No.680380

提督、月がきれいですね[千歳]

時雨皆人さん

pixivと同時投稿です

2014-04-21 05:33:04 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1342   閲覧ユーザー数:1311

桜が満開になり世間はお花見シーズンとなっているがこの鎮守府でもそうなっている

 

「えー今日はお花見というわけだが、限度をちゃんとしろよ?あとは自由にしてもらっても構わない。」

 

提督の話が終わるのを今か今かと待っている艦娘たちを見て提督は苦笑いした

 

「それじゃあ待ちくたびれたやつもいるようだしお花見スタートだ!!」

 

提督の合図で鎮守府内の花見は始まった

普段から頑張っている彼女たちをみて提督はたまにはゆっくりさせるのもいいだろうと思い

今回の花見を考えたのだが、提督は彼女たちの元ではなく執務室へと向かっていた

 

「さて、あいつらはめいいっぱい楽しんでくれればいいな、その間に俺はこの仕事を片付けて・・・」

 

執務室から花見をしている彼女たちの姿をみて提督は思った

 

「深海棲艦がいなければ普通の子となんら変わらないんだ、だからこそ早くこの戦争を終わらせなければな、彼女たちには彼女たちの人生があるんだ。」

 

提督は笑みを浮かべながら彼女たちを見て改めて決心した

 

そのころとある艦娘が提督を探していた

 

「ねぇ千代田、提督がどこにいったのか知らないかしら?」

「見てないけど・・・おねぇ提督になにか用事あるの?」

「たまにはお酒をご一緒しようかと思ったのだけど・・・」

 

千歳は残念そうにしていて千代田はそれを見て苦笑いしていた

 

「おねぇ、提督は多分誰かと飲んでいるのよ、だから私達は私達で飲みましょ?」

「そうねぇ・・・飲んじゃいましょうか」

(本当に提督はどこにいったのかしら・・・)

 

千歳は千代田と飲みながら辺りを見回して見ると・・・

 

(執務室の窓が開いてる・・・まさか仕事をしているんじゃ・・・)

「はいおねぇ、いっぱい飲んでね」

「え、えぇ・・・」

(心配だわ・・・)

 

千歳は提督のことを心配しながらお酒を飲んだ

 

 

 

 

そして日が暮れ始めてきた頃

 

「ほらお前ら、花見は終わりだぞ!明日からは普通に遠征が出撃があるから響かないようにな」

「「「はーい」」」

「よし、それじゃあ後始末をしっかりするんだぞ」

(夜に執務室に伺おうかしら)

 

提督が指示をだしながら片付けをさせている姿を見て千歳は何かを決めたようだ

 

そして夜になっていく・・・

 

暗闇もだいぶまして月明かりがさすようになった

 

「ふぅ・・・1回休憩するか」

 

提督は休憩しようと立ち上がった瞬間ノックの音が聞こえてきた

 

「千歳です、今大丈夫でしょうか?」

 

どうやら執務室に訪れたのは千歳のようだ

 

「あぁ、入っていいぞ」

「失礼します」

 

執務室に入った千歳の腕には一升瓶のお酒とコップが2つあった

 

「提督、付き合ってもらえませんか?」

「ふむ、ちょうど一休みしようと思っていたところだ、少し外に出ようか」

 

提督は千歳を連れて外へ出た、二人が向かったのは小さいながらもしっかりとした桜の木の下である

 

「こんな離れた場所に桜の木があったなんて・・・」

「ここは俺のお気に入りに場所なんだ」

 

二人は桜の木の下に座りお酒を飲み始めた

 

「提督、昼間はどちらにいらしたんですか?」

「ん?あぁ、少しでも減らそうと思って仕事をしていたよ、なかなか数が減らなくてな」

「普段から貯めこむからそうなるんですよ?」

「反省しています」

 

そんな話をしていると提督のコップに桜の花びらが舞い落ちてきた

 

「桜の花びらがコップに・・・」

「これが盃だったらとても風情があるんだがな」

 

提督は苦笑いしながらコップに入った桜の花びらを見た

 

「儚く散るからも美しい・・・か」

「提督?」

「ん?いや、なんでもないぞ」

「提督、月が綺麗ですね・・・」

「そうだな、今日は綺麗な満月だな」

 

提督がそういうと千歳は面白くなさそうにこちらを見ていた

 

(提督ったらほんとに鈍いんだから・・・)

「ん?千歳どうした?酔いが回ったか?」

 

その言葉に千歳はチャンスだと思った

 

「えぇ、だからおそばに行ってもよろしいですか?」

「あぁいいぞ」

「ありがとうございます」

 

千歳は提督の隣に座って頭を預けた

 

「私今がとても幸せです、こうして提督のおそばにいることができて・・・」

「そうか・・・そう言ってもらえると俺もうれしいな」

「私は・・・」

「ん?」

「私は提督が好きです、ずっと隣にいたいくらいに・・・」

「俺も、千歳のことが好きだ、だから・・・」

 

提督は千歳に言った

 

「ずっと俺のそばで輝いてくれ」

「私はあなたの月になります、だからあなたは私達を照らす太陽でいてください」

 

 

桜の花びらが舞う中にいる二人を月が優しく照らしていた

 

 

 


 
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