第十一話 獅子と麻帆良祭・一日目―2
「あ、古菲さーん!」
「お?おお!ウルじゃないアルか!久しぶりネ!」
まほら武道会の予選会場に移動したウル一行は、オレンジ色のチャイナ服を着た元クラスメイト―古菲と遭遇していた
「ええ、お久しぶりです。古菲さんも、まほら武道会に?」
「うむ、その通りアル。去年は真名に引き分けて棄権してしまたからネ。今年こそは優勝を目指すアル!」
グッと拳を握りその身に気を漲らせる古菲
体から漏れでた気が炎のように古菲の体を包み込む
「それに懐かしき友がこの大会を主催したと聞いては、いてもたてもいられなくなたヨ」
「懐かしき友?それってもしかして―」
「超殿、でござるな?」
ウルが古菲に尋ねる前に楓が尋ねる
「うむ、どうやらまた未来から戻てきてこの大会を開いたらしいアル」
「やっぱりですか…。タイムパラドックスとかバタフライ効果とか大丈夫なんですかね?」
「ちょ、ちょっと待ってくれないかしらウル…。超さんって何者なの?貴方たちが言うことを聞くに、その超さん?という人は時間移動の術を持っているらしいのだけど…」
と、ここで麻帆良組の会話にリアスが乱入する
「む?ウル、この人たちは誰アルか?」
「あ、古菲さんには紹介していませんでしたね。僕が通っている駒王学園のオカルト研究部のメンバー、リアスさんに朱乃さん、それに響さんです」
「ウルの部活の部員だたか。私は古菲。ウルの元クラスメイトにして
「これはどうもご丁寧にありがとうございます。私はオカルト研究部の副部長を務めております、姫島朱乃と申します」
「自分は平部員の上原響だぞ!一応中学二年生さ!」
「オカルト研究部部長、リアス・グレモリーよ。それで、超さんの事なのだけれど」
「うむ、事実アル。わが朋友超鈴音は未来人。未来の火星―
何の気なしに古菲は事実を伝えたが、リアスと朱乃は絶句していた
何せ時間移動なんて、悪魔の技術でも実現は出来ていないからである
リアスは超も眷属に入れようか?と考え込む
「ちなみに去年の武道会の優勝賞金は一千万円だったそうですよ」
「「「いっせんまん!?」」」
その金額の大きさにオカ研メンバーは絶叫する
響など『一千万円…うがー!金額が大きすぎて想像が出来ないぞー!?』と頭を抱えている
「ちなみに今回も優勝賞金は一千万円でござるよ。さらに二位と三位にもそれぞれ五百万円と二百五十万円が賞金として出るそうでござる」
「「「なにぃぃぃ!?」」」
そんな漫才をしている内に会場にレースクイーンのような衣装を着た和美と、豪華な中国の民族衣装のようなものを来た鈴音が現れる
『ようこそ!!麻帆良生徒及び学生、及び部外者の皆様!!『まほら武道会』へ!優勝賞金は一千万!さらに昨年の武道会の好評を受け、今回は準優勝賞金が五百万、そして準々優勝賞金が二百五十万と相成りました!伝統ある大会優勝の栄誉と賞金を、見事その手で掴んでください!!』
会場に集まった観客や参加者が『うおぉぉおおぉぉおおお!!!』と歓声を上げる
「へぇ~。やっぱりウルも出場するんだ?」
「ウルさん、お久しぶりです」
「あ~やっぱりウル君や~。会いたかったえー♪」
「あ、明日菜姉さん!久しぶりです!刹那さんに木乃香さんも!それに―」
雑踏の中からセーラー服を着た明日菜と刹那、魔法使いのとんがり帽子にローブを纏った木乃香が現れる
そしてその後ろからは―
「ウル君、久しぶりだね。兄弟子として、先生として君にあえて嬉しいよ!」
「おう、久しぶりやなぁウル!今度こそお前には負けへんで!」
「久しぶりだね、ウル」
「―ネギさんにコタローさん、兄さんまで!」
教師としてスーツを着たネギ、学ランのコタロー、いつもの詰襟を着たフェイトが姿を見せていた
「あれ、ここにいるっていう事はネギさんたちも武道会に?」
「うん、そのつもりだよ」
