No.685373 九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=Blazさん 2014-05-09 22:57:33 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:850 閲覧ユーザー数:799 |
CP第一章 第二十六話 「願いと野望」
とある世界で起こった、不思議な事件。
咲良「うっ・・・・・ぐすっ・・・・・・お兄ちゃーん・・・どこぉ・・・・・?」
クロガネに行き、間違えて次元転移を行ってしまった咲良。
其処は何処かの世界の小さな無人島で完全に一人ぼっちになってしまった咲良は泣いていた。
咲良「ううっ・・・・・・」
すると。咲良の居る無人島に一匹のイルカが近づいていた。
だが、そのイルカの上には一人の少女が乗っており、更には背中に大きな袋を持っていた。
「いやぁ・・・買った買った!後は船に持ち帰るだけぇ・・・・・・ってアレ?あそこの無人島・・・・・人が居るのかな?」
少女はイルカを軽く叩くと咲良の居る無人島へと近づいた。
そして、浜に着くと、イルカから降りて、咲良へと近づいて尋ねたのだ。
「・・・・・大丈夫?どっか怪我したの?」
咲良「・・・ううん・・・・・お兄ちゃんと・・・・」
「あらー・・・はぐれたのかぁ・・・・・うーん・・・・・・・・・よし!しばらく、ボクの船においで!みんな歓迎するよ!」
咲良「ふえっ・・・?」
「大丈夫。ボク達は海賊だけど、悪い奴等じゃないから!」
咲良「・・・・・えっと・・・・おねえちゃん・・・・誰?」
メイ「ボク?ボクはメイ!『ジェリーフィッシュ快賊団』のクルーだよ!」
咲良とメイの不思議な出会い。
その後。
船長達にも可愛がられ、しばらく世話になった咲良は無事に送り出されて、ディアーリーズ達の所に戻ったのだという。
= イブキド 封鎖地区 =
イブキドに無事入れたディアーリーズとバレット。
レリウスを探し、二人はココまで戻ってこれたのだ。
後は、あの次元素体の墓標に向かうだけ。だったのだが・・・
ドゴンッ!!
ディア「うわっ!?」
バレット「クソッ・・・・何処からの狙撃だ・・・!?」
二人は敵襲を受けており、何処からか解らない狙撃をされていたのだ。
取り合えず、茂みに隠れた二人は冷静になって状況を確認した。
ディア「待ち伏せ・・・・ですかね。」
バレット「だろうな。相手は一人。次弾装填の間から、間違いない。」
ディア「・・・・単独での、
バレット「いずれにしても、このままでは身動きがとれん。探知でも無理なら、目視と銃痕から逆探するしかない。」
ディア「・・・・まぁ、この世界では僕等の魔法って効果、薄いですもんね・・・」
バレットの言葉に苦笑するディアーリーズ。
試しに、バレットは近くの幹を揺すらせ、移動させたかのように見せる。
すると。
バスッ!
幹の葉が打ち抜かれ、コゲたのだ。
バレット「ディアッ!!」
ディア「正面・・・・廃船の中です!」
僅かに光りが見えたディアーリーズは、その足跡であった場所を見つけた。
恐らく、イカルガ内戦で墜落した廃船なのだろう。
其処からの光りは間違いなく確認した。
後は其処に向かって相手を倒すだけ。
それだけならよかった。
しかし。
「ウルサン・・・・・・・ドコナノ・・・・・・?」
ディア「・・・・・・えっ・・・・・・」
「コッチダヨ・・・・・・・・タスケテ・・・・・・・・・」
ディア「・・・・・・美空・・・・・・・さん・・・・・・・・」
「オネガイ・・・・・・タスケテ・・・・・・・・」
ディア「あ・・・・・・・・・あああ・・・・・・・」
バレット「おい・・・・ディア!?」
脳内に響く美空の声に、ディアーリーズは心を動かされる。
今、自分がすべき事がどちらなのかと。
美空の為にココまで来た。
だから。
(ダメッ!!)
しかし。またしても脳内に声が響いた。
それは美空と似ていた声であったが、何処か違った雰囲気だったのだ。
(その声を聞いては駄目!其処へ行っても、貴方の求めるものは無いわ!!)
ディア(なっ・・・・・・!?)
そのハッキリとした声の主は、美空の事を否定した。
ディアーリーズは反論したかったが、何故か、その言葉を受け入れたかった。
ディア(どうしてだ・・・・・なんで、この子の言う事を信じたくなる・・・・!)
(お願い・・・私を信じて・・・・!)
ディア(くっ・・・・・・・!)
迷う。
彼女を信じるか。美空を信じるか。
僅かな時間が永遠に感じられるほど、ディアーリーズの思考はフル回転させられていた。
そして。その状況を「それなら」と言う者が、次の一手を打った。
ヴンッ!!
