No.682200 九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=Blazさん 2014-04-28 07:59:57 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:639 閲覧ユーザー数:618 |
CP第一章 第二十二話 「夜明けと共に」
= 2200 2/4 イカルガ・レイクサイドポート =
イカルガの街に戻ったBlaz達。其処は、数日前に来た様な気軽に居られる様な空気ではなかった。その理由は管理局がワダツミを襲撃し、図書館の部隊と交戦したからである。
戦いは図書館側の勝利と言う形で終わり、それでも侵攻を諦めないと考え、イカルガ支部の司令官であり、近衛士団団長「カグラ=ムツキ」はイカルガ全階層都市に厳戒例を発令。
かつてない緊張に見舞われるのだった。
アルト「話じゃ、未だに管理局の連中の根城を見つけられていないってさ。」
Blaz「マジかよ・・・ったく面倒ごとは勘弁してほしいぜ・・・」
鈴羽「この依頼も結構面倒事だと思うけど・・・」
ニュー「うにゅ?」
歩きつつ、軽い談笑をするBlaz達。目的地は前と変わらずイブキドである。
災厄の力。それが何なのかは解らない。
だが、少なくとも危険性が半端な存在ではないというのは単語からして解るものである。
Blaz「さてと・・・先ずはどうするかね・・・・真っ直ぐイブキドってのも・・何か早々上手くいくとは思えねぇし・・・」
アルト「面倒だけど・・・アキツ通るか。」
Blaz「・・・・しかねぇな・・・・・」
さて。ココでBlaz達の移動中に現在の各階層都市の状況を改めて説明しよう。
まず、現在Blaz達の居るカザモツはコロシアム内に巡回部隊を配置。されにはレイクサイドポートにも検問を敷いている。
続くヤヒコでは、ダウンタウンに私服の姿の衛士たちを紛れさせ、少数行動ではあるがダウンタウン内をパトロールさせている。
レールステーションでは駅の近くに衛士を増員。更には同じく検問を敷いている。
アキツはアキツ専門の部隊を動かし、パトロール・検問・更には管理局局員の捜索を続けている。
イブキドは封鎖地区だけなので周囲に部隊を配置させているだけである。
そして、今回の全ての原因とも言えるワダツミではワダツミを囲むように検問を置き、更には周囲での局員捜索を続けている。
最も人員が多いのは、今の所このワダツミである。
Blaz「アキツ行くから、お前等寒さに覚悟しとけ。」
鈴羽「了解。」
アルト「当たり前だっての。」
ニュー「うにゅ!」
そんな厳戒態勢の階層都市を移動するBlaz。
目的地はイブキド。その為に、先ずはアキツへと向かうのだった。
= 統制機構イカルガ支部、客室 =
統制機構の一室。其処のベッドにルカは眠っていた。
あの後、しばらく自分達の今後の行動を考え、カグラに一泊させてもらったのだ。
ルカ「んっ・・・・・・朝か・・・・・・・」
ルカはそう言って身体を起こし、両手を支えにしようとするのだが・・・
ルカ「・・・・アレ・・・髪?」
ブロンドの髪がルカの左手に当たっており、誰の髪かと思い、目線を動かすと其処には。
フェイト「・・・んっ・・・ふみゅう・・・・・・」
フェイトが寝ていたのだ。
ルカの記憶が確かなら、昨夜は二人共別々のベッドで寝た筈。
なのにこうしているのはどうしてか。
ルカ「・・・・・寝ぼけているのか・・・僕は・・・・・・・」
ルカは信じたくないと現実逃避するのだった。
だが。実際の事であり、髪が触られたからか、フェイトも目を覚ますのだった。
フェイト「アレ・・・・・アキヤ?」
ルカ「アレじゃないってフェイト・・・・どうして俺のベッドに居るのさ・・」
フェイト「ふえ?ベッド・・・・・・・・・ベッド・・・・・・・・・・・・」
ルカ「・・・・・・・・・・・・・。」
その後。赤面となったフェイトの右ストレートをボディに直撃したルカはしばらく気絶するのだった。
それから一時間程後、二人はカグラの元を訪れており、カグラに今後の自分達の行動を話すのだった。
カグラ「なるほど。先ずはワダツミで仲間と合流か。」
フェイト「はい。カグラ大佐の話じゃスバルとキャロが居た。取り合えず、私も今は二人のことを知りたいし・・・」
カグラ「後の二人を探す為でもある・・・か?」
フェイト「はい。」
