No.680173

ALO~妖精郷の黄昏~ 第18話 夏のデート

本郷 刃さん

第18話です。
甘々です・・・とにかく和人と明日奈がイチャついております。
コーヒーなどをリットル単位で用意せよ!

どうぞ・・・。

2014-04-20 12:20:05 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:10686   閲覧ユーザー数:9863

 

 

 

 

 

第18話 夏のデート

 

 

 

 

 

 

 

明日奈Side

 

「さて、明日から夏休みに入ります。

 しかし、みなさんも自覚してくれていると思いますがみなさんはもう大人ともいえる年齢です。

 長期の休みとはいえ、あまり羽目を外しすぎないようにしてください。では、夏休み明けにまた会いましょう」

 

担任の女性教師は笑顔でそう言うと教室から去っていきました。

すると次の瞬間、男子生徒たちが一斉に歓声をあげました。みんな学校が終わって嬉しいんだね~。

 

「終わったな~!」

「明日から夏休みね!今年は遊びまくるわよ!」

「2人とも元気だね」

 

側の席にいる志郎君と里香も背伸びをしてからそう言ってます、この2人は楽しいことが好きだからね。

 

「このあとはダイシー・カフェでオフ会だったよな」

「この前も試験終了祝いをやったばかりなのよね」

「まぁいいんじゃないかな~。楽しいことはみんなで分かち合ったほうがいいし」

 

志郎君が言うように、このあとはエギルさんところでオフ会というか慰労会になります。

里香の言ったこともあるけど、やっぱり楽しいことはみんな一緒がいいもの。

そういうわけで、わたしたちは帰り支度を整えてから校門へ向かいました。

明日から夏休み、凄く楽しみです。

 

 

和人くんと景一君、珪子ちゃんと烈弥君と刻君、

それに黒猫団のみんなと合流したわたしたちは揃ってダイシー・カフェに行きました。

カフェには学校から直接きたと思えるシノのんとスグちゃんがいました。

みんなで談笑しながらお昼を食べたりして過ごしました。

さすがに夕方までとはいかないので午後を過ぎた辺りで切り上げて、解散になりました。

 

「夏休み♪ 夏休み♪」

「明日奈にしては珍しく、随分と浮かれているじゃないか」

 

送ってくれてる和人くんと手を繋ぎながら歩いてると、彼がそう言ってきました。

 

「うん、さっきまではみんなの前っていうのもあったし、でも今は和人くんと2人きりだからね。

 だから浮かれてるのがでてきちゃうのかも///」

「嬉しいことを言ってくれるじゃないか……それじゃ、どうして明日奈は浮かれているのかな?」

 

優しい微笑みから一転して、彼は意地悪な微笑みで意地悪なことを聞いてきました。

言ったら、喜んでくれるかな?

 

「えっとね、去年までのわたしって、夏休みが楽しいと思ってなかったから…。

 一昨年とその前はSAOの中だったし、それ以前は夏休みでも塾や家庭教師、

 それにたくさんの課題や自習用課題で一杯だった…それに、京都の本家にも行かなくちゃいけなかった」

「明日奈…」

「そ、それにね、去年はたくさん遊べたけど、夏休みに入ってすぐに奈良の八雲さんのところに行ったでしょ?

 だから、こうやってちゃんと楽しめる夏休みに入るのを自覚して、浮かれちゃったの///」

 

浮かれてることを自白したのでちょっと恥ずかしいです。

ただ、話しの最初が少し暗くなったので、和人くんは意地悪そうな微笑みからいつもの優しい笑顔に変わっています。

そしてわたしのあごに手を添えると、そのまま上に持ち上げられてキスされました///

 

「んちゅ、ふぁ…あ…///」

「ふぅ…くくっ、物足りなさそうだな」

「も、もぅ…///」

 

優しい表情のまま意地悪なことを言う彼、思わず頬を膨らませちゃいます。

それは、少し物足りないけど…って、そうじゃなくて///

 

「そう怒らないでくれ……今年の夏は、去年以上に楽しいものにしような」

「あ…うん///♪」

「よし! それじゃ、明日は早速デートに行こうぜ」

「やったぁ!」

 

和人くんの気遣いと優しさが凄く嬉しくて、出来る限りの笑顔で応えました。

 

 

 

 

和人くんに家まで送ってもらったあと、わたしは早速学校から出された夏休みの課題に取りかかりました。

折角の長期休み、それを楽しむのだから課題は早い内に終わらせておきたいからね。

そんなこともあって母さんが仕事から帰ってくるまで課題に集中して、夕飯を取ってからも課題に集中していました。

そして一区切りついた頃、そろそろALOでも始めようと思って着替えの準備をしようとした時、

わたしは思い出した……明日は和人くんとデートだったと…!

