No.685846

真・恋姫†無双 想伝 ~魏†残想~ 其ノ二十八


秋蘭「今回の話に姉者は出てくるのか?」
作者「いやちょっと分かんな――(トスッ)」

返事が無い。ただの屍のようだ。

2014-05-11 13:46:18 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:6751   閲覧ユーザー数:5170

 

 

 

【 兗州ノ弐 】

 

 

 

 

 

 

「傭兵、だと?」

 

 

王肱は半信半疑といった表情で一刀を睨みつけた。

 

一刀は内心、それに苦笑する。

自分よりも一回り以上年下であろう若造が傭兵。しかもその長だと言うのだ。実際、奇妙に思わない方がおかしい。

 

 

「はい。とはいえ未だ我らは駆け出しなので、名は愚か実績もあまり残せてはいない状態にあります。どうしたものかと思っていたところ、夏侯淵殿に声を掛けて頂いた次第でして」

 

「……夏侯淵からはどのような話を聞いている?」

 

 

王肱の眼がスッと細まる。

こちらを量っている眼だと一刀は直感した。

 

 

「『黒山賊』なる者達が王肱殿の統治するここ、陳留を脅かしていると聞き及んでいますが」

 

「ふん。まあ、間違ってはいないが。正解でもない」

 

「と、言うと?」

 

「私が『黒山賊』などという少数の賊を相手にすると思うか? くだらん! 私が相手にしなければならない敵、忌々しい敵はあの黄色い賊共よ!」

 

 

苛立たしげに椅子の肘掛けに拳を振り下ろす王肱。

それによって起こった軽い振動に、玉座の間にいる王肱の部下数人が身を震わせる。

 

数百いる賊のことを少数と言い切る辺り、王肱は本気で黒山賊のことを相手にしていないらしかった。

 

 

「黄色い賊と言うと……黄巾党のことですか」

 

「奴等は千単位の大軍で攻め寄せてくる。それを相手にしているような状況だぞ? 『黒山賊』など相手にしていられんのだ!」

 

「前の大軍と後ろの少数。普通なら、ちゃっちゃと少数の後ろを叩いて、後顧の憂い無く前の大軍を相手取るんじゃないかなあ」

 

「貴様――」

 

 

楓の独り言のようで独り言では無い言葉。

明らかに王肱に聞こえるように口にされたそれは、彼の神経を逆撫でしたらしい。

 

王肱は名も知らない女に怒声を浴びせようとした。が、しかし。

 

 

「公達。少し静かにしていろ」

 

 

一刀の制止する声に、出鼻を挫かれる。

行き場の無くなった怒りを抑え込むかのように、握ったままの拳を肘掛けに下ろした。

 

 

「はーい」

 

 

その間に楓は気の無い返事をし、一応の了解をしていた。

一刀は楓に向けていた顔を改めて王肱に向ける。そして頭を下げた。

 

 

「申し訳ありません、王肱殿。部下が失礼を」

 

「……貴様の後ろに控えているその二人は何者だ?」

 

 

不機嫌に拍車が掛かった王肱が一刀に尋ねる。

 

 

「そういえば、紹介をしていませんでしたか」

 

 

言われて初めて気付いた、という演技をしつつ一刀は心の中で嘆息した。

“傭兵隊”という偽りの身分で行動するのだから、名は多く知られない方が良いに決まっている。

 

軍師のお前がやらかしてどうすんだよ、と一刀は視線だけで抗議するが、楓はそれに対して悪戯っ子のようにチラッと下を出して誤魔化す。結果として、再び一刀は溜息を吐く羽目になった。

 

とはいえ、考えなしに口にしたわけでもないのだろう。

腐っても軍師。一刀だけでは無く、華琳や他の皆も楓の実力は認めている。

 

楓の発言に何らかの意図があることを祈りながら、一刀は二人の紹介を始める。

 

 

「後ろに控えるは、我が傭兵隊の副長、吉利。そして我が傭兵隊の参謀、公達。どちらも我が傭兵隊に欠かせない者です」

 

 

無論、紹介と言えど必要最低限のこと以外は口にしないが。

 

 

「どうもー。ご紹介に上がりました参謀、公達でーす」

 

「傭兵隊が副長、吉利と申します」

 

 

片や、気の抜けた軽い挨拶。

片や、これ以上言うことは無いと示しているような固い挨拶。

 

楓と華琳。種類の違う二人はそれぞれの思惑を持って、挨拶と共に軽く頭を下げた。

 

 

「き、貴様は……」

 

「……? どうかされましたか、王肱殿」

 

 

楓と華琳から外した視線を王肱へと戻した一刀は、耳に届いた呻きに近い声と王肱の妙な表情に眉根を寄せる。その視線を追えば、その先には華琳の姿。気付けば考えるより先に口が動いていた。どうかしたか、と。

 

 

「い、いや。……何も無い。余計な気を回すでないわ」

 

「これは失礼を」

 

 

