No.677700 九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影=Blazさん 2014-04-10 09:30:02 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:767 閲覧ユーザー数:695 |
CP第一章 第十八話 「日の光を浴びる者達」
ヤヒコ、ダウンタウンストリート・・・
ダウンタウンのストリートを歩く二人の女。
片やブロンドのロングをなびかせ、二丁の銃を腰に下げ。
もう一人は薄い茶色のロングで薄い紫の上着とスカートを纏う。
ノエル「それじゃあ。アスナもそのウルって人を探しに?」
アスナ「ええ。しかし、目撃談が聞けただけでも良かったわ。後は探すだけだし。」
ノエルはアスナはそう言ってストリートを歩く。
ノエルに場所を聞こうとしたアスナは話す内に互いの目的が同じで、且つ旅団メンバーという事で、共に行動しようという事になったのだ。
ノエル「でも、イカルガの何処を?ここって幾つもの階層都市が集まって出来た場所なんだよ?」
アスナ「うーん・・・そうなのよね・・・・・・」
そして、ノエルからディアーリーズがココに居るという確かな情報を得たアスナは歩き始めたのだが、実際どの階層都市から行くべきかと迷っている状況だった。
其処で、ノエルが提案を出したのだ。
ノエル「兎に角。この先にあるアキツで情報を集めようよ。」
アスナ「えっと・・・アキツって確か・・・・・」
ノエル「あ・・・・雪、降ってたんだ・・・」
先行きが重く感じた二人だった。
一方。ワダツミのバングの屋敷では・・・
パタン。
キャロ「もう大丈夫です。」
Blaz「おう。サンキューな。」
戦いに出ていたメンバーが手当てを受けている最中だった。
特に、Blazやmiriたちの怪我が酷かったが、安静にしていれば直ぐに直るという事で一応の安心をしていた。
そして、其処に態々と言う程ではないが、ココノエがやって来たのだ。
ココノエ「身体はどうだ。」
Blaz「ココノエか。・・・・未だに右目と右腕がうごかねぇ。」
ココノエ「・・・・そうか。」
Blazとラグナの腕と目が動かない理由。それはセリカが周りの魔素を清浄化させているからだ。しかし、この世界では逆に魔素は幾らでもあるのでラグナは問題は無いのだが、Blazはそうも行かなかった。
Blazは以前渡った世界で習得した魔法により、魔王クラスの魔物と契約し、力を貰っていたのだ。その結果、彼の魔法は通常の物よりもやや威力が高いのだ。しかし、代償としてより多くの魔力を消費するので、Blazはそれを魔素などで代用していたのだ。
だが、現在はその魔素が無くなったので、魔王の力が暴れだして激痛となった。
其処で、ココノエはキリヤに魔法陣紙を渡し、それをBlazに流し込んだのだ。
ココノエ「キリヤが張った魔法陣紙の効果は一時的に体外からの魔法供給を遮断させる物だ。しばらくは赤眼の魔王の力や蒼の魔道書は発動出来んからな。」
Blaz「解った。サンキューな。」
ココノエ「・・・所でラグナ=ザ=ブラッドエッジは?」
キャロ「ラグナさんなら、デルタさん達と何か話してましたよ?」
ココノエ「・・・・・そうか。」
屋敷の大間。其処にはデルタやawsと言った旅団の面々の他に、所々に手当ての跡があるカグラ。途中参戦をしたマコト達も其処に居たのだ。
話している事は当然、ワダツミの状況である。
デルタ「・・・・・。結論からすれば、辛うじての勝利・・・ですかね。」
朱音「・・・・だな。忍軍は半数近くがやられたのだろ?」
キリヤ「そう聞いてる。それに、バングって人も怪我が酷いらしいし・・・」
ラグナ「それよか、どうして管理局って連中はココを襲撃したんだ?」
aws「っとそうだな。何の気なしって事も有り得たけど、何らかの理由があった筈だ。」
すると。全員は目線をカグラに向ける。
カグラはその目線を受け止め、軽く息を吐くと襲撃の理由を話し始めたのだ。
カグラ「そうだな。理由は幾つか出ている。一つは事象兵器。もう一つは、六英雄。」
キリヤ「なるほど。六英雄は管理する際の邪魔者。事象兵器は管理対象か、差し詰め私物化する気だったのかもな。」