「僕は出ないけどね。見学さ」
どうやらフェイトは出場する気はないらしい
『それでは今大会の主催者より開会の挨拶を。学園人気No.1屋台『
「
「あ、鈴音さんだ」
「へえ、あの人がそうなの…」
リアスは値踏みするように超を頭から爪先まで観察する
「…ふぅん、面白い人ね。自身の体に直接呪文処理を施してるわ」
「ええ、彼女からは魔力はほとんど感じませんが、あの呪文は無理やり魔力を生み出すものですね」
「見ただけでそこまで分かるんですか!?」
観察しただけで看破したリアスと朱乃にネギが驚愕する
「で、貴方が魔法世界の英雄、白き翼のネギ・スプリングフィールド君ね?」
「え、ええ、そうです。貴女方は?ウル君の知り合いみたいですが」
「私はウルの所属するオカルト研究部の部長、リアス・グレモリーよ。よろしくね、小さな英雄さん」
「私はオカルト研究部の副部長、姫島朱乃ですわ」
「自分は上原響だぞ!」
「リアスさんと朱乃さん、響さんですか。ではこちらも改めて自己紹介を。ネギ・スプリングフィールドです。麻帆良高校1-Aの副担任にして白き翼のリーダーです」
オカ研と白き翼、お互いを代表してリアスとネギが握手をする
そこでネギは何かに気がついたようだ
「…この禍々しい魔力…貴女は一体?」
「それは後でのお楽しみ、よ。そういえばウル、貴女のお姉さんはどこにいるのかしら?挨拶をしたいのだけれど」
「私を呼んだか?リアス・グレモリー」
そこに緑色の髪の少女の人形―チャチャゼロを従えたエヴァンジェリンが現れる
黒のゴシックロリータ服は、西洋人形のようなエヴァンジェリンにとても似合っていた
「あ、エヴァさん!お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだなウル。今はマスターで良いぞ。で、リアス・グレモリー、私に何か用か?」
「貴方が『
「知っているさ。サーゼクスとは知り合いだからな」
「お兄様と?」
「ああ、一度眷属としてスカウトされた仲だ。私は麻帆良から出られないから蹴ったがな」
リアスとエヴァンジェリンが和気藹々と話を進める
そこでウルが思い出したようにエヴァンジェリンに話しかける
「そうだマスター。僕たち泊まるところがないんです。マスターのログハウスで寝泊りさせていただけませんか?」
「そうだな、まあ良いだろう。なんなら別荘を貸してやってもいいぞ」
「ありがとうございます。そういえばマスターは武道会に出るんですか?」
「今回は出んよ。またアルの奴におもちゃにされては敵わんからな」
「おやおや、それは聞き捨てなりませんねえ」
フッとまるで幽霊のようにエヴァンジェリンとウルの間に、ローブを纏いフードで頭を覆い隠した胡散臭い人物が現れる
「アルビレオ・イマ!貴様の目的は去年達成しただろう、なぜ今更出てきた!」
「それは勿論ネギくんとウルくんの成長を見るためですよ。わかりませんか?キティ」
「その名で呼ぶなぁっ!!」
エヴァンジェリンは胴体をなぎ払うような蹴りをアルビレオに見舞うが、その蹴りはアルビレオの体をスカッと空振りしてしまった
「ええい忌々しい…貴様は武道会には出ないんだろうな?」
「出ませんよ。去年までのネギ君ならともかく、今のネギ君相手では幻を一撃で消されてしまいますからね。そうなると魔法の秘匿にも問題が生じます」
「だろうな」
と、ここで和美の放送が予選会場全体に響く
『では参加希望者は前へ出てくじを引いてください!予選会はくじ引きで決まったそれぞれ20名一組のグループで行われるバトルロイヤル!』
ここで和美はいったん言葉を切り、大きく息を吸い込む
『只今より―まほら武道会、予選会を始めます!』
さてさて次回は予選会でございます
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