気にはなったが、王肱がその反応を見せた理由が分からない以上、どうすることも出来なかった。

 

 

「ふん。傭兵隊、か。また胡散臭い連中を連れて来たものよ」

 

 

明らかに何も無いわけはない王肱の態度。

複雑としか表現できないような表情のまま、王肱は話をずらした。

 

その発言の矛先は夏侯淵。

彼女は硬い表情のまま、それを黙って受ける。何も言わずに。

 

気に入らない、とでも言うように鼻を鳴らした王肱は一刀に視線を移す。

 

 

「まあ、よい。先刻言った通り、私は黄巾党の相手で忙しいのでな。黒山賊などという得体の知れない賊共には構っていられん」

 

「では?」

 

「貴様ら傭兵がどれほどのものか、見せてもらおうではないか」

 

 

直接的な言葉にせず、依頼するとも明言せず、傭兵隊の救援を受けるとも口にしない。

だがその尊大な言葉が表す内容は明白。黒山賊退治を認めてもらったというだけで十分な結果だと判断した一刀は心の中で笑んだ。

 

 

「分かりました。では一番肝心な、報酬の件は?」

 

「……なに?」

 

 

俄かに王肱の表情が歪む。

こうなると予測していたとはいえ、面倒だなと頬を掻く。

 

 

「小規模な傭兵隊とはいえこの世の中、何かと物入りですから。それともまさか、太守殿ともあろうお方が傭兵隊を無償で雇うおつもりだと?」

 

「ぬう……何が望みだ」

 

 

忌々しげに呻き、やがて絞り出すように王肱はそう尋ねた。

太守殿ともあろうお方が、という一言がどうやら案外刺さったらしい。

 

しかし無暗に怒りださないことには感心した。

その小指の先程度の自制心に敬意を表しつつ一刀は話を続ける。

 

 

「取り敢えずは少々の金銭を。一日か二日食い繋げるだけの金額で構いません。あとの報酬はまあ、この仕事の結果に付いてきますので王肱殿が気にするほどの事では」

 

「ふん、気に入らん言い回しだな。言え」

 

 

だろうな、と一刀は心の中で一人呟く。

こういう類の人間は、相手に舐められることや話をぼかされることに不快感を表すものだ。それを格下だと思っているなら尚のこと。

 

特に隠す必要性も無く、王肱という人間を量るための言い回しだったので、別段気にすることも無く一刀は口にした。

 

 

「無論、駆け出しの傭兵が欲しがるものと言ったら、名声ですよ」

 

 

虚構の傭兵隊にとって、一番必要のないものを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーあ。息が詰まった謁見だったねえ。あの王肱って太守さんも正直、鬱陶しかったし」

 

 

グーッと伸びをし、大きく息を吐く楓。

陳留太守、王肱との謁見を終えた二人は城の外へと出て来ていた。

 

城の外と言っても楓と華琳がいるのは城門の前なので、門を警備している王肱旗下の兵には聞かれているのだが、楓はその程度のこと気にしないらしい。

 

 

「謁見の時もそうだったけど、貴女はもう少し時と場合を考えて発言しなさい」

 

 

華琳はそう言って溜息を吐く。

 

 

「う~ん。私としては考えて発言しているつもりなんだけどな」

 

「それなら、必要以上のことは言わないようにしなさい。貴女が考えて発言しているのはちゃんと知っているわ」

 

「あ、そういう意味だったの?」

 

「分かっているくせに。相手を敢えて怒らせて出方を見る――貴女も大概、狸ね」

 

「ここの太守さんは狸と呼ぶにはちょっと足りないけどねー」

 

 

過激と言えば過激な発言。

どうやら根本には何か同じものを持っているらしい二人は顔を見合わせてニヤリと、不敵に笑んだ。

 

 

「腹の底が丸見えね。本人は私達を利用できると思ってほくそ笑んでいたようだけれど」

 

「あんなのが太守じゃ部下の人達も可哀想ってもんだよ、うん。北郷君ぐらいが丁度いいよね、やっぱり」

 

「一刀も大分特殊だと思うけれど。まあ、同感よ」

 

「サボってても怒られないからねー」

 

「……聞き捨てならないわね、楓。一刀が怒らないのならそれはそれでいいわ。代わりに私がお説教するから」

 

 

言葉と共に、華琳の表情に凄みが加わる。ついでにその拳に力も加わる。

 

この場合、お説教という言葉の後ろには(物理)と付けるべきなのだろう。

 

危険な空気感を悟った楓は顔を引き攣らせて後退る。

口では勝てても、流石に暴力では適わない。もっとも、楓としては割と口でも勝てない気がしている今日この頃ではあったのだが。

 

 

「ま、まあ落ち着こうよ、華琳。ね?」

 

「なら大人しくしなさい、楓。多分痛くしないから」

 

「それ痛くするって言ってるようなものじゃないかなあ! しかも華琳の場合、なにされるか予測がつかないからより怖いし!」

 

