No.679944 九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=Blazさん 2014-04-19 12:52:30 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:656 閲覧ユーザー数:610 |
CP第一章 第二十話 「帰還」
miriとニュー。鈴羽とアルト。そしてBlazの五人だ。
五人はそのまま一直線にとある部屋に向かう。
その場所との距離が近づくにつけてBlazの身体には冷や汗が垂れ始める。
miri「・・・・・着いたぜ。」
Blaz「・・・・ああ。」
miriは一つの扉の前に立ち止まると、そのドアをノックした。
そして、ゆっくりとドアを開け、Blazと二人で入っていったのだ。
バタン。
鈴羽「・・・・・・大丈夫・・・・だよね。」
アルト「・・・多分な。」
ニュー「・・・・Blazぅ・・・・」
扉の前に残った三人は奥に行ったBlazの安否を気遣った。
其処から先は自分達は決して入ってはいけないと他の面々からも言われていたからだ。
そう。その場所とは。
miri「戻ったぜ。」
クライシス「戻ったか。Blaz。」
旅団の団長。クライシスがテラスで一人紅茶を飲んでBlazを見ていたのだ。
クライシス「miri。もういい。下がってくれ。」
miri「っ・・・・そんなに大事な話しなのか。」
クライシス「そうだ。」
miri「・・・・・解った。」
miriはクライシスと軽く言葉を交わすと直ぐに部屋を出た。
残ったクライシスとBlazは暫く黙っていた。
そして、Blazが息を吐くとクライシスに尋ねたのだ。
Blaz「・・・で。俺に話しって?」
クライシス「お前も・・・薄々解っている筈だ。」
Blaz「・・・・・だよなぁ。」
クライシスが彼に聞く事は唯一つ。
何の目的でイカルガへと向かったのか。
この際彼が独自の行動を取ったのは、正直クライシスにとってはどうでもよかったのだ。
それは、その行動の意味と誰から言われたのか検討が付いていたからだ。
クライシス「レイチェル嬢から何を言われ、何をする為にイカルガに赴いた。」
Blaz「・・・・・・正直な話。俺も最初はアイツからの依頼で詳しい内容は聞かされてなかった。最初は「管理局が図書館と手を組んだ。そして、イカルガに災厄が起こる。だからそれを止めに行ってくれ。」ってな。」
クライシス「・・・それで?」
Blaz「その後。一旦俺がクロガネに戻ってウサギに話を聞いた。この依頼の本当の目的と意味をな。んなら、アイツは何も言わずに答えてくれたぜ。」
クライシス「・・・・・・・。」
Blaz「「災厄の力が全てを無に還そうとする。それを消してくれ」てな。それがウサギからの本当の依頼。んで、俺はその依頼を果たす為にイカルガに戻ったんだが・・・」
クライシス「・・・・ワダツミで負傷という事か。」
Blaz「・・・・ああ。つか、団長はいいのかよ。竜神丸とZEROの奴等、完全に裏切ったぜ?」
クライシスは其れを聞くと紅茶を口にし、少し微笑んだのだ。
其れを見てBlazは意外な反応だと思い黙って話しを聞いていたのだ。
クライシス「気にするな。それ位は想定の範囲内だ。」
Blaz「はぁ!?」
クライシス「元より、彼の裏切りは私の想定内だった。今更焦る事も無い。」
Blaz「ッ・・・・・。」
命令無視・違反そして裏切り。全ては旅団の掟で極刑となる筈だ。
それを団長であるクライシスは「気にするな」と言う一言で全て片付けてしまったのだ。
だが、それは想定内だと言ったので恐らくは全て芝居なのだろうとBlazは思った。
クライシス「・・・兎も角。竜神丸については心配しなくて良い。」
Blaz「・・・・・・解った。アンタのその言葉を信用するぜ。」
クライシス「・・・・それと、Blaz。」
Blaz「ん?」
クライシス「私から。君に任務を与える。」
Blaz達が
イカルガでは・・・・・
アスナ「はぁ・・・・・あったまる・・・・・」
ノエル「そうだねぇ・・・・・・」
アスナとノエルがアキツの喫茶店でのんびりと暖かい飲み物を飲んでいたのだ。
ディアーリーズを探し、遥々アキツに来たはいいが、目撃談は一つしかなかった。
ノエル「にしても・・・ウルって人。統制機構の人に連れて行かれちゃったんだね・・・」
