???SIDE
「さて、ここ数ヶ月の状況を整理しようとするか」
とある世界のビルの会議室に壮年の男達が集まり現状を話し合っている。
「あの時空間での戦闘以来、度々ではあるが刺客を送り込んだがどれも撃破されている」
「あまりに情けない結果ですね」
壮年の男に続き、アズラエルが答える。
「それはあんたもだろミスタ・アズラエル。あんだけの部隊を率いて行ったにも関わらず作戦は失敗してオメオメと撤退したんだからな」
「そこのイノベイター共もな」
ガウルン、バスクがアズラエルとリボーンズ達に嫌味を言う。
「あれは敵の召喚による邪魔がなければ間違いなく成功してたわよ!」
「あ~はいはい、そんな言い訳を聞きたないんだよねぇおじさん達は。重要なのは結果なんだよ、結果」
「その通りだ」
ガウルンとバスクの嫌味にヒリングがすぐに反論するがすぐに今日も10円の棒状駄菓子を食べている男とツバロフに論破される。
「くっ!」
「・・・流石に返す言葉もありませんよ」
「それで、これからどうすんのさ?」
論破されたヒリングは苦虫を潰したように顔を歪め、アズラエルは自分の失敗を冷静に受け止める。
そんな中1人の青年が今後の行動について壮年の男に尋ねる。
「ジュエルシードがなければ、プランを変更するまでだ」
「例の『闇の書』ですね?」
「そのとおりだ」
壮年の男からプランを変更することを聞いた赤髪の幼い少女が闇の書であることを尋ねると壮年の男は頷く。
「だがあの者達の近くにはガンダムがいる。容易には近づけんし、簡単に我々に協力するとは思えん」
「ならばこちらに連れてきて無理にでも協力してもらう。既に送り込んでいる」
「相変わらず仕事が早いな」
壮年の男の提案にMSの姿をした男が意見を述べ、既に行動を開始していることを壮年の男は告げる。
壮年の男の行動の早さにガウルンは感心しながら薄らと笑う。
地球 海鳴市 野田家 リビング
ほとんどの引越し作業を終えた俺達はいきなり来たアリサとすずかを加えて少し早めの昼食を摂っている。
「美味しい!」
「うん、本当に!」
「それはよかった」
クウガ達が作った料理をアリサとすずかがおいしそうに食べてる。
なお料理に関しては引越しの手伝いに俺の知り合いが来てくれて、その知り合いが料理人で、その人達が帰る前に作ってくれたことにした。
そうでもしないとフェイト達とアリサとすずかは互いにライダーの存在を知っていることを知らないため、後で色々聞かれるという面倒になるからだ。
「本当に美味いな。辛さも丁度いい。正直侮ってた」
「こっちのお肉の料理も美味しいよ!」
「どれも美味しいけど、やっぱり和食はいいわね。このほうれん草のお浸しが美味しいわ」
サビーが作ったマーボー豆腐の美味さと辛さ加減にクロノは驚き、エイミィさんはゾルダが作った肉料理(洋食だからフランスか?)を、リンディ提督はアギトが作ったほうれん草のお浸しを笑顔で食べている。
そして俺も龍騎が作った餃子を1つ食べる。
美味い!
「健悟、何か取ろうか?」
「お、じゃあマーボー豆腐取ってくれるか?」
「うん」
俺が餃子を食べているとフェイトが料理を取ろうかと言ってくれたので俺は皿を渡してザビーが作ったマーボー豆腐を取ってもらう。
「む~。健悟君、サラダいる?」
「ん?ああ、そうだな。ならお願い出来るか?」
「うん!」
フェイトにマーボー豆腐を取ってもらうと僅かだがすずかが口を尖らせた。
俺の方を向くとすずかは笑顔で俺にカブトが作ったサラダをいるかどうか尋ねてきたのであまり野菜を食べてないのに気づき、折角なので取ってもらうように頼むとすずかは笑顔で頷き、マーボーが入ったのとは別の取り皿をすずかに渡し、サラダを取ってくれる。
「っ!け、健悟!唐揚げ食べるわよね!取ってあげる!」
「え?お、おう。ありがとう」
フェイトに続いてすずかに料理を取ってもらうと今度はアリサが取ると言うと俺の皿を勝手に取り、クウガが作った唐揚げを俺の皿に乗せる。
俺はアリサに驚きながらも唐揚げは好きであるため素直に受け取った。
「あらあら」
「へえ~」
俺とフェイト、すずか、アリサを見ながらリンディ提督は口元に手を当てて笑い、エイミィさんはニヤニヤしている。
あの2人は何かを悟っているような感じだが、何を悟ったんだ?