kaito「それだけじゃない。この制圧の徹底さだから、多分イカルガ残党も対象に入ってたんだろうぜ。」
マコト「・・・幾らこの世界を管理したいからって、初っ端から飛ばしすぎでしょ。」
げんぶ「確かにな。やるならどれか一つに的を絞っておけば、連中も無駄な犠牲が無かったんだろうに。」
夜深「無駄な犠牲ね・・・・・今の本局の錬度じゃ無理かもな。」
カグラ「それに、奴等はシシガミの五十五寸釘を狙ってきた。多分アレもだ。」
マコト「えっと、纏めると・・・」
朱音「連中の狙いは事象兵器と五十五寸釘の確保。そして、六英雄の排除とイカルガ残党の殲滅・・・」
キリヤ「見事にバラバラだな。」
ラグナ「んなモン、直ぐに失敗するってぇの。欲張ったあいつ等が馬鹿なだけだ。」
デルタ「確かに。で、カグラ。そのバング本人は?」
カグラ「・・・・・・・相当の重傷だったらしいぜ。生きてるのが奇跡だって、女医さんが言ってたぜ。」
別室・・・
別室では其処に一人の男が寝かされていた。
頭の上には水桶とタオル。そして、変えられた包帯。
そして、その人物の着ていた服と一本の釘が置かれていた。
その近くには一人の女性と青年が正座していた。
ライチ「・・・・それじゃあ・・・一旦戻るわね。」
ライチはそう言って席を外し、襖を開けて出ようとした。
しかし、少し気になり、後ろを振り返ると。
其処には未だに正座して寝ている人物を見る青年が居たのだ。
それを悲しげにライチは見つめ、彼女の髪留め代わりになっているパンダのラオチュウも悲しそうな顔をしていたのだ。
パタン。
襖が閉まり、足音が遠のいていく。
其処には眠る一人の男とそれを見つめる青年しか居なかった。
そして。次第に目に涙を溜めて静かに泣き始めたのだ。
「っ・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
誰に向かっての謝罪か。それでも唯青年はそう言って静かに謝っていた。
自分の所為で彼を傷つけてしまった。自分が弱かったからと。
そう後悔の思いをずっと心の中に出し続け、スバルは眠るバングに謝罪し続けていたのだ。
再び場所は面々が話し合っている大間。
其処に新たにBlazとライチ、そしてココノエ、更にはキャロも加わっていた。
カグラ「兎に角。一応として階層都市の外部に部隊を配置する。今はそれと内部の厳重な偵察しか出来る事が無いからな。」
デルタ「・・・・解った。俺はもうしばらくココに残る。で、Blaz達は?」
Blaz「俺はウサギに頼み事言われてっけど。しばらく無理だな。」
miri「なら。一旦俺と来い。団長がお前を呼んでるからな。」
Blaz「・・・・・・・。」
デルタ「げんぶとkaitoは。」
げんぶ「俺は白蓮を人質にしたヤツを探す。恐らくこのイカルガの何処かにいる筈だからな。」
kaito「俺は、一旦本拠に戻る。色々と下準備しないとな。」
aws「なら、俺ももう少し残る。連中、絶対諦めてないだろうしな。」
デルタ「・・・そうか。夜深、お前は?」
夜深「なら、俺は師匠と・・・」
ココノエ「お前はレイチェルの所に戻れ。あいつ、かなりキレてたぞ。」
夜深「・・・・・・・・・・。」
キリヤ「俺はしばらくここに居るぜ。ルカの事もある。」
朱音「・・・・・・・。」
aws「朱音姉さんは?」
朱音「私は・・・・別行動だ。色々とやる事がある。」
カグラ「・・決まりだな。んじゃ全員、気ぃ付けろよ。連中今、ピリピリしてる筈だ。」
げんぶ「ああ。カグラもすまなかったな。」
そう言って旅団メンバーはそれぞれ別行動をとり、目的の場所に向かったりをした。
一方。他の面々はどうするのかとデルタが尋ねた。
デルタ「で。ライチさんは?」
ライチ「私はバングさんの事もあるし・・・ココに残りたいけど・・・・」
キリヤ「・・・大丈夫。いざって時にはこの子も居るし。」
キャロ「んっ・・・・・」
キリヤがそう言ってキャロの頭に手を置くと、彼女は少し恥かしそうにした。
その表情を見て、ライチは少し安心し、キリヤの言葉に甘える事にしたのだ。
ライチ「そう・・・・なら、少しの間、バングさんをお願いね。」
キャロ「はいッ!」
