No.683757

真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第二十八話 リトナ・フェイゲール

ohatiyoさん

遂に明かされるリトナの過去

2014-05-04 10:19:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:696   閲覧ユーザー数:690

復讐者リトナ…………彼の恨みは凄まじいものであった

 

しかし、彼は何故管理局を憎むのか? その謎が今、明かされる

 

クイント「さて、今日も頑張って行きましょうか!」

 

リトナ「相変わらずテンションが高いですね。まだ、早朝ですよ?」

 

クイント「あなたは元気が足りないわよ? リトナ」

 

リトナ「そう言われましても…………」

 

彼の名はリトナ・フェイゲール……クイントの副官である

 

当時、地上のエースの1人とまで言われたクイントは朝早くから任務をこなす、ワーカーホリックだ

 

それに着き合わせられるリトナは苦労人であろう

 

クイント「今日は久しぶりにクラナガンに行きましょう」

 

リトナ「クラナガンに? 何故です?」

 

クイント「最近クラナガンで誘拐事件が多発してるのよ。私が犯人をとっ捕まえてやるわ!!」

 

やる気満々のクイント

 

彼女の言う通り、近頃クラナガンで誘拐事件が多発している……しかも、子どもだけを狙った悪質なものだ

 

しかし、目的は一切不明

 

身代金目的ならば、攫った子の家族に連絡があるはずなのだが、それも一切ない

 

更に誘拐犯はかなり優秀であり、現場には犯人特定の鍵となるものは一切発見されていない

 

確認が出来ているだけで既に15人の子どもが連れ攫われてしまっているのだ

 

リトナ「ですが、その事件は一課が受け持っているはずでは?」

 

彼の言う通り、この誘拐事件は特務一課が捜査しているのだった

 

クイント「だから何? 一向に解決に向かっていないわ。もう一課は宛てにならない。私が犯人を捕まえるわ!」

 

クイントは何時まで経っても犯人の手掛かりすら見つけられない一課に呆れているようだ

 

そして、2人はクラナガンにやって来た

 

リトナ「犯人を捕まえたいのはわかりますが、どうするつもりです? 何も手掛かりはありませんよ?」

 

クイント「見つければいいのよ!」

 

リトナ「そんな簡単に……………」

 

そう言うリトナだが、クイントは考え無しに動く事が多い

 

頭自体は賢いのだが、考えるより先に行動してしまう人なのだ

 

リトナ(クイントさんは運が良いのか悪いのか、適当に歩いていたら犯罪者を発見して逮捕している人だからな…………)

 

これまでクイントが捕まえた犯罪者は数知れず

 

何の手がかりも無しで街を歩いていると、極悪犯に遭遇するのはよくあることなのだ

 

リトナ(今回も運だけで捕まえられそうだな…………)

 

リトナがそのような事を考えていると、クイントが急に立ち止まる

 

リトナ「どうかしたのですか?」

 

クイント「知り合いがいたわ」

 

前方から黄色い髪の女性が歩いて来ている

 

ラフィール「あら? クイントじゃない。今日は休みじゃなかった?」

 

彼女はラフィール、クイントの数少ない友達だ

 

クイント「休みでもすることないもの」

 

ラフィール「旦那さんの相手をしてあげればいいのに…………」

 

クイント「夜にしてるから大丈夫よ!」

 

よくある奥様トークが始まる

 

かれこれ30分は話しただろうか、ようやくラフィールがリトナに気付く

 

ラフィール「あれ? あなたは?」

 

リトナ「お初にお目に掛かります。私はリトナ・フェイゲール、クイントさんの部下です」

 

ラフィール「ああ、そうなの? 私はラフィール・アルグレッサ。クイントの同僚よ」

 

クイント「そういえば初対面?」

 

リトナ「ええ」

 

ラフィール「あなたも大変ね………クイントの部下になった子達はみんな痩せ細ってしまうのよ」

 

クイントの部下になった場合、常日頃から彼女に着き合わせられる

 

休みは無きに等しい

 

リトナ「ええ、でしょうね」

 

彼自身、とてつもなく苦労している…………少し痩せてしまったようだ

 

リトナ「私も体重が4キロ減量してしまいました」

 

ラフィール「………本当に大変ね」

 

ラフィールと分かれてからは、特に何も起こらず、その日は終了した

 

クイント「う~ん、犯人が捕まえられなかったわ」

 

