No.685461 真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第三十一話 復讐者リトナohatiyoさん 2014-05-10 09:19:33 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1177 閲覧ユーザー数:1159 |
管理局は、いや最高評議会は力を欲する
使えると思った者は何としても手に入れる、どれだけの犠牲を払おうとも…………
しかし、その犠牲となった者が管理局の闇を知り、反乱を起こす事も承知している
ならば反乱を起こさせなければいい……魔法が使えなければ、どうする事も出来ない
リトナは見事に最高評議会の罠に掛かってしまう
スカリエッティの罪を隠蔽する為、その事実を知る彼を表舞台から消す……それが最高評議会の考えだ
命を奪おうとしないのは、彼らなりの優しさか?
それとも、闇雲に命を奪うと世間から批判を食らう可能性がある為か?
どちらにしろ、リトナに下された判決は重いものだった
裁判官「判決を言い渡す!!! 非人道的悪質な犯罪を犯したリトナ・フェイゲールよ!! 貴様のリンカーコアを封印し、魔力を没収、及び管理外世界へと永久追放とする!」
リトナ「待ってください!!!! 私はそんなことをしていない!!!」
必死に弁明しようとするリトナだが、裁判長は聞く耳持たずだ
リトナはリンカーコアを封印する部屋へと連れて行かれそうになる
リトナ「聞いてくれ!! 私は第一発見者なだけだ!! 私は人体実験などしていない!!」
それでも大声で叫び、無実を証明しようとする
しかし、そんな事では無意味だ
流石のリトナも頭が混乱し、冷静に対応出来なかったのだろう
しかし、混乱しながらも彼は1つの可能性を考えた
リトナ「何故だ!!!! 何故、私が!!! まさか…………上層部の命令で?」
裁判官「っ!! 早く連れて行かぬか!!!」
リトナの発言を聞き、急に慌てだす裁判官
その時リトナは全てを理解する……裁判官は上層部から賄賂を貰い、自分を罪に問わせるつもりだと
では何故、自分に罪を着せるのか?
リトナ(私に罪を着せ、真犯人を……スカリエッティを庇う気なのか?)
リトナの想像はあながち間違いではない
リトナ(何故だ……正義の象徴である管理局が、何故このような事を!!)
リトナの心の中で、何かが壊れた
自分が信じていたものに裏切られ、心が真っ黒に塗り潰されるような感覚
リトナ(……これが絶望というやつか)
彼は茫然とするしかなかった
黙ってリンカーコアを封印する為の部屋に連れて行かれようとするが………
局員A「な!? 何者だ!?」
局員2人に連れられているリトナの前に謎の人物が立っている
?「悪いけど、彼を借りるわ」
この声を聞いた時、リトナはすぐに誰かわかった
何度も聞いた事がある声だからだ
局員B「曲者か!!!」
局員は謎の人物に挑むが、
?「少しだけ眠っていてちょうだい」
一撃で沈ませられる
そして、リトナの腕を掴み、走り去って行く
着いたのは何所かよくわからない場所だ
リトナ「…………どうして私を助けたのですか? クイントさん」
そう、謎の人物は変装しているクイントだった
顔を隠していても声までは誤魔化せない
クイント「決まっているでしょ、あなたが犯人じゃないって知ってるもの」
リトナ「そう言う事が聞きたいんじゃありません!! このことがバレれば、あなたも共同犯になってしまいますよ!!!」
クイント「別にいいわよ」
リトナ「なっ!?」
クイントの発言には驚かずには居られなかった
クイント「自分の部下を見捨てるなんて真似、私には出来ないわ」
リトナ「でも………でも!!」
リトナはその場で涙を流す
リトナ「私はどうすればいいのです………永久に逃げ続けろと言うのですか?」
クイントにそう問う、その答えを彼女が知っているとは思えない
しかし、聞かずにはいられなかった
八つ当たりに近い行動かもしれない
だが、クイントは優しい笑みを浮かべる
クイント「ゴメンね。今はリトナを助けられない。けど、約束する………真犯人を捕まえて、あなたの無実を証明する! 絶対よ!」
彼女らしい真っ直ぐな答えだ
リトナ「あなたは何も知らない………上層部がスカリエッティを庇っているのですよ? どうやって捕まえるんですか? 管理局と戦争するつもりですか? たった1人で!!!」
今の彼にはクイントの言葉には無性に腹が立った
まるで他人事のように言うからだ
助けて貰った彼が文句を言うのは筋違いだろう
しかし、今のリトナにはそんな事を考える余裕はなかった
クイント「リトナを助ける為に必要だったら、上層部とも戦う。絶対にあなたを救う。もう決めたから」
それでもクイントは自分を救うと言ってくれる