「あらそう? 焔耶なんかは喜んで受けてくれるのだけれど」

 

「その時点で絶対受けちゃいけない何かだってことが想像できたよありがとう!!」

 

 

半ばヤケクソ気味にそう言い、徐々に後ろに前進していく。そこで軍師、荀攸は気付いた。

華琳という人間の暴挙をほぼ確実に止められる存在のことを。今までなぜ失念していたのかと内心で舌打ちをした。

 

だがまだ遅くは無い。

その切り札は、切った時点で効果が発動するようなものだ。

 

不敵に笑い、楓はその切り札の名を呼ぶ。

 

 

「北郷君っ!! 華琳が――あれ?」

 

 

そして気付いた。

その切り札。北郷一刀の姿が見えないことに。

 

 

「きょろきょろと何を探しているのかしら?」

 

 

掛けられる華琳の、妙に機嫌の良い声。

あらぬ方向を見ていた楓はギシギシという音がするような緩慢な動作で顔を華琳へと向けた。

 

 

「ねえ華琳。ひとつ聞いていいかな」

 

「どうぞ?」

 

「北郷君は?」

 

「さっき、忘れ物をしたとかで城の中に戻ったわよ」

 

「聞いてない!」

 

「ええ、言ってないもの。貴女には」

 

 

“貴女には”の部分を強調し、何故か誇らしげに胸を張る華琳。

切り札が不在と分かった楓は軽く半泣きの状態。だが一矢でも報いようと、得意げにしている華琳に人差し指を勢いよく突き付けた。そして

 

 

 

 

 

 

 

「この無い乳ぃ!!」

 

 

 

 

 

 

その混乱した思考はピンポイントに、最低最悪のNGワードを引き当てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん。それで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

だが華琳の表情は変わらなかった。むしろ涼しげである。

 

 

「え? なんとも思わないの?」

 

 

一周回って少しだけ冷静になった頭で尋ねた楓に対し、先ほどよりも数倍のドヤ顔で華琳は言い放つ。

 

 

「ええ、別に。だって大きくしてもらっているもの」

 

「……」

 

 

楓は一瞬、言葉の意味が分からなかった。

やがて『ああ、なるほど』と言う風にポンと手を叩く。

 

 

「無敵っ!?」

 

 

そしてその表情は大きな声と共に驚愕に彩られた。

 

 

「でも、怒るか怒らないかの話は別よ?」

 

「え?」

 

 

本能が危険信号を発した結果か、楓は疑問符を浮かべた瞬間に自分が冷や汗を掻き始めたことを自覚した。まあ、というか単純に。

 

 

「さあ楓。もうお説教じゃ生温いわね。お仕置きといきましょうか」

 

 

相対する艶やかな黒髪の女性(無い乳(現在成長中))が両手に剣を携えていた。

 

 

「なんで剣抜いたのっ!?」

 

「お仕置きよ」

 

「それお仕置きじゃないから! もう事件だから! 街の人達に迷惑だし、下手すると警備兵に捕まるよ!」

 

「大丈夫よ。私の標的は貴女だけ」

 

「そういう問題じゃな気がするんだけどっ!?」

 

 

戦々恐々としながら、ツッコミと言う名の虚勢を張りつつ楓は必死に距離を取ろうと後退る。

だが華琳が自分に向かって一歩を踏み出したのを見た時点でそんな虚勢は脆くも崩壊した。

 

 

「三十六計逃げるに如かずっ!!」

 

 

捨て台詞?を残して脱兎の如く逃げる楓。

そんな楓を微笑ましげに眺めながら、剣を握る手に力を込めてゆっくりと華琳は走り出す。

 

実は結構、怒っていた。そしてお約束。

 

 

(……それにしても、一刀は何を忘れたのかしらね。忘れ物をするような要素は無かったと思うけれど)

 

 

怒りを感じているのとは別のところで考えているのは、やはり最愛の相手の事だった。

 

 

 

 

 

 

陳留城内。

あまり手入れの行き届いていない庭に面した廊下を三人の人間が歩いていた。

 

 

『王肱様。よろしかったのですか?』

 

 

謁見の間にて王肱の傍に着いていた中年の男が王肱に尋ねた。王肱は歩みを止めることなく肩越しに振り向く。

 

 

「ふん、どういう意味だ?」

 

『いえ……あのような得体の知れぬ傭兵に、領内で行動する許可を与えても大丈夫かと、その』

 

「分かっておらんな、貴様は」

 

『は?』

 

 

ビクビクしながら意見を口にした男を王肱は鼻で笑う。

そしてその顔に浮かんだのは、謁見の間では見せなかった下卑た表情。

 

醜悪な、してやったりという表情だった。

 

 

「得体の知れぬ傭兵だろうが、利用できるものは利用するべきだろう? 貴様は奴等を警戒しているようだが、百程の手勢で何が出来る。せいぜい黒山賊の相手程度だ。奴等が黒山賊討伐の為に派兵している兵達と合流し、見事に黒山賊を討伐できれば報奨は与える。もっとも、その名声は私のものだがな」