リトナ「そうですね」

 

クイント「まぁいいわ、明日こそは!!!」

 

リトナ「明日はゆっくり寝させてください………」

 

リトナの魂の叫びだった……かれこれ3日の睡眠時間の合計は7時間

 

1日3時間も寝ていないということになる

 

クイントは元気でも、リトナは倒れる寸前だ

 

リトナ「もう2時回っていますよ? 明日も4時起きとか言わないでくださいね?」

 

クイント「そうね…………まぁ明日はゆっくり休んでくれていいわ」

 

リトナ「そうさせてもらいます」

 

久しぶりに1日中寝る事が出来る

 

リトナにとっては普通の睡眠時間が唯一の安らぎであった

 

リトナ(クイントさんの部下になってから早1年、十分な睡眠を取れた回数は指で数えられるほどしかない。まして休日は1回もない)

 

クイント「それじゃね」

 

リトナ「はい、お疲れ様です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

クイント「それじゃ今日も行って来るわね!」

 

ゲンヤ「少しは休んだらどうだ? 体に毒だぞ。それに新人の部下にも気を使ってやれ」

 

全く休むことを知らないクイントを気遣う ゲンヤ

 

クイント「大丈夫よ、私はそんなに軟じゃないわ。それと彼は今日休みににしたから」

 

ゲンヤ「……珍しいな、お前が部下に気を使うなんて」

 

クイント「ちょっと! それどういう意味よ!!」

 

どうやらクイントは昨日のラフィールとの会話の内容を気にしていたようだ

 

確かにクイントの副官になった人は大体1カ月以内に止めてしまう

 

クイントの仕事スピードに着いていけないのだ

 

しかし、リトナは違った

 

偶にクイントに文句を言う場合もあるが、基本的には常に彼女に着いて来た

 

クイントからしてみれば最高の相棒だ

 

しかし、昨日のラフィールとの会話………彼は体重が減ってしまった

 

ダイエットなどではないだろう、自分が無理をさせた所為だ

 

それが初めて身に染みて感じ取った…………だから彼女はリトナを今日1日 休ませることにした

 

失いたくなと思った……彼とは一生共に戦って行きたいと思った

 

唯一背中を預けられる部下なのだから

 

クイント(彼こそ最高のパートナーね!)

 

今日もクラナガンへと赴く…………誘拐犯を捕まえる為に

 

一方その頃、ラフィールは赤ちゃんを抱いて、買い物に来ていた

 

彼女も地上の魔導師であるが、彼女は出産した為、現在仕事を休んでおり、実家があるクラナガンで生活していた

 

ラフィール「さて、今日のお夕飯はこれで良しと……後は……」

 

男性「すみません」

 

ラフィール「はい?」

 

急に男性に声を掛けられ、振り向く ラフィール

 

男性「突然すみません。つい最近引っ越してきた者なんですけど」

 

ラフィール「はぁ」

 

男性「道に迷ってしまって……ここに行きたいんですけど、道順を教えてもらって構いませんかね?」

 

ラフィール「いいですよ」

 

彼女は管理局員、道に迷った人を助けるのも仕事の内だ

 

男性が広げている地図を確認する

 

ラフィール「あっ ここは私の家から近いですね。途中まで一緒に行きましょう」

 

男性の目的地は、彼女の家の近くだったようだ

 

男性「本当ですか? 助かります!」

 

彼女と男性が目的地近くまで歩いて行く

 

そして、ふと思い出す、男性の目的地を……

 

彼が地図で示した場所、そこは…………

 

ラフィール(ん? 確かあそこは…………使われていない工場だったような)

 

気付くのが遅すぎた……ラフィールは男性を警戒し、目的地には何用で行くのかを問う

 

しかし、返事は帰って来ない

 

ラフィールは不審に思い男性の肩に触れる

 

すると、男性はまるで霧のように消えてしまったのだ

 

ラフィール「なっ!?」

 

それだけではない、先ほどまで抱いていた赤ちゃんが居なくなっていたのだ

 

ラフィール「メーテル!?」

 

恐らく彼が誘拐犯だったのだろう

 

幻影魔法でラフィールを誑かし、彼女の娘メーテルを攫っていたのだ

 

果たしてメーテルの運命は?

 

クイントは誘拐犯を捕まえられるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ずは彼とクイントの関係でした

 

後々リトナが復讐に走り出す理由もわかってきます

 

 

 


 
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