アスナ「そうねぇ・・・・ノエル。それより、ココの司令官と知り合いってホント?」
ノエル「知り合いって言うか・・・何て言うか・・・・・・兎も角。悪い人じゃないよ。」
アスナ「悪い人・・・・ねぇ・・・・・・」
アスナはそう言ってコルク版に張られていた手配書を見て心配に思えてきたのだ。
其処には、最高額の賞金首、「ラグナ=ザ=ブラッドエッジ」の手配書が張られていたのだ。
其れを見て最初はアスナもBlazかと疑いたかったが、流石にココまで不細工ではないと思い、別人だと思ったのだ。
ノエル「まぁ・・・・・良い意味で・・悪い人ではあるけど・・・・」
アスナ「はぁ・・・?」
ノエル「その・・・・・女の人の・・・・・・ね。」
アスナ「あ・・・・ああああ・・・・・そう言う・・・・・」
ノエルの言いにくそうな顔を見てアスナも失笑していた。
つまる所、女たらし。そして、その被害者。
彼女も大変なのか。と少し同情もするアスナだった。
アスナ「・・・所で。次は何処に行く?」
ノエル「・・・次はワダツミに行こうと思う。」
アスナ「ワダツミ・・・・・・」
ワダツミの単語を聞き、アスナは眉をひそめた。
ここでも最新の情報は幾らでも入ってくる。
その中でワダツミが管理局の襲撃を受けて大惨事となっていると聞き、最初は二人も驚いていたのだ。
アスナ「・・・いいの?今はまだ事件が起こって間もないし・・・警戒は厳重な筈よ。」
ノエル「・・・大丈夫。多分。」
アスナ「多分って・・・・・」
ノエル「自信ないけど・・・・実は一つだけ方法があるの。」
アスナ「方法が?」
この時はまだ、アスナは思わなかった。
「聞かなければ良かったと」。
だが。
数十分後・・・
アスナ「・・・ねえ、ノエル・・・・」
ノエル「何、アスナ?」
アスナ「あのさ・・・・方法があるって聞いたのは確かよ。けど・・・
まさか下水道だなんて思わなかったわ・・・」
ノエル「あはははは・・・・」
そう言って苦笑するノエル。
二人とも臭い異臭を防ぐ為に鼻を押さえており、それでも異臭が鼻の隙間から入っていたのだ。
ノエル「けど。ココから行けばワダツミの一角に出る筈だよ。何処に出れるかは解んないけど。」
アスナ「まぁ・・・中に入れるってだけでもマシね・・・・・」
すると。ノエルがはしごを見つけ、其処を上り始めた。
そして、片手でマンホールを押すと、フタはゆっくりと横にずれていった。
ノエル「よいしょっと。」
ノエルが先に上に上がると、アスナもそれに続いて上に上った。
其処は一面の森林でどうやら、ワダツミには入れたらしいとノエルとアスナは一安心するのだった。
アスナ「はぁ・・・・・臭かった・・・・・・・」
ノエル「と・・・取り合えずワダツミに着いたし・・・直ぐに街に着くよ。」
アスナ「街って言ってもねぇ・・・確か、殆ど半壊とかなんだって?」
ノエル「・・・・うん。今はどうなってるか詳しくは解んないけど・・・」
アスナ「・・・・・しゃーない。さっさと行くわよ。」
ノエル「えっ・・・ちょっ・・ちょっと待ってえ!?」
そう言って、二人は森林の中ほ歩き出し、イカルガ残党の住む街に向かって行ったのだ。
その先に何があるのかと知らずに。
その頃。統制機構、カグラの執務室では・・・
カグラ「さてと。ツバキに要請はしたし、後はどうすっかな・・・」
統制機構に戻ったカグラはマコトとココノエから預かったセリカと共に戻ってきていた。
そして、マコトにはセリカの護衛を任せ、カグラは今後の行動を考えていた。
コハク「捜索部隊からの報告はまだ来ていません。恐らくは・・・」
カグラ「バレたか・・・面倒な事になっちまったなぁ・・・」
コハク「それには統合本部もカンカンで、管理局の本局に抗議はしたらしいですが、未だに返答は無しだそうですよ。」
カグラ「返答無し・・・・ね。無視を決め込みますか。」
この時、まだカグラ達は知らなかった。
管理局の高官の大半は既に帝達によって抹殺されたていたのだ。
その返答が返って来ないという事は、向こうは無視しているとしか考えられなかったのだ。
コハク「それと、イカルガに駐留している全部隊には非常警戒態勢を発勁しておきました。」
カグラ「ご苦労さん。で、アイツからの報告で何か解った事は?」
コハク「・・・・。どうやら、管理局は追加の戦力を送る計画を立てていた様で、それが早ければ三日後には・・・」
カグラ「三日後・・・ね。規模は大体どの位だ。」
コハク「報告では・・・約十万。」