 

『と、言いますと?』

 

「ここまで話しても分からんか。傭兵などがいくら名声を挙げようとたかが知れている。傭兵が口にした言葉と郡太守が口にした言葉。世がどちらを信じるかなど分かりきっていることだろう」

 

『つ、つまり……奴等が勝とうと負けようと関係ない、と?』

 

 

男の言葉に王肱の邪悪な笑みが濃くなった。

 

 

「そういうことだ。もし奴等が黒山賊討伐に失敗すればそれでも構わんのだよ。その場合、私が傭兵を雇ったなどという事実は消えてなくなるだけだ」

 

『そして報奨も与えずに済む、と』

 

「どうだ? 中々に愉快な話ではないか」

 

 

更に笑みが濃くなり、小さいが笑い声さえ零れ始める。

王肱は自分の考えに酔っていた。傭兵を利用し、事態を容易く進めて行けるという考えに。

 

 

「……王肱様」

 

 

機嫌良く笑っていた王肱に、やはり背後から声が掛けられる。

声の主は水色の髪をした少女、夏侯淵。夏侯淵は、王肱とその腹心の男から少し離れた位置を歩いていた。

 

 

「なんだ夏侯淵」

 

 

その呼び掛けに、王肱の笑い声が止まった。

一転、機嫌の良かった表情が不機嫌に彩られる。

 

 

「お忘れですか。今回の援軍要請の件、使える者達を連れて来たのなら褒美を取らせると」

 

 

躊躇しつつも夏侯淵は自分の中で最も重要なことを口にした。

 

 

『貴様、一兵士の分際で王肱様に――!!』

 

「ふん、まあ待て」

 

 

声を荒げかけた男を王肱が制す。

無論それは親切心やそういった類の意図から出た言葉では無い。

 

ニヤニヤという、嫌悪感すら感じさせる笑みがその証拠だろう。

 

 

「褒美か。何が欲しい」

 

「……分かっている筈ですが」

 

「くく、そうであったな。貴様の望みはそれだけだったな」

 

 

夏侯淵の眉間に皺が寄る。

今まで幾度となく交わされてきたやり取り。結果はいつも同じだった。

 

 

「だが、まだ足りんな。まあ、いつかは叶えてやろう。貴様の望み――夏候家を再興することをな」

 

 

そう。これがいつも通りの王肱という太守の答え。いつかはと言って、煙に巻く。

 

 

(……私はいつまで、これを続けるのだろうな)

 

 

自嘲気味に笑い、卑屈に嘆く。自分が情けなかった。

 

 

「夏侯淵殿」

 

 

唐突に掛けられた声に振り向く。

そこには城内の廊下を、まるで自分が住んでいる場所であるかのように自然に歩いてくる一刀殿の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

「何をしに来た。貴様との謁見は終わったはずだろう」

 

 

あくまでも尊大に、王肱は対応する。

雇った者と雇われた者というよりも、ただ単純に太守と傭兵という立場の違いから来る尊大さだろう。

 

そんな尊大さからくる圧力など全力で無視し、一刀は夏侯淵の隣に着く。

 

 

「いえ、少し尋ね忘れていたことがありまして」

 

「……ふん、黄巾党の相手で忙しいのだがな。まあいい。言ってみろ」

 

 

王肱は不機嫌な素振りを見せながらも先を促した。

気が変わらない内に、と一刀は早速用件を伝える為に口を開く。

 

 

「単純な話です。我ら傭兵隊は先ほどの謁見で領内を自由に動く許可を得ました。無論、我らの仕事は黒山賊の討伐ですので、それ以外の地域に行くつもりはありませんが。とはいえ監視もつけずに動かすのは些か不用心では、と」

 

「……貴様は自分の言っていることが分かっているのか?」

 

 

あまりに不可解。理解できないその行動に、王肱は眉根を寄せた。

 

単純に、一刀はこう言ったのだ。

『何をしでかすか分からない我らに監視を着けなくてよろしいのですか?』と。

 

 

「無論、分かっていますよ。しかし駆け出しとはいえ我らは傭兵。仕事の良し悪しを量る意味でも、監視役ならぬ監査役は必要と思っただけですが……何か不都合でも?」

 

 

筋は通っている。だがそれは本来、雇われた側が言うことでは無い。

王肱はそれについて悩み始め――ものの数秒で止めた。考えたところで自分にとっては何の得にもならないと判断したからだった。

 

 

「ふん、そうだな。ならばそこの夏侯淵を連れて行くがいい。監視役程度にはちょうど良かろう」

 

「了解しました。では、夏侯淵殿」

 

 

目配せをし、一刀は夏侯淵の手を取る。もうここに用は無い。面倒なことを言われる前に王肱の前から退出しようとし

 

 

「待て」

 

 

その王肱に呼び止められた。

 