カグラ「んじゃ俺は一度戻りますかね。マコトはどうする?」
マコト「アタシはノエル探したいし・・少しココに残ります。」
カグラ「よっしゃ。こっちで見つけたら直ぐに連絡するからな。」
マコト「お願いします、カグラさん・・・」
デルタ「ラグナ。お前はどうする。」
ラグナ「・・・決まってんだろ。テルミを・・・・サヤを探す。それに・・・・・」
デルタ「・・・・・解った。唯、無理はするな。特に、高町なのはにはな。」
ラグナ「・・・確か、エース・オブ・エース・・・だっけか。心配なんざいらねぇっての。」
デルタ「・・・・そうか。解った。」
ココノエ「さて。私達も戻るぞ、テイガー。」
テイガー「それはいいのだが・・・・いいのか?彼女を置いて・・・」
ココノエ「心配するな。アイツはカグラが引き取る。」
テイガー「そうか・・・・了解した。」
こうして、ワダツミ防衛に参加した者達はそれぞれの目的に向かった。
ある者は本来の目的の為。
又ある者は一度戻る。
そして、ある者は再びワダツミの攻撃を守る為に残る。
それぞれがそれぞれの目的の為に動き始めていた。
しかし。それはココだけではないのだ。
それは意外な場所でもある。
統制機構、統合本部・・・
第一階層都市にある統制機構の本部。
其処は各師団長の執務室もあり、普段師団長は其処で仕事をするのだ。
かつてジンもココで仕事をしていたのだが、ジンが失踪。
その後空いたその部屋をある人物が使用していた。
「・・・・・・ふうっ・・・・・・・」
白が基調の服。小さな羽が二つ付いた帽子。
そして、武器として近くには本型の盾とペン型の剣が置かれている。
その服を纏い、武器を扱う人物はデスクの上で自分の仕事の事務を難なくこなしていたが、少し疲れたのか、軽く背を伸ばした。そして、疲れを取ると、赤いロングヘアーを椅子との間に挟みこんだ。
「流石に事務は疲れるなぁ・・・・・」
統制機構、十二宗家の一つ「ヤヨイ家」の後継者。ツバキ=ヤヨイ。
とある事情から、一度本部に帰還「されられた」のだ。
理由としては恐らく、彼女の利用価値が無くなったとハザマは判断し、イカルガで抹殺しようとしていたが、逆に返り討ちに会い、結果彼女自身の意志でココまで戻ってきたと言う所である。
そんな彼女は迷いを断ち切ったのか、前とは違い少しスッキリとした顔で友人が見れば昔に戻ったと言ってもおかしくは無い表情と雰囲気だった。
ツバキ「・・・やっぱり、もう一度イカルガに行くべきよね・・・・」
ハザマに襲撃されたとわいえ、流石に無断で戻るのは命令違反だと思ったツバキ。
しかし、違反の取締りは一向に行われず、逆に不思議がっていた。
ツバキ「・・・よし。やっぱり行かなくちゃ。」
そう言ってツバキが再びイカルガに戻ろうと決意した時。
誰かがドアをノックする音がしたのだ。
コンコン。
ツバキ「・・・・どうぞ。」
すると。入ってきたのはヴィータだった。ただし、顔には所々に包帯が付けられており、どうやら戦いをした後だというのが一目でわかった。
ツバキ「えっと・・・大丈夫ですか、ヴィータ少尉・・・・」
ヴィータ「あ・・・だ・・大丈夫です。」
ツバキ「で。私に何か?」
ヴィータ「あ。そうだった・・・これを。本部からの報告書と先程統制機構側から渡された指令書です。」
ヴィータはそう言うと持ってきた二つの資料を渡し、少し後ろに下がった。
ツバキはそれを直ぐに目を通し、考え事をしたのだ。
ツバキ(ムツキ大佐からの召集令状。そして・・・・・管理局部隊に著しい被害。それに伴う統制機構への大規模な支援要請・・・)
自分が少し離れている間イカルガで何が起こったのか。それを気になったツバキはこの要請を受諾しようと思ったのだ。
そして、用事が終わったヴィータは急いで部屋を出ようと焦ったのだ。
ヴィータ「あ・・・そ・・それでは・・・これで・・・・!」
ツバキ「あ。待って。」
ヴィータ「・・・・っと・・まだ・・・何か?」
ツバキ「・・・少し待ってて。お茶を入れるから。」
上官命令となれば絶対に従わなければならない。
だが、その内容によっては受ける側の感情も変化する。
しかし。こんな時、自分はどう反応すればいいのだろう。と時折思う事もあるのでは?
