 

明命「はい! 確かに預からせてもらいます! 秋蘭さん!」

 

ヨロ~ヨロ ヨロ、ヨロ ヨロヨロ~

 

鈴々「ハァ、ハァ、ハァ~! 秋蘭~早いのだぁ~!」

 

桃香「只今~、もど~り、ま~し~たぁ~!!」

 

雛里「キュ~~」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

明命の策 『 玉引火籠の計 』 

 

敵軍勢を城内に餌(ガラクタを木箱に入れ積み重ねる)を持ちて、中央に集合させた後、城門を閉め四方に火を放つ!! 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

 

 

華琳「周泰、話を戻すわ! 貴女の許昌の起こした行動は、敵の打撃と足止めだと言ったわね? 奴らの到着予定は……どれくらい?」

 

明命「壊滅を主にしたのですが……足止めにしかならない可能性大です。多分、一両日には立て直し、こちらに進行して来るかと……」

 

華琳「ここの陣を払い退却するとしても、私達は手詰まり。 司馬仲達の深謀遠慮からすれば、陳留へも帰るのは無理。 ……後は無いわね……………」

 

『……………………!』

 

一同…顔を下に向け黙り込む中、一人だけ、異質の将が声を挙げる!

 

明命「曹孟徳様! 江東へお逃げ下さい!! 私が孫策様を説得して参ります!! どうか、どうか! お願いします!!」

 

華琳「それは、この曹孟徳に孫策の下に入れと言っているわけ?」

 

明命「いえ! 同盟を組んでいただき、わが孫呉で客将としてお願いしたいのです!! 勿論、離脱も可能なように孫伯符様にお願いしたいと思います! 何卒、聞き届けて下さい!!」

 

華琳「何故、私達の力を欲するの? 秋蘭から概ねの事は聞いたわ。でも、私達単独で勝てる可能性も……『ありません!』─!」

 

桂花「ちょっと! 勝てる可能性が無いって、どういう事よ!?」

 

明命「───司馬仲達は分かりませんが、『筒井』は……『天城』様達と同じ………『天の御遣い』だからです!!!」

 

『────────────!』

 

「「───!」」  

 

沙和「そーなの! 忘れてたの!!」

 

真桜「間違いあらへん!! 天城はん方の御遣いとやりおうた時、面識あるような事、いってはったんや!!」

 

星「そうだったな。 私と周泰殿の二人で共闘しても勝てない奴だ。そうなると、司馬仲達の鬼才振りも……『天の御遣い』なら……筋が通る!! 」

 

華琳「───分かったわ! これは、私の矜持なんかより、遥かに重要な事。 この曹孟徳! 一時、孫策の客将に加えさせてもらう!!

 

だが、周泰!! この話……貴女個人の考えでしょう? 周瑜なら、まだ手の込んだ策を使ってくるわよ?」

 

明命「うぅ~~、なんとか説得してみせますぅ!!」

 

朱里「なら、私が付いていきましょう!」

 

華琳「では、二人で孫策達の説得をお願い!! 私達は汝南に進行するわ!!」

 

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ーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

今回の話は、都合の言いように進んで、このようになります。

 

結局は、同盟を組んで───「赤壁の戦い」に向かう予定です。

 

本来なら、これで終わりですが、『北郷一刀の裁きを!』とのお声をいただき、何進将軍からの要請事もあったので、行いたいと思います。

 

 

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【 一刀への裁き の件 】

 

〖 幕外 とある一室 にて 〗

 

風「えっ~、紳士淑女の皆様~ようこそ『北郷のお兄さん弄りの会』にお集まりいただき…………ぐぅ~」

 

稟「寝るなぁ! 『おぉぉ!!』 ……違うでしょう! 何進将軍の命により、北郷一刀に裁きを下すという要旨の刑場ですよ!」

 

集まったのは、白い着物を羽織った華琳と配下の皆様。

 

そして、部屋の中心にある寝台には、北郷一刀が大の字で縛られていた。 服……は、下着一枚。

 

一刀「おいっ! 何だよ! これはぁ!!」

 

風「まだ、分かりませんか~? お兄さんに、もて遊ばれた女心の仇を討つためですよー!」

 

稟「えーと、例えば、華琳殿と愛紗殿との賭け事を裏で手を廻して無効にさせたとか……その事で麗羽殿に恩があると言って過剰な命乞いしたり……と、いろいろ来ています!」

 

一刀「だって、借りを受ければ返さないといけないって……」

 

稟「一刀殿の優しさは認めますが、自己中心的なんですよ。 貴方の周りの人を救いたいと言うのは…嬉しいですけど、救うのでしたら、駄目もとでも、他の人に実行しなければいけないんです! 」

 

風「それに、天の御遣いを……また噂されていい気になってますねー!? それに~風も、偶には北郷のお兄さんを……弄りたいのです~!」モジモジ

 

一刀「いくら可愛く言っても、最後は風様の欲望ですよね!? 」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

稟「……さて、ここで特別に御招待した方を紹介します! ───どうぞ!」

 

─────スッ!