気付かれないように小さく嘆息し、一刀は嫌々ながらも振り向いた。もちろん、振り向いた時点で余所行きの表情を作って。

 

 

「何か」

 

「あの吉利という女、私に任せる気は無いか?」

「お断りします。夏侯淵殿、行きましょう」

 

 

即答。その答えには何の躊躇いも無い。

ただ、普段から北郷一刀という青年を知っている人間がここにいたなら身を震わせたかもしれない。

 

それほど、拒否の言葉を口にした一刀の声色は冷え切っていた。

おそらく誰も。華琳ですら見たことの無い『北郷一刀』だっただろう。

 

 

返事と同時に身を翻し、夏侯淵を伴って歩き出したため、一刀は見なかった。醜悪に歪められた王肱の顔を。その奇妙な反応を。

 

 

 

 

 

 

 

 

『よ、よろしかったのですか?』

 

 

一刀と夏侯淵が去った城内の廊下。

王肱の部下である中年の男は遠慮がちにそう聞いた。

 

 

「……ふん」

 

 

少しの間があり、王肱は気に食わないと言った風に鼻を鳴らす。

 

 

「構わん。私を誰だと思っているんだ? 貴様は」

 

『陳留太守、王肱様です』

 

「そう、その通りだ。太守である私があのような傭兵程度、まともに相手をすると思っているのか」

 

『で、ですが夏侯淵は相変わらず王肱様の沙汰に不満を持っている様子でした。あの傭兵達と共謀して乱でも起こしかねません』

 

「出来んさ。あの傭兵達の規模はたかが百程度。私の有する三千強の軍勢に太刀打ちは出来ん。それに、夏侯淵はそんなこと考えんだろう」

 

『何故です?』

 

 

王肱は醜悪な顔でニィと笑う。

 

 

「私が陳留という地の太守である限り、奴は反乱を企てることは出来んさ。無論、奴の姉も同様にな。あの馬鹿な姉妹はこの地、陳留で家を再興することにこだわっている。何故かは知らんし、考える必要も無い。だが、それ故に利用できるのなら、利用しない手はないだろう?」

 

 

王肱は先刻と同じようなことを言い、忍び笑いを漏らした。その笑みは悪意に満ちていた。

 

自分に向けられているものでは無いとはいえ、男は身を襲った寒気に身震いする。

その寒気によって頭でも冷えたのか、男はふと思い出す。自身の仕える太守、王肱が言っていた珍しい台詞を。

 

 

『それにしても王肱様。その、一体どういう意図であのような質問を?』

 

「何の話だ?」

 

 

つまらなさそうな表情で王肱は問い返す。

 

 

『いえその、謁見の間であの男の後ろに控えていた――』

 

「ああ、吉利という女のことか。それがどうした」

 

 

これもまた珍しいと思うと同時に、一瞬聞き間違えではないかと男は自分の耳を疑った。

 

 

『は、はい。あのような者達の名を覚えていらっしゃるのが珍しいと思っただけなのですが……申し訳ありません』

 

「貴様、あの吉利という女を見てどう思った?」

 

『は?』

 

 

こちらの質問や謝罪を完全に無視した王肱の唐突な問い。男の口から、思わず疑問の声が出た。

 

 

「あの吉利という女のことだ。二度言わせるな」

 

『は、はっ! 申し訳ありません!』

 

「それで?」

 

『は……そうですね』

 

 

喉元に剣を突き付けられているような緊張感に冷や汗を掻きながら、男は吉利という女のことを思い出す。

 

艶やかな黒髪。整った顔立ち。凛とした佇まい。どれを取っても普通の女とは格が違う。

その隣に座していた自称参謀の女と比べて考えても一目瞭然。軍配が上がるのは吉利という女の方だろう。

 

だが

 

 

「正直言いまして、恐ろしさを感じました」

 

「ほう」

 

 

自分はあの女を受け付けられない。それが男の答えだった。

考え始め、思い出してしまったが故に口は止まることなくその理由を口にする。

 

 

「あの女の瞳……まるで血の色のように紅かった。それがあの艶やかな黒髪と妙に合い過ぎてる」

 

 

男が最も受け付け難いもの。それは吉利という女の瞳だった。

自分に向けられたわけでもなく、ましてや睨みつけられたわけでもない。もしかしたら光の加減だったのかもしれない。

 

だが、傍から見ていてもその美しく鮮やかすぎる紅い瞳は異様に映った。恐怖という感情の元、男は身震いする。

 

 

「俗物だな、貴様は」

 

「は――」

 

 

再び唐突な王肱の物言い。

何故そのようなことを言われたのか理解出来ず、男は呆けた声を上げた。

 

次いで、王肱が続ける言葉に驚くことになる。

 

 

 

 

「――あの血のように紅い瞳が美しいのではないか」

 

 

 

 

どこか恍惚とした表情で宙を見る王肱。その瞳には狂気が宿っているようにも見て取れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いわよ、か――どうかしたの?」

 

 