そんな事も稀にある物だ。
そう。今のヴィータの様な状態もそれかもしれない。
ヴィータ「・・・・・・・。」
突然ツバキに呼び止められたヴィータ。
ツバキはそんな彼女に緑茶を入れてあげ、それをヴィータの前に差し出したのだ。
彼女は少し急いでいる様な仕草をしていたが、ヴィータ自身そんなに急ぐ理由も、意味も、目的も、ましてや予定もない。今、彼女の心は急ぎと落ち着きが渦巻いていたのだ。
ツバキ「どうぞ。」
ヴィータ「あ・・・ありがとうございます・・・・・」
そう言って湯のみを取り、ゆっくりと口の奥に緑茶を流し込む。
しかし、不思議と熱いお湯ではなく、少し温い温度だったのだ。
ヴィータ「・・・・・・・!」
ツバキ「・・・・・フフッ・・」
そのお陰か、自然と狭くなっていた肩が少しだけ解れた様な感じをヴィータは感じたのだ。
ツバキは其れを見て少し笑っていた。どうやら、彼女は敢えてお茶を少し冷ましてから出したらしい。
自然と湯はヴィータの口の奥に流れ込んでいく。
そして、自然と身体の奥が暖かくなり、凍っていた何かが解ける様な感じがしたのだ。
ヴィータ「・・・・・・・・・・。」
ツバキ「だいぶ焦ってたみたいだから・・・お口にあったかしら?」
ヴィータ「あ・・・・はい・・・・・・」
ツバキ「・・・・・何が・・・あったの?」
すっかりとさっきまでの焦りは何処かに消え、感情は落ち着きを取り戻していた。
ツバキはそんなヴィータに尋ね、何があったのかを聞いた。
そして、ヴィータも湯のみを置くと、静かに語りだしたのだ。
ヴィータ「何か・・・・正直六課が六課じゃなくなって来てるって感じがしたんだ・・・」
ツバキ「六課・・・貴方の所属する?」
ヴィータ「ああ・・・ココに来てから、フェイトが消えたのを始めに、フォワードの奴等も行方不明になっちまってさ・・・・・其れからなんだ。シグナムの雰囲気が・・・冷たくなったのが。」
ツバキ「・・・シグナム少尉・・・・確か六課の副隊長ね。」
ヴィータ「・・・シグナムって昔から少しお堅いイメージがあったんだけど・・・結構熱い奴だったんだ。けど・・・皆が行方不明になってから・・・容赦なくあいつ等を切り捨てた様な言い方をしだしたんだ・・・」
ツバキ「・・・・・・・・。」
ヴィータ「それを知ったアタシもはやても、注意は何度もしたんだけど・・・聞きもしなかったし、逆に反論されたりもしたんだ。」
ツバキ(はやて・・・八神はやてさんね。確か若くして中佐に上り詰めた・・・その上官でさえもだなんて・・・しかもあの子の言い方からして・・・)
ヴィータ「それからだ。アイツと・・・なのはが少しずつ狂い始めたのは。」
ツバキ「・・・・・・・エース・オブ・エース・・・・高町なのは大尉。様々な事件を解決したって人ね。」
ヴィータ「まぁな。その時は・・・アイツらしいと言えばアイツらしかった。良くも悪くも・・・だけどさ。ココに来てからは・・・まるで力で全てを支配できるって本気で考え始めたんだ。アタシもはやても、皆それが怖くってさ。」
ツバキ「・・・確かに・・・力で支配は出来る。けど、それは表面だけよ。」
ヴィータ「そう。けど、実際なのはは六課の実質的指導者に成り代わろうとしている。寧ろ、はやてをお飾りにって感じで・・・」
ツバキ「・・・八神中佐を傀儡にって事?」