カグラ「・・・・ま。赤毛の坊主は多分イカルガに居るのは間違いない。だが、問題はそのオレンジ髪の嬢ちゃんだな。」
ルカ「ええ。俺も会ったのは会ったけど、後は何処に居るかは全くですし・・・」
コハク「となると、多分何処かに身を隠しているのでしょう。彼女、一応脱走兵ですし。」
ルカ「・・・そうですね・・・・」
フェイト「・・・カグラ大佐。そう言う場所って、ご存知あります?」
カグラ「んー・・・・イカルガじゃ、そんなのゴロゴロ見つかるからなぁ・・・ただ・・・」
ルカ「ただ?」
カグラ「俺なら・・・アキツかイブキドだな。」
ルカ「アキツと・・・イブキド・・・・・・」
恐らく、アキツは雪があるからと、市街地が密集しているから。
イブキドは全域が封鎖地区となっているからだろう。
その意見に納得し、ルカは肯いたのだ。
ルカ「・・・・なるほど・・・・」
カグラ「ま、あくまで俺ならの話だがな。」
ルカ「・・・どうする、フェイト。」
フェイト「・・・・・先ずは、アキツから行こう。多分、あそこは局員も潜入していると思うし・・・」
ルカ「・・・解った。と言うわけでカグラさん。僕等はアキツに向かいます。」
カグラ「おう。二人共、気つけて行けよ。今は特にな。」
フェイト「・・・はいっ!」
ルカ「ありがとうございます!」
その後、統制機構を後にした二人は最初の目的地を改めて確認するのだった。
ルカ「んじゃあ、ワダツミに行ってからアキツに行くんだな。」
フェイト「うん。多分、ティアナも大丈夫だと思うし、一番気になるのはあの子達てせもあるから・・・」
ルカ「それと同時並行でエリオって子を探す・・・か。こりゃ骨が折れるぜ?」
フェイト「うん・・・けど・・・今、自分に出来ることって・・コレ位だからさ・・・」
ルカ「・・・・・解った。んじゃワダツミに行こう。」
フェイト「・・・・・・うん。でもさ、アキヤ・・・」
ルカ「ん?どうした?」
フェイト「・・・・また下水?」
ルカ「それしかないじゃん・・・・・・・」
フェイト「・・・・・・・・・・。」
その後。再び下水を移動する二人で臭いに慣れてしまった事に、少し絶望するフェイトが居たり居なかったり・・・
= ヤヒコ上層階 レールステーション近辺 =
一方で、ディアーリーズはヤヒコの上層でイブキドに向かう事を考えていた。
それを聞き、バレットも賛成し、互いの目的であるレリウスを探す為、向かう事にしたのだ。
バレット「イブキドは階層都市周辺に図書館の部隊が配置されている。上手く、下層の河辺から入れば連中の目は掻い潜れる。」
ディア「・・・・・・・。」
バレット「・・・オイ、ディアーリーズ?」
ディア「えっ・・・!?あ・・はい!河辺からですね!」
少し上の空だったディアーリーズ。ココに来て、置いてきた咲良達が気になり、少し考え込んでいたのだ。美空の為にと思い、一人で抜け出したディアーリーズ。
カグラに連れられた時に、夜深から「皆、心配していた」と聞かされ、後悔していたのだ。
ディア(・・・・それでも・・・・・彼女を助けたいんだ・・・・・あの時・・・僕がちゃんと救ってあげなかったから・・・)
バレット「・・・・・・・・。」
ディア「・・・・行きましょうか。バレットさん。」
バレット「・・・そうだな。」
そう言って移動を開始した二人。
ディアーリーズはそんな中、一人美空との数少ない思い出を思い出していたのだ。
始まりは偶然の事であった。
盗賊に襲われていた彼女を助け、彼女と少しの間、何気ない平和な時間を過ごせた。
しかし。それは直ぐに消えた。
彼女の住んでいた村が壊滅し、彼女のたった一人の肉親も殺されたのだ。
それを聞き、一度は絶望したディアーリーズ。
だが、悲劇はそれだけではなかった。
彼女は実験動物同然に扱われ、人形にされていたのだ。
其れを知り、彼女を助けようとした。
しかし。時は既に遅く、彼女は精神を崩壊させてしまったのだ。
「母を返せ」と泣き、悲しみと憎しみしか残らなかった。
そして、結果彼女はその過去の記憶さえも失う事となったのだ。
それでもと思い、必死に現在を生きようと彼女と居たあの日々。
それも直ぐに終わってしまった。
彼女はレリウスに連れ去られ、再び敵として現れた。
レリウス曰く「本当の姿」として。
第十四次元素体「クスィー14」として。
ディア(守りたい・・・・僕は・・・・もう一度・・・彼女を守りたい・・・・・だから・・・・・!)