陳留の街から少し離れた場所。

李通の率いてきた百の手勢を背に華琳は戻ってきた一刀を迎え、同時に怪訝な表情を浮かべて尋ねた。

 

 

「なんでもないよ。ちょっとイラついてるだけだ」

 

「あなたがイラつくなんて相当の事ね。夏侯淵、何があったの?」

 

 

一刀の後ろに所在無さげに立つ夏侯淵へ当然のように尋ねる華琳。

ほんの一瞬驚いた表情をしたものの、夏侯淵は一刀と華琳を見比べ少し迷った末に心当たりを口にした。

 

 

「おそらく、王肱殿が口にしたことが原因かと」

 

「あの無能が口にしたこと?」

 

「わー。すっごい自然に無能って言ったね」

 

「無能は無能よ。それと楓、話の腰を折らないでくれる?」

 

「あはは、ごめんごめん。ついツッコみたくなっちゃって。続きをどうぞどうぞ」

 

 

にははー、と猫のような笑い方をしながら楓はその場から退散する。

そんな楓を見て肩を竦めながらも、華琳は軽く顎をしゃくって夏侯淵に話の先を促した。

 

 

「『――私に任せる気は無いか』と」

 

「何?」

 

「その……『あの吉利という女、私に任せる気は無いか』と。王肱殿が」

 

「……へえ」

 

 

華琳の眼が細められ、同時に口元が薄い笑みを形作る。

だがそれは、その一連の流れによって生じた一刀の感情を想像出来た時点で、毒気を抜かれた表情へと変わった。

 

 

「つまり、一刀はその王肱の物言いが気に入らなかったから、イラついていたということ?」

 

「おそらくは」

 

 

何故だかソワソワし始めた華琳の態度を少し疑問に感じながらも、夏侯淵は律儀にそう答えた。

 

その答えを聞いた華琳は両腕を組んであらぬ方向に目を向ける。

 

 

「そ、そう。それなら仕方ないわね。うん」

 

 

どもりながらもそう言い切る華琳の頬は、ほんの少し紅色に染まっていた。

 

そしてそれを若干の遠目で見る影が数人。もちろん、会話は筒抜けだった。

 

 

「はあ……私も一刀さんにああいう風に想われてみたいものね」

 

「まあ、華琳は特別だろうな。お主もそれを知っているからこそ強硬手段に出ないのだろう?」

 

「そうだけれど……やっぱり悔しいは悔しいのよ?」

 

「分かっている。だからほぼ毎晩、愚痴を聞いてやっているのだろう。もっともその半分はお館様との惚気話だがな。そして無論、儂とて悔しい」

 

 

女の部分を表層化させながら、妙齢の女性二人は胸の内を露わにする。

しかし女でもあり、同時に精神的に大人でもある紫苑と桔梗はそれ以上のことは口にしない。

 

無論、胸中では虎視眈々と一刀のことを狙ってはいるのだが。

 

 

「さ、俺のイライラで無駄に時間を使うのは終わりだ。まずは李通、お疲れ様」

 

「勿体ないお言葉です、一刀様」

 

 

百の兵と共に合流した李通は一刀の労いを受け、いつもと変わらず優雅に礼をした。

 

 

「一刀様。陳留太守との謁見は滞り無く?」

 

「ああ、領内を自由に動く許可も得た」

 

「どうでもいい報酬の件も一応だけれど認めさせたわ」

 

 

どうでもいい、の部分を強調して華琳は言う。

 

 

「ま、あの様子だとこっちが黒山賊の討伐に成功したとしても約束を反故にしそうだけどねー」

 

「それはそれでいいさ。そもそも報酬が目的じゃないからな」

 

「相変わらずお館様は無欲ですな」

 

 

紫苑や他の将と共に傍へ寄ってきた桔梗が一刀の言葉を聞いて苦笑する。同じく苦笑しながらも、華琳は呆れた表情を浮かべていた。

 

 

「少しは欲深になってもいいと思うけれど。そんなことで王は務まらないわよ?」

 

「確かにお館は欲が深くないというか……望みが少ない感じはするな」

 

「華琳の言う通り、主はもう少し欲深になるべきだと思いますな。望みが少ない人生などつまらないでしょう」

 

 

華琳、魏延、星の順にそれぞれが一刀に一応の苦言を呈す。

とはいえ魏延に至ってはただの感想で、他二人は苦言と言ってもそれをどこか肯定している節があった。

 

 

「いえ、皆様。一刀様は十分欲深な方だと思いますよ」

 

「ええ、李通さんの言うとおりね」

 

「というか相当に欲深でしょ、北郷君」

 

 

そんな中で李通、紫苑、楓は前述の三人とは反対のことを口にする。

しかしこの三人もやはり、一刀が欲深であることを肯定している節が見受けられた。

 

欲深である。欲深でない。

相反するはずの二つの言葉。

 

ここにいる一同はある意味、その相反する二つを理解し肯定していた。

 

 