ヴィータ「そうされかけてるかな・・・それに・・少しずつではあるけど、アイツ、管理局やこの統制機構にも力を及ぼし始めてるし・・・」
ツバキ「・・・・・・・・っ。」
驚きは隠せなかった。たった一人の女性が其処までのカリスマを持っていたのかと。
しかし、実際彼女のカリスマは其処まで高くは無い。
半ば実力と、自分の教え子達などの伝染である。
次々と自分の周りの者達が消えていき、最も信頼していた者までも消えてしまった。
そして、次に会った時には敵になっていた。
常人ならもう耐え切れないであろう事だ。
つまり、彼女は少しずつ精神が波状しかけている。
このまま行けば彼女は、なのはは確実に精神が崩壊し、築き上げてきた全てが無に還る事に成りかねないのだ。
ツバキ「・・・・・・・・。」
全てを話したヴィータはガスが抜けたかのように気力も抜けた様な顔になっていた。
そして、彼女が見えない所で、ツバキは決心をしたのだった。
ツバキ「・・・・よし。なら、行きましょう。」
ヴィータ「・・・・え?」
ツバキ「このまま・・・彼女達をほっておく訳にはいかない。だから・・・止めに行きます。」
ヴィータ「えっ・・・まさかなのはを!?」
その返事として強く肯くツバキ。
しかし、ヴィータは有り難いと同時に心配もしたのでツバキに言い返した。
ヴィータ「け・・・けど、アイツ今の状態じゃ何しでかすか・・・!」
ツバキ「だからよ。」
ヴィータ「っ・・・・・・」
ツバキ「今止めなければ、彼女は大変な事になる。それは私も十分解るわ。だから、止めるなら今をおいて他に無い。そうでしょ?」
ヴィータ「・・・・・・・。」
ツバキ「自分の心に・・・正直になりなさい。」
ヴィータ「・・・・・・・。」
そして。
ヴィータ「・・・アタシは・・・・はやてを・・・・・みんなを助けたい。」
ツバキ「・・・・・。」
ヴィータ「難しい事は・・・やっぱアタシには無理だ。アタシは・・・唯単純な理由で今まで来たからな。」
その言葉を待っていたのか。ツバキは笑みを浮かべた。
そして、ヴィータに対し自分が今考えた事を口に出したのだ。
ツバキ「決まりね。」
ヴィータ「へ?」
ツバキ「・・・・・略式ではありますが、ヴィータ少尉。貴方を臨時の私の補佐官に任命します。無論。これは上官命令でもあります。」
ヴィータ「・・・・・・・ッ!」
ツバキ「よろしいですね?」
ヴィータ「・・・・・・了解しました。ツバキ少佐。」
ヴィータはそう言って敬礼しツバキも敬礼で返す。
どうして彼女がそう言ったのか。大体の理由はわかる。
けど、詳しくは解らない。だが、今の自分はそれでいい。
そう思い。ヴィータはツバキの顔を見つめるのだった。
ツバキ「では。これより私達はイカルガへと出発します。」
ヴィータ「イカルガ・・・・」
ツバキ「ええ。今回イカルガ支部のカグラ大佐から要請があったので、その要請に応じ私達はイカルガに向かいます。」
そして、そのイカルガでは、また一人。貴方な者がその地に足を踏み入れた。
イーリス「イカルガ・・・・・・ココに・・・彼が・・・・・」
探し人を探し。また一人。
イカルガは次第に激戦の地へと変貌する。
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