「・・・ところで健悟君。そろそろ説明してほしんだけど?」
さっきとは異なり、声のトーンが下がっているすずかが俺に声を掛ける。
表情は・・・笑顔だ。
だが笑顔のはずなのに怖い!
前にもあったが怖い!
しかも妙なプレッシャーを感じる!
なんだこのプレッシャーは!!
「・・・ナニヲデスカ、スズカサン?」
そのプレッシャーに勝てず、冷や汗を流しながら何故かカタコト+敬語になりながらすずかに聞き返す。
「どうして健悟君の家にフェイトちゃんが引っ越してきたのかをだよ・・・?」
「むぐっ!そ、そうよ!こんな美味しい料理出されても誤魔化されないわよ!」
すずかが更に俺に尋ねてくるといきなりアリサが反応、口の中の物を慌てて飲み込み、すずかと共に俺に尋ねてきた。
アリサ、実は忘れてたんじゃないのか?
「あ~、その、なんて説明すればいいのかな?」
「私が健悟君の家に住ませてってお願いしたのよ?」
俺がアリサとすずかに説明を求められ、どう説明しようか迷っているとそこにリンディ提督が割り込み、リンディ提督の一言で皆の視線が一斉にリンディ提督に向けられる。
「リ、リンディ・・・さん?」
突然の発言に俺は戸惑いながらリンディ提督を見るとリンディ提督は「私に任せて」っという合図なのか俺にウインクをする。
「どういうことですか?」
「実は私と健悟君。メル友だったの」
「メ、メル友・・・ですか?」
すずかの質問にリンディ提督があっさりと答えるとアリサが少し戸惑ったように聞き返す。
無論、聞いた俺も戸惑っている。
メル友って、それだけじゃ無理でしょう!
「ええ。私日本が凄く好きでね、日本の文化をもっとよく知りたいと思ってインターネットで国際交流のサイトの掲示板で友人を募集してたの。その時に健悟君が丁寧に日本の文化のことを教えてくれたわ」
「そうなの?」
「え?あ、ああ。海外の人とのコミュニケーションを取りたいと思ってな」
メル友だけで押し通すのかと思っているとまさかの続きがあった!
しかも妙にありそうな設定!
リンディ提督、作り話結構上手いな。
作り話に歓心しているとすずかは今度は俺に尋ね、俺は慌ててリンディ提督の作り話に合わせる。
「でもあんた英語なんて話せたの?」
「あれ、言ってなかったか?俺、英語も含めてあと5ヶ国語話せるぞ?」
「そ、そうなんだ?」
「凄ぉい。健悟君ってグローバルなんだね」
俺が英語を話せることを知らなかったアリサに尋ねられ、英語の他にも5ヶ国話せることを話すとアリサは驚いた表情を見せ、すずかは歓心していた。
もっとも前の世界では全く覚えられなかったがこっちに来てからというもの記憶力だけでなく語学力をマスターするのもかなり向上している。
ちなみに話せるのは中国語、インドネシア語、フランス語、ドイツ語、ロシア語だ。
今はイタリア語を勉強している。
「健悟君のご両親が居ないことは前にメールで教えてもらってて、今回こっちに引っ越す際に1人じゃ何かと不便だと思って駄目もとで健悟君にお願いしてみたらOKがもらえて、それで健悟君と一緒に住むことになったの。フェイトさんと友達だって聞いた時は流石に驚いたわ」
「そうだったんですか」
「あんたも色んなことやってるのね」
「ま、まあな。あ、あはは」
リンディ提督が更に作り話を付け加え、フェイトのことはあくまで偶然という形になった。
この内容にすずかは疑っていないようで普通の反応を返し、アリサも信じているようだ。
誤魔化せれたことに安心しつつ、本当に誤魔化せたことに驚きながら俺は苦笑いをするしかなかった。
「「「「「「「「ご馳走様でした」」」」」」」」
「ねえねえ、この後どうする?」
皆で食事を終えて食器を片付けている時にアリサが皆にこの後の予定を聞く。
「あ、だったらうちのお店に行かない?お父さんとお母さんにフェイトちゃんを紹介したいし」
「あ、それならなのはさん、私も行っていいかしら?なのはさんのご両親にご挨拶したいから」
「はい!勿論!」
「それじゃあ、皆で行こう」
「あ、悪い。俺は抜けさせてもらうよ」