 

久秀「皆様、初めまして。 『司馬仲達』こと、松永久秀と申します、以後お見知りおきを───」ペコリ

 

『なっ───────────!』

 

稟「ここは、本作の物語と離れた『異伝』になります。 

 

それですので、素晴らしい調教の手腕をお持ちと聞く『松永久秀』様においでいただきました。

 

しかし、影響は、本作に被らない程度に繋がります。 それでは『刑罰』について説明しましょう!」

 

風「単純に言えば、『お兄さんと同衾しろ!』です。 ……本当にお兄さんの横に寝て貰うだけですよ? ですけど、それだけでは北郷のお兄さんへのご褒美になるので~。 

 

罰としまして………『一物』を反応させてはいけませ~ん!! 」

 

一刀「一応、一応聞きたい! ……もし、反応すると………?」

 

久秀「……あんまり反応すると……久秀が『去勢』のお手伝いをしてあげるのよ? 楽しみでしょう………クスクス!」

 

一刀「────────!!!!」

 

久秀「牛馬と同じように……『一物』を持って捻り千切ってあげる方がいい? それとも、直接潰した方がいいかしら?」

 

一刀「何それ!! 刑罰確定済み、百㌫の負け戦は!!」

 

稟「では、華琳殿と愛紗殿! 左右に入って準備をお願いします! 私達は、周りでジックリと見守らせていただきます…うっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

桃香「大変! 鼻血が出てる! 拭かないと!!」

 

星「風、稟が吹いたぞ!! …さて、私はどう攻めるとしようか?」

 

朱里「(この様子、しっかり目に焼き付けようね!!)」

 

雛里「(でも───次は、私達の番だよ!?)」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

一刀「話を聞け──────!!」

 

ギシギシ ギシギシ 

 

トスン! トス!

 

華琳「そう……! あの時は一刀のせいなの?!」

 

サワサワ (一刀の胸を触りまくる華琳!)

 

愛紗「ご……ご主人様! あ、ありが……とうございます…」

 

ギュウ~!(負けずと、一刀を抱きしめる愛紗!)

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

桂花「う、羨ましい──!!」

 

春蘭「ま、まぁ……私は、同衾ぐらい…平気だぞ! 秋蘭」

 

秋蘭「姉者………そっちは柱だ!」

 

真桜「役得やな……」ニヤッ

 

沙和「そうなの!!」ニコッ

 

季衣「う~ん、眠いよぉ~」

 

鈴々「(-_-)zzz」

 

流琉「ドキドキ! ドキドキ!」

 

麗羽「それでも……わたくしは………!」

 

斗詩「北郷さん…………」

 

猪々子「まぁ~、アニキだからしょうがねぇかぁ───!!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

二人のそれぞれ趣が違う体型、香り、声が、一刀の欲望を刺激する。

 

一刀「ダメだ! ふ、二人が横に寝られると───!」

 

──────!

 

久秀「あらっ? もう反応があったようね? 仕方が無い屑だ事。 なら、試しに踏んでみよう──かなっ!!」

 

ドン!!  グニィ~!

 

一刀「ギャアアァァァ─────────!!!」

 

久秀「へぇ~? 結構いい声で鳴くじゃない。 このまま、久秀が調教すれば……颯馬を超える玩具になるかも?」

 

風「それは駄目駄目ですよ~! 北郷のお兄さんは、風専用の玩具ですから~!!!」

 

一刀「どちらにしても、嫌だ──────!!」

 

久秀「五月蝿い!!」 グリィグリィ~!

 

一刀「あぁ─────────っ!!」

 

…………………………………………

 

この催しは、一晩中続けられた事は、言うまでもない。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

作者の文才では、こんなところですかね。

 

次回も、宜しければ読んで下さい!!

 


 
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