 

「ふ、服、なに着ていこう…!」

 

クローゼットを開いて中にある服を全て見ていく。

夏だから涼しいのがいいけど、あまり肌を露出するとお肌に悪いしスキンケアが大変だし、

何より他の男の人の視線を集めたら和人くんがどれほど機嫌を悪くするか分かったものじゃないね…。

出来るだけ肌を出さないように、それでいて涼しい格好にして…。

そんな風に悩んでいる内に、わたしが遅かったので携帯端末に移動してきたユイちゃんに

呼ばれるまで、延々と服やスカートを交互に自分に重ねる作業を続けました。

 

 

昨夜の失態のあと、ユイちゃんにはみんなに秘密にしてもらって、ALOにダイブしてからなんとか誤魔化しました。

ただ、和人くんがニヤニヤしてわたしを見ていたことから、なんとなくだけど察しが付けられてると分かりました。

そして朝、家族4人揃っての食事です。

 

「明日奈は今日から夏休みだったね。なにか予定でもあるのかな?」

「今日は和人君とデートだそうですよ。

 昨日の夜に部屋でバタバタしていたもの…デートで着ていく服でも見繕っていたんじゃないの?」

「か、母さん、なんで知ってるの?」

「部屋を訊ねてみたら音がしているし、ノックをしても気付いた様子もない。

 覗いてみればクローゼットを開け放って衣類を漁っているなら、何をしているのか大体予想は付くわ」

「うっ…」

 

訊ねてきた父さんに答えようと思ったらまさかの母さんからの言葉。

昨日のアレを見られていたなんて、恥ずかしい///

 

「そうかい、仲が良くて安心だ。和人君によろしく言っておいてくれ」

「僕からもまた色々話しをしようって伝えてくれるかい?」

「もちろん、私からもね」

「は、はい」

 

父さんと兄さんは非常に和人くんと話しが合うみたい。

2人の仕事柄、和人くんの意見や言葉は参考になるみたいで、偶にわたしよりも意気投合してる時があるので嫉妬したり…。

母さんはというといつもは見られないわたしの姿を彼から聞きだしているみたいで、

この前もそれでからかわれたりしました。でも、家族がみんな和人くんと仲が良いのは嬉しい。

このあと、父さんと兄さんは仕事に、母さんは大学も休みに入ったので家で簡単な仕事をして、

わたしは予定の時間がきた時に駅へと向かいました。

 

 

待ち合わせ場所の駅へ着くとそこには既に和人くんが待っていました。

 

「おはよう和人くん。待たせちゃったかな?」

「おはよう明日奈。大丈夫だよ、全然待ってないから」

 

挨拶を交わすわたしたちだけど、いまの時間は午前9時50分で待ち合わせ時間は午前10時。

このことから考えても、彼はいまから5分前には着いていた可能性があります。

和人くんはそういう人だからね。

 

「それじゃあ行こうか」

「どこへエスコートしてくれるんですか?」

「この前オープンされたばかりのショッピングモールへ…どうかな?」

「ふふっ、お願いします」

「ではお姫様、お手を…」

「はい♪」

 

手を繋いでわたしたちは電車に乗り、大型ショッピングモールへ向かいます。

 

明日奈Side Out

 

 

 

 

和人Side

 

電車を降りてから歩くこと15分ほど、目的地の大型ショッピングモールへと辿り着いた。

 

「さて、開店してそんなに経ってないけど、明日奈は何処か行きたいところはあるか?」

「あのね、わたし新しい水着が買いたいの。4着はあるんだけど、もう1着は欲しいかなって」

 

4着もあれば十分だろう、と思いもしたが女性というのは着飾りたいものであると思うし、

なによりそのもう1着があれば計5通り分の明日奈の水着姿が堪能できるのでツッコミはしない。

 

「じゃあまずは水着を見に行こう、俺ももう1着ぐらいはあった方がいいだろうしな」

 

そういうわけでまずは水着売り場のある店へと移動した。

 

