No.681340

恋姫外史終章・いつまでも一刀第28と1/4話

アキナスさん

トップバッターは・・・・・・

2014-04-25 05:36:19 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4451   閲覧ユーザー数:3548

一刀は本日の仕事を終えて、庭を散歩していた。

 

「さて、これからどうすっかな~~」

 

「ワンワン!」

 

「ん?」

 

何だ?と鳴き声のした方を見ると、犬がこちらへ全速力で走ってくるのが見えた。

 

「ありゃ・・・セキトじゃねえか」

 

「ワン!」

 

セキトは一刀の足元まで来ると、ピョンピョンと一刀に向かって飛び跳ね始めた。

 

「何だ?遊んでほしいのか?」

 

「ワン!」

 

「そうか。いいぜ、丁度暇だったんだ」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・セキト~~」

 

恋はキョロキョロしながらセキトを探していた。

 

「ワンワン!」

 

「流石に速いな!」

 

声のした方を見ると、そこには楽しそうに走り回るセキトと、セキトを追いかける一刀の姿があった。

 

「ワン!」

 

恋に気づいたセキトは、方向転換して恋のいる所にやってきた。

 

一刀もようやく恋のいる事に気づいたようだ。

 

「おりょ?いたのか呂布」

 

「・・・・・・ん」

 

コクリと頷く恋。

 

「・・・・・・セキトと、仲良し?」

 

「おう!もうダチだ!なあセキト?」

 

「わふ」

 

コクコクと首を縦に振るセキト。

 

「・・・・・・友達」

 

「ああ」

 

「・・・・・・セキトと友達・・・恋とも友達?」

 

「ん?う~ん・・・まあ、そうなるのかな?」

 

「・・・・・・」

 

ぐ~~~

 

恋の腹が鳴った。

 

「何だ、腹減ってんのか?」

 

「・・・・・・ん」

 

頷く恋。

 

「そっか・・・そうだ!俺料理結構上手いんだが、作ってやろっか?セキトの分も作ってやるぜ?」

 

「ワン!」

 

「・・・・・・コクコク」

 

「んじゃ、厨房借りるかな」

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 

「そうだった。こいつを満足させるのがどれほど大変だったか忘れてた・・・・・・」

 

「ハグハグハグ!」

 

凄い勢いで料理を口に放り込んでいく恋。

 

厨房にいる料理人にも手伝ってもらっているのだが、まだ手が足りないくらいだ。

 

「チャーハンあがり!」

 

「シューマイ蒸しあがりました!」

 

「どんどん持ってけ!こんな数じゃあ呂布の腹を満たす事は叶わんぞ!!」

 

「「「「オス!!」」」」

 

恋の腹を満たすと言う共通の目的の為に、厨房の料理人たちの心は一つになっていた。

 

この時の戦いを呂布満腹戦争と・・・・・・後々まで語り継がれる訳はなかった。

 

 

 

 

・・・・・・パキィン

 

 

 

 

 

 

「あ~~、疲れた」

 

椅子に座って大きく息を吐く一刀。

 

厨房の料理人たちも疲労でぐったりしており、屍累々の状態であった。

 

「・・・・・・けぽ」

 

「わふ」

 

恋の方は満足したようで、お腹をさすりながら立ち上がり、セキトと共に一刀のもとへとやってきた。

 

「満足したか?」

 

「・・・・・・コク」

 

「ワン!」

 

「そりゃ良かった・・・あ~、肩凝った」

 

右手を左肩に回し、トントンと叩く一刀。

 

「・・・・・・」

 

そんな一刀を見た恋は、一刀の後ろに回りこんだ。

 

そして、一刀の両肩に手をやり、ゆっくりと揉み始めた。

 

「お?肩揉んでくれんのか?」

 

「・・・・・・ごはんのお礼」

 

「ん~~、本来なら別にいいって言うところだが、せっかくだからお願いしようかな?」

 

「・・・・・・ん」

 

「あ~~、そこそこ」

 

「・・・・・・ここ?」

 

「そうそこ!く~~、効くなあ」

 

恋の肩揉みに一刀は気持ちよさげな声をあげる。

 

「もういいぜ。ありがとな」

 

一刀がそう言った時、

 

「陳宮キーーーーック!!」

 

久しぶりに聞いた例の声がした。

 

「む!?」

 

一刀は反射的に防御を固めた。

 

ガッ!

 

防御には成功したものの、座ったままだったため一刀は椅子ごと倒れてしまった。

 

「あてて・・・頭ぶつけた」

 

「お前!恋殿に何をやらせているのですか!?」

 

怒りの表情を浮かべ、一刀を見下ろすねね。

 

「何って、肩揉んでもらって・・・」

 

「黙るのです!恋殿にそのような事をさせるなど、天が許してもねねが許さないのです!」

 

「・・・・・・ねね」

 

「恋殿!ご安心ください!この男にどんな弱みを握られたか知りませんが、このねねが来たからには・・・・・・」

 

ポカ

 

恋はねねの頭をグーで軽く小突いた。

 

「・・・・・・れ、恋殿」

 

「・・・・・・一刀、何も悪い事してない」

 

「う・・・・・・」

 

「・・・・・・ねね・・・謝って」

 

「うう・・・・・・」

 

「・・・・・・ねね」

 

「うああああああん!!」

 

ねねは泣きながら、その場から走り去ってしまった。

 

「・・・・・・」

 

恋は困った顔でねねが走り去った方を見ていた。

 

「いいのか?」

 

よっこいせと起き上がる一刀。

 

「・・・・・・今のは、ねねが悪い」

 

「ん~~、まあな」

 

「・・・・・・許してあげて。ねね、一刀のこと忘れてるから」

 

「それは仕方が無いことだけどな・・・・・・ん?ちょっと待て」

 

「?」

 

「お前は俺の事、思い出したのか?」

 

「・・・・・・コクリ」

 

「いつ?」

 

「・・・・・・さっきのごはんで、うどんを食べた時」

 

「う、うどん?」

 

「・・・・・・コクリ」

 

「そうか、うどんで思い出したのか・・・・・・恋らしいというか、何というか」

 

一刀は何だか気が抜けてしまった。

 

「・・・・・・一刀」

 

「ん?」

 

「・・・・・・おかえり」

 

恋は嬉しそうに笑顔を浮かべ、そう言った。

 

「・・・・・・」

 

恋の不意打ちに、一刀は見惚れてしまい、言葉が出てこなかった。

 

「?」

 

動かない一刀に対し、首を傾げる恋。

 

「・・・・・・はっ!」

 

正気に戻った一刀は、照れくさそうに恋の頭に手を乗せて、撫でながら言った。

 

 

 

 

 

「・・・・・・ただいま」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

拠点イベント第一回は恋でした。

 

恋はなかなか感情を表に出さないぶん、出した時の破壊力は半端ないですよね?

 

初代で恋のイベント見てた時は、あまりの可愛さにもだえ苦しんでましたから(笑)

 

さて、次は誰を書こうかな?

 

では次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「島津流正波拳!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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