だから、自分が地獄に堕ちる事も厭わない。
それを決意と言うのか、はたまた運命と言うのか、それとも・・・
= 某次元世界 =
管理局が管理する次元世界。
其処に一人の男が居た。
黒衣を纏い、冷徹な瞳と詰めたい銀髪。
リバインズ「さて。実験場はココでいいかな。」
リバインズはそう言い、ホログラムのディスプレイを自分の目の前に出した。
そして、キーを打つと何かを自分の前に転移させたのだ。
それは黒く長い円筒状のカプセルで彼とは反対側の方に開閉のドアがあったのだ。
リバインズ「実験ナンバー001。コード「ナイトメア」、開放。」
決定キーを押し、リバインズはカプセルの方を見つめた。
すると、カプセルは開き、冷たい冷気と共に何かが姿を現したのだ。
キシュー・・・・・・
それは術式が張られた鎖に繋がれ、両腕を押さえられていた。
上半身だけが前に倒れると鎖がその身体を支える。
だが、直ぐに鎖は取り外され、身体はそのまま前に倒れた。
ズンッ
両手が地面に付くと同時に、地面にヒビが入り、とてつもないプレッシャーが回りを飲み込む。そして、手に触れた場所はみるみると黒く、精気を吸われていくの様に枯れていったのだ。
リバインズ「さて。久しぶりの外です。思う存分動きなさい。」
リバインズはその何かにそういった。
その何かは口を開き、体勢をその状態にして維持したのだ。
すると。何かのエネルギーが口の辺りに集中し、集束されていったのだ。
やがて、それは黒くなるも、周りは白いオーラが纏われていると言う不思議な球体が出来上がったのだ。
そして。
きゅどんっ!!
そのエネルギーは一気に発射され、地平線の遥か彼方に飛んでいったのだ。そして。
グオオオオオオオオオオオオオ・・・・!!
リバインズの目に映ったのは、その遥か彼方に巨大な爆発が発生したのだった。
爆発はどんどん広がり、やがてリバインズの目の前まで襲ってきたのだ。
リバインズ「・・・・・・・・。」
彼はそれを物ともせず、防壁を展開し、自分を守った。
それでも爆発は広がり、一時間以上もその爆発音が響いたのだ。
やがて、光りが消えていき、リバインズが見た光景は
リバインズ「・・・・やれやれ。綺麗になりましたね。」
其処には何もない、ひび割れた地面だけしかない、荒廃した世界が広がっていたのだ。
それは全方位その光景で、周りには生物の欠片でさえも無かったのだ。
リバインズ「一発で一つの次元世界を崩壊させる。いえ・・・絶滅させると言ったほうが正しいでしょうか。
ねえ?Unknownさん。」
= イカルガ 魔操船ポート =
イカルガの魔操船ポート。其処では多くの衛士達などが行き来する交通機関でもあった。
其処に二人の人物が再びイカルガに入る事となる。
ツバキ「っ・・・うーん・・・・・お尻が少し痛い・・・・」
白いポンチョを纏い、魔操船を降りるツバキ。
隣には首を動かして骨を鳴らすヴィータが居た。
ヴィータ「流石に本部から直通は身体が痛いぜ・・・・」
ツバキ「けど、結構早めに来れたし、良しとしましょ。」
ヴィータ「・・・・だな。んじゃ、先ずはどうしますか。少佐殿。」
ツバキ「・・・・・・兎も角、先ずはイカルガ支部に行きましょ。ムツキ大佐に一度会わないと・・・」
ツバキはそう言い、二人は歩き始めた。
周りは以前無かった衛士達の検問などが多く見受けられ、イカルガ全体が厳戒態勢だというのが見てわかった。
すると、二人の前に四人ほどの衛士が寄ってきて二人に尋ねたのだ。
「止まってください。貴方達の身分書を拝見してよろしいでしょうか。」
ツバキ「・・・・・。」
ヴィータ「・・・・・・。」
ツバキ「解りました。」
ツバキはヴィータと横目で見合わせると二人の身分書を見せた。
其れを見て最初は衛士達も驚くのだったが、隊長の様な男衛士がツバキに質問したのだ。
「あの・・・ヤヨイ少佐・・・・彼女が元局員って・・・・」