水着売り場へとやってきた俺たち。

俺は私物の紺色でトランクス型の水着と学校用の計2着があったので、

シンプルかつ俺に合う黒のロングトランクス型水着を選んで購入した。

その間、明日奈は水着を選んでくると言っていたので、彼女の元へとやってきたのだが…。

 

「和人くん、どの水着がいいかなぁ?」

 

そこには10着近い水着を持っている明日奈がいた。

 

「その前に、明日奈が持ってる4着の水着の種類を確認してもいいか?」

「えっとねぇ…ワンピース型で花柄のAライン水着、ツーピース型で赤と白のセパレーツ水着、

 同じく水色のセパレーツ水着でパレオ付き、それに白のビキニだよ……一応、学校用の水着もあるけど…」

 

なるほど、確かに全て去年の夏に見たのを覚えている。

スク水も合わせて計5着、勿論全て俺の脳内メモリに記録されているため、いまも思い出せる。

あくまでも確認だ、確認。

 

「まずその3つのビキニは却下な、露出が多すぎないくらいが俺は好きだ。

 ワンピースの水着も今日はやめておこう、2着もあれば十分。ということであとはその4着に絞れたわけだが…」

 

残ったのは赤色のセパレーツ水着でパレオ付き、情熱的に見えるのは気のせいではないはず。

次もセパレーツ水着なのだが、ボトムがボーイレッグと呼ばれるショートパンツ風なものらしく活動的に見える。

お次は普通にセパレーツ水着だが、色合いが薄い緑という感じで自然的なイメージがある。

最後はトップこそセパレーツの水着だが、ボトムがスカートのようにも見えるキュロパンと呼ばれるものらしく、

これは薄めの桃色と可愛らしさのあるものだ。

 

「最後のこれ、桃色のやつがいいかな」

「これだね。理由、聞いてもいい?」

「赤色のパレオのやつはちょっと赤が強すぎるっていうのがあるかな。

 ボーイレッグっていうやつは活発にみえるけど、明日奈のイメージとは違うし、そっちの薄い緑のやつも同じ感じだ。

 最後のやつは可愛くて、だけど品があるし、女の子って感じがするからそれが良いと思ったんだ」

「じゃあこれにするね」

 

男の俺の感想で良かったのかは分からないが、明日奈が喜んでいるところをみるとあれで良かったらしい。

他の水着を元の場所に戻してから会計を済ませようとする明日奈に待ったをかける。

 

「俺が払うよ。プレゼントってことで、な?」

「うん、ありがとう和人くん♪」

 

顔を綻ばせて腕に抱きついてくる明日奈に俺は笑みを浮かべる。

そこそこ値は張るが、彼女の笑顔を見れるのならば安いといえる。

レジにて会計を済ませて俺たちは次の店へと足を進めた。

 

 

続いてやってきたのはランジェリーショップ……って、おいっ!

 

「なぁ明日奈。確かに俺はキミの行きたいところへと言ったが、なぜ下着を…」

「和人くんのせいだよ…///」

 

俺のせい? なぜかと聞こうと思ったところで、まさかと思った……俺が胸をとか、そういうオチじゃない、よな…?

 

「胸が、大きくなったの…和人くんが、胸をたくさん…//////(ごにょごにょ)」

 

そういうオチだったよ///! だからって上目遣いでこっちを見ないでくれ///

 

「分かったけど、会計はさすがに任せるぞ…」

「もちろん…でも、和人くんも選んでね///♪」

 

俺に逃げ場は、ないようだ…。

店に入ってから俺は明日奈の近くを片時も離れない。

ただでさえ居心地が良くはないというのに、ここで1人になれば針の筵というものだ。

そうだ無だ、無我の境地へと到れば、気になることなど…!

 

「和人くんはどっちのデザインがいいと思う?」

 

どうやら彼女はそうさせてはくれないようだ…もういい、どうにでもなれ。

 

「右の、そっちの方が清楚な感じがするから良いと思う」

「じゃあ次は、この大人っぽいデザインの2つ、どっちの色がいいかなぁ?」

「右、明日奈に合ってるよ…」

「えへへ~/// 次はね、こっちの可愛い感じのなんだけど…」

「それは左が良い、かな…うん、可愛くなるはず」

「この3つだね、決定♪」

 

ご機嫌な様子である明日奈の言葉に俺はようやく終わったかと思った……が、

 

「ねぇねぇ、これはどうかな?」

 