カグラ「・・・・すくねぇな。」
コハク「向こうも色々と切羽詰ってるんでしょうね。」
カグラは取り合えずそうしておこうと思い、椅子に深くもたれかかった。
そんな時、扉がノックされ、向こうから衛士の声がしたのだ。
「ムツキ大佐。ご報告が。」
カグラ「・・・・良いぜ。入って来い。」
「はっ。」
扉が開き、一人の衛士が入る。
そして、敬礼をし、カグラに報告を言ったのだ。が。
「失礼します。ムツキ大佐。」
カグラ「・・・で。報告って何だ?」
「はっ・・・・実は・・・・・・・オイ。」
衛士が扉の方へと声を掛け、其処から二人の衛士が入ってこようとしていた。
其れを見てカグラとコハクは不思議そうな顔をするのだが、直ぐに表情は一変するのだった。その訳は・・・
コハク「・・・・・。」
カグラ「・・・・・・・・・あーあ・・・こりゃまた意外な・・・・・・」
其処には二人の男女が担がれていた。その二人とは・・・
フェイト「・・・・きゅう・・・・・・・」
ルカ「おおおおお・・・・・・・」←表情真っ青
マコト「ええっと・・・・・・」←申し訳なさそうな顔
セリカ「・・・・・・・//」←少し頬を赤らめている
と言った具合のフェイトとルカ。そして、ついでにマコトとセリカが入って来たのだ。
カグラ「まさかこんな所で会うとは・・・・つかどうしてそうなってるんだ、マコト。」
話を振られたマコトは言いにくそうな顔で、何が起こったかを話したのだ。
マコト「ええっと・・・・・その・・・・・話は少し前に戻るんだけど・・・・」
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数十分前・・・
マコト「ねぇ・・セリカ?」
セリカ「? 何?」
マコト「すっごい失礼な質問なんだけどさぁ・・・・」
セリカ「? 大丈夫、多少は慣れてるし!で、何の質問?」
マコト「もしかして・・・・・・・・
凄く方向音痴?」
セリカが少しトイレに行くと言い、しばらく待っていたマコト。しかし、十分経っても戻って来ないので、マコトが迎えに行ったのだが。何故か自分との距離感一キロメートルほどで迷子になっていたのだ。
其れを見てマコトは内心呆れ、セリカに尋ねたという事である。
セリカ「そう?」
マコト「うん・・・・凄くそう思う・・・ってか、そうは思わないの?」
セリカ「うん。」
マコト「・・・・・・・・。」
セリカの天然過ぎる性格に呆然とするマコト。
よくそれで生きていられたなと思う程だ。
だが、彼女に驚くのは其れだけではなかったのだ。
セリカ「あ。そうだ。」
マコト「ん?どうかしたの?」
セリカ「うん。実はさっき、人が倒れてたから・・・・・」
マコト「あー・・そっか。そりゃ大変だった・・・・ってえええええ!?」
ルカ「ううっ・・・・・・臭かった・・・・・」
フェイト「うっ・・・・・・」
同じく下水道を使って移動をしたルカとフェイト。
潜入という事で下水道を選んだのだが、どうやら異臭には耐えられなかったらしい。
ルカ「ああ・・・・ようやく臭いが・・・・」
少し臭いが取れてきたと思い、ルカが鼻に当てていた腕を広げたのだが・・・
むにっ
ルカ「あれ・・・・何だコレ。」
何か柔らかい物がうでに当たったので、ルカは手を動かした。
それでも解らなかったので、顔を向けたのだが・・・
ルカ「・・・・・・・・・・・。」
なんと。ルカは隣で大の字になっていたフェイトのフロント上部を鷲掴みにしていたのだ。
その間十秒。
ルカ「・・・。」
フェイト「・・・。」
ルカ「・・・・。」
フェイト「・・・・。」
ルカ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」←顔が青ざめている。
フェイト「あ・・・・あ・・・・・アキヤの・・・・・・・・・・
馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」←バルディッシュ装備。
ルカ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!??!?!ふふふふふふぇふぇふぇふぇフェイト
、これはそのそのそのそのその・・・ま・・マジで誤解だって!!」
フェイト「問答無用ッ!」
ルカ「ええええ!??!?」
そう言って二人はリアルな鬼ごっこをしていた。
しかし。余りに周りを見ていなかったので、フェイトが転んでしまい・・・
ガッ!
