No.681546

【獣機特警K-9ⅡG】熱愛バッテリーチャージ!【交流】

古淵工機さん

え?なんですか?うん…えーと。

ロボット同士の単なる充電ですから健全ですよ。
健全ですよったら!www

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2014-04-26 00:13:48 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:899   閲覧ユーザー数:824

「あーくんっ、一緒にかーえろ!!」

ここはラミナ小学校の2年B組クラスルーム。

その入り口から、クラスで一番仲むつまじいと言われる渋谷ミカと斑鳩飛鳥がいつものように手をつなぎ…

いや、身体を寄せ合いながら出てきた。

 

「ミカちゃんってばほんと、甘えんぼさんだなあ…w」

「だぁってぇ、一緒にいないとつまんないんだもーん。手をつないでないとダメなの!」

「実は僕もなんだ。一緒に帰ろう!!」

このラブラブ振りときたら一部の生徒にとって見れば度が過ぎているようで、

廊下ですれ違った女子生徒が思わずあとずさってしまっていたが、そんなことを気にするような二人ではなかった。

午後の通学路で、アスカがある提案をする。

 

「そうだ!せっかくだからヴィクトさんちに寄ってかない?」

「でも、今日はCPFの会議もないんでしょ?」

「いやいや、実は試してみたいことがあってさ。行くよ!」

「うん!」

と、ミカをお姫様抱っこしながら走り出すアスカ。その様子を見た通行人は明らかに引いている。

一部のカップルたちは、恥ずかしさと気まずさで真っ赤になった顔を手で覆い隠したりしていたが、

そんなことを気にする余裕など、アスカとミカにはまったくなかったのだった。

…V.A.テクノサービスの店内。

「いらっしゃい、ラブラブカップルのお二人さん。残念だけど今日のお仕事はないよ」

「いえ、仕事の話じゃなくて、別の用事があってきたんです。だよねミカちゃん!」

「もうーっ、あんまり大きな声で言わないでよあーくんったら!」

「ミカちゃん…」

「あーくん…」

「ミカちゃん…!」

「あーくん…!」

 

すごくナチュラルに抱き合う二人を見て、もう一人の店番であるアスティが思わずこう漏らした。

「はいはいごちそうさまごちそうさまwで、用事っていったい何なの?今日はお店の方も定休日よ」

「その、奥のメンテルームを貸していただきたいんですが…」

そんなアスカの言葉に、目を丸くするヴィクト。

「あらあらー、なにか具合でも悪いのかな?」

「いえ、ちょっとやってみたいことがあって…ねぇいいでしょヴィクトさんにアスティさんー、お・ね・が・い」

と、目を潤ませてヴィクトとアスティにお願いをするミカ。

 

「わかった!わかったからそのキラキラした目はやめてー!」

「反則だ!女子小学生はこれだから反則だ…」

「「わーい!やったー!!」」

「さ、行こうあーくん!」

「うん!」

メンテナンスルーム。

「でもあーくん、一体何するつもりなの?」

「うーん、じゃあヒント。僕たちの身体にはある共通点がある。何でしょう?」

「簡単じゃん、あたしたちロボットでしょ?つまり機械でできてるってことじゃない?」

「そう。そして機械の身体だからできることを今からやろうと思うんだ」

そう言うと、アスカは上半身裸になり、それに呼応するようにミカも上着を脱いで上半身下着姿になる。

 

「わぁ、あーくんの身体、小さいけどちゃんと男の子なんだぁ…かっこいい…」

「そう言うミカちゃんの身体も、可愛いよ…」

「もう、あーくんってばぁ…」

と、お互いを見つめて頬を紅潮させる二人。

 

「それじゃあ、早速始めようか」

「うん…そうだね…」

と、しばらくお互いを見つめ合いながら照れ笑いしていたアスカとミカ。

その数秒後、二人の顔から一瞬表情が消える。

「「ピッ。メンテナンスハッチ、オープンシマス」」

システム音声を合図に、二人の腹部に切れ込みが入り、ゆっくりと開いていく。

そこには、二人がロボットであることの証明…内部メカが詰まっていたのである。

 

「「ピピッ、腹部ハッチ解放完了」」

というシステムメッセージの直後、二人の顔に表情が戻ると、再び頬を染めて笑いあう。

「…わぁ、あーくんの中身ってこうなってるんだぁ…」

「えへへ…ちょっと恥ずかしいけどね。ところでミカちゃん、今日お弁当食べてきてないよね?」

「うん、昨日あーくんがそうしてって言ってたから…」

「ごめんね、実はこれをやりたかったからなんだ…ピッ。エネルギー供給モード」

再びアスカの顔から表情が消え、腹の中からエネルギー供給用のコードがせり出してくる。

「あ、あーくん…?」

「ピッ。対象ヲ『シブヤ・ミカ』ニ設定。エネルギー供給ヲ開始シマス」

「わわっ、ちょっと、あーくん…ピッ。接続ヲ確認、エネルギー充填ヲ開始シマス」

ケーブルが接続されたとたん、ミカの表情も消えて、無機質なシステムメッセージが発せられた。

今、二人の内部メカは一本のケーブルでつながれていた。

 

「ピッ、エネルギー充電中。…コノ体勢ダト、ズット、無表情ナノガ、モドカシイヨネ、アークン」

「ピッ、エネルギー供給中。…仕方ナイサ。充電中ハ、負荷軽減ノ絡ミデ、感情レベルガ、抑制サレルカラネ…」

「モシ今、表情ガツクレタラ、アタシ今、ホッペタ真ッ赤カモネ…」

「ソレハ、ボクモ、オナジサ…」

…充電モードの二人の言葉には抑揚がなく、その顔には表情もなかった。

しかし、感情レベルが抑制されているとはいえ、二人がなお愛し合っているのははっきりと聞き取れた。

やがて充電が完了すると、アスカの口からシステム音声が流れた。

「ピッ、エネルギー供給完了。通常モードニ復旧シマス」

「ピピ、充電完了。通常モードニ復旧シマス」

二人の瞳に再び光が戻り、顔にも表情が戻った。

その表情は、充電開始前よりさらに頬が赤く染まり、瞳も潤み、口元も緩んでいた。

 

「ありがとあーくん!あーくんのエネルギー…とぉっても美味しかったよ…」

「いやいや、どういたしまして…」

「あーくんっ!」

「ミカちゃん!」

「あーくんっ!!」

「ミカちゃんっ!!」

お互いの名前を呼び合いながら、二人は先ほどよりも強く、お互いを抱きしめあうのだった。

その一部始終をモニターしていたヴィクトとアスティはというと…。

「…おいおい、まだ子供だろうに。今からアツアツってどーなのよ…」

「最近のカップルっておっそろしいね…」

と、小学2年生ラブラブカップルの熱愛ぶりにただただ圧倒されるだけなのであった。


 
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