再び下着を選んで自身に重ねるように俺に見せてきた。

それによって思わず彼女の下着姿を思い浮かべてしまい、上気する頬を隠すように僅かに顔を逸らす。

すると、それを感付かれたようで明日奈は小悪魔的な笑みを浮かべて俺にこう言った。

 

「和人くん、気になるなら……試着してあげようか?」

「っ、頼むからいまはやめてくれ…///」

 

俺は柄にもなく明日奈に懇願した、いまばかりはそんなことを彼女がしたら俺の理性の糸は完全に千切れるだろうから…。

そんな俺を見て満足したのか、明日奈は嬉しそうに、けれど少し残念そうに会計へと向かい、俺は一足先に店から出た。

 

 

 

 

「お願いだから拗ねないでよ~、機嫌直して~」

 

少し困ったような、それでいて笑みは浮かべたままそう言う明日奈。

ランジェリーショップから移動した俺たちは喫茶店に入り、そこで昼食としてパスタを食べていた。

 

「別に…拗ねてないし、機嫌が悪いわけでもないよ…」

「嘘。それなら少しは笑ってくれてもいいのにぃ」

 

そうは言うが、俺がこんな態度であるのはキミが原因であろうに…。

 

「嘘じゃないよ……ただ…」

「ただ?」

「明日奈の…水着姿だけでなく、下着姿まで考えさせられた挙句、あんなことを言われたら、理性にも限界が来るんだ…///」

「そ、そうだったんだ…/// ごめんなさい///」

「いや、謝ることじゃないから、気にしないでくれ///」

 

食事の手が止まって赤くなる俺と明日奈。

愛する女性の水着姿と下着姿を想像し、果てには下着を試着してみせるなど言われ、

さすがに周囲に女性客が多い中で理性を保った俺は頑張ったと思うんだ。

もしも明日奈と2人きりでそんなことを言われていたら、理性を吹っ飛ばして事に及ぶ自信がある!

 

「まぁ、いまは食事を済ませよう。このあともデートは続くんだしな」

「そうだね。このあとも楽しまなくちゃね」

 

顔を見合わせて微笑み合った俺たちは食事を再開し、デザートを食べて休憩したあと、再び買い物に乗り出した。

 

俺はまず本屋に来たかったので揃って本屋へとやってきた。

最近では電子書籍が主流となってきたので、紙媒体の書籍は10年前に比べてかなり少なくなったと、母さんから聞いた。

それでも本屋ではまだ書籍が販売されているので、こうして偶に購入しに行く。

小説が主で歴史や神話、地域民謡なども読んだりする。学校の図書室や市立図書館なども利用するけどな。

 

それから明日奈と服などの夏物の衣類を見に行ったり、

ペットショップに動物や鳥、魚を見に行き、アクセサリーショップにも寄ってみた。

それにゲームセンターのUFOキャッチャーで某夢の国の鼠カップルのぬいぐるみを取ってあげると非常に喜ばれ、

プリクラを取ったりもした。

そんな感じで今日という楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、

午後5時頃に明日奈を送るために俺たちはショッピングモールをあとにした。

 

 

駅へと向かう道中、俺たちは手を繋ぎながら歩いている。

 

「今日も楽しかった~。ありがとう、和人くん♪」

「喜んでもらえてよかったよ。満足してもらえたかな?」

 

問いかけてみると喜んで応えようとした明日奈だったが、逡巡すると歩みを止めた。

 

「まだ…満足、してないよ…」

「え、どうし…」

 

何か不備があっただろうか?

そう思いながら彼女を見たところ、俺を見る明日奈の瞳は期待に満ちた色を持っており、頬は仄かに上気している。

これはまさか…。

 

「まだね、満足してないから…わたしを、満足させてください…///」

 

やはりというか、嬉しい限りのおねだりに俺はもう限界だった。

 

「分かった。満足させてみせるよ、お姫様…」

「はい///」

 

明日奈のお願いと期待に応えるため、俺は彼女の手を引いて手近なホテルへと向かい、逢瀬を過ごした。

 

言っておくが、ちゃんと午後7時までには送り届けたぞ。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

あとがき

 

さて、満足していただけましたかなw?

 

コーヒーは足りましたかな? それとも糖尿病になりそうでしたかな?

 

まぁ結果はどうあれ甘々には違いありませんでしたがね(黒笑)

 

とりあえずキリアスのイチャイチャは今回の日常篇で一度区切らせていただきまして、

次回はまたALOにおける“黄昏”を進めます。

 

それでは・・・・・・。

 

 

 

 

 


 
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