「……いや、言ってる意味が分かんないんだけど」

 

 

そしてやはり、この話題を理解できていないのは話の中心人物となっている筈の一刀だけだった。

 

 

「???」

 

 

ついでに言うと、年齢的に経験的にまだそれらを判断できる段階に居ない幼女もそうだった。

 

まるで親子のように同じ動きで首を傾げる一刀と璃々を見て、一同は暖かな微笑みを浮かべる。

その暖かな光景を眺めて最も幸せそうな笑みを浮かべていたのは、母親の紫苑であることは言うまでもない。

 

 

「おっと、あんまり時間を使ってられないんだった」

 

 

ふと、一刀は我に返る。

流石にずっとこうしているわけにもいかない。

 

ここ、陳留に雑談をしに来たわけではないのだから。

 

 

「夏侯淵。悪いけどまた先導を頼むよ」

 

「はい。任せて下さい。……あ、それと北郷殿」

 

「一刀――ああいや、殿は付けた方が良いのか立場上。一刀殿でいいよ。今の俺は傭兵隊の長の『一刀』だからな」

 

 

一刀は自分なりに考え、華琳からの無言の睨み(そこまで威力は無い)を受けつつ、そう口にする。

 

 

「分かりました。その、一刀殿」

 

「うん?」

 

 

軽く夏侯淵が頭を下げる。

 

 

「先ほどは、ありがとうございました」

 

 

唐突な謝辞。

先ほど、という言葉が何を指しているのか分からない一刀ではあったが、それを指摘して水を挿すのも無粋だろう。

 

 

「ああ、気にしないでくれ」

 

 

当り障り無くそう返した一刀の答えに満足したのか、夏侯淵はもう一度だけ軽く頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一人でいるところに。

一人だと思っているところに。

一人ではどうしようもないと打ちひしがれているところに。

 

駆けつけてくれる人がいるのは、どれだけ嬉しいことだろう。

 

名を呼ばれ、手を取られた。

 

たったそれだけのことで、どれだけの安心が身を包んだだろう。

 

そして。

 

手を取られ、引かれていく間。

その手の感触を知っているような気がして。何故だか無性に寂しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「しゅ――夏侯淵?」

 

 

意識の外からの呼び掛け。

自分の思考の内側に入り過ぎていた夏侯淵はビクッと肩を震わせる。

 

左隣を向くと、緋色の瞳が彼女を見つめていた。

 

 

「……吉利殿」

 

「どうかした? 呆けていたようだけど」

 

「いえ、大丈夫です」

 

 

本当に大丈夫なのか、と自分に問い掛けたくなりながらも先に言葉が口を突いて出た。

 

 

「そう、ならいいわ」

 

 

華琳は素っ気ない言葉で会話を締め、それ以上は何も口にしない。

夏侯淵の眼から見て、その様子は努めてそうしているように見て取れた。

 

陳留の街から数刻程度。

途中、小さな山を登りながら一行は徐々に目的地へと近づいていた。

 

周囲を覆う木々。

申し訳程度に開発された道を、雑談を交えながら一行は進んでいく。華琳と夏侯淵は並んで、その先頭を歩いていた。

 

 

「吉利殿」

 

「なに?」

 

 

やはり素っ気ない返事。

しかしそれは冷たさを感じさせないものだった。むしろ声色からは慈しみのような感情を想起させる。

 

そのチグハグ感が可笑しくて、夏侯淵の心は少し和らいだ。

 

 

「ずっと気になっていたのですが、一刀殿は何故この援軍要請を受けてくれたのでしょうか」

 

「本人に聞いた方が早いわよ、そういうの。と言っても、聞きにくいのかしらね」

 

 

華琳はそう言って自分の中で疑問を自己完結させる。

殆んど変わらない。しかし確実に変わっていく同じような景色を眺めながら、華琳は自分の想像を口にする。

 

 

「前の一刀なら単純に『夏侯淵という少女が困っているから』だったでしょうね」

 

「そんな理由で、ですか?」

 

「それ、一刀の前で言ったら怒られるわよ」

 

 

夏侯淵の驚いた反応を見つつ、華琳はそれを窘めた。

 

 

「でも今回に関しては、そうね。陳留の現状を一度見ておきたかったから、かもしれないわ。もちろん、貴女を助けたいという理由もあったでしょうけれど」

 

「……それはどういう?」

 

 

華琳の言葉の意味が分からず、夏侯淵の表情は疑問に彩られる。

この言葉――理由の意図はおそらく一刀と華琳にしか分からないことだろう。

 

話を聞いた結果、ある程度のことを『知識』として知っている紫苑でもその感情までは共有できないのだから。

 

 

「色々あるのよ。私と一刀には」

 

「な、なるほど」

 

 

分かったような分からなかったような。

少なくとも肝心な理由については話をはぐらかされたような気がして、夏侯淵の疑問は晴れないままだった。

 

 

「そろそろかしら、夏侯淵」

 