なのはが親御さんにフェイトを紹介するために翠屋に行くことを提案するとリンディ提督もなのはの親御さんに挨拶するために一緒に行くことなり、すずかが皆で行こうと言った直後、俺は誘いを断る。
「え?」
「どうして?」
俺が誘いを断るとフェイトとすずかが俺を見て訪ねてくる。
「ちょっとこの後外せない用事があってな。他にも今日の早朝分のトレーニングと買い物に行かないと」
俺は今から抜ける理由を正直に皆に話す。
用事の内容は開発途中だったG5の6つの最終調整、早朝分のトレーニングはいつも毎朝欠かさずやっているランニング、買い物はクウガ達が料理したためさっき冷蔵の中を見たら材料があまり残っていなかったからだ。
「そうなんだ」
「残念だね」
「まあ、予定があるならしょうがないわよね」
「ごめんな。今度必ず埋め合わせする。エイミィさん、クロノ、洗物を頼めますか?」
「あ、ああ」
「あ、うん」
フェイトとすずか、それにアリサが寂しそうな表情で呟き、皆に一言謝り、クロノとエイミィさんに洗物をお願いして申し訳なく思いながらリビングを出て、地下施設に向かう。
野田家 地下施設 開発、設計ルーム
フェイト達の誘いを断った俺は地下の開発、設計ルームに入り、6台のパソコンの画面に表示されている組み立てと数回のテストを終えたG5の武装プランであるA、B、F、L、O、Sの6つのプランのプログラム面の最終調整を同時進行で行っている。
「本当によかったのですかマスター?」
「何がだ?」
プログラムを弄っているとアポロンが話しかけてくる。
勿論その間も俺は右手でL、左手でSのプランが表示されているパソコンのキーボードを打ち続け、LとSのプログラム調整をある程度進めて一度手を止めて椅子に座ったまま横に移動、今度は左手でA、右手でBが表示されているパソコンのキーボードを打ち、プログラミングを続ける。
「フェイト様達と一緒に行かなくて。フェイト様もすずか様もアリサ様の落ち込んでいましたよ?」
「うっ・・・。そりゃあ俺も行きたくない訳ではないけど、しょうがないだろう。これらの調整を早いとこ終わらせないといけないんだし」
「マスター、それは家族のためとか言いながら仕事を優先しすぎてご家族に愛想尽かされて離婚されるタイプの方の台詞ですよ?」
「うぐっ!」
アポロンの言葉に俺は反論してみるが見事に的確な言葉で論破されてしまう。
「マスターの将来が少し不安になってきました」
「ほっとけ。よし、調整完了っと」
アポロンの余計な台詞を軽く流し、プログラムの調整が完了したためENTERキーを押すと画面に映っている各プランのデータが正常を表す緑で表示された。
「ようやく半分以上の武装プランが完成しましたね」
「ああ」
アポロンの言う通り、今回プログラムの調整をしたA、B、F、L、O、Sが完成したことで26種あるG5の武装プランの半分以上がようやく完成した。
「しかしこう改めて見ると似たような武装プランを作っちまったな」
そう言いながら俺は今完成した2つの武装プランを改めて見て、少し溜め息をつく。
設計したのは俺自身なのだが。
「確かに今回完成したFとL、加えて完成済みのPは搭載火器、コンセプトが似てる箇所がいくつかありますが、G5も含めこれらは試作(プロト)シリーズですのであまり気にならないでよいのでは?」
「だが今はこいつ(G5)をメインに使うし、将来的に次世代機にもG5の武装プランを搭載することだってある。あまり無駄には出来ねぇよ」
「そうですね」
そう、アポロンに言った通り、あまり無駄には出来ない。
例え試作機と言えど現状で使用するライダーシステムだ。
もう1体の試作機も合わせてもう1世代先のライダーシステム開発のためにも現状でのG5と武装プランの稼動データは重要になるし、G5の武装プランを次世代機にも装備出来るようにしている。
次世代機のことも考えるとやはり無駄に作ることは出来ない。
「でも本当に調整だけで大丈夫か?実際に装備して扱った方がいいと俺は思うけど」
これまで調整完了後、すぐにG5に装備してテストを行っていたが今回はプログラム調整を終えて終了とのことなので少し不安に思った俺はアポロンに聞いてみた。