ツバキ「一時的にです。今は私の補佐官ですから、罪状は適応されませんし・・・もしココで逮捕というのなら・・・」
「わ・・解っています・・・・ですが・・・・・」
ヴィータ「・・・・・。」
ツバキ「貴方が言いたい事も解るわ。けど、全員がそう言うわけじゃないって事は・・・知っててほしい。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・・わかり・・・ました・・・・・」
ツバキ「・・・ありがとう。」
衛士がそう言うと道を開け、ツバキはその衛士達に謝罪の意もこめて礼を言うのだった。
そして、二人は魔操船ポートを後にし、イカルガ支部へと向かったのだ。
ヴィータ「・・・すまねぇな。色々迷惑掛けちまって・・・」
ツバキ「大丈夫。多分、みんなピリピリしているだけだから・・・ムツキ大佐もそんな理由で私達を呼ぶわけも無い筈・・・」
ヴィータ「・・・・・・。」
= イブキド 封鎖地区 =
イブキドの封鎖地区。其処を移動する人影があった。
朝に、げんぶ達と別れたガルムだ。
ガルム「さてと・・・・怪我も大丈夫だし・・・何処から探すかな・・・」
okakaとFalsigを探す為、一人封鎖地区を歩くガルム。元々、クスィーつまり美空と出会ったのはこの階層都市の下層。つまり、このイブキドに二人は居る可能性が高いと思い、一人森林をかぎ分けて移動していたのだ。
ガルム「つっても・・・・この階層都市は広いからなぁ・・・幾ら管理局の連中が来ないからっても、流石に一人で全部は無理かぁ・・・・・」
独り言を呟きつつ移動するガルム。
まだ朝日が照らす茂みを一人かぎ分けて進むのだった。
すると。
がさっ・・・
ガルム「・・・・ん?」
ガルムの目の前に一人の少女が映った。
オレンジの髪をし、腰までではないにしろ、長い髪をしている。
そして、何よりその少女が着る服に見覚えがある。
ガルム「・・・・管理局の子・・・・か。」
時空管理局の制服ではないが、その服はどこか「エース・オブ・エース」の服と似ていたのだ。
目つきを少し鋭くしたガルムは少女の近辺を確認する。
身体にこれといった負傷は無い。逃げたわけではなさそうだ。
ガルム「・・・・・・まだ新しい・・・・って事は・・・」
ガルムはそう言って彼女の前にあった焚き火の後を確認した。
どうやら、ここで野宿していた様だったのだ。
だが、何故?
管理局なら複数の人数で行動するのが常である。
それなのに彼女は見たところ一人で野宿していた様。明らかに矛盾が残る。
そう考えていると、少女が目を覚ますのだった。
「っ・・・・・ううんっ・・・・・・朝・・・・・・」
ガルム「やべっ・・・・・!」
ガルムは援軍を呼ばれたら面倒だと思い、静かにその場から離れようとした。
だが。
ばきっ
ガルム「あ゛・・・・・・・・・」
うっかり小枝を折ってしまい、ガルムは冷や汗が全身からナイアガラの滝並みの水量で流れていたのだ。
そして、首を機械の様に首を後ろに回した。其処には・・・
「・・・・・・・・・・。」
ガルム「・・・・・・・・・・。」
目を点にし、ガルムを見つめる少女と、冷や汗MAXのガルムが居たのだ。
「えっと・・・・・・・・おはようございます・・・・・・・」
ガルム「あ・・・・・・・・・おはよう・・・・・・・良い天気だね・・・・・・・・」
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夜明けと共に・・・
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OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より
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