「え? 確かに黒山賊討伐隊の拠点となっている村はもう見えてくる頃ですが……」

 

 

新たな疑問。視線と共に投げ掛けられた問い。何故、村の場所を知っているのか。

 

華琳はその視線を受けてクスリと笑った。

 

 

「案外、時を経ても覚えているものね」

 

「え?」

 

「なんでもないわ」

 

 

殆んど聞き取れなかった小さい声。

何と言ったかを問い返すように、疑問の声を上げた夏侯淵を軽くいなして華琳は前方に見えた村を見据えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『待て貴様ら。何者だ』

 

 

そこに着くなり慇懃な声。

 

おそらく村の入口に当たる場所なのだろう。

討伐隊の拠点となっている村らしく、律儀にも門兵が立っていた。

 

夏侯淵が一歩前に出る。

 

 

「王肱様の命により、黒山賊討伐隊と合流しに来た。夏候惇隊長は?」

 

『ん? ……ああ、貴様。あの女の妹か。なら、その後ろに連れているのは話があった援軍か。まったく何をやってたんだか。遅いにもほどがあるだろ』

 

 

どうやら面識とまでは行かなくとも門兵は夏侯淵のことを知っていたらしく一応の納得を見せる。

しかし後半に続いた言葉はただの悪態。後ろに控える一行はもちろん、夏侯淵の隣に立つ華琳の眼がスッと細まった。

 

 

『い、いや……その』

 

 

流石に門兵もそれに気付いたのか、顔を引き攣らせながら弁解ないし誤魔化しの言葉を探し始める。

 

 

――と、そこに。

 

 

 

「どうした。なにかあったか?」

 

 

凛とした、意志の強そうな声が掛けられた。

 

背後から掛けられた声に安堵の表情を浮かべつつも、舌打ちをする門兵。そのまま無言でその場から立ち去っていった。

 

声の主はそれを一瞥し、次いで夏侯淵を含めた一行に目を向ける。

まずは呆気に取られた表情に。そして一気にその表情がくしゃっ、と歪んだ。わりと半泣きに近い表情になった。

 

 

「しゅ、しゅうらぁぁぁぁぁんんんん!!!!!!」

 

 

感極まった様子で夏侯淵に接近し、がばっ!と抱き着いた。

夏侯淵の後ろや横に立つ一行の姿など目に入らなかったかのように。

 

 

「あ、姉者! ちょ、苦し」

 

「やっと戻ったか!? 大丈夫だったか!? 道中怪我などしていないか!? 食事はちゃんと摂っていたのか!? ああもうとにかくしばらくぶりにお前の顔を見れて私は嬉しいぞ!!!」

 

 

怒涛の質問攻め。というかもうここまで行くと一方的な暴力に近しい何か。

最愛の妹が若干苦しそうにしていることにも気付かず、その背を嬉しそうにバンバンと叩いていた。というか頬擦りまでしていた。

 

一刀と華琳以外の一行はその突然の出来事にどうしていいか分からず呆気に取られていた。

心温まる姉妹のその光景を若干生暖かい眼で見つつ、一刀と華琳が胸中で呟いた言葉は一致していた。

 

 

(……ああ、拗らせてんなあ)

(……ああ、拗らせているわね)

 

 

夏侯淵が自分の姉だと口にしたその少女――夏候惇はそんな生暖かい眼や生暖かい感想のことなど露知らず、一本だけピンと伸びた所謂アホ毛を揺らしながら、最愛の妹が帰還したことへの喜びを体全体で表していたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 あとがき 】

 

 

 

どうもー、またもや時間が掛かってしまいました。申し訳ない。

とはいえ現状、自分の中では早めに書けた感覚だったり。他にもやること一杯だしね。

 

 

さて今回。クソ太守の王肱さん登場でした。

無能と言えば無能なのですが、一応今のところは黄巾党を押さえる程度の手腕は持っている模様ですね。

 

人を見る目が無い辺りがちょっと、と言う感じですが。

そして垣間見せた華琳への興味。これが今後どういう話に繋がっていくか。お楽しみにお待ちください。

 

最後の最後に出て来た我らが脳筋姉者。

取り敢えずファーストインプレッション(第一印象)はまあ、一刀と華琳の感想通りです。うん。

 

まだ脳筋なのかそうでないのか、それともそっちももっと拗らせているのか。その辺りは次で明らかになると思います。クソ太守コノヤローという不の感情を最後の最後で多少なりとも払拭していただければな、と思いました。

 

 

個人的にも物語的にもここ、陳留の地でのエピソードは大きな意味を持つと思っております。

だからこそやっつけでの書きはNGだと考えているので更新が遅れるかもしれませんがどうかご了承のほどをよろしくお願い致します。

 

 

 

 

*追伸*

 

 

 

 

あれ? まだ黄巾党編が終わってもいない。下手すると始まってもいない。

というか黄巾党壊滅的な何かの予兆が全く見えてこない。もうすぐ其ノ三十なのに(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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