No.685705 【獣機特警K-9ⅡG】復讐の華は咲く【戦闘】2014-05-11 00:51:34 投稿 / 全7ページ 総閲覧数:869 閲覧ユーザー数:830 |
オッター・ベイ市近郊、ジャガランディ港にある廃倉庫。
ここではブラッドファミリーが密造麻薬の積み出しを行っていた…。
「よぉし!全部積み込め!サツが来る前に終わらせるんだ!!」
スレイ・ブラッドの指示で、密造麻薬を次々に船に積み込んでいくギャングスターたちだったが…。
「ぎゃあ!」
「ぐわーっ!!」
突然の銃弾。ギャングスターは次々に倒れていく!
「ちくしょう!もうサツが嗅ぎつけて来たってのかぁ!?」
「おいスレイ!アレ見ろアレ!!」
モンド・ユーベルが指差した先には、黒服で身を固めた男たち…ヤグザの一団。
その奥に構えているのは和服姿のロボットだった。
「久しぶりだねぇスレイ・ブラッド。アンタを探していたよ。ずっとね」
「…スレイ、あいつ知ってる?」
「さぁ?知らねえな?どこの組のヤツだよ」
その様子を見た女性ロボットはあざけるように笑う。
「クックック…あんたらが知らなくてもアタシは知ってんだよ…」
「ケッ!とっとと消えな!このファミリーのジャマをするヤツは消すぜ?」
スレイが指を鳴らすと、サイボーグギャングが次々に出てきた。
「フン、面白い。やれるもんならやってみな…。アンタたちは下がってな」
「し、しかしお嬢!?」
「あんな三下、アタシ一人で十分さね」
女はカタナを引き抜くと、サイボーグギャングの一団めがけて突進する!!
「笑わせんな!テメー一人で何ができるってんだ…やっちめえ!!」
負けじとスレイは、サイボーグ部隊に指示を出す。
屈強なサイボーグギャングの両腕から、レーザーブレードが飛び出す。
「フン、笑わせてんのはどっちだい…破ぁっ!!」
どうしたことだろう。
女がカタナを一振りすると、あの屈強なサイボーグ部隊が一刀のもとに切り捨てられてしまったではないか!
「クソがぁ!こーなったらあたしと勝負してやろうじゃんか!!」
今度は痺れを切らしたモンドが、女に向かって飛び出す!!
「上等だね。あんたもあいつらと同じ目に遭わせてやろうか!?」
「へっ!スライスして溶鉱炉にでもぶち込んでやんよ!
モンドの電磁クローが女に襲い掛かる。しかし、女は返すカタナでしっかり受け止めた!
「な、なんだとぉぉ!?」
「地獄に落ちるのはアンタだ…引導渡してやる…!」
その闘いを見ていたスレイの脳裏に、ある人物の動きが重なった。
(あれは…流れるようなあいつの戦い方…武器こそクナイからカタナに持ち替えているが…間違いねえ…まさか!)
「さぁ、どっちが先に地獄に落ちるか、比べてやろうじゃないさ!」
「こ、このぉ…舐めやがってこのヤグザが…!!」
余裕の表情を見せる女に、苦戦するモンド。そこに、スレイの声が響いた!!
「待て、モンド!!」
「んだよー!?今いいとこだってのに!!」
「まぁ待て。そいつ只者じゃねえよ…ハッハッハ、よぉーーーやく思い出したぜ。姿こそ変わってるがテメー、あの時の生き残りか?」
「へぇ、ようやく思い出してくれたってワケかい」
女と対峙するスレイ。
「ああ、まさかテメーが生きてたとはねぇ。だがここに乗り込んできたのは間違いだったな。テメーもあのトラジとかいうヤツのトコに
と、言いかけたスレイの頬に、女は一発蹴りを入れた!!
「て、てめぇ…!!」
「あの世に行くのはアンタの方だ…トラジを殺し、ゴクセイカイを潰し、アタシに修羅の道を歩ませた…アンタは許しちゃおけない!」
「んだとぉ!?人をコケにしやがって!」
立ち上がるスレイに、女は声を張り上げて言い放つ!!
「ゴクセイカイ残党…時雨改め、氷雨・キクガオカ!アンタのお命貰いにきた!!覚悟しな!!」
「ざけんな!今度こそ葬り去ってやる!!」
氷雨とスレイがぶつかろうとした、まさにその刹那だった!!
「警察だ!ブラッドファミリー、麻薬密輸の現場おさえたぞ!!」
久遠・ココノエ率いるK-9隊が、事件の一報を聞きつけて現場に到着したのだ!
「チッ…K-9隊め、いつもいいときに現れやがる…おい氷雨!テメーとの決着はいずれつける!あばよ!!」
スレイとモンドは、煙幕弾を叩きつけるとどこへともなく去っていった。
「クソッ…待ちな!アンタはこのファンガルドの果てまで追い詰めてもアタシが葬ってやるからね!!」
と、逃げ去るスレイに食って掛かる氷雨。
「…そこの女。お前にも武器規正法違反と殺人の容疑がある。大人しく来て貰おうか?」
と、ジョナサン・ボーイングが銃を構える。
「抵抗するなら、こちらも実力行使にでざるを得ません。すぐに武装を解除し投降しなさい!」
と、イシスが続く。
「投降?フン、誰がアンタたちなんかに捕まってやるもんか!ズラかるよアンタたち!」
「へい、お嬢!!」
「あっ、待て!!」
「待てといわれて待つ馬鹿はいないんだよ!これでも食らっときな!!」
氷雨は着物の懐から爆弾を取り出すと、そのまま放り投げた。
「まずい!爆発するぞ!退避!総員退避ー!!」
クオンの指示で咄嗟に退避するK-9隊。
次の瞬間、爆弾は炸裂し、廃倉庫は跡形もなく消し飛んだ…。
「あいつ…一体ブラッドファミリーと…」
と、ジョニーが呟く。
「…あの女…氷雨はブラッドに恩人を殺されたからね、おそらくは復讐のために来たんだろう」
と、クオン。
「そんなのあたしらの知ったことじゃないっスよ隊長!ギャングもヤグザも潰しあったところで犯罪者に変わりなし!まとめてしょっぴいちゃえばよかったんス!!」
「でも、氷雨の顔…どこか悲しそうだったわ」
と、ミライとイシスが続く。
「氷雨…、あいつは一体…!!」
クオンは歯を食いしばりながら、海に沈む夕陽を睨み付けていた…。
夕日もすっかり沈み、闇夜の墓地。
「トラジ…あたしは約束したんだ。奴らを必ず潰すとね。約束した以上は、どんなに時間がかかったってやり遂げてやるんだ…見ていておくれ。アタシの…」
トラジの墓前で手を合わせ、復讐の決意を新たにする氷雨。
「お嬢、次の計画がありやす。そろそろ行きやしょうぜ」
「おっと、そうだったね…。トラジ、また来るからね…」
雲ひとつない夜空に浮かんだ星が、墓地を立ち去る獄星たちをかすかに照らしていた。
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進むも地獄戻るも地獄、氷雨の道は修羅の道。
それでも行けというのなら、迷わず行くがヤグザ道。
さぁブラッドファミリーよ、女の恨み節を聴け!
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