その言葉を信用する価値はない
だが、彼女の背中を追って来たリトナは、クイントならば可能かもしれないと思う
彼女は不可能を可能にしてしまうような人だと
リトナ「クイントさん…………」
彼女はリトナを優しく抱きしめる
クイント「辛い思いをさせてしまうわね。けど待っていて。必ず迎えに行く」
クイントの言葉の意味を察した リトナ
クイントが彼の無実を証明するまで、管理外世界に逃げろという事だ
実は此処はミッドで数少ない管理外世界へ向かう事が出来る場所なのだ
クイント「リトナが帰って来るまで、私はもっと強くなる。だからリトナも私の背中を守れるぐらい強くなってね!」
リトナ「はい……はい!!」
頷くしか出来なかった……クイントを信じて待つしか出来ない自分が恥ずかしかった
クイント「またね」
それがクイントの最後の言葉だ
そして、リトナは管理外世界へと旅立つ
リトナ(クイントさん、私はあなたを助けていた訳ではなく、助けられていたんですね)
心の底から彼女に感謝する リトナ
そして、彼は管理外世界で姿を隠しながら生活していた
決して管理局に悟られない様に…………
彼が管理局に捨てられてから早くも3年の月日が流れた
偶々彼は街角に張られていた新聞のようなものを目にした
リトナ「っ!?」
そこには信じられない事が書かれていた
地上の切り札ゼスト隊全滅
ゼスト・グランガイツ、メガーヌ・アルピーノ、クイント・ナカジマ殉職
リトナ「クイントさんが…………死んだ?」
リトナは何かの見間違いではないかと考え、その記事が書かれているページを何度も読み直す
そこには詳しく書かれていた…………スカリエッティのアジトに潜入し、殉職したと
リトナ「ジェイル・スカリエッティ…………」
その名だけは永久に忘れることはないだろう
自分を絶望の底に叩き落とした人物と言ってもいいからだ
前は自分を人生を……今度は恩人であるクイントが彼の存在によって死んでしまった
これほどまで受け入れがたい事実はないだろう
リトナ「クイントさん……」
涙が止まらなかった……クイントが殺されたのは自分の所為でもあると感じたからだ
彼は悟った………ただの殉職では無いことに
彼女は殺されたのだ…………管理局の闇に
リトナ「………これが、人のする事か?」
リトナの塗り潰された心は真っ赤に燃えだす…………そう、復讐と言う名の業火に
リトナ「許さん…………許さんぞ! 管理局!!!」
最早、管理局に正義などない……自分は管理局員になった瞬間から、悪の手先となっていたと理解する
リトナ「滅ぼしてやる………管理局!!!!!」
強い怒りと怨念が混ざり合い、彼の新しい力が目覚める
リトナの回りは燃え盛り、街を焦がしていった
レアスキル魔力変換資質「爆熱」の目覚めだ
リトナ「これは…………炎熱ではない?」
元々、彼は炎熱の所持者だったが進化したのだ
そして、彼はこう解釈する
管理局の滅亡…………それは神が望んでいるのだと
だからこそ、自分に力を与えたのだと
リトナ(クイントさん……………すみません)
恩人であり、最高のパートナーに詫びる リトナ
リトナ「私は管理局を………滅ぼす」
こうして復讐者リトナが生まれたのだ
因みにクイントはリトナを送り出した後、すぐにタイプゼロを保護し、上層部の手の届かない所へと隠したのだった
タイプゼロを欲した最高評議会はこれに激怒
しかし、下手に捜索すれば、欲しがっているのではと思われる可能性があった為 断念し、タイプゼロの情報は闇に葬られた
リトナは最後にタイプゼロの事をクイントに話していた……彼女の細胞から生まれた事も含めて
クイント「だったら私の娘も同じね、きっと美人に育つわ。私が育てて見せる」
彼女は2人を育てる事を選んだ……生まれ方は違っても、2人は人間である
そう心に刻み、ギンガ、スバルという名を与えたのだった
しかし、タイプゼロをクイントが保護していたと言う事が上層部に知られてしまう
そして、ゼスト、メガーヌを巻き込み、殉職という形の元、暗殺されたのだった
タイプゼロの事を知っている人物を排除すればいいと考え、ギンガ達は抹殺しなかったのだ
リトナ「これが事実だ。理解したか? 管理局は滅びた方がよいということが」
リトナから全てを聞いたフェイト、カイト、レインの3人
リトナ「屈辱を受けた私……そして、利用され続ける者達!! 今こそ団結し、管理局を滅ぼすべきなのだ!!!!」
リトナは3人に手を差し伸べる
管理局の闇を知った3人は自らの正義を捨て、リトナに付くか? それとも…………
次回、フェイトの魔法に異変が……
お楽しみに~
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遂に明かされたリトナの過去
これが最後です