フェイト「うわっ!?」
ルカ「い゛っ!?」
そのまま二人は転がっていったのだ。
そして、森林の中でやっと止まり、これで安心かと思いきや・・・
フェイト「うっ・・ううんっ・・・・」
ルカ「いたたたた・・・・・・ったく、フェイト。少しは気をつけて・・・・・」
フェイト「だって・・・アキヤが・・・・・・・・・・・・アキヤが・・・・・・・」
今の二人の状況。
フェイトが下に倒れており、アキヤがその上に立っている。
二人共顔は向き合って、しかも少し服が偏っている。
ガサガサガサ・・・
セリカ「えっと・・・確かこっちだったよね。声がしたの。」
マコト「そうだ・・・・・・・・・・・・・ね・・・・・・・・・」
セリカ「ほえ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
それを傍から見たらどう思うか。簡単だ。
押し倒した男。押し倒された女。
襲われる数秒前。
結果。
マコト「いっぺん死ねええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
ルカ「何でだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????!!」
結果。マコトの懇親の一撃がルカに入り、それにフェイトも巻き添えを食らったとの事。
ちなみに、その誤解が解けたのはバルディッシュの弁護のお陰だったとか。
--------------------------------------------------------------------------------
再び現在・・・
ドサッ。
二人をソファの上に寝かせ、衛士達は退出する。
そして、全てを話したマコトは申し訳なさそうな顔をし、カグラはそれを聞いて呆れていた。
カグラ「ラッキースケベめ。」
別の意味で。
マコト「で・・・・この人って確か・・・・・」
カグラ「ん?ああ。意外も意外だな。」
改めてカグラは椅子から立ち、フェイトの顔を覗き込んでいた。
そして、一枚の写真を見比べ結論を述べたのだ。
カグラ「フェイト・T・ハラオウン。まさか、既に連れ出されていたとは。」
マコト「けど、この人って確か・・・」
カグラ「行方不明・・・か?そりゃレイチェル嬢の仕業だろうな。」
マコト「へえっ・・・・・どうして?」
カグラ「さぁな。俺もしらねぇ。けど、ココノエ絡みでもあるみたいだぜ。」
すると。ルカとフェイトが目を覚まし、カグラはフェイトの顔を見ていた。
フェイト「っ・・・・・ううっ・・・・・ココは・・・・」
カグラ「どうやら二人共起きたようだな。まるで愛し合う恋人だぜ。」
フェイト「っ!!貴方は・・・・・」
カグラ「お初にお目にかかる。俺はカグラ。カグラ=ムツキ。イカルガ支部の司令官で統制機構近衛師団の団長だ。」
フェイト「カグラ・・・・・・・ムツキ!?」
フェイトは勢い良く起き上がり、カグラの顔をしっかりと見た。
突然の事に驚く面々だったが、カグラとコハクは冷静な顔だった。
カグラ「どうやら・・・話しは聞いていたらしいな。」
フェイト「ッ・・・・・・お願いがあります。」
カグラ「お願い・・・?」
フェイト「六課の皆に・・・・・会わせて下さいッ!」
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青年達は動く。
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