「ご心配には及びません。開発段階で既に何度か試射を行い砲身強度等はチェック済みです。破壊力も保証します」
「でもOに関してはこの地下だけじゃ距離足りないだろ?」
他のプランの中で俺が1番心配しているのはOプラン、あれはこの地下だけでは試射をするには距離が短すぎるため実際に外に持ち出してテストしないと実際の詳細データが取れないと思う。
「確かにオプションの方は不可能ですが通常での戦闘で使用する分の試射はこの地下でも十分に出来ましたしシュミレーションで何度もチェックしました。それでも不安であるなら実際に外に持ち出して試射をされますか?恐らく騒ぎになり警察沙汰で止まらず、自衛隊や米軍沙汰になると思いますが」
「・・・それだけは勘弁だな」
アポロンに言われて俺はすぐに納得した。
あのOプランは確かに外でテストしたら間違いなく騒ぎになる。
この前のマイクロウェーブの件もあったし、また面倒なことになるのは流石に避けたい。
「マスター。そろそろトレーニングのお時間です」
「お、そうか」
アポロンからトレーニングの時間になったことを告げられた俺はトレーニング用の服に着替えようと自分の部屋に向かい、開発、設計ルームを後にする。
海鳴市 沿岸部
トレーニングウェアに着替え、オールドライドを使って姿を変えた俺は海鳴市内を2時間程走った後、スーパーで食材を購入、大量の食材が入ったスーパーの袋を両手に2つずつ持って今はゆっくりと歩きながら帰宅の途中だ。
「そういえば今日まで話していませんでしたが」
「何をだ?」
「前回の戦闘のことです」
「ああ、あれか」
ここ数日の間、今日のリンディ提督達のことがあって全く考えてず、アポロンとも話し合っていなかった。
アポロンに言われて今思い出した。
「どう思われますかマスター?」
「キャプテンガンダム達のことか?」
「イエス」
原作と異なった行動が行われたことも勿論驚いたがこの前の戦闘での1番気掛かりだったことは、この世界にSDガンダムフォースのメンバーが居て、尚且つシグナム達と共に共闘していたことだ。
「なんらかの影響でこの世界に迷い込んだか。それとも作られたか」
「最後の方は一番可能性が低いです。この世界に彼らを作れる程の科学力があるとも思えませんし、何しろ動力の確保が不可能です。それにキャプテンガンダムに関しては『ソウルドライヴ』も」
「だよな。となるとやっぱり前者の方だろうな」
アポロンの言うとおり、この世界、地球にはキャプテン達を作れる程の科学テクロノジーがあるとは大抵思えない、というか不可能だ。
これがまだ地球よりも科学的にも進んでいるミッドチルダなら可能性はまだあっただろうけど。
後者がなくなると前者のなんらかの影響でこの世界に迷い込んだというのがまだ説明がつく。
シグナム達に協力しているのは恐らくこの世界に迷い込んだ際にはやて達に拾われ、シグナム達からはやての状況を聞いて協力していると見てほぼ間違いないと思う。
「きゃああああっ!」
「!!悲鳴?!」
「この先からです」
頭の中で考えを整理していると先の方から悲鳴が聞こえ、俺は駆け出す。
「!!あれは!」
悲鳴が聞こえて駆けつけると買い物袋を持ったヴォルケンリッターの湖の騎士、シャマルが前後から一組の男女に迫られている。
しかも普通に声を掛けたような雰囲気ではない。
「なんだあの2人は?」
「不明です。ですがただ声を掛けようには見えませんね。どうしますかマスター?助けますか?」
「当たり前だ!」
前後から男女に迫られシャマルに逃げ道はない。
いくら古代ベルカの騎士とはいえど、シャマルは基本的に回復のサポート型、しかも今は一般人に手を出すことを拒んでいる。
シャマルを助けるために両手に持っていた買い物袋を道の隅に置いて、シャマルと男女に近づく。
「おい!」
俺が声を掛けるとシャマルと男女が俺の方を見る。
「何やってんだあんたら!」
「鬼だ!」
「鬼だ!」
「!?」
相手の声を聴いて俺は正直に驚いた。
この男女、声が違う!?