ディア「ッ・・・・・!!」
そう。本人を出せばいいのだ。
クスィー「・・・対象確認。排除を検討。
これより、対象の排除に移行する。」
= 統制機構、イカルガ支部 =
そして。その頃、統制機構でも大きな動きがあった。
それは、六課司令「八神はやて」の拘束である。
まだ、管理局の秘密基地がわかっていないが。
だからこそ、貴重な情報源として彼女を拘束、連行したのだ。
カグラ「さてと。願わくば、大人しく情報を言ってもらえれば・・・こっちも手荒な真似はせずに済む。」
はやて「・・・・・・・・。」
コハク「まぁ・・・直ぐにあなたが吐くとは思っていません。ですから・・・・・ここは取り引きと行きませんか?」
はやて「・・・取り引きやて?」
コハク「ええ。僕達が貴方に開示するのは
行方不明になった六課メンバー全員の行方。」
はやて「なっ・・・・・!?」
コハク「対し、貴方は管理局秘密基地の位置情報。これでどうですか?」
はやて「・・・・・・・・・・。」
コハク「互いに探すものが見つかるんです。貴方なら・・・何が大切で、何が本当に正しいのか。解る筈。」
カグラ「・・・・・・・もし、NOといえば、連中は再びこのイカルガで戦いを引き起こす。そうなれば・・・・・解っているよな?」
はやて「くっ・・・・・・・・・!」
瀬戸際の状況に頭を回転させるはやて。
今自分達が探している仲間の情報を引き換えに多くの局員達の命を出せと言う事。
非情な言い方ではあるが、結果そう言うことである。
はやて「・・・・・・・・・・・・・・・。」
カグラ「・・・・・・決断は君次第。ハッキリ言って・・・・・あの子を会わせたかったけどな・・・・・・・」
はやて「っ・・・・・あの子って・・・・・まさかフェ「(カ)おっと。」ッ・・・・!」
カグラ「其処から先が取り引きの内容だ。言う事は出来ない。」
はやて「アンタは・・・・・・・!」
カグラ「・・・・ハッキリ言ってやるよ。正直、お前等残留組よりも、行方不明になった連中の方がよっぽど広く物事を見ている。」
はやて「なにっ・・・・・・・」
カグラ「一人が言ったよ。「自分の願いは、多分ココでは叶わない。」ってな。」
はやて「っ・・・・・・ティアナ・・・・・・」
カグラ「・・・・・んで、俺を助けた子は「力に物を言わせては、人の信頼は勝ち取れない」ってな。」
はやて「・・・・スバル・・・・・・」
カグラ「解るか。お前の言う「夢の部隊」はお前達だけの夢の部隊だ。他の連中には何処の部隊と変わらない。ただ、自分達の目的の為の部隊。」
はやて「ッ・・・!!そんな事ッ!!」
カグラ「なら。どうして、あいつ等は戻ってこない。」
はやて「・・・・・・・・・・・。」
カグラ「自分達がお前等の都合のいいように操られていたからだ。あいつ等だって人間だ。だが。お前はそれを解ってなかった。」
淡々と言われる正論と批判。
はやての心は既にズタボロであった。
だが、それと同時に納得の気持ちもあった。
『後悔』とでも言うのだろうか。
はやて「・・・・・・・・・・。」
カグラ「・・・・・本当の夢の部隊ってのは、お前等全員の夢が叶う。そうだろ?なのに、お前等は自分達だけの夢を優先し、他の連中のを切り捨てた。大小云々じゃない。どちらも対等な。同じぐらい、でっかい夢だった。」
はやて「・・・・・・・・。」
カグラ「正直。もう全部が修正出来ない所まできている。それを、全て清算するのは・・・かなり時間が掛かるぞ。」
はやて「・・・・・・・・・・・・・けど・・・」
コハク「・・・・・。」
はやて「どないしろって言うん・・・・・・ウチかて解ってた・・・・・ウチに皆を纏めきれる力が無いって事は解ってた・・・・・・けど・・・・・とうしろって言うんよ・・・」
カグラ「・・・・それを。お前が考えろ。」
カグラはへたり込んだはやてと同じぐらいの高さにしゃがみ、彼女の頭を撫でた。
表情は真剣なままだったが、それでも今までの厳しい雰囲気とは違い、どこか優しい、先輩の様な雰囲気だった。
カグラ「誰かに自分の道を決めてもらう訳でもない。自分で決めるんだ。人生の全てを。」
はやて「・・・・・・・・・。」
カグラ「起こっちまった事は仕方ねぇ。それをどうケジメをつけるか。今のお前の課題はそれだ。」
はやて「・・・・・・・・・・・・イブキド・・・・」
コハク「・・・・え?」
はやて「イブキドの・・・・・・・アキツと繋ぐトンネル・・・・其処にうち等のドックがある・・・・・」
カグラ「・・・・・・・そうか。コハク。直ぐに部隊を向かわせろ。連中を全員逮捕だ。」
コハク「了解です。」
カグラ「んじゃ。二人にも頼むとするかね。」
はやて「えっ・・・・・・?」
ヴィータ「・・・・・はやて。」
はやて「えっ・・・・・ヴィータ・・・・・!?」
すると。部屋の扉の所に、ツバキとヴィータが立っており、どうやら話しを全て聞いていたようだったのだ。