男から女の声、女から男の声を発している。
それに俺を見て鬼だと言った。
こいつらまさか!
俺があることを思い出していると男女が俺に向かって襲いかかってきた。
「!!ふっ!はっ!」
「ぐっ」
突然の行動に僅かに驚きながらも俺は男の右拳を右に避け、男の右手首を左で、右手で服の襟元を掴んで投げ飛ばし、男は背中からアスファルトに着地する。
「はああああっ!」
「がああっ!」
もう1人の女の方は振り返ると同時に右脚を上げ、相手の左頬にハイキックを喰らわせる。
蹴りを受けた女は右に飛ばされ、アスファルトに倒れる。
「大丈夫ですか!?」
「え?は、はい!」
男女の攻撃をかわし、ダメージを与えた俺はシャマルに近づいて大丈夫か確認を取り、突然のことに驚きながらもシャマルは返事を返す。
シャマルが大丈夫であり少し安心した俺はシャマルに背を向け、再び男女の方を向いてファンティングポーズを構える。
「ぐうううっ!!」
「鬼め!」
男女は俺を睨みながら立ち上がると身体を変化させ、怪物に変わる。
「な、何!?」
「はやりこいつら・・・」
男女が怪物に変化してシャマルは戸惑うが俺はある程度予測していたため冷静でいられている。
あの男女は「仮面ライダー響鬼」の世界に現れる「童子」と「姫」と言われる怪人を育てる者。
先ほどまでは人間と変わらない姿をしていたが今は「怪童子」、「怪姫」という怪人形態に姿を変えている。
相手の姿はカニの姿をしている、こいつらバケガニか。
「き、君!危ないから早く逃げて!」
バケガニの童子、バケガニの怪姫を見て少しは冷静さを取り戻したシャマルは俺に逃げるように言う。
こんな怪物を目の前にして俺を助けようとするか、優しいなぁ。
「そうしたのは山々ですけど、この状況じゃあ逃げられませんし、逃げるなら貴女を逃がしてからじゃないと」
「わ、私は大丈夫だから!早く!」
「そういうわけにはいかないでしょう。貴女じゃこいつらを倒すのは無理ですよ。それに俺、結構古い考え方の人間でしてね。男ってのは女守ってなんぼの生き物だと思ってるんで」
慌てるシャマルに対して俺は冷静に思っていることを返しながら前に出る。
「女の人が危険な目に合っていて、その人見捨てて男の俺だけが逃げるなんて最低の行為ですよ。それが美人だったら尚更守らなきゃ」
「び、美人だなんて・・・/////」
まあこんな台詞、ライダーに変身して戦えるからこそ言えるんだろうけど。
戦える力がなければせめてシャマルを連れて逃げることぐらいしか出来ない。
俺が言い終わった後、後ろでシャマルが何か言ったようだが小声で聞き取りにくかった。
ここは気にしないでおこう。
「大丈夫ですよ。俺、鍛えてますから。あと、こいつらを倒すのは俺の・・・・・『鬼』の役目ですからね」
「お、鬼?鬼ってなんのこと?」
俺の言葉にイマイチ理解出来ないシャマルが俺に聞き返す中トレーニングウェアの左ポケットから変身道具「変身音叉『音角』」を取り出す。
「近づいたら危ないんで離れててください」
そういって俺は折りたたまれている音角の本体を展開し、先端部にある2本角の様な物を右手人差し指で軽く弾く。
リーーーーン
音角から音が鳴ると音角を額まで持っていく。
額に紋章が浮かび上がり、そして俺の身体から紫の炎が発生し、紫の炎に全身が包まれる。
「な、何?!この紫の炎!?」
「はぁぁああああああああああっ、ハアッ!」
『
響
鬼
』
突然の発火現象にシャマルが驚く中、俺が右腕を払うと俺を包んでいた紫の炎は消え、俺の身体は変化した。
人々を襲う怪物と戦う音撃戦士、全身の色がマジョーラアンドロメダⅡ、腕と顔の一部が赤色になり、鬼を連想させる姿、俺は平成仮面ライダーシリーズの第六作目「仮面ライダー響鬼」の主役ライダー「仮面ライダー響鬼」に変身した。
ちなみに響鬼のキャッチコピーは「ぼくたちには、ヒーローがいる」。