ヴィータはゆっくりとはやての元に歩み寄り、そして、静かに彼女を抱くのだった。
ヴィータ「・・・御免な。アタシも力になれなくて。けど・・・これからは大丈夫。はやての為に・・・・あいつ等の為に・・・・アタシ・・・・行くよ。」
はやて「・・・・・・・・・うん。ありがとうな、ヴィータ。」
ツバキ「・・・・良かったですね。」
カグラ「全く・・・・なんで俺は最近そう言うのが良く回ってくるのかね。」
= ワダツミ バングの屋敷 =
その頃。バングの屋敷でも変化があった。
それは・・・・・・・
ティアナ「こぉんの・・・・・・馬鹿スバルがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
スバル「ぐぼああああああああああああああ!?!???」
屋敷ではティアナとガルムが到着し、スバルに対し、ティアナが鉄拳(魔力強化付き)を喰らわせていたのだ。
キャロ「あわわわわ・・・・・」
キリヤ「うおおおお・・・・・」
aws「最近の子って恐ろしいな・・・・」
ガルム「ああ・・・・・まさか、あの子にこんな力が・・・・・」
ティアナ「ふー・・・・ふー・・・・・」
キャロ「てぃ・・・・ティアナさん落ち着いて!スバルさんだって悪気があったわけじゃ・・・」
ティアナ「ンナ事、解ってるわよ!あの単細胞の脳筋に其処まで考える脳みそあると思う!?」
キリヤ「言いたい放題だな・・・・」
ガルム「ティアナー・・お前の相棒じゃなかったのかー」
aws「最早腐れ縁と言うか・・・何というか・・・・」
ノエル「けど・・・そう言うのって・・いいですよね。」
ライチ「若さ故のってね。」
フリード「くきゅ・・?(アレ・・デルタさんは?)」
ちなみに。この鉄拳でスバルの後ろにデルタが居て、二人揃って壁にめり込んでいたのは、後で気づいたのだった。
しかも全員。
= ??? =
そして。イカルガとも。ミッドとも。そして
其処をクライシスは歩いていた。
重力がある訳でもないが、重力があるかの様に地面を歩いていた。
クライシス「・・・・・・・。」
目的の場所に到着したクライシス。
其処には、光る二つの存在が安置されており、クライシスは其れを見て呟いた。
クライシス「・・・・・過剰だと言うか、お前は。だが、状況は既に手遅れに近い。それに、相手はテルミと帝だ。コレ位でないと、勝つ見込みは無い。」
「・・・・そうか。確かに、ユウキ=テルミと帝。そして、災厄の力が相手では・・其れぐらいで無いと、滅びるかもしれないね。」
クライシス「・・・・・そうさ。負の感情がリンカーコアに蓄積され、やがては暴走する。始めはそんな話しだったな。」
「ああ。だが、実際は百年も昔から、その次元世界にはあった力だ。恐らく、その力はココで生まれた。」
クライシス「・・・・。て事は・・・お前達の知る範疇ではないと?」
「・・・残念ながらね。ベルカとミッドの大戦。元はミッド側がベルカとの劣勢の戦いを勝つ為に使用した、最悪の兵器。幼子に埋め込み、負の感情を蓄積させ、それを爆発させる。」
クライシス「それが・・・・災厄の力か。」
「そうさ。恐らく、最高評議会の奴等が実験として意図的に、その因子と可能性がある物たちに埋め込んだんだ。」
クライシス「その種の一つが、こうして芽を出し。」
「そして。開花してしまった。」
クライシス「・・・・やれやれ。この状況では、あの世に行ってでないと、奴等に八つ当たりは出来んか。」
「・・・・フフフ。珍しいね。君がそんなジョークと言うなんて。」
クライシス「私だって、元はそう言う人間だ。お前だって・・・そうだろ?」
「・・・・・そうだね。そうだったんだよ・・・・・・」
一歩ずつ歩き、二つの光に手を伸ばすクライシス。
その光りはやがて、小さくなってクライシスの心臓へと入っていった。
それを確認したクライシスは移動しようと反転して歩き出した。
「・・・行くのかい?」
クライシス「ああ。皆が待ってる。」
「・・・・そうか。短い時間だったけど、君と話せて嬉しかったよ。」
クライシス「フッ・・・・柄にも・・・・思ってるかどうか解らん事を・・・・・・
フレデリックによろしく言っておいてくれ。」
「・・・・・・・ああ。それじゃあね、クライシス。」
そして。クライシスは白い道を歩いていき、その場から姿を消したのだった。
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そして、彼は動き出す。
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OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より
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