「き、君・・・一体なんなの?」
響鬼に変身した俺を見て戸惑いながらシャマルが俺に尋ねてくる。
「俺は『野田健悟』。そして『仮面ライダー響鬼』。鬼ですよ。シュッ!」
シャマルに尋ねられた俺は仮面ライダー響鬼に変身する人物「ヒビキ(本名は日高仁志)」と同じ敬礼のようなポーズをしてバケガニの童子、バケガニの怪姫に向かっていく。
後書き
ARXー7アーバレスト 「さあ、投稿しました第四十四話です!」
健悟「今回はある程度早く投稿出来たな駄目作者」
アポロン「頑張ったほうですね」
ARXー7アーバレスト 「最近本当に私に対する扱いが酷いよね君達。一応私君達の生みの親的存在だよ?」
健悟&アポロン「「それが何か?」」
ARXー7アーバレスト 「駄目だ。この子達容赦ない。作者さんの心はメモリブレイクされたよ」
健悟「そんなことより本編の話するぞ」
ARXー7アーバレスト 「・・・はい」
アポロン「さて、今回前半は随分とほのぼの状態でしたね。一部を除いて」
ARXー7アーバレスト 「この場面はクウガが何を作ったことにするか少し悩んだ」
健悟「なんでだよ?」
ARXー7アーバレスト 「俺の中ではクウガはカレーばかり作ってるイメージあるから」
健悟「あ~」
アポロン「確かにそうかもしれませんね」
ARXー7アーバレスト 「でしょ~」
健悟「中盤ではG5の新しい武装プランがチラリと登場したけど、これいつ使うんだ?」
ARXー7アーバレスト 「・・・・・いつか?」
健悟「大丈夫かそんなんで?」
ARXー7アーバレスト 「使えるように頑張るよ!」
アポロン「では最後に後半ですね」
健悟「敵が響鬼の怪人ってのも気になるが、襲われる役またシャマルか。何お前、シャマルに何か恨みでもあんの?」
ARXー7アーバレスト 「んな訳あるか!むしろシャマルは好きなキャラの1人じゃ!お姉さん系最高!」
アポロン「でもよくシャマル様はおば―--」
ARXー7アーバレスト 「アポロン!それ以上言うな!」
アポロン「・・・・・申し訳ありません」
健悟「で、理由は?」
ARXー7アーバレスト 「・・・だって、シグナムとかヴィータって撃退しそうじゃん」
健悟「納得」
アポロン「それで、魔化魍と響鬼を選んだ理由はなんですか?」
ARXー7アーバレスト 「響鬼って中々使う機会ないだろうから」
健悟「結構ありそうな理由だから反論しにくいな」
ARXー7アーバレスト 「それに響鬼は個人的に好きなライダーだよ?台詞もカッコイイし。あとシュッってやるのも」
健悟「まあ、俺も好きだけどな」
ARXー7アーバレスト 「ではそろそろ次回予告に移るとしましょうか。アポロンBGMよろしく!」
アポロン「ラージャ」
BGM 「輝き」
健悟「お、響鬼か」
ARXー7アーバレスト 「そ、しかも今回は特別仕様。ではよろしく!」
健悟「はいよ。次回、『~少年が望んだ世界と力~』は」
健悟「鬼火!はあっ!」
健悟「音撃棒!『烈火』!」
シャマル「な、何あれ・・・?」
健悟「ありゃあ。もしやとは思ってたがやっぱりいたか、魔化魍」
健悟「ふっ!はっ!せいっ!」
ヴィータ「てめぇ、シャマルに何しようとした!」
健悟「こっちも抵抗させてもらう」
健悟「四十五之巻 『騎士と戦士』」
ARXー7アーバレスト 「はいOK!」
健悟「話の部分を響鬼にしたのか」
ARXー7アーバレスト 「そそ」
アポロン「特に特別仕様という程ではありませんね」
ARXー7アーバレスト 「厳しいなぁ」
アポロン「それでは本日はここまで、引き続き皆様のリクエストをお待ちしております」
ARXー7アーバレスト「では、次回もお楽しみに!」
